経済成長の鍵?サプライサイド経済学とは
投資について知りたい
先生、『SSE』って投資の用語で出てきましたけど、どういう意味ですか?
投資アドバイザー
「SSE」は「証券取引所」のことだね。株式を売買できる市場のことだよ。
投資について知りたい
ああ、それで「東京証券取引所」は「TSE」なんですね!
投資アドバイザー
その通り!よくわかったね!
SSEとは。
「投資に関係する言葉『SSE』は、フェルドシュタインさんやラッファーさんたちのような経済学者の考え方を指します。この考え方は、『供給サイド経済学』とか『供給重視の経済学』とも呼ばれています。
彼らは、『国民全体の収入の大きさは、モノやサービスを供給する側の状況によって決まる』という、供給する側を重視した理論を展開しました。
そして、不況が起こる原因は、税金や物価の上昇が、企業がお金や人材を集めることを邪魔しているためだと考えました。
その上で、税金を減らすことで(例えば、所得税や法人税を安くする)、企業がもっと投資しやすいようにすべきだと主張しました。
この主張は、アメリカのレーガン大統領時代の経済政策『レーガノミクス』に大きな影響を与えました。
サプライサイド経済学の考え方
– サプライサイド経済学の考え方経済を活性化させるには、需要側を刺激する方法と、供給側を活性化する方法の二つがあります。従来の経済学は、需要側のテコ入れに力を入れてきました。しかし、サプライサイド経済学は、供給側にこそ経済成長の鍵があると考えます。一体、従来の経済学と何が違うのでしょうか?従来の経済学では、人々がモノやサービスをより多く求めるようになれば、企業はそれに応じて生産を増やし、経済は活性化すると考えます。しかしこの考え方では、需要が増えた時に供給が追い付かず、物価上昇つまりインフレが起きやすくなってしまいます。一方、サプライサイド経済学は、企業がモノやサービスを生産しやすい環境を作ることで、経済成長を促そうとします。具体的には、減税や規制緩和などが考えられます。企業の税負担が軽くなったり、規制が緩和されれば、企業は利益を上げやすくなり、新たな投資や雇用を生み出す活動に積極的になります。その結果、生産活動が活発になり、より多くのモノやサービスが市場に供給されるようになります。供給が増えれば、需要と供給の関係で、価格が下落し、消費者の購買意欲が高まります。そして、需要増加に供給が追いつくため、インフレも抑制されます。このように、サプライサイド経済学は、企業の生産意欲を高めることで、需要増加とインフレ抑制の両立を目指そうとする考え方なのです。
項目 | 従来の経済学 | サプライサイド経済学 |
---|---|---|
考え方 | 需要増加 → 企業の生産増加 → 経済活性化 | 企業の生産しやすい環境作り → 経済成長 |
具体的な政策 | 需要側のテコ入れ | 減税、規制緩和 |
メリット | – | 企業の利益増加、投資や雇用促進、生産活動活性化、物価下落、消費者の購買意欲向上、インフレ抑制 |
デメリット | 供給不足によるインフレの可能性 | – |
減税による供給力向上
– 減税による供給力向上
経済活動を活性化し、人々の暮らしを豊かにするために、様々な政策が議論されていますが、その中でも「減税」は、企業の活力や個人の意欲を高め、経済全体の底上げを図る効果が期待されています。
具体的には、企業が利益を上げた際に課される法人税や、個人の所得に課される所得税の負担を軽減することで、企業は設備投資や研究開発により多くの資金を投入できるようになります。
最新の設備を導入したり、新しい技術を開発したりすることで、より多くの商品やサービスを生産できるようになり、供給力の向上に繋がると考えられています。また、個人の所得税減税は、手元に残るお金が増えることで、人々の勤労意欲を高め、より積極的に働こうという意欲に繋がると期待されています。
さらに、収入が増えることで消費も活発になり、企業の売り上げ増加にも貢献するという好循環が生まれる可能性もあります。このように、減税は、企業と個人の双方に好影響を与え、供給力を向上させることで経済成長を促す効果が期待されています。
対象 | 減税の効果 | 供給力向上への繋がり |
---|---|---|
企業(法人税減税) | 設備投資や研究開発の資金増加 | 最新の設備導入や新技術開発による生産性向上 |
個人(所得税減税) | 手取り収入増加による勤労意欲向上 | 消費の活性化による企業の売上増加 → 生産拡大 |
レーガノミクスへの影響
1980年代、アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンによって推し進められた経済政策「レーガノミクス」は、供給側の経済理論に大きな影響を受けました。この理論は、企業の税負担を軽減し、政府による経済への介入を減らすことで、企業が活発化し、結果として経済全体が活性化するという考え方です。
