経済指標「NNP」とは？ GDPとの違いを解説

経済指標「NNP」とは？ GDPとの違いを解説

経済指標ＮＮＰとは

– 経済指標ＮＮＰとは

経済指標ＮＮＰとは、一体どのようなものでしょうか。ＮＮＰは、「ネット・ナショナル・プロダクト(Net National Product)」の略称で、日本語では「国民純生産」と訳されます。これは、一定期間内に国内で生み出された、商品やサービスの付加価値の合計から、生産活動によって使用され、価値が減少した資本設備の費用、つまり減価償却費を差し引いたものを指します。

イメージとしては、国内で活動する人々が生み出した価値から、生産設備の消耗による価値の減少分を差し引いて、国民全体でどれだけの純粋な価値を生み出したかを測る指標と言えるでしょう。

この指標は、国民が生産活動によって得た所得の総額を示すものとして用いられます。つまり、ＮＮＰは、国民全体の経済的な豊かさを示す重要な指標の一つなのです。

ＮＮＰとＧＤＰの違い

– 国民総生産（ＮＮＰ）とは？

ＮＮＰは、国民総生産と呼び、一国の国民が、一年間に国内外で新たに生産した財やサービスの付加価値の合計を指します。経済指標として、国内総生産（GDP）と混同されがちですが、両者には違いがあります。

– 国内総生産（GDP）との違い

よく似た経済指標であるGDPは、国内で生産された付加価値の合計を表します。つまり、GDPは、生産活動が国内で行われたかどうかを重視し、そこで発生した所得が国内に帰属するかどうかは考慮していません。

一方、ＮＮＰは、国民が実際に手にした所得に着目します。具体的には、海外で働く国民からの所得や海外からの投資収益はＮＮＰに含まれますが、GDPには含まれません。逆に、国内で生産活動を行う外国企業への所得の支払いは、GDPには含まれますが、ＮＮＰには含まれません。

– ＮＮＰの計算方法

ＮＮＰは、以下の式で計算されます。

> ＮＮＰ ＝ ＧＤＰ ＋ 海外からの純所得受取

海外からの純所得受取とは、海外からの所得受取から海外への所得支払いを差し引いたものです。

ＮＮＰは、国民の所得水準をより正確に反映した指標として、経済分析や政策立案などに活用されています。

ＮＮＰの計算方法

– 国民総所得（ＮＮＰ）の計算方法国民総所得（ＮＮＰ）は、国内で生産された財やサービスによって得られた所得の合計を表す指標です。国内総生産（ＧＤＰ）が国内における生産活動を測る指標であるのに対し、ＮＮＰは国民が実際に受け取った所得に着目している点が特徴です。ＮＮＰを計算するには、ＧＤＰを出発点とし、そこに「海外からの純所得受取」を加えます。式で表すと、-ＮＮＰ ＝ ＧＤＰ ＋ 海外からの純所得受取-となります。「海外からの純所得受取」は、海外から受け取った所得と海外へ支払った所得の差額です。具体的には、海外への投資によって得られた配当金や利息は「所得受取」に分類され、逆に海外からの投資に対して支払う配当金や利息は「所得支払」に分類されます。海外からの純所得受取がプラスの場合、ＮＮＰはＧＤＰよりも大きくなります。これは、海外からの投資収益などによって、国民が国内の生産活動以外からも所得を得ていることを意味します。反対に、海外からの純所得受取がマイナスの場合、ＮＮＰはＧＤＰよりも小さくなります。ＮＮＰは、ＧＤＰと並んで、一国の経済規模や国民の所得水準を把握する上で重要な指標となっています。

ＮＮＰが示すもの

– ＮＮＰが示すもの

ＮＮＰは、「国民総生産」の略称で、一国に住む国民が、一年間に新たに生み出したモノやサービスの付加価値の総額を表す経済指標です。これは、国の経済活動の成果を測る上で非常に重要な指標とされています。

ＮＮＰが増加するということは、国内で生産活動が活発に行われ、モノやサービスが多く生み出されていることを意味します。その結果、企業の収益が増加し、賃金の上昇や雇用機会の拡大などを通じて、国民全体の所得が増加する傾向にあります。国民の所得が増えれば、消費活動が活発化し、経済全体がさらに成長していく好循環が生まれます。また、税収増加にも繋がり、社会保障制度の充実など、国民生活の向上にも寄与します。

逆に、ＮＮＰが減少するということは、国内の生産活動が停滞し、モノやサービスの生産量が減っていることを示します。企業収益の悪化や賃金の低下、雇用機会の減少などが起こり、国民の所得が減少してしまう可能性があります。その結果、消費活動が冷え込み、経済全体が縮小する悪循環に陥ってしまう可能性も孕んでいます。

このように、ＮＮＰは経済の現状を把握し、将来を予測する上で欠かせない重要な指標と言えるでしょう。

まとめ

今回は、経済の動きを測る上で欠かせない指標の一つである、「国民総生産（NNP）」について詳しく解説してきました。

NNPは、国内で新たに生み出されたモノやサービスの価値の合計を示す「国内総生産（GDP）」と並んで、経済活動の成果を測る重要な指標です。GDPが国内で生まれた価値の総額を示すのに対し、NNPは海外からの所得も含む点が大きな違いです。

具体的には、NNPはGDPに海外からの所得を加え、海外への所得を差し引くことで算出されます。つまり、NNPは日本国民が国内外で得た所得の合計を示しており、国民全体の所得水準をより正確に反映していると言えるでしょう。

これらの指標を理解することで、経済の現状を正しく把握し、今後の経済動向を予測する一助となります。ぜひ、NNPとGDPの違いを理解し、経済の分析に役立てていきましょう。