外貨預金で損失？ 為替変動リスクを理解しよう

外貨預金で損失？ 為替変動リスクを理解しよう

外貨預金とは

– 外貨預金とは？外貨預金とは、普段私たちが銀行口座で預けている日本円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルや、ヨーロッパ諸国で使われているユーロといった、外国のお金で預金することを指します。 外貨預金の魅力は、円預金よりも高い金利が期待できるという点にあります。近年、日本の銀行に預けていても利息はほとんどつきませんが、外貨預金であれば、同じ預金でもより多くの利息を得られる可能性があり、資産運用の一つとして注目を集めています。

しかし、外貨預金には、円預金にはないリスクが存在します。それが為替変動リスクです。為替とは、異なる通貨を交換する際の比率のことで、日々変動しています。例えば、1ドルを100円で両替した場合、円安が進んで1ドルが110円になったとすると、円に戻す際に10円の利益が出ます。一方、円高が進んで1ドルが90円になったとすると、10円の損失が出てしまいます。このように、外貨預金は為替の変動によって、預けた時よりも元本が減ってしまうリスクを抱えていることを理解しておく必要があります。

為替変動リスクとキャピタル・ロス

– 為替変動リスクと元本割れ為替変動リスクとは、外貨預金や海外投資など、外貨建ての資産を保有している際に、円と外貨の交換比率（為替レート）が変動することによって生じる損失の可能性を指します。例えば、1ドル100円の時に1万ドルを銀行に預金したとします。この場合、日本円に換算すると100万円が預けられたことになります。その後、円高が進み、1ドル90円になったとしましょう。すると、預けていた1万ドルは日本円に換算すると90万円になり、預け入れた時と比べて10万円の損失が発生します。これが為替変動リスクによって生じるキャピタル・ロス（元本割れ）です。外貨預金や海外投資は、金利が高い、または価格上昇による利益を狙えるといったメリットがある一方、為替変動リスクは常に付きまといます。為替レートは、経済状況や政治情勢、市場の動向など様々な要因によって変動するため、予測することは非常に困難です。そのため、外貨建ての資産を保有する場合は、為替変動リスクを十分に理解し、許容できる範囲で投資を行うことが重要です。リスクを軽減するため、為替ヘッジという方法もありますが、手数料や金利差が生じる場合もあるため、事前にしっかりと理解しておく必要があります。

キャピタル・ロスの発生例

– キャピタル・ロス 円高で外貨預金が元本割れの例

将来に備えて資産運用を考えているAさんは、円高・円安の影響を受けにくいと考え、外貨預金を始めようとしていました。

Aさんは、1ドル110円の時に100万円を米ドルで購入し、年利2%の外貨預金に預けました。
1年後には利息で2万円増えて、元本と合わせて102万円になる予定でした。

しかし、1年後に円高が進み、1ドル100円になってしまいました。
Aさんが円に戻そうとすると、為替レートの変動により、受け取れるのは約92万7千円となり、元本割れを起こしてしまいました。

このように、外貨預金は金利で利益を得られる可能性がある一方で、為替変動によって損失が出る可能性もあります。
今回のAさんのケースでは、利息で2万円の利益が出ていましたが、円高によって約7万3千円の損失となり、結果として約5万3千円の損失となってしまいました。

外貨預金は、金利だけでなく、為替変動による損失の可能性も考慮する必要があるのです。

リスクを理解した上で投資を

近年、低い金利環境が続く中で、より高い収益を求めて投資に関心を抱く人が増えています。中でも、円預金よりも高い金利が期待できる外貨預金は、魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。しかし、外貨預金には、為替変動リスクという、円預金にはないリスクが存在します。
為替変動リスクとは、投資した外貨の価値が、円に対して変動することで、損失が発生する可能性があることを指します。例えば、1ドル100円の時にドルで預金した場合、1ドルが90円になると、円に換算した時に元本が減ってしまいます。
投資を行う際には、このようなリスクをしっかりと理解しておくことが重要です。その上で、自分の資産状況や投資目標、どれだけのリスクを取れるのかをよく考える必要があります。余裕資金で運用する、長期的な視点で投資するなど、リスクを抑える方法も検討しましょう。
また、投資は自己責任で行うものですが、金融機関の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも有効な手段です。専門家の意見を聞くことで、自分に合った投資方法を見つけることができるでしょう。