レーガン大統領はこの考えに基づき、大規模な減税と規制緩和を実施しました。その結果、アメリカ経済は長い期間にわたって成長を遂げました。特に、企業は設備投資や新規雇用に積極的になり、個人の消費活動も活発化しました。これはレーガノミクスが掲げた狙い通りの効果と言えるでしょう。
しかしその一方で、レーガノミクスはいくつかの問題点も抱えていました。特に深刻だったのが、財政赤字の拡大です。減税によって政府の歳入が減ったにもかかわらず、レーガン政権は国防費を大幅に増額したため、財政赤字が膨らんでしまったのです。この財政赤字は、後のアメリカ経済に大きな負担を残すことになりました。
項目 | 内容 |
---|---|
理論的背景 | 供給側の経済理論 – 企業の税負担軽減 – 政府の経済介入縮小 – ⇒ 企業の活性化 → 経済全体の活性化 |
政策内容 | – 大規模な減税 – 規制緩和 – 国防費増額 |
効果 | – 長期的な経済成長 – 企業の設備投資・新規雇用の促進 – 個人消費の活性化 |
問題点 | – 財政赤字の拡大 |
サプライサイド経済学への批判
– サプライサイド経済学への批判サプライサイド経済学は、供給力を強化することで経済成長を促すという考え方に基づいています。その中でも、減税は企業の投資意欲を高め、労働意欲を高める効果があるとされ、主要な政策の一つとされています。しかし、この減税の効果については、過大な期待を抱くべきではないという批判も根強くあります。確かに、減税によって企業の収益や個人の手取り収入が増える可能性はあります。しかし、企業が必ずしも増えた収益を設備投資に回すとは限りません。経済の先行きが不透明な場合や、需要の拡大が見込めない場合は、企業は内部留保を増やすなど、投資を控える選択をする可能性もあります。また、個人が減税によって増えた所得をすべて消費に回すとも限りません。将来への不安や、社会保障制度への不信感から、貯蓄に回す人もいるでしょう。このように、減税の効果は経済状況や人々の心理によって大きく左右されるため、必ずしも経済成長に直結するとは限らないのです。さらに、減税は税収減という問題も引き起こします。政府の歳入が減れば、財政赤字の拡大に繋がり、国債の発行残高が増加する可能性もあります。また、社会保障費の削減を迫られる可能性もあり、国民生活に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。サプライサイド経済学は魅力的な考え方も含んでいますが、その効果については慎重に検討する必要があります。減税は、他の経済政策と組み合わせたり、効果的な制度設計を行うことで、初めてその真価を発揮すると言えるでしょう。
サプライサイド経済学の主張 | 批判 |
---|---|
減税によって企業の投資意欲が高まり、経済成長が促進される |
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減税によって個人の労働意欲が高まり、経済成長が促進される |
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減税は経済成長に直結する |
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現代社会における意義
– 現代社会における意義
サプライサイド経済学は、経済成長を促すために供給側に着目するという考え方を示しており、現代社会においても重要な視点を提供しています。
グローバル化が進み、世界規模で企業間の競争が激化する現代において、それぞれの企業は生き残りをかけ、絶えず変化を求められています。また、技術革新の波はすさまじく、新しい技術やサービスが次々と生まれては消えていく中で、企業は時代の流れに取り残されないよう、常に努力を続ける必要があります。
このような厳しい状況下において、企業が成長し続けるためには、生産性の向上や革新的な技術やサービスを生み出すことが不可欠です。そのためには、企業が積極的に設備投資や研究開発に資金を投入し、新しい技術や知識を積極的に取り入れていくことが重要になります。
サプライサイド経済学は、企業がこのような活動に取り組みやすい環境を作るためには、どのような政策が必要なのかを考える上で、重要な指針を与えてくれます。具体的には、減税や規制緩和などを通じて、企業の負担を軽減し、自由に経済活動を行えるようにすることが重要であるとされています。
このように、サプライサイド経済学は、現代社会における企業の競争や技術革新といった課題に対して、供給側の視点から解決策を提示してくれる重要な考え方と言えるでしょう。
現代社会の状況 | サプライサイド経済学の意義 | 具体的な政策例 |
---|---|---|
グローバル化による企業間競争の激化、技術革新の加速 | 企業の生産性向上、技術革新を促進するための環境づくりが重要であるという視点を与える。 | 減税、規制緩和 |