金融商品取引業者の健全性を守るオフサイト・モニタリング

金融商品取引業者の健全性を守るオフサイト・モニタリング

投資について知りたい

先生、「オフサイト・モニタリング」ってどういう意味ですか?投資の用語らしいんですけど、よくわかりません。

投資アドバイザー

「オフサイト・モニタリング」は、金融商品取引業者を監督する人が、会社に行かずに、会社から提出される財務情報とかリスク情報とかを見て、会社の経営が健全かどうかを常にチェックすることだよ。

投資について知りたい

会社に行かずにチェックするんですか? どうやってチェックするんですか?

投資アドバイザー

会社から定期的に財務報告書とかリスクに関する報告書が提出されるから、それを分析してチェックするんだ。例えば、会社の財産状況とか、利益が出ているかどうかとか、リスクをちゃんと管理できているかなどを調べるんだよ。

オフサイト・モニタリングとは。

「オフサイト・モニタリング」っていう投資用語があるんだけど、これは、金融商品を扱う会社が、お金のことやリスクのことについていつも報告するようにお願いして、会社がちゃんと経営できているか、いつも見ておくことなんだ。

オフサイト・モニタリングとは

オフサイト・モニタリングとは

– オフサイト・モニタリングとは金融商品取引業者、例えば証券会社や銀行、保険会社といった企業の経営が健全かどうか、継続的に監視する仕組みがあります。それが「オフサイト・モニタリング」です。従来の金融機関検査は、検査官が金融機関に出向いて検査を行う、いわゆる「オンサイト検査」が主流でした。一方、オフサイト・モニタリングでは、検査官が直接足を運ぶことはありません。\その代わりに、金融機関から定期的に提出される財務諸表やリスクに関する情報などを分析することで、金融機関の経営状況を常に把握するのです。\オフサイト・モニタリングで分析される情報は多岐に渡ります。例えば、財務状況を把握するために、資産や負債、収益などの情報が分析されます。また、リスク管理状況を把握するために、市場リスクや信用リスク、オペレーショナルリスクなどの情報も分析されます。\このように、オフサイト・モニタリングは、金融機関の経営状況を継続的に監視し、問題の早期発見と予防を目的とした重要な仕組みと言えるでしょう。

項目 内容
定義 金融商品取引業者(証券会社、銀行、保険会社など)の経営健全性を継続的に監視する仕組み
従来の検査方法 検査官が金融機関へ出向き検査を行うオンサイト検査
オフサイト・モニタリング実施方法 検査官は直接足を運ばず、金融機関から提出される財務諸表やリスク情報等を分析し、経営状況を把握
分析情報 – 財務状況把握のため、資産、負債、収益など
– リスク管理状況把握のため、市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスクなど
目的 金融機関の経営状況を継続的に監視し、問題の早期発見と予防

監視の対象となる情報

監視の対象となる情報

– 監視の対象となる情報金融機関の健全性を継続的に監視するため、オフサイト・モニタリングでは、多岐にわたる情報が収集・分析の対象となります。具体的には、財務諸表、業務報告書、リスク管理報告書などが挙げられます。これらの資料から、金融機関の経営状況を多角的に把握するために必要な情報を抽出します。財務諸表からは、自己資本比率や流動性比率といった財務の健全性を示す指標を分析します。自己資本比率は、銀行が自己資金でどの程度業務を行っているかを示す指標であり、比率が高いほど財務基盤が安定していると考えられます。また、流動性比率は、預金など急に引き出される可能性のある資金に対して、すぐに現金化できる資産をどの程度保有しているかを示す指標であり、短期的な支払い能力を測る指標となります。業務報告書からは、顧客から預かっている資産の運用状況を把握します。融資先の業種や地域、融資の金利などを分析することで、金融機関がどのようなリスクを取りながら収益を上げようとしているのかを把握します。リスク管理報告書からは、市場リスクや信用リスクへのエクスポージャーを分析します。市場リスクとは、金利や為替の変動によって資産価値が変動するリスクを指し、信用リスクとは、取引先が債務を履行できない状態になるリスクを指します。これらのリスクへの備えが十分かどうかを確認することで、金融機関の安全性を評価します。このように、オフサイト・モニタリングでは、多岐にわたる情報を総合的に分析することで、金融機関の経営状況を的確に把握することが重要となります。

