投資の先生

経済の用語

景気循環:経済の波に乗る

- 景気循環とは 経済は生き物のように、常に変化しています。活気があり景気が良い時期もあれば、反対に停滞し、景気が悪くなる時期もあります。このように、経済活動は常に一定ではなく、良い時と悪い時を繰り返しながら変化していきます。この経済活動の浮き沈みのことを「景気循環」と呼びます。 景気循環は、まるで波のように上下動を繰り返しながら進んでいきます。波の山にあたる部分は「好況期」と呼ばれ、企業の生産活動は活発になり、人々の所得も増加します。街には活気があふれ、新しいビジネスも次々と生まれます。 一方、波の谷にあたる部分は「不況期」と呼ばれ、企業の業績は悪化し、失業者が増えるなど、経済活動は停滞してしまいます。 この景気循環は、さまざまな要因が複雑に絡み合って生み出されます。政府の経済政策、企業の投資活動、消費者の心理など、経済活動に影響を与える要素は多岐にわたるため、景気循環の波を正確に予測することは容易ではありません。 しかし、景気循環の基本的なメカニズムを理解しておくことは、経済の動きを予測し、私たち自身の生活にも役立ちます。例えば、好況期には将来への不安が減り、積極的に消費や投資を行う傾向が見られます。反対に、不況期には将来への不安が高まり、節約志向が強くなる傾向があります。このように、景気循環は私たちの行動にも大きな影響を与える可能性があるのです。
FX

為替市場の基礎知識:仲値と余剰・不足の関係

- 為替市場における仲値とは日々変動する為替相場において、取引の基準となる重要なレートがあります。それが仲値であり、特に銀行間で行われる取引において重要な役割を担っています。東京外国為替市場では、銀行間で活発に外貨の売買が行われていますが、その基準となるのが午前10時に発表される仲値です。この仲値は、銀行間で行われるインターバンク取引のレートを元に決定されます。インターバンク取引とは、銀行同士が巨額の資金をやり取りする取引で、世界の金融市場を大きく動かす力を持っています。仲値は、その日のインターバンク取引の動向を反映したものであり、その後の為替取引の指標として、市場参加者から注目を集めます。特に、世界経済において重要な役割を担う米ドルの取引においては、この仲値が重視されます。輸出入を行う企業にとっては、為替レートの変動は収益に大きく影響するため、仲値を参考にその日の取引戦略を練ることになります。また、金融機関にとっても、仲値は外国為替取引や国際的な資金調達の際の重要な判断材料となります。このように、仲値は銀行間取引だけでなく、企業や金融機関など、多くの市場参加者にとって重要な指標となっています。為替市場の動向を掴む上では、仲値の動きに注目することが欠かせません。
経済の用語

世界を揺るがしたニクソン・ショック:その影響と教訓

- ニクソン・ショックとは1971年8月15日、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が、ドルと金の交換停止を突如発表しました。世界を揺るがしたこの出来事は「ニクソン・ショック」と呼ばれています。ニクソン・ショック以前、世界の経済は「ブレトン・ウッズ体制」と呼ばれる仕組みの上に成り立っていました。この体制では、アメリカの通貨であるドルが基軸通貨としての役割を担い、ドルはいつでも一定の価格で金と交換することが保証されていました。この仕組みのおかげで、世界各国は安心して貿易や金融取引を行うことができ、経済は安定していました。しかし、1960年代後半に入ると、アメリカの経済状況は悪化し始めます。特に、長期化するベトナム戦争による巨額の軍事費の負担や、貿易赤字の拡大は深刻でした。その結果、ドルの価値は下落し、各国が保有するドルを金と交換する動きが強まりました。このままでは、アメリカが保有する金の量が底をついてしまうと考えたニクソン大統領は、経済の立て直しを図るために、一方的にドルと金の交換停止を宣言したのです。この発表は、世界の通貨システムに大きな衝撃を与え、ブレトン・ウッズ体制は崩壊へと向かいました。そして、変動相場制への移行という、新たな時代の幕開けとなりました。
債券投資

