知っておきたい経済原則:財の『排他性』とは?
投資について知りたい
先生、『排他性』ってどういう意味ですか?投資と何か関係があるのですか?
投資アドバイザー
いい質問ですね。『排他性』は、簡単に言うと『ある人が使ったら、他の人は使えなくなる』という性質のことです。例えば、君が今使っている鉛筆は、君が使って書いている間は他の人は使えませんよね?それが『排他性』です。投資においても、例えばある会社に投資すると、そのお金は他の会社には投資できない、という風に考えられます。
投資について知りたい
なるほど。つまり、資源が限られているからこそ、投資先を選ぶ際に『排他性』を意識することが重要になるということですね?
投資アドバイザー
その通りです!限られた資源をどこに投資するか?他の投資家はどのような投資をしているか?などを考慮しながら、投資家は意思決定を行っていくのです。
排他性とは。
「排他性」は、投資の世界で使われる言葉で、ある人が何かを使ったら、他の人は使えなくなることを指します。これは「私的財」と呼ばれるものの特徴の一つで、「消費の競合性」や「競合性」とも言われます。例えば、パンを例に考えてみましょう。誰かがパンを食べてしまったら、他の人は同じパンを食べることができませんよね。これが「排他性」です。
経済における「排他性」とは
– 経済における「排他性」とは
経済学において「排他性」は、財やサービスを扱う上で欠かせない概念です。これは、ある人が財やサービスを消費すると、他の人が同時に同じものを消費することができなくなる性質を指します。
例えば、あなたが今食べている一切れのケーキがあるとします。あなたがそのケーキを食べると、他の人は同じ一切れを食べることはできません。これが排他性の典型的な例です。つまり、「早い者勝ち」の状態であり、誰かが先に消費してしまうと、他の人はそれを利用できないことを意味します。
この排他性は、経済活動において重要な役割を果たします。なぜなら、排他的な財やサービスには希少性が生じるからです。誰もが同時に利用できるものではなく、限られた人だけが利用できるため、その利用権に対して対価が発生します。これが市場における価格形成のメカニズムに繋がります。
一方で、公園のベンチのように、複数の人が同時に利用できるものもあります。このような財やサービスは「非排他的」と呼ばれ、排他的な財やサービスとは異なる扱いが必要となります。
項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
排他的な財・サービス | ある人が消費すると、他の人が同時に消費できないもの。 希少性が生じ、価格形成のメカニズムに繋がる。 |
ケーキ一切れ、映画のチケット |
非排他的な財・サービス | 複数の人が同時に利用できるもの。 排他的な財とは異なる扱いが必要。 |
公園のベンチ、街灯 |
身近な例で見る「排他性」
「排他性」とは、ある人が財やサービスを消費すると、他の人がそれを消費できなくなる性質を指します。分かりやすく説明するために、身近な例を考えてみましょう。
例えば、あなたが焼きたてパンの香ばしい香りに誘われて、パン屋さんに入ったとします。ショーケースには美味しそうなパンがずらりと並んでいます。その中で、あなたが特に気に入ったクリームパンがあったとします。
あなたがそのクリームパンを購入すれば、それはあなたの物になり、他の人は買うことができなくなります。これがまさに「排他性」です。
他にも、映画館で話題の映画を見るためにチケットを購入する場合を考えてみましょう。あなたが購入した席のチケットは、あなただけが使うことができ、他の人が同じ席に座ることはできません。遊園地も同様です。あなたが購入した入園券で入場すると、他の人は同じ入園券を使うことはできません。
このように、映画のチケットや遊園地の入園券などは、一度誰かが使用すると他の人は使用できないため、「排他性」の高い財と言えるでしょう。
アイテム | 排他性 | 説明 |
---|---|---|
クリームパン | あり | あなたが購入すると、他の人は同じパンを購入できなくなります。 |
映画のチケット | あり | あなたが購入した席のチケットは、あなただけが使用できます。 |
遊園地の入園券 | あり | あなたが使用すると、他の人は同じ入園券を使用できません。 |
「排他性」と「競合性」の違い
