投資の先生

株式投資

主幹事会員の役割とは?

企業が事業拡大や新たな設備投資などのために資金を必要とする際、株式や債券を発行して、広く投資家から資金を調達することがあります。この発行活動を「引受」といい、企業に代わって投資家に証券を販売する役割を担うのが証券会社です。 大規模な資金調達を行う場合、単独の証券会社では対応が難しいケースも少なくありません。そのような場合、複数の証券会社が共同で引受を引き受けることが一般的です。この体制を「シンジケート団」と呼び、シンジケート団の中で中心的な役割を担うのが「主幹事会員」です。 主幹事会員は、発行企業と綿密に連携し、投資家にとって魅力的な発行条件や発行スケジュールを検討するなど、発行に関する全体統括を行います。また、他の証券会社をシンジケート団に勧誘する役割も担います。 さらに、主幹事会員は、投資家に対する販売活動や、証券の発行後の価格安定化のための活動など、引受業務全体を主導します。このように、主幹事会員は、企業の資金調達を成功させるために重要な役割を担っています。
経済の用語

国の貯金箱:外貨準備高とは?

- 外貨準備高とは外貨準備高とは、国が保有している外貨建ての資産のことを指します。これは、例えるなら国にとっての貯金箱のようなもので、経済的な危機などに直面した際に対応できるように、外貨を蓄えておくためのものです。では、具体的にどのような時に外貨準備高が使われるのでしょうか。主な例としては、急激な為替変動が起きた際に、自国通貨を買い支えることで、通貨の乱高下を防ぎ、経済の安定を図るといったケースが挙げられます。また、海外からの輸入が急増した場合に、その支払いに充てるという役割も担っています。外貨準備高は、主にアメリカドルやユーロといった国際的に取引量の多い主要通貨で保有されています。その形式は、国債や株式、投資信託といった金融資産が多くなっています。 外貨準備高は、国の経済規模や国際的な信用度などを示す指標の一つとしても考えられています。
債券投資

資金活用術!買入消却で企業は有利に?

- はじめ 企業が事業を拡大したり、新たな設備投資を行ったりする際には、多額の資金が必要となります。その資金を調達する方法の一つに、債券の発行があります。 債券とは、簡単に言うと企業が発行する「借用証書」のようなものです。企業は投資家に対して債券を発行することで、お金を借りることができます。投資家は、その債券を保有している期間、あらかじめ決められた利率で利息を受け取ることができます。そして、満期日になると、企業は投資家に対して、借りていたお金の元本と最後の利息を支払って債券を取り戻すのです。 この債券の返済方法には、満期まで保有して利息と元本を受け取る方法以外にも、いくつか種類があります。 今回は、その中でも「買入消却」と呼ばれる方法について詳しく解説していきます。買入消却とは、企業が発行済みの債券を市場で買い戻し、消却してしまう方法です。 一体なぜ、企業はわざわざ発行した債券を買い戻すのでしょうか?そして、買入消却を行うことによって、企業や投資家にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? 次の章から、具体的に見ていきましょう。
株式投資

投資におけるコスト:その意味と重要性

- コストとは? 投資の世界では、「コスト」という言葉は様々な意味で使われます。証券会社に支払う手数料や、利益にかかる税金など、投資には多くの費用が発生します。しかし、ここで「コスト」と呼ぶのは「平均取得単価」のことを指します。 では、平均取得単価とは何でしょうか? 平均取得単価とは、投資家が保有する投資商品を、平均していくらの金額で購入したのかを示す数値です。例えば、1株100円のA社の株を100株購入した場合、平均取得単価は100円です。その後、株価が上昇し1株150円の時に100株買い増した場合、保有株数は200株になり、平均取得単価は(100円×100株+150円×100株)÷200株=125円となります。 このように、平均取得単価は、投資を追加するたびに変化するため、常に把握しておくことが重要です。平均取得単価を把握することで、現在の株価と比較し、投資の成果を測ることができます。また、将来の売却計画を立てる際にも、重要な指標となります。
投資信託

外貨預金とプロの運用者

- 外貨預金とは外貨預金とは、普段使い慣れている日本円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルやヨーロッパで使われているユーロなど、海外で使われているお金で預金をすることを言います。銀行にお金を預けると、預けたお金に対して利息がつきますが、外貨預金は円預金よりも利息が高くなる場合が多いという特徴があります。そのため、より多くのお金を増やしたいと考えている方にとって、魅力的な資産運用の方法の一つと言えるでしょう。また、外貨預金は預けている間に円と外貨の交換レートが変動することで、為替差益という利益を得られる可能性があります。例えば、1ドル100円の時に預金し、1ドル110円の時に円に戻した場合、10円の利益が出ることになります。しかし、為替レートは常に変動するため、円高になった場合には、預けた時よりも価値が下がってしまい、元本割れのリスクがあります。外貨預金は、このようなリスクとリターンを理解した上で、余裕資金で行うことが大切です。
株式投資