ABS投資の基礎知識

ABSとはABSは、Asset Backed Securitiesの略で、日本語では「資産担保証券」といいます。企業が発行する債券には、事業で得た利益を投資家に分配するものもありますが、ABSは少し違います。特定の資産から生まれる将来の収入を裏付けとして発行される証券です。例えば、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの返済金などがその資産にあたります。これらの資産から生み出されるお金の流れを「キャッシュフロー」と呼びます。例えば、住宅ローンを担保にしたABSを考えてみましょう。住宅ローンを組んだ人は、毎月、住宅ローンを返済していきます。この返済金の一部が、ABSを購入した投資家に分配される仕組みです。つまり、ABSを購入するということは、その裏付けとなっている資産が生み出す将来のキャッシュフローに投資していると言えるのです。債券と似たようなものですが、裏付けとなるものが将来の事業収益ではなく、特定の資産から生まれる収入であるという点がABSの特徴です。
経済の用語

景気回復の兆しを見つける

- 景気回復期とは景気回復期とは、例えるなら、厳しい冬を耐え忍び、草木が芽吹き始める春の到来のようです。長い間、停滞していた経済活動が、再び息を吹き返し、徐々に活気を取り戻していく時期を指します。これまで冷え込んでいた企業の業績も回復に向かい、新たな事業展開や設備投資に意欲を見せるようになります。その結果、企業はより多くの従業員を必要とするようになり、雇用が増加に転じるのです。求人が増えることで、人々の雇用不安は減り、収入増加への期待感から消費意欲も高まっていきます。また、景気回復は賃金にも良い影響を与えます。企業は優秀な人材を確保するために、より高い賃金を提示するようになり、労働者の待遇改善につながります。このように、景気回復期には、雇用と賃金の両面で明るい兆しが見えてくるのです。しかし、景気回復は、ゆるやかな坂道を登っていくように、一足飛びにすべてが良くなるわけではありません。依然として、経済状況に注意を払い、堅実な経済活動を心がけることが大切です。
株式投資

ナンピン投資法:メリットと注意点

- ナンピン投資法とはナンピン投資法は、購入した投資対象の価格が下落したタイミングで、追加投資を行う投資手法です。この手法の目的は、1単位あたりの平均取得価格を下げることにあります。例えば、1株1,000円の株式を100株購入したとしましょう。その後、価格が800円に下落した場合を考えます。この時、新たに100株を買い増すと、200株の平均取得価格は900円になります。もし価格が回復し、1,000円に戻ったとすると、当初の100株のみの場合と比べて、大きな利益を得られます。ナンピン投資法は、価格が将来的に上昇すると予想される投資対象に対して有効な手法となりえます。しかし、価格が予想に反して下落し続けた場合、損失が拡大するリスクも孕んでいます。投資には常にリスクが伴うことを理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、慎重に判断する必要があります。
その他

清算型基金とは?

近年、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、中でも従業員の長寿化や雇用形態の多様化は、企業年金制度の運営に大きな影響を与えています。従来型の年金制度では、将来の給付額が確定している場合が多く、これらの変化に対応していくことが難しくなってきています。 このような状況下、企業は年金制度の持続可能性をより深く検討し、従業員にとってより安定した制度を構築していく必要性に迫られています。 そこで近年、新たな選択肢として注目を集めているのが「清算型基金」です。この制度は、従来の制度とは異なる仕組みを持つことで、企業年金が抱える課題解決への糸口となる可能性を秘めています。 今回は、この清算型基金の概要や制度の目的について、詳しく解説していきます。これにより、企業年金制度の未来像や、従業員の老後保障の在り方について、理解を深めていただければ幸いです。
その他

保険選びのポイント:予定利率とは?

