NISAの分配金、実は元本も戻ってくる？

NISAの分配金、実は元本も戻ってくる？

NISAの分配金とは

– NISAやつみたてNISAで投資を行う際、定期的に「分配金」を受け取ることができる場合があります。これは投資信託を通じて行われるもので、投資信託の運用によって得られた収益の一部が投資家に分配されることを示しています。イメージとしては、預けたお金が増えていく銀行の利息に似ています。分配金の原資には主に、投資信託が保有する株式の配当金や債券の利子が利用されることが多いです。分配金の受け取り方は投資信託によって異なり、受け取った分配金を再投資に回す「再投資型」と、指定口座に現金として受け取る「分配金受取型」の2つのタイプがあります。どちらが有利かは、投資家の状況やスタイルによって異なるでしょう。NISAやつみたてNISAでは、受け取った分配金に対して税金がかからないため、これは大きな利点と言えます。ただし、分配金を受け取ることで、その分だけ投資信託の基準価額が下がることに注意が必要です。そのため、短期的な利益だけに集中せず、長期的な視点で投資を行うことが重要です。

分配金に含まれる「特別分配金」

投資信託から定期的に受け取る分配金ですが、その内容は一つではありません。「普通分配金」と「特別分配金」という2種類があり、それぞれ異なる意味を持っています。

投資信託は、投資家から集めた資金をまとめて株式や債券に投資し、その運用益を分配金として投資家に還元します。この際、運用益からの分配金を「普通分配金」と呼びます。一方で「特別分配金」は、運用益ではなく、投資信託で運用された元本の一部が支払われている場合があります。

つまり、特別分配金を受け取った場合、その金額の一部は運用で得られた利益ではなく、自身が投資した元本が減少していることを意味します。これは、投資信託によっては元本を切り崩して分配金を支払うことがあるためです。

「分配金＝利益」と単純に考えてしまうと、知らず知らずのうちに元本が減少しているリスクがあることを認識しておく必要があります。投資信託を選ぶ際には、分配金の詳細をしっかり確認し、それが普通分配金か特別分配金かを見極めることが肝要です。

特別分配金の正体は「元本払戻金」

投資信託から受け取る分配金の中には、「特別分配金」と呼ばれるものがあります。この特別分配金は、一見すると通常よりも多くの収益が得られたかのように思えるかもしれませんが、実際には「元本払戻金」として扱われることを理解しておく必要があります。

投資信託は、投資家から集めた資金を株式や債券で運用し、その運用益を分配金として投資家に還元します。しかし、運用が期待通りに行かず、十分な収益が得られない場合でも投資家に分配金を支払いたいと考えることがあります。このような場合、投資信託は将来の収益分配に必要な資産の一部を取り崩して分配金を支払います。これが「元本払戻金」となります。

元本払戻金を受け取ると、一見すると利益が増えたように感じるかもしれませんが、実は戻ってきたのは自分が投資した資金の一部です。元本が減少するということは、それに伴い将来受け取ることのできる分配金の額も減少する可能性があることを示しています。

投資信託を選ぶ際には、分配金の額だけでなく、その源泉は何かを確認することが重要です。特に特別分配金という名の分配金には注意が必要です。目先の利益に惑わされず、投資信託の運用状況や分配金の源泉をしっかり確認した上で、適切な投資判断を行うことが求められます。

元本払戻金の影響

投資信託を運用していると、「元本払戻金」という用語を耳にすることがあります。これは、保有する資産の一部が返還されることを指します。この元本払戻金を受け取ると、投資信託の基準価額が減少します。基準価額とは、投資信託の一口あたりの価格を示すものであり、元本が減少することで基準価額も下がるのは当然のことです。しかし、基準価額が下がったからといって、必ずしも損失が発生したわけではありません。なぜなら、減少した分の金額はすでに分配金として受け取っているからです。つまり、資産全体を見ればプラスマイナスゼロであり、実際に資産が目減りしたわけではないのです。

たとえば、100万円の預金があったとします。その中から10万円を引き出した場合、手元には10万円と90万円分の預金が残ります。この合計金額は変わりません。元本払戻金を受け取った場合も同様で、一見減ったように見えても、実際には分配金として受け取っているため安心してください。

まとめ

– まとめ

NISAを利用して投資信託の利益を受け取る際には、分配金について注意が必要です。それは、受け取る分配金の中には、投資で得た利益だけでなく、投資した元本の一部が含まれている場合があるという点です。

通常、投資信託では基準価額という指標を用いて、投資の成果を測定します。この基準価額は分配金が支払われると、その分だけ減少します。つまり、分配金として元本の一部を受け取ると、基準価額は下がりますが、これは損失ではありません。減った部分は、自分の投資元本が戻ってきたと考えることができます。

分配金を受け取る際には、その一部が元本の払い戻しである可能性を考慮し、目先の利益に惑わされずに、投資全体を把握することが重要です。NISAにおける分配金の仕組みを正しく理解し、長期的な資産形成に役立てていきましょう。