– 「排他性」と「競合性」の違い「排他性」と混同しやすい概念に「競合性」があります。財やサービスの性質を語る上で、この二つは切り離せない関係にあります。しかし、その意味合いは明確に異なります。「競合性」とは、ある人が財やサービスを消費すると、その分だけ他の人の消費量が減るという性質を指します。分かりやすい例としては、一本のペットボトル飲料が挙げられます。誰かがそのペットボトル飲料を飲むとその分だけ量は減り、他の人が飲める量は減ってしまいます。ケーキも同様で、誰かが一切れ食べるとその分だけ減り、他の人が食べられる量は少なくなります。このように、「競合性」は消費量に焦点が当てられています。一方で、「排他性」は消費の可否、つまり利用できるかどうかに焦点が当てられている点が「競合性」とは異なります。例えば、遊園地の入場料を払わずにアトラクションに乗ることはできません。これは、遊園地が「排他性」の高いサービスだからです。料金を支払った人だけがサービスを利用できる仕組みになっています。「競合性」と「排他性」はそれぞれ独立した概念であり、財やサービスはこの二つの軸で分類されます。例えば、上記のペットボトル飲料やケーキは「競合性」と「排他性」の両方を持ち合わせています。一方、花火大会のように、一度に多くの人が鑑賞できるものは「競合性」が低く、「排他性」も低い、もしくは低いものとして考えられます。このように、「競合性」と「排他性」を理解することで、身の回りの財やサービスに対する理解を深めることができます。
項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
競合性 | ある人が消費すると、他の人が消費できる量が減る性質。消費量に焦点。 | ペットボトル飲料、ケーキ |
排他性 | 対価を支払った人だけが消費できる性質。消費の可否に焦点。 | 遊園地の入場料 |
「排他性」のない財とは?
– 「排他性」のない財とは?
それでは、具体的に「排他性」のない財とはどのようなものなのでしょうか?
例えば、私たちが普段何気なく利用している公園のベンチを思い浮かべてみてください。
ベンチは、ある人が座っていたとしても、他の人が座ることを排除するものではありません。
つまり、一人が利用しても、他の人も同時に利用できるのです。
これはベンチに限った話ではありません。
夜道を明るく照らす街灯も同様です。
街灯の光は、特定の誰かを照らすためだけのものではなく、全ての人がその恩恵を受けることができます。
このように、誰かの利用が他の人の利用を排除しない財を、「排他性」のない財と呼びます。
このような「排他性」のない財は、公共財と呼ばれることもあります。
私たちの社会は、公園や街灯のように、誰もが等しく利用できる公共財によって支えられている側面があると言えるでしょう。
財の特性 | 具体例 | 解説 |
---|---|---|
排他性がない | 公園のベンチ | 一人が利用しても、他の人も同時に利用できる |
排他性がない | 街灯 | 誰かの利用が他の人の利用を排除しない |
「排他性」の重要性
私たちは日々、様々な財やサービスに囲まれて生活しています。しかし、それら全てが市場で売買されているわけではありません。経済学においては、財やサービスを「排他性」の有無という観点から分類することがあります。「排他性」とは、簡単に言うと、お金を払わない人に対してサービスの利用や財の消費を排除できるかどうか、という概念です。
例えば、映画館で映画を観る場合は、チケットを購入した人だけが入場できますよね。これは映画鑑賞に「排他性」があるためです。
「排他性」のある財やサービスは、市場で取引されやすく、価格がつきやすいという特徴があります。価格が付くことで、需要と供給の関係に基づいて資源が効率的に配分されるため、経済全体が活性化すると考えられています。
一方で、公園のベンチや街灯のように、「排他性」がない財やサービスも存在します。これらは、お金を払わない人でも利用できてしまうため、市場メカニズムが働きにくく、企業が供給する動機付けが働きにくいという側面があります。そのため、「排他性」がない財やサービスは、政府などが供給するケースが多く見られます。このように、「排他性」は、財やサービスの供給主体や価格決定メカニズムを考える上で、非常に重要な概念なのです。
項目 | 排他性 | 特徴 | 供給主体 |
---|---|---|---|
映画鑑賞 | あり | 市場で取引されやすく、価格がつきやすい。需要と供給の関係に基づいて資源が効率的に配分される。 | 企業 |
公園のベンチ、街灯 | なし | 市場メカニズムが働きにくく、企業が供給する動機付けが働きにくい。 | 政府など |