投資信託の分配金：仕組みと種類を解説

投資信託の分配金：仕組みと種類を解説

分配金とは

– 分配金とは？

投資信託を購入すると、定期的に「分配金」を受け取れることがあります。これは、投資信託が保有している株式や債券などの金融商品から得られた利益や、運用によって得られた売却益などを投資家に分配するためです。

投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとまとめにして、専門家が株式や債券などに投資を行います。そして、その運用によって得られた利益が分配金として支払われます。分配金は、投資信託によって異なりますが、毎月、３ヶ月ごと、６ヶ月ごと、１年に１回など、あらかじめ決められたタイミングで支払われます。

分配金を受け取る方法は、投資信託を購入する際に、「再投資」か「受取」を選択できます。再投資を選んだ場合、受け取った分配金を自動的に同じ投資信託に投資に回すことができます。一方、受取を選んだ場合、指定した銀行口座に分配金が振り込まれます。

分配金は、運用状況によって金額が変動したり、支払われない場合もあることに注意が必要です。しかし、投資信託は、少額から始められること、専門家が運用してくれることなど、初心者の方でも始めやすい投資のひとつと言えるでしょう。

分配金の種類

– 分配金の種類投資信託の中には、利益の一部を投資家に分配金として支払うものがあります。この分配金には、大きく分けて「分配金を支払うタイプ」、「再投資するタイプ」、「無分配のタイプ」の3種類が存在します。まず「分配金を支払うタイプ」は、文字通り投資信託で得られた利益の一部を、定期的に現金で受け取ることができます。受け取った分配金は、自由に使うことができますので、生活資金の補填などに充てることができます。次に「再投資するタイプ」は、受け取った分配金を再び投資信託に投資するタイプです。このタイプでは、分配金を受け取らずに再投資を行うため、複利効果によって資産を効率的に増やすことを目指せます。じっくりと長期的に資産形成を行いたいという方に向いているでしょう。最後に「無分配のタイプ」は、分配金そのものを支払わないタイプです。投資信託で得られた利益は全て再投資に回されるため、その分基準価額の上昇を目指せます。このタイプも、長期間運用することで大きなリターンを期待できます。このように、投資信託の分配金にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットがあります。どのタイプが自身にとって最適かは、投資目的や投資期間、運用スタイルなどを考慮して選択する必要があるでしょう。

分配金の決定方法

– 分配金の決まり方

投資信託を購入すると、定期的に「分配金」を受け取れることがあります。この分配金は、投資信託がどれだけの利益を上げたのかによって金額が変わってきます。

投資信託は、集めたお金を運用して利益を目指します。そして、決算期ごとに運用成績を計算し、そこから信託報酬などの費用を差し引いたものが分配金の原資となります。

分配金の額は、この原資を元手に、運用会社があらかじめ決めている収益分配方針に基づいて決定されます。もし運用がうまくいき、大きな利益が出た場合は、分配金も多くなります。

しかし、運用がうまくいかなかった場合は、分配金が減ったり、場合によっては全く支払われないこともあります。

さらに、注意が必要なのは、分配金が支払われたとしても、それが必ずしも利益を保証するものではないということです。なぜなら、分配金は運用で得た利益だけでなく、場合によっては元本の一部から支払われることもあるからです。

つまり、分配金を受け取っていたとしても、実際には投資した元本が減っている可能性もあるのです。投資信託は元本が保証された商品ではないため、分配金だけに注目するのではなく、運用状況全体を把握することが大切です。

分配金を受け取る際の注意点

投資信託で利益を得た場合に受け取ることになる分配金ですが、受け取り方によっては税金が変わってくるため注意が必要です。

投資信託の分配金には、大きく分けて「普通分配金」と「元本払い戻金」の二つがあります。
「普通分配金」は、投資信託の運用によって得られた利益から支払われるお金です。受け取った場合、約20％の税金がかかります。一方、「元本払い戻金」は、投資した元本の一部が戻ってくるものです。こちらは利益ではないため、税金はかかりません。しかし、その分、投資している金額が減ることになるため、注意が必要です。

また、投資信託の中には、分配金にかかる税金を再投資に回す「分配金再投資」という制度を設けているものもあります。この制度を利用すれば、分配金を受け取らずに、自動的に再投資に回すことができます。

このように、分配金の受け取り方によって、受け取れる金額や税金が変わってきます。投資する際には、分配金の仕組みや税金について事前にしっかりと理解しておくようにしましょう。

まとめ

今回は投資信託の分配金について考えていきましょう。投資信託の魅力の一つとして、定期的に受け取れる分配金があります。分配金を受け取ることで、投資の結果が目に見える形となり、投資を続けるモチベーションに繋がるという側面は確かにあります。しかし、投資信託を選ぶ際に、分配金のみに目を奪われてしまうのは危険です。
投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとまとめにして、専門家である運用会社が株式や債券などに投資を行い、その運用成果を投資家に還元する金融商品です。その運用益の一部が分配金として支払われますが、高い分配金を求めるあまり、リスクの高い商品を選んでしまう可能性もあります。
投資信託を選ぶ際には、分配金の仕組みだけでなく、どのような投資対象で運用が行われているのかを示す運用方針や、投資によって元元が減ってしまう可能性であるリスク、運用会社に支払う信託報酬などを総合的に判断することが重要です。特に、分配金が高いからといって、必ずしも運用成績が良い投資信託とは限りません。高い分配金はその投資信託の純資産を取り崩して支払われている可能性もあり、結果として基準価額が下落してしまう可能性もあるからです。
投資信託は、短期的な利益を狙うものではなく、自身の投資目的やリスク許容度を踏まえた上で、長期的な視点で運用していくことが大切です。目先の分配金だけに囚われず、投資信託の本質を見極めるようにしましょう。