社内取引システム:その仕組みと特徴

- 社内取引システムとは社内取引システムとは、特定の証券会社が独自に運営している株式売買システムのことです。多くの投資家から注文を集め、その中で条件の合う注文同士を直接結びつけることで取引を成立させます。従来の証券取引所を経由しないため、取引所取引とは異なる特徴を持っています。 社内取引システムの最大のメリットは、取引コストを抑えられる点です。取引所を経由しないため、取引所手数料がかかりません。また、証券会社が提示する売買価格の差であるスプレッドも、一般的に取引所よりも狭くなっています。そのため、投資家はより有利な価格で株式を売買することができます。さらに、取引時間外でも取引できる点も魅力です。取引所は決まった時間帯しか取引できませんが、社内取引システムは証券会社が独自に時間設定を行っているため、24時間取引可能なケースもあります。これは、日中に取引する時間がない投資家にとって大きなメリットと言えるでしょう。ただし、取引相手が証券会社に限定される点はデメリットです。取引所では不特定多数の投資家と取引できますが、社内取引システムでは証券会社が相手方となります。そのため、取引相手を探すのが難しい場合や、希望する価格で取引できない場合もあります。このように、社内取引システムにはメリットとデメリットの両方が存在します。投資を行う際には、それぞれのシステムの特徴を理解した上で、自身にとって最適な方法を選択することが重要です。
経済の用語

国の貯金箱?知っておきたい外貨準備

- 外貨準備とは 外貨準備とは、国が国際的な取引を円滑に行うために保有している外貨の事を指し、いわば「国の貯金箱」のようなものです。 国際的な取引とは、具体的には海外からの輸入や輸出、海外への投資などが挙げられます。 私たちが日々の生活で商品やサービスを購入する際に日本円を用いるように、国同士の取引においても共通の通貨が必要となります。 そして、その共通の通貨として世界的に見て主要な役割を担っているのがアメリカドルやユーロといった外貨なのです。 例えば、日本が海外から石油を輸入する場合、その代金はアメリカドルで支払わなければならないことが一般的です。このような場合に備え、日本は外貨準備として、あらかじめアメリカドルを保有しておく必要があるのです。 もしも外貨準備が不足してしまうと、国は必要な時に外貨を調達することが難しくなり、輸入が滞ってしまうなどの問題が発生する可能性があります。 また、外貨不足は国の信用問題にも発展し、国際的な経済活動に参加することが困難になる可能性も孕んでいます。 このように、外貨準備は国の経済活動にとって非常に重要な役割を果たしており、その状況は常に注視していく必要があります。
経済の用語

銀行間で資金を融通!コール市場の仕組みとは?

- コール市場の概要金融機関はお客様から預かったお金を企業への融資や住宅ローンなどに貸し出すことで利益を得ています。しかし、預金の出し入れは日々変動するため、常に余裕を持った資金を保有しておくことは難しいのが実情です。そこで、金融機関同士がごく短期間だけ資金を貸し借りする市場が存在します。それが「コール市場」です。コール市場で取引される資金の期間は、翌日物から最長でも数か月と、非常に短期なのが特徴です。例えば、今日資金が不足している銀行が、明日に顧客への融資の返済が見込まれる銀行から、翌日だけ資金を借り入れる、といった取引が行われます。金利は需要と供給の関係で日々変動し、「コールレート」と呼ばれます。銀行は、このコール市場を通じて資金の過不足を調整し、円滑な業務運営を図っています。預金準備率の規制緩和などにより、コール市場の規模は縮小傾向にありますが、金融機関にとって重要な資金調達の手段であることに変わりはありません。また、コールレートは金融市場全体の金利の指標として、景気動向を占う上でも注目されています。
債券投資

資金調達の早道!買入償還とは?

