投資信託のファンド・オブ・ファンズをわかりやすく解説

投資信託のファンド・オブ・ファンズをわかりやすく解説

ファンド・オブ・ファンズとは

– ファンド・オブ・ファンズとは？投資信託の中には、「ファンド・オブ・ファンズ」と呼ばれるちょっと変わった運用方法を持つものがあります。これは、一言で言うと「投資信託を運用対象とする投資信託」のことです。通常の投資信託は、株式や債券といった具体的な資産に投資を行いますが、ファンド・オブ・ファンズは、複数の投資信託（これを「マザーファンド」と呼びます）を組み合わせて運用を行います。イメージとしては、大きな箱の中に、株式投資専門の小さな箱、債券投資専門の小さな箱、不動産投資専門の小さな箱など、異なる種類の投資信託が詰まっているような状態です。では、なぜこのような複雑な運用方法をとるのでしょうか？それは、リスク分散効果を高めるためです。それぞれの小さな箱（マザーファンド）が異なる資産や地域に投資をしているため、大きな箱全体（ファンド・オブ・ファンズ）として、一つの資産や地域に集中投資するよりもリスクを抑える効果が期待できます。例えば、あるマザーファンドで損失が出たとしても、他のマザーファンドで利益が出ていれば、損失をカバーできる可能性があります。このように、ファンド・オブ・ファンズは、分散投資によって安定した運用成績を目指すことを目的としています。

運用を効率化する仕組み

– 運用を効率化する仕組み投資の世界で、近年注目を集めているのが「ファンド・オブ・ファンズ」という投資手法です。多くの利点がある中で、特に注目すべきは運用効率の高さと言えるでしょう。従来の投資信託では、例えば新しい投資テーマに基づいたファンドを設定する場合、ゼロから銘柄を選定し、調査・分析を行う必要がありました。しかしファンド・オブ・ファンズの場合、既に存在する複数の投資ファンド（マザーファンド）に投資を行うため、新たに時間と手間をかけて銘柄を選ぶ必要がありません。例えば、日本株、米国株、新興国株など、地域別に運用を行うマザーファンドをあらかじめ用意しておきます。そして、お客様の投資ニーズに合わせて、それぞれのマザーファンドへの投資比率を調整するだけで、スピーディーに新しいファンドを設計することができるのです。これは、まるで料理に似ています。様々な食材を揃えておくのではなく、あらかじめ「だし」や「ソース」といった基本となる調味料（マザーファンド）を用意しておくイメージです。お客様の好みに合わせて、これらの調味料を組み合わせることで、和食、洋食、中華など、多様なメニュー（新規ファンド）を提供できるというわけです。このように、ファンド・オブ・ファンズは、効率的な運用を実現する画期的な投資手法と言えるでしょう。

為替ヘッジの選択も可能に

近年、投資家のニーズが多様化する中で、投資信託においても様々な選択肢が登場しています。その中でも注目されているのが、為替ヘッジの有無を選択できるタイプのファンドです。

従来の投資信託では、ファンド全体で一括して為替ヘッジを行うことが一般的でした。しかし、投資家によっては円高リスクを避けたいというニーズもあれば、為替変動の影響を受け入れてでも高いリターンを目指したいというニーズもあります。そこで、為替ヘッジの有無を選択できるタイプのファンドが登場したのです。

このようなファンドでは、ファンド・オブ・ファンズという仕組みが活用されることがあります。ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託（マザーファンド）に投資する投資信託のことです。為替ヘッジの有無を選択できるようにする場合、例えば円高リスクを避けたい投資家向けに「為替ヘッジあり」のファンドと、為替変動の影響を受け入れつつリターンを狙いたい投資家向けに「為替ヘッジなし」のファンドを、それぞれ別のマザーファンドに投資して設定することも考えられます。

しかし、より効率的に運用を行うためには、同じマザーファンドに投資する「ベビーファンド」を2つ設定し、為替ヘッジの有無だけを調整する方法がとられます。こうすることで、運用効率を高めつつ、投資家のニーズに合わせたきめ細やかな対応が可能になるのです。

分散投資によるリスク軽減

投資の世界では、『分散投資』という言葉がよく聞かれます。これは、資産を一つに集中するのではなく、複数の対象に分散して投資することで、リスクを軽減しようという考え方です。

この分散投資を実現する有効な手段の一つとして、『ファンド・オブ・ファンズ』があります。これは、複数の投資ファンドに投資するタイプのファンドです。それぞれの投資ファンドは、株式や債券、不動産など、異なる種類の資産で運用されています。ファンド・オブ・ファンズに投資することで、間接的に多くの種類の資産に分散投資している状態を作り出すことができるのです。

一つの資産だけに投資する場合、その資産の価格が大きく下落すると、大きな損失を被る可能性があります。しかし、複数の資産に分散投資している場合は、たとえ一つの資産の価格が下落しても、他の資産で利益が出ていれば、損失を軽減できる可能性があります。

これは、ことわざで例えるならば、『卵を一つの籠に盛るな』という教えに通じるものがあります。もし、すべての卵を一つの籠に入れて落としてしまったら、一度にすべての卵が割れてしまいます。しかし、複数の籠に分けていれば、たとえ一つの籠を落としてしまっても、他の籠の卵は無事ですむでしょう。投資の世界においても、リスクを分散することは、大切な資産を守るための重要な考え方と言えるでしょう。

専門家の知恵を活用

投資の世界では、的確な判断と経験が成功の鍵を握ります。しかし、投資の初心者の方や、仕事などで忙しい方にとって、自ら多くの情報を集め、分析し、最適な投資先を選ぶことは容易ではありません。

そこで、注目されている投資手法の一つが「ファンド・オブ・ファンズ」です。これは、複数の投資ファンドに投資する、いわば「ファンドの詰め合わせ」のようなものです。しかし、単に複数のファンドに投資するだけではありません。ファンド・オブ・ファンズの大きな特徴は、投資のプロである専門家が、投資家の代わりに、投資対象となる複数の「マザーファンド」を選定し、それぞれの投資比率を調整してくれる点にあります。

投資家自身は、個々のファンドの調査や分析に時間をかけることなく、専門家の知恵と経験に裏打ちされた投資戦略に乗ることができます。これは、投資初心者の方や、時間的な制約から自身で投資判断を行うことが難しい方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。