- 予定利率とは何か生命保険や個人年金保険といった保険商品を選ぶ際、「予定利率」という言葉を見かけることがあります。 加入者は保険料を毎月保険会社に支払いますが、保険会社はその保険料を運用して、将来の保険金や年金の支払いに備えています。 この運用で保険会社がどれくらいの利回りを目指すのかを表す数値が、「予定利率」です。 簡単に言えば、保険会社が加入者に対して約束する運用利回りの目安と言えます。例えば、予定利率が3%の保険に加入した場合、保険会社は預かった保険料を元手に、年間3%の利回りで運用することを目指します。 この運用によって得られた利益は、将来の保険金や年金の支払いに充てられます。 つまり、予定利率が高いほど、将来受け取れる保険金や年金の金額も大きくなる可能性が高くなります。 しかし、予定利率はあくまで保険会社が目指す利回りであり、必ずしもその通りになるわけではありません。 実際の運用成績が予定利率を上回ることもあれば、下回ることもあります。 近年では、低金利の影響で、予定利率は低下傾向にあります。 保険商品を選ぶ際には、予定利率だけでなく、その他の要素も総合的に判断することが重要です。
経済の用語

景気とは?変動の波に乗りこなすための基礎知識

- 景気の定義 「景気が良い」「景気が悪い」といった言葉を、ニュースや新聞で見聞きしない日はないと言えるでしょう。 それだけ身近な言葉である「景気」ですが、その正確な意味を理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。 簡単に言うと、景気とは経済活動の勢いの程度を表す言葉です。 私たちの身の回りでは、毎日、様々な商品やサービスが売買されています。 企業は、人々の需要を満たすために商品を生産し、サービスを提供しています。 そして、人々は企業で働き、その対価として給料を得て、生活を営んでいます。 景気は、こうした経済活動全体が活発に行われている状態なのか、それとも停滞している状態なのかを示す指標なのです。 景気が良くなれば、企業はより多くの商品を生産し、より多くの人を雇うようになります。 給料も上がりやすくなるため、人々の消費も活発になり、経済は好循環を生み出します。 反対に、景気が悪くなると、企業は生産や雇用を減らし、人々の消費も冷え込んでしまいます。 このように、景気は私たちの生活に密接に関わっている重要な要素と言えるでしょう。
経済の用語

経済の羅針盤:93SNAとは

- 経済分析の国際基準 世界経済の動向を的確に捉え、効果的な政策を立案するためには、各国でばらばらな経済指標を共通の尺度で比較できるよう統一する必要があります。この重要な役割を担うのが、経済統計の国際基準である93SNAです。「システム・オブ・ナショナル・アカウンツ・ナインティーン・ナインティスリー」の略称である93SNAは、1993年に国際連合統計委員会で採択されました。 93SNAは、経済活動を「生産」「分配」「支出」「蓄積」という4つの側面から捉え、それぞれの段階における取引を体系的に記録・分類するためのルールを定めています。これにより、国内総生産(GDP)や国民所得など、経済活動を測る主要な指標を国際的に比較可能にすることが可能となります。 93SNAの導入により、私たちは世界の国々や地域の経済状況をより正確に把握し、比較分析することができるようになりました。これは、国際的な経済協力や貿易の促進、そして世界経済の安定的な成長に大きく貢献しています。また、各国は93SNAに基づいた統計データを用いることで、より効果的な経済政策を立案・実行することが可能となります。
その他

企業年金と予定脱退率の関係

- 企業年金制度の概要企業年金制度とは、会社が従業員の退職後の生活を支えるために給付を行う制度です。これは、老後の生活資金を確保するための重要な仕組みの一つであり、公的年金制度を補完する役割を担っています。従業員にとっては、将来受け取る年金によって、より安心して老後の生活設計を立てることができます。企業年金制度には、大きく分けて二つの種類があります。一つは「確定給付型」と呼ばれるもので、これは従業員が将来受け取る年金額があらかじめ決まっている制度です。もう一つは「確定拠出型」と呼ばれるもので、こちらは運用実績によって将来の年金額が変動する制度です。確定給付型は、主に企業が年金の運用を行い、その運用結果に関わらず、あらかじめ決められた金額が従業員に支払われます。一方、確定拠出型は、従業員自身が自分の年金のために毎月一定額を積み立て、それを運用していく制度です。 運用方法は自分で選択することができ、その運用実績によって将来受け取れる年金額が変わってきます。企業年金制度は、従業員の老後生活を支える重要な役割を担っており、それぞれの制度の特徴を理解しておくことが大切です。制度の詳細については、加入している企業や社会保険関係機関に問い合わせてみましょう。
経済の用語

