オプション取引の基礎：アウト・オブ・ザ・マネーとは？

オプション取引の基礎：アウト・オブ・ザ・マネーとは？

オプション取引と権利行使

オプション取引は、将来のある時点で、あらかじめ決めた価格で株などの資産を売買する権利を売買する取引です。この権利を行使するとき、利益が出る場合と損失が出る場合があり、状況によってオプションの状態は分類されます。今回は、損失が出る状態の一つである「アウト・オブ・ザ・マネー」について詳しく解説します。

「アウト・オブ・ザ・マネー」とは、オプションを行使しても利益が出ない状態を指します。例えば、あなたが100円のコールオプション（買う権利）を持っているとします。このオプションは、将来、1株を100円で買う権利を与えます。しかし、もし原資産の価格が100円未満、例えば90円だった場合、このオプションを行使しても利益は得られません。なぜなら、あなたは市場で90円で買える株を、わざわざ100円で買うことになるからです。このような状態を「アウト・オブ・ザ・マネー」と呼びます。

オプションが「アウト・オブ・ザ・マネー」の状態になると、そのオプションは価値を失い、最終的には無価値になる可能性があります。これは、オプションの価値の一部が、将来そのオプションが利益を生む可能性（本質的価値）に依存しているためです。「アウト・オブ・ザ・マネー」の状態では、本質的価値はゼロになります。

オプション取引を行う際には、「アウト・オブ・ザ・マネー」の状態やその影響について十分に理解しておくことが重要です。

アウト・オブ・ザ・マネーとは

– アウト・オブ・ザ・マネーとは

アウト・オブ・ザ・マネーとは、オプション取引において、今すぐ権利を行使しても利益が出ない状態のことを指します。

例えば、あなたが100円で買ったある商品の「コールオプション」（将来、あらかじめ決まった価格でその商品を買う権利）があるとします。このオプションの行使価格（あらかじめ決まった購入価格）が1,000円だったとしましょう。

この時、もしも市場でその商品の価格が1,000円よりも低い場合、例えば900円だったとします。あなたは1,000円で買う権利を持っていますが、市場では900円で買えてしまいます。わざわざ権利を行使して1,000円で買うよりも、市場で900円で買った方がお得ですよね。このように、権利を行使しても利益が出ない、むしろ損をしてしまう状態を「アウト・オブ・ザ・マネー」と呼びます。

反対に、市場価格が行使価格を上回っている状態は「イン・ザ・マネー」と呼ばれ、権利を行使すれば利益が出ます。オプション取引ではこれらの状態を理解しておくことが重要です。

コールオプションとプットオプション

コールオプションとプットオプションは、どちらも将来の価格変動から利益を得るための権利を売買するオプション取引の一種ですが、利益を得られる条件や、利益が出ない状態には違いがあります。

オプション取引では、権利を行使しても利益が出ない状態を「アウト・オブ・ザ・マネー」と呼びます。コールオプションとプットオプションでは、アウト・オブ・ザ・マネーになる条件が反対になります。

コールオプションは、原資産を将来決められた価格で購入する権利のことです。例えば、100円のコールオプションを買ったとします。これは、将来、原資産を100円で買う権利を100円で購入したということです。この時、原資産の価格が100円より低い場合は、わざわざ権利を行使して100円で買うよりも、市場で安く買った方が有利になります。そのため、コールオプションの場合、行使価格よりも市場価格が低い状態がアウト・オブ・ザ・マネーとなります。

一方、プットオプションは、原資産を決められた価格で売る権利のことです。プットオプションの場合は、行使価格よりも市場価格が高い状態がアウト・オブ・ザ・マネーとなります。例えば、100円のプットオプションを買ったとします。これは、将来、原資産を100円で売る権利を100円で購入したということです。この時、原資産の価格が100円よりも高い場合は、わざわざ権利を行使して100円で売るよりも、市場で高く売った方が有利になります。

このように、コールオプションとプットオプションでは、アウト・オブ・ザ・マネーになる条件が反対になります。これは、コールオプションが原資産の価格上昇から利益を得ることを目的としているのに対し、プットオプションは原資産の価格下落から利益を得ることを目的としているためです。

ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー

– ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー

オプション取引において、「アウト・オブ・ザ・マネー」とは、オプションを購入しても利益が出ない状態を指します。例えば、株価が上がると予想して買う権利（コールオプション）を購入した場合、現在の株価よりも高い価格で権利行使できるオプションがアウト・オブ・ザ・マネーの状態です。

このアウト・オブ・ザ・マネーの中でも、権利行使価格と市場価格の差が特に大きい場合を「ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー」と呼びます。具体例を挙げると、行使価格が1,000円のコールオプションに対し、市場価格が500円しかないような場合が該当します。

ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、権利行使の可能性が極めて低いため、プレミアム（オプションの価格）が非常に安価になるという特徴があります。これは、宝くじと似たような考え方で、当たる確率が低いほど購入価格が安くなるのと同様です。

しかし、ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、少ない投資金額で大きな利益を狙える可能性を秘めている点が魅力です。仮に市場価格が大きく変動し、権利行使価格に達した場合には、多大な利益を得られます。

ただし、権利行使に至らず、オプションの期限が切れてしまうと、支払ったプレミアムが損失となります。ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、ハイリスク・ハイリターンな投資であると言えるでしょう。

まとめ

– まとめオプション取引において、「アウト・オブ・ザ・マネー」という状態は重要な意味を持ちます。これは、オプションを行使した場合に利益が出ない状態を指します。例えば、あなたが100円のコールオプション（原資産を買う権利）を持っているとします。原資産の価格が90円の場合、このオプションはアウト・オブ・ザ・マネーの状態です。なぜなら、わざわざ100円で買う権利を行使するよりも、市場で90円で買った方が安く済むからです。オプションを購入する際には、この「アウト・オブ・ザ・マネー」という状態をしっかりと理解しておく必要があります。市場価格と行使価格の関係によって、オプションの価値が決まるからです。さらに、オプション取引はリスクとリターンの両方を考慮する必要があります。アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、利益が出る可能性は低いですが、その分価格が安く、少ない投資金額で大きなリターンを狙うことができます。一方、利益が出る可能性が高いオプションは価格が高いため、大きな投資金額が必要になります。投資判断を行う前に、自分がどのようなポジションを取りたいのか、許容できるリスクはどの程度なのかを明確にしておくことが大切です。そして、オプション取引のリスクとリターンをよく理解した上で、慎重に投資判断を行いましょう。