資料 分析内容 指標・分析対象
財務諸表 財務の健全性 自己資本比率、流動性比率
業務報告書 預金資産の運用状況 融資先の業種・地域、融資金利
リスク管理報告書 市場リスク、信用リスクへのエクスポージャー 金利変動、為替変動、債務履行リスク

オフサイト・モニタリングの目的

オフサイト・モニタリングの目的

金融機関は、私たちが安心して生活を送る上で欠かせない存在です。預金を守ったり、企業への融資を行ったりすることで、経済活動を支えています。しかし、その一方で、金融機関は常に経営の健全性を維持していかなければなりません。もしも、金融機関が経営に行き詰まってしまったら、預金者の預金が引き出せなくなったり、企業への融資が滞ったりするなど、私たちの経済活動に大きな影響が及んでしまうからです。
オフサイト・モニタリングは、このような事態を未然に防ぐための取り組みです。金融機関を監督する立場にある当局が、金融機関の経営状況を常時監視し、問題があれば早期に発見し、是正を促します。具体的には、金融機関が提出する報告書等を分析したり、必要に応じて金融機関にヒアリングを行ったりするなど、様々な方法でモニタリングを実施しています。
オフサイト・モニタリングの目的は、金融機関の経営の健全性を維持し、ひいては預金者や投資者を始めとする顧客、そして金融システム全体を守ることです。金融機関が健全性を保ち続けることで、私たち一人ひとりが安心して経済活動に参加できる社会が実現するのです。

金融機関の役割 金融機関の経営の重要性 オフサイト・モニタリングの目的 オフサイト・モニタリングの内容
預金の保護、企業への融資による経済活動の支援 金融機関が経営に行き詰まると、預金が引き出せなくなったり、企業への融資が滞ったりするなど、経済活動に大きな影響が生じる。 金融機関の経営の健全性の維持、顧客・金融システム全体の保護 金融機関の経営状況の常時監視、問題の早期発見と是正措置

  • 金融機関が提出する報告書等の分析
  • 金融機関へのヒアリング

早期是正措置

早期是正措置

金融機関は、預金者から預かったお金を企業への融資などに活用することで経済を支えるという、重要な役割を担っています。しかし、その一方で、融資が焦げ付くリスクなど、常に経営が不安定になる可能性もはらんでいます。
そこで、金融機関の経営が健全かどうか、常に監視する仕組みが必要となります。これが、金融庁などの監督当局による『オフサイト・モニタリング』や『オンサイト検査』です。オフサイト・モニタリングとは、金融機関が提出する報告書などの資料をもとに、経営状況を継続的にチェックすることです。オンサイト検査とは、監督官が金融機関に直接出向き、より詳細な検査を行うことを指します。
これらの検査の結果、経営状況に問題が見つかった場合、監督当局は、金融機関の経営を早期に改善するために『早期是正措置』を講じます。これは、経営の改善に向けた具体的な計画の提出を求める『業務改善命令』や、自己資本比率の増加を求める『資本増強命令』などです。早期是正措置は、金融機関の経営を早期に立て直し、顧客や金融システムへの影響を最小限に抑えるために、重要な役割を担っています。

金融機関の監督 内容 目的
オフサイト・モニタリング 金融機関が提出する報告書などの資料をもとに、経営状況を継続的にチェックする。 金融機関の経営が健全かどうか、常に監視する。
オンサイト検査 監督官が金融機関に直接出向き、より詳細な検査を行う。
早期是正措置
(業務改善命令、資本増強命令 等)
経営状況に問題が見つかった場合に、監督当局が金融機関の経営を早期に改善するために講じる措置。 金融機関の経営を早期に立て直し、顧客や金融システムへの影響を最小限に抑える。

まとめ

まとめ

– まとめ金融機関の経営が健全であるかどうかを、常に監視していくことは、利用する顧客と金融システム全体を守るために、とても重要な役割を担っています。この監視活動は、金融機関の職員が、日頃から行っている業務に加えて、金融庁などの監督官庁が、金融機関の現場に赴き、直接検査を行うことによって、より確実なものとなります。近年、世界の金融取引は、国境を越えて活発に行われるようになり、また、コンピューター技術の進歩によって、取引の速度も速く、複雑になっています。こうした変化に伴い、金融機関を取り巻くリスクは、以前にも増して、複雑化し、高度化しているため、金融機関の経営状況を、現場で直接確認するオフサイト・モニタリングの重要性は、今後ますます高まっていくと考えられます。

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