投資と正規分布:未来への見通しを立てる

- 正規分布とは世の中には、身長、体重、テストの点数など、様々なデータが存在します。これらのデータを分析する際に役立つのが、統計学という学問です。そして、統計学において特に重要な役割を担うのが、「正規分布」と呼ばれる確率分布です。正規分布は、グラフに描くと、左右対称の美しい釣鐘型になるのが特徴です。この釣鐘型の山の頂点が、データの平均値を表しています。つまり、データが集中している点が平均値となり、その周りに対称的にデータが広がっている様子が見て取れます。では、データの広がり方はどのように測ればよいのでしょうか。ここで登場するのが「標準偏差」という概念です。標準偏差は、データが平均値からどれくらいばらついているかを表す指標です。標準偏差が小さいほど、データは平均値近くに集まっており、逆に標準偏差が大きいほど、データは平均値から遠く離れて散らばっていることを意味します。正規分布が統計学において多用される理由の一つに、平均値と標準偏差というたった2つの値だけで、その分布全体の特徴を掴むことができるという点があげられます。これは、膨大なデータの分析を簡略化できるという点で、非常に重要な特徴と言えるでしょう。
株式投資

ナスダック・ジャパン:日本の新興企業向け市場の軌跡

- ナスダック・ジャパンとは2000年5月、大阪証券取引所に新たな株式市場が誕生しました。それが「ナスダック・ジャパン」です。当時、世界的にインターネット関連企業の成長が著しく、アメリカでは「ナスダック」という株式市場が、そうした企業の資金調達を支え、大きな発展を遂げていました。 ナスダック・ジャパンは、まさにその成功例を日本でも実現しようと、アメリカのナスダックと提携し設立されました。その目的は、日本におけるベンチャー企業や成長企業に、より円滑な資金調達手段を提供することにありました。 従来の日本の株式市場は、新規公開の審査基準が厳しく、新興企業にとって参入のハードルが高いという現状がありました。ナスダック・ジャパンは、そうした状況を打破し、革新的な技術やアイデアを持つ企業が資金を調達しやすくすることで、日本経済の活性化を図ろうとしたのです。 しかし、期待されたほどの新規上場企業が集まらず、2010年に幕を閉じることとなりました。当時の日本経済の停滞や、インターネットバブル崩壊の影響など、さまざまな要因が重なった結果と言われています。
その他

契約の力:契約法理とその影響

- 契約法理とは私たちは日々、意識することなく「契約」という行為を行っています。例えば、お店で商品を購入したり、電車に乗ったり、友人と待ち合わせたりするのも、広い意味では契約と捉えることができます。このような、私たちの社会生活を支える「契約」という行為を、法的側面から支えているのが「契約法理」です。契約法理の根底にあるのは、「契約自由の原則」という考え方です。これは、契約当事者はお互いに equal な立場で、それぞれの利益を追求しても良い、という原則です。つまり、契約の内容は当事者が自由に決めることができ、国や法律が介入することは、原則としてありません。例えば、あなたがお店で商品を購入する場合、あなたとお店は対等な立場にあります。あなたは予算や好みに合わせて商品を選び、お店は適正な価格で商品を提供します。そして、双方が納得した場合にのみ、売買契約が成立します。このように、契約法理は、私たちが自由な意思に基づいて契約を結び、円滑な社会生活を送るための基礎となっています。
経済の用語

経済統計の基礎、68SNAとは?

- 68SNAの概要1968年に国際連合統計委員会で採択された国民経済計算体系(SNA)は、「68SNA」と呼ばれています。正式名称は「システム・オブ・ナショナル・アカウンツ・ナインティーン・シックスティエイト」と言い、各国の経済活動を体系的に記録・分析するための統計的な枠組みを提供しています。これは、経済統計の基礎となる重要な概念です。68SNA以前は、各国が独自の統計基準を用いていたため、国際的な経済状況の比較が困難でした。そこで、68SNAは世界共通の経済統計基準として導入され、各国経済の比較分析を可能にする共通言語としての役割を担うことになりました。これは、いわば世界の経済活動を共通の尺度で測定するための「ものさし」のようなものです。この「ものさし」を用いることで、私たちは初めて異なる国の経済規模や成長率などを比較できるようになり、国際的な経済協力や政策立案に不可欠な情報を提供しています。68SNAは、その後の経済構造の変化や統計手法の進歩に対応するため、何度か改訂が行われてきました。しかし、基本的な概念や枠組みは現在も世界各国の経済統計の基盤として広く受け入れられ、活用され続けています。
その他

