銀行の預金は預金だけじゃない?派生的預金とは
投資について知りたい
先生、「派生的預金」って、どういう意味ですか?普通の預金とは違うんですか?
投資アドバイザー
いい質問ですね!実は、銀行に預けられたお金は、そのまま全て保管されているわけではなく、一部は loans として貸し出されているんです。この loans によって生まれた預金の事を「派生的預金」と言います。
投資について知りたい
loans によって預金が生まれる…?どういうことですか?
投資アドバイザー
例えば、Aさんが銀行に100万円預けたとします。銀行は、その100万円の全てを保管しておくのではなく、一部(例えば90万円)をBさんに loans として貸し出します。Bさんは、その loans で商品を購入し、そのお金は結局、Cさんの預金になります。このように、最初のAさんの預金100万円から、Bさんへの loans を通じて、Cさんの預金という新たな預金が生まれたことになります。これが「派生的預金」です。
派生的預金とは。
「派生的預金」っていう投資用語があるんだけど、これはもともとある預金をもとに、銀行が信用創造で生み出したお金のことなんだ。
派生的預金とは
– 派生的預金とは銀行にお金を預けると、そのお金はすべて銀行の金庫に保管されていると思っていませんか? 実は、私たちが普段銀行に預けているお金の多くは、「派生的預金」と呼ばれる仕組みによって成り立っています。派生的預金とは、銀行に預け入れられたお金の一部が、また別の人に貸し出され、その貸し出されたお金が再び銀行に預け入れられるというサイクルの中で生み出される預金のことです。もう少し詳しく説明しましょう。 銀行は、預金者から預かったお金を全額、常に保管しておく必要はありません。法律で、預金準備率と呼ばれる一定割合のお金を日本銀行に預け入れることが義務付けられていますが、それ以外の部分は企業への融資や個人への住宅ローンなどに利用することができます。例えば、Aさんが100万円を銀行に預けたとします。銀行は預金準備率を10%とすると、10万円を日本銀行に預け、残りの90万円をBさんに貸し出すことができます。Bさんはそのお金で車を購入し、車販売会社はその90万円を再び銀行に預けます。すると、銀行は受け入れた90万円のうち、9万円を日本銀行に預け、残りの81万円をCさんに貸し出すことができます。 このように、銀行を介したお金の貸し借りが繰り返されることで、最初の預金である100万円を元手に、預金残高は100万円、90万円、81万円と雪だるま式に増えていきます。この増加分が派生的預金です。派生的預金は、経済活動を活発にするために重要な役割を果たしていますが、一方で、銀行が貸し倒れリスクを抱えることにもなります。そのため、銀行は預金準備率などのルールを遵守し、健全な経営を行うことが求められています。
預金者 | 預金 | 銀行の預金準備率 | 日本銀行へ預金 | 貸出 | 派生的預金 |
---|---|---|---|---|---|
Aさん | 100万円 | 10% | 10万円 | 90万円 | 0円 |
Bさん | 90万円 | 10% | 9万円 | 81万円 | 90万円 |
Cさん | 81万円 | 10% | 8.1万円 | 72.9万円 | 171万円 |
派生的預金と信用創造
– 派生的預金と信用創造銀行は私たちから預かったお金を、企業や個人への融資に活用しています。この融資活動が、「信用創造」と呼ばれる仕組みを通じて、新たな預金を産み出す原動力となっています。例えば、あなたが銀行から100万円の融資を受けたとしましょう。あなたは、そのお金で友人から車を購入します。友人は、受け取った100万円を自分の口座に預金します。すると、銀行の預金残高は、あなたの借入額100万円と、友人の預金100万円を合わせて200万円に増加します。ポイントは、銀行は預金の全額を常に手元で保有しているわけではないということです。銀行は、預金の一部を現金として保管し、残りの大部分を融資に回しています。そして、融資されたお金は、また別の人の預金となり、さらに別の融資へと繋がっていく可能性があります。このように、銀行の融資活動を通じて、預金が雪だるま式に増えていく現象を「信用創造」と呼びます。そして、この信用創造によって生み出された預金の増加分こそが、「派生的預金」と呼ばれるものです。派生的預金は、銀行の融資活動と密接に関係しており、経済活動を活発化させる効果があります。一方で、過剰な信用創造はインフレーションや金融不安定化のリスクも孕んでいるため、適切な管理が求められます。