- 買入償還の概要企業がお金を調達する方法の一つに、債券の発行があります。債券とは企業が投資家からお金を借りる際に発行する証書のようなもので、あらかじめ決められた期日(償還期日)になると、企業は投資家に対して元本と利息を支払う必要があります。 買入償還とは、この債券を償還期日よりも前に、企業自らが市場で購入して消却することを言います。 では、なぜ企業はわざわざ買入償還を行うのでしょうか? 最も大きな理由は、市場の金利変動です。企業が債券を発行した後の市場で、金利が低下した場合、企業は低い金利で新たに資金を調達し、その資金で既存の高い金利の債券を買い戻すことで、利息の支払額を減らすことができます。 また、資金の運用状況が好調で、手元資金に余裕がある場合にも、買入償還が行われることがあります。 このように、買入償還は企業にとって、資金調達の柔軟性を高め、効率的に資金を運用するための有効な手段と言えるでしょう。
FX

外貨預金とファンダメンタルズ分析

- 外貨預金とは 外貨預金とは、普段私たちが使っている日本円ではなく、アメリカで使われているドルや、ヨーロッパで使われているユーロなど、外国で使われているお金で預金をすることができる金融商品です。 銀行に預金をすることを考えると、ほとんどの人は日本円で預けることを考えるでしょう。外貨預金は、この預けるお金の種類を日本円ではなく外国のお金にすることができるのです。 では、なぜわざわざ外国のお金で預金をする必要があるのでしょうか?それは、外貨預金には日本円での預金よりも高い金利が設定されている場合が多いからです。銀行にお金を預けると、預けたお金に対して利息がつきますが、この利息が外貨預金の方が高くなる場合があるため、多くの人が興味を持つのです。 さらに、預けている間に預けたお金の価値、つまり為替レートが円安方向に動けば、預けた時よりも多くの日本円に換金できるため、更にお得になる可能性があります。これが外貨預金の大きな魅力の一つです。 しかし、為替レートは常に変動するという点に注意が必要です。 円高方向に動いてしまうと、逆に預入時よりも元本が減ってしまうリスクもあります。外貨預金は、このようなリスクとリターンの両方を理解した上で、慎重に検討する必要があります。
経済の用語

社内時価とは?金融機関の公正な価格設定の仕組み

- 社内時価の定義金融機関、特に証券会社では、顧客との取引において、常に公正な価格で取引を行う必要があります。しかし、株式や債券といった金融商品の中には、市場で活発に取引されておらず、価格が明確でないものも存在します。そこで、証券会社は、顧客との相対取引において、公正な価格設定を行うために「社内時価」と呼ばれる独自の評価基準を設けています。社内時価は、株式や債券といった伝統的な金融商品だけでなく、複雑な仕組みのデリバティブなど、証券会社が取り扱うあらゆる金融商品を対象としています。社内時価の算出方法は、金融商品の取引状況によって異なります。市場で活発に取引されている金融商品の場合、その市場価格を参考に算出されます。例えば、日経平均株価に採用されているような銘柄は、市場で常に売買が行われているため、その時点での市場価格が社内時価の基準となります。一方、市場で活発に取引されていない、あるいは市場価格が存在しない金融商品の場合、社内時価の算出は容易ではありません。このような場合には、過去の取引事例や類似商品の価格などを参考に、独自の計算モデルを用いて算出されます。例えば、ある企業が発行する社債が市場でほとんど取引されていない場合、その企業の信用力や財務状況などを加味し、類似の社債の価格などを参考に社内時価を算出することになります。このように、社内時価は、市場価格が存在しない、あるいは市場が十分に機能していない金融商品において、顧客と証券会社の間で公正な取引を行うための重要な指標となっています。
債券投資

外貨建債券:投資の選択肢を広げる

- 外貨建債券とは 外貨建債券とは、日本円ではなく、アメリカ合衆国ドルやユーロなどの外貨建てで発行される債券のことを指します。 債券を発行するのは、外国の政府や企業である場合もあれば、日本の企業が海外市場で資金調達を行う場合もあります。 投資家は、この外貨建債券を購入することによって、外貨建ての利子を受け取ることができます。また、為替の変動によっては、債券を売却する際に、為替差益を得られる可能性もあります。 一方で、投資には常にリスクが伴います。外貨建債券の場合、為替の変動によって、円高になった場合には、元本割れを起こしたり、利子収入が目減りしてしまう可能性も孕んでいます。 そのため、投資をする際には、事前に外貨建債券のリスクや仕組みについて、しっかりと理解しておくことが重要になります。
経済の用語

コーポレートガバナンスとは?

- コーポレートガバナンスの定義コーポレートガバナンスは、簡単に言うと「企業統治」のことです。 企業が、株主をはじめとする、従業員や取引先、地域社会など、企業に関わる様々な人たち(ステークホルダー)に対して、きちんと責任を果たしていくための仕組みを指します。 具体的には、企業の意思決定プロセスを明確化し、経営陣が公正かつ透明性のある方法で業務を遂行できるようにするためのルールや慣行、組織構造などが含まれます。 目的は、企業が健全に成長し、社会に貢献し続けることを保証することです。近年、企業の不祥事や経営の不正が後を絶ちません。 このような状況下で、コーポレートガバナンスは、企業が信頼を回復し、持続的な成長を実現するために、これまで以上に重要な要素となっています。 企業は、単に利益を追求するだけでなく、法令を遵守し、倫理的な行動をとり、社会的な責任を果たすことが求められています。 コーポレートガバナンスを適切に機能させることで、企業はステークホルダーからの信頼を獲得し、長期的な企業価値の向上につなげることができるのです。
経済の用語

外貨預金と経済の基礎知識

- 外貨預金の魅力近年の超低金利政策の影響で、銀行に預けていてもほとんど利息が増えない状況が続いています。そのような中、「外貨預金」は、円とは異なる通貨で預金することで、より高い利息を得られる可能性を秘めた魅力的な選択肢として注目されています。外貨預金の最大の魅力は、金利の高い通貨に預け入れることで、日本円の預金よりも多くの利息を受け取れる可能性がある点です。例えば、アメリカドルやオーストラリアドルなどは、日本円に比べて高い金利水準で推移していることが多く、外貨預金の魅力を高めています。さらに、為替の変動によって利益を狙えるのも外貨預金の大きな特徴です。預けている通貨が円に対して値上がりした場合、円に換金する際に為替差益を得ることができます。近年、円安が進む局面も見られ、外貨預金の魅力はますます高まっていると言えるでしょう。しかし、外貨預金は為替リスクも伴うことを忘れてはなりません。円高に進むと、為替差損が発生し、預けた元本を割り込んでしまう可能性もあります。外貨預金を始める際には、リスクとリターンをよく理解し、余裕資金の範囲内で運用することが大切です。
FX

お得に外貨両替!買相場を理解しよう

- 買相場とは 旅行などで海外に行くと、日本円を外貨に交換しますよね。そして、旅行から帰ってきたら、余った外貨を円に戻すことがあると思います。この時、銀行や両替所で提示される円と外貨の交換比率のことを「為替レート」と言います。 「買相場」とは、銀行や両替所が、顧客から米ドルやユーロなどの外貨を買い取る際の交換レートのことを指します。例えば、あなたがアメリカ旅行で余った100ドルを円に戻したい場合、銀行はその日の買相場を使って円に交換してくれます。 この買相場は、銀行が顧客から外貨を取得する際の価格設定と言えます。銀行は、顧客から外貨を安く買い、それを必要とする別の顧客に高く売ることで利益を得ています。そのため、銀行が顧客に提示する買相場は、その銀行が独自に決めているのです。 さらに、買相場は需要と供給の関係によって日々変動します。世の中で円が多く出回っていてドルの需要が高まれば、ドルは高くなります。反対に、ドルが多く出回っていて円の需要が高まれば、ドルは安くなります。このように、買相場は常に変動するため、外貨を円に戻すタイミングによって受け取れる金額が変わってくるので注意が必要です。
債券投資

社債取引情報で市場の透明性アップ

- 社債取引情報とは企業がお金を必要とする際に、株式を発行して投資家から資金を集める方法以外にも、社債という方法があります。これは企業が発行する債券のことで、株式と並んで重要な資金調達の手段となっています。しかし、株式市場と比べると、社債市場は規模が小さく、取引情報も限られているため、価格の透明性が低いという課題がありました。そこで、日本証券業協会は、市場の活性化を図ることを目的として、一定規模以上の社債取引情報をホームページで毎日公表することになりました。この情報公開によって、投資家はより多くの情報を得ることができ、市場全体の動きを把握しやすくなりました。具体的には、公表される情報には、銘柄名、約定単価、取引数量などが含まれています。これにより、これまで見えにくかった社債市場の動向が、投資家にとってより明確にわかるようになりました。この取り組みは、社債市場の透明性を高め、より多くの人が安心して取引に参加できる環境を作るために重要な一歩と言えるでしょう。
株式投資

外貨建ワラントとは?