用語 | 説明 |
---|---|
信用創造 | 銀行が預金の一部を元に融資を行い、その融資が新たな預金を産み出すサイクルを繰り返すことで、経済全体のお金の量が増えていくこと。 |
派生的預金 | 信用創造によって生み出された預金のこと。銀行の融資活動を通じて、最初の預金から増えた分の預金を指す。 |
経済への影響
– 経済への影響
銀行はお客様から預かったお金の一部を貸し出しに回し、経済を活性化する役割を担っています。これが派生的預金と呼ばれる仕組みですが、企業にとっては事業拡大のチャンスをもたらします。銀行から融資を受けることで、新しい工場や設備に投資したり、従業員を増やしたりすることが可能になるからです。その結果、生産活動が活発になり、経済全体が成長していく力となります。
また、私たち個人にとっても、派生的預金は身近なものです。住宅ローンを組んでマイホームを手に入れたり、教育ローンを利用して将来に備えたりすることができるのも、この仕組みのおかげです。
このように、派生的預金は経済全体のお金の流れを潤滑にし、成長を促す重要な役割を果たしています。しかし、メリットばかりではありません。お金の供給量が増えすぎると、物価が上昇しやすくなるインフレーションや、資産価格が実態以上に高騰するバブルといったリスクも孕んでいるのです。経済の安定のためには、こうしたリスクも踏まえ、適切なバランスを保つことが重要です。
項目 | 内容 | 影響 |
---|---|---|
銀行の役割 | 預金の貸し出しによる経済活性化(派生的預金) | 企業の事業拡大、個人の資産形成 |
企業への影響 | 融資による設備投資や雇用創出 | 生産活動の活発化、経済成長 |
個人への影響 | 住宅ローン、教育ローンなどの利用 | マイホーム取得、教育資金準備 |
メリット | お金の流れを潤滑化し、経済成長を促進 | – |
デメリット・リスク | インフレーション、バブル発生の可能性 | 経済の不安定化 |
まとめ
– まとめ
私たちの経済活動において、銀行は預金を集め、それを元手に企業や個人へお金を貸し出すという大切な役割を担っています。銀行に預けられたお金は、そのまま全額が貸し出されるのではありません。一部は現金として保管され、残りは貸し出しに回されます。この貸し出されたお金が、また預金として銀行に戻ってくることがあります。この一連の流れの中で、最初の預金を元手に、あたかも預金が増えたかのように見える現象を派生的預金と呼びます。
派生的預金は、銀行が持つ「信用創造機能」によって生み出されます。銀行は、預金の一部を担保として、実際にある預金額以上の金額を貸し出すことができます。この仕組みにより、世の中に流通するお金の量が増え、企業は設備投資や事業拡大を行いやすくなり、個人は住宅ローンを組んで家を購入することができるなど、経済活動を活発化させる効果があります。
しかし、派生的預金は経済成長を促す一方で、インフレやバブルを引き起こす可能性も孕んでいます。銀行が過剰に貸し出しを行うと、市場にお金が溢れ、モノやサービスの価格が上昇するインフレが発生する可能性があります。また、過剰な投資によるバブルの発生にも繋がることがあります。
健全な経済活動と金融システムの安定のためには、私たち預金者一人ひとりが派生的預金の仕組みを正しく理解することが重要です。預金や融資のあり方をしっかりと考えることが、より良い経済社会を築くことに繋がっていくと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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派生的預金とは | 銀行が預金の一部を担保に、実際以上の金額を貸し出すことで、あたかも預金が増えたかのように見える現象 |
仕組み | 銀行は預金の一部を現金として保管し、残りを貸し出す。貸し出されたお金が預金として戻ってくることで、最初の預金を元手に預金が増えたように見える。 |
メリット |
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デメリット |
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私たちにできること |
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