- 外貨建ワラントの概要 投資の世界では、様々な金融商品が存在しますが、その中でも「ワラント」という言葉を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか。ワラントとは、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で、特定の株式や債券などの原資産を一定期間内に売買する権利を投資家に与える有価証券のことです。そして、このワラントの中でも、「外貨建ワラント」は、海外市場で発行され、米ドルやユーロなどの外貨建てで取引されるワラントを指します。 通常の円建てのワラントと比較した際に、外貨建ワラントには、為替の影響を受けるという大きな特徴があります。例えば、米ドル建てのワラントを購入した場合、円安ドル高の局面では、為替差益によって利益が拡大する可能性があります。一方、円高ドル安の局面では、為替差損によって損失が拡大する可能性もあります。 外貨建ワラントは、高いリターンを狙うことができる一方で、投資初心者にとっては仕組みが複雑でリスクも高いため、投資する前に十分な知識を身につけることが重要です。具体的には、原資産の価格変動リスクに加え、為替変動リスクも考慮する必要があります。 外貨建ワラントへの投資を検討する際は、目 prospectusなどの資料をよく読み込み、リスク許容度などを踏まえて、慎重に判断することが大切です。
株式投資

コーポレートアクションを理解しよう

- コーポレートアクションとは企業は、事業を円滑に進め、成長を促すために、常に変化と対応を迫られています。その中で、株主や債権者といった、企業と密接に関わる人たちに対して、企業がとる重要な行動があります。それが「コーポレートアクション」です。コーポレートアクションとは、企業が株主や債権者に対して行う、財務上または企業構造上の重要な意思決定を指します。 つまり、企業がお金に関することや、会社の構造自体を変えるような場合に、株主や債権者に対して、その決定を知らせる行動のことです。コーポレートアクションには、実に様々な種類があります。例えば、企業の業績が好調な場合には、利益の一部を株主へ還元する「配当金」の支払いが行われることがあります。 また、株価が上がりすぎて取引しづらくなった場合には、株式を分割して1株あたりの価格を下げる「株式分割」が行われることもあります。逆に、株価が低迷している場合には、複数の株式をまとめて1つの株式にする「株式併合」によって、株価の安定化を図ることもあります。さらに、株主に対して、自社製品の割引券や商品券などを提供する「株主優待」なども、コーポレートアクションの一つです。 また、企業買収の方法として、市場を通じて株式の買い付けを呼びかける「株式公開買付け(TOB)」なども、コーポレートアクションに含まれます。このように、コーポレートアクションは、企業の規模や経営状況、将来展望などによって、その種類は多岐にわたります。そして、これらの行動は、投資家が保有する株式や債券の価値に直接影響を与える可能性があります。そのため、投資家は、コーポレートアクションの内容を理解し、自身の投資判断に役立てることが重要です。
指標

アメリカ経済の今を読み解く!非農業部門雇用者数とは?

- 雇用統計の重要指標 経済の状況を掴む上で、様々な統計データが活用されますが、中でも雇用に関する統計は、景気の現状や将来予測を行う上で非常に重要な指標となります。 特に注目すべきは、アメリカで毎月第一金曜日に発表される「非農業部門雇用者数」です。これは、農業分野を除く様々な業種における雇用者数の増減を示す指標であり、景気の動向を敏感に反映することから、市場関係者から特に注目されています。 この指標が大きく増加した場合、企業の業績が向上し、新規雇用が創出されていると解釈できます。その結果、景気は拡大傾向にあると判断され、消費や投資の活性化が期待されます。逆に、この数値が減少に転じた場合、企業業績の悪化や雇用抑制の動きを示唆しており、景気は後退局面に入っていると見なされます。 この「非農業部門雇用者数」は、単独でも重要な経済指標ですが、他の経済指標と合わせて分析することで、より精度の高い景気判断が可能になります。例えば、製造業の受注状況や消費者物価指数などと併せて見ることで、雇用状況の背景にある要因を深く理解することができます。
債券投資

企業の資金調達!社債投資の基礎知識

- 社債とは会社が事業を大きくしたり、新しい設備を導入したりするためには、たくさんのお金が必要になります。この必要な資金を集める方法の一つに、-社債の発行-があります。社債とは、会社が投資家に対して発行する債券のことです。投資家は社債を購入することで、会社にお金を貸すことになります。 会社は集めたお金を事業に投資し、その後、投資家に対してあらかじめ決めていた利息を付けてお金を返済します。社債は「事業債」とも呼ばれ、株式の発行や銀行からの融資と並ぶ、企業にとって重要な資金調達方法の一つです。銀行からお金を借りるよりも低い金利でお金を借りられる場合もあり、企業は状況に応じて使い分けています。投資家にとっては、社債は預貯金よりも高い利回りが期待できるというメリットがあります。ただし、会社が倒産してしまうと、投資したお金が戻ってこないリスクもあります。そのため、投資する際には、会社の業績や財務状況などをよく調べる必要があります。
経済の用語

金融商品と買手責任

私たちは毎日、洋服や食品、家電など、実に様々な商品やサービスを購入して生活しています。日々の買い物において、消費者は商品の品質や価格、デザインなどを比較検討し、納得した上で購入するのが一般的です。これは、民法の原則である「買手が注意する」という考え方に基づいています。つまり、消費者は自身の責任において、商品の価値をよく見極めて購入する必要があるのです。 例えば、スーパーマーケットでりんごを買う場面を想像してみてください。消費者は、りんごの色ツヤや形、傷の有無などを確認し、さらに価格と比較して購入するかどうかを判断します。もし、傷んでいることに気付かずに購入してしまっても、それは消費者が注意を怠った結果であり、原則として販売店に責任を問うことはできません。 ただし、この原則には例外もあります。販売店が商品の欠陥を隠していた場合や、虚偽の説明をして消費者を欺いた場合には、販売店に責任が生じる可能性があります。しかし、このような場合でも、消費者が販売店の説明を鵜呑みにせず、自ら情報収集を行うなど、注意を払うことは重要です。
その他

ヘッジファンドへの入り口、ゲートキーパーとは?

近年、高い収益を狙える個人や機関投資家を中心に、ヘッジファンドへの投資に関心を持つ人が増えています。しかし、ヘッジファンドは、一般的な投資信託と比較して、仕組みが複雑でリスクも高いという側面があります。そのため、専門知識がない人が安易に投資をすることは推奨できません。 そこで、ヘッジファンドへの投資を検討する際に、重要な役割を担うのが「ゲートキーパー」です。彼らは、ヘッジファンドの世界へ投資家を案内する案内役として、投資家とヘッジファンドの橋渡し役を担います。具体的には、ヘッジファンドの運用状況や戦略を分析し、投資家にとって適切なファンドを選定します。また、投資家に対しては、投資のリスクや期待リターンを分かりやすく説明する役割も担います。 ヘッジファンドへの投資は、高い収益の可能性を秘めている一方で、大きなリスクも伴います。そのため、投資を検討する際は、ゲートキーパーのような専門家の助言を得ながら、慎重に判断することが重要です。
債券投資

外貨建て債券で資産運用!メリット・デメリットを解説

- 外貨建て債券とは外貨建て債券とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの外国通貨で発行される債券のことを指します。 一般的な債券は、購入、利息の受け取り、償還時の受け取りなど、すべての手続きが日本円で行われます。しかし、外貨建て債券の場合、これらのすべての手続きが発行された通貨で行われます。 例えば、米ドル建て債券を購入する場合、購入時に日本円を米ドルに交換する必要があります。その後、利息を受け取る際も米ドルで支払われ、満期償還時にも米ドルで受け取ることになります。 つまり、外貨建て債券に投資するということは、投資期間中は、常に為替変動リスクと隣り合わせということになります。しかし、為替変動リスクは、円高・円安どちらの可能性もあるため、円安になった場合には、為替差益を得られる可能性も秘めています。
経済の用語

企業 governance の要!社外取締役の役割とは?

- 社外取締役とは社外取締役とは、企業の従業員ではなく、企業経営に直接関わっていない立場の人物が、取締役会の一員として参加する取締役のことです。彼らは、その企業の株主や取引先、従業員といった立場ではなく、中立的な立場で経営を監視し、助言や提言を行います。従来の日本企業では、社内から昇進した取締役が多数を占めることが一般的でした。しかし、近年では、企業統治の強化や経営の透明性向上のため、外部の視点を取り入れることの重要性が認識されつつあります。そこで、社外取締役は、その専門知識や豊富な経験に基づき、客観的な立場から経営判断を監督し、企業の成長や健全な発展に貢献することが期待されています。具体的には、経営戦略や財務状況、リスク管理体制などを監視し、取締役会において経営陣に対して意見を述べたり、助言を行ったりします。また、不正や粉飾決算などの問題が発生した場合には、第三者としての立場から調査を行い、再発防止策を提言する役割も担います。社外取締役は、企業と一定の距離を保ちながら、公平かつ公正な視点で経営を監督することで、企業の長期的な成長と株主や投資家を含む、すべてのステークホルダーの利益を守る重要な役割を担っています。