予定退職率を理解して、企業の人材戦略に活かそう

会社で働く人にとって、退職は避けて通れないものです。特に、長い間会社に貢献してくれたベテラン社員の方の退職は、会社にとって大きな痛手となります。長年培ってきた経験や知識が失われてしまうだけでなく、これまで築き上げてきた社内ネットワークや指導的な立場を失うことによる影響は計り知れません。 このような退職による影響を最小限に抑えるためには、いつ、どのくらいの社員が退職する可能性があるのかを事前に把握しておくことが重要です。この予測に役立つ指標の一つが「予定退職率」です。予定退職率とは、一定期間内に退職する社員の割合を予測したもので、過去の退職者数や年齢構成、勤続年数などを基に算出されます。 この予定退職率を分析することで、将来的な人員不足を見積もり、採用計画や人材育成計画に反映させることができます。例えば、特定の部署や職種で退職者が増える可能性が高い場合は、事前に後任を育成したり、新規採用活動を行ったりすることで、業務の停滞を防ぐことができます。また、ベテラン社員のノウハウをスムーズに後輩へ伝承するためのプログラムを導入するなど、人材育成の強化にも繋げることができます。 このように、予定退職率を適切に活用することで、企業はより計画的に人材マネジメントを行い、安定的な事業運営を実現することができます。
経済の用語

知っておきたい投資の基礎知識:正の相関関係とは?

- 投資と相関関係投資の世界は、まるで生き物のようで、様々な要素が複雑に絡み合いながら価格が変動しています。株価、金利、為替、商品価格など、挙げればきりがありません。これらの動きを予測するのは至難の業ですが、投資家はそのリスクとリターンを見極め、資産を運用しなければなりません。そこで重要となるのが「相関関係」という考え方です。これは、異なる資産や経済指標がお互いにどのように影響し合うのかを表すものです。例えば、ある国の経済が成長すると、その国の企業の業績も良くなり、株価が上昇する傾向があります。これは、経済成長と株価の間には「正の相関関係」があると言えます。逆に、原油価格が上昇すると、企業の燃料費などのコストが増加し、利益が減少し、株価が下落することがあります。これは「負の相関関係」の一例です。相関関係を理解することは、リスク管理やポートフォリオ構築において非常に大切です。もし、自分の持っている複数の投資商品が全て同じ方向に動く「正の相関関係」にある場合、市場全体が下落すると、すべての投資で損失が出てしまう可能性があります。これを避けるためには、異なる資産クラスや、異なる地域に分散投資を行うことが重要です。具体的には、株式だけでなく、債券や不動産、金などを組み合わせたり、日本だけでなく、アメリカや新興国の資産にも投資することで、リスクを軽減し、安定したリターンを目指せる可能性があります。投資の世界は複雑で、常に変化していますが、相関関係を理解することで、より適切な投資判断を行い、資産を増やせる可能性が広がります。
株式投資

ナスダック:ハイテク企業の成長市場

- ナスダックとはナスダックは、アメリカに拠点を置く世界最大規模の電子株式市場です。正式名称は「ナショナル・アソシエーション・オブ・セキュリティーズ・ディーラーズ・オートメーティッド・クォーテーションズ」と言い、日本語では「全米証券業協会自動気配システム」と訳されます。 1971年に誕生したナスダックは、当初、証券取引所を通さずに株式を売買する「店頭市場」と呼ばれるシステムでした。これは、従来の証券取引所のように物理的な取引所を持たず、コンピューターネットワークを通じて株式の取引を行うという、当時としては画期的なものでした。 その後、ナスダックは急速に成長し、特に1990年代後半のITバブルの際には、マイクロソフトやアップルといった、世界的なIT企業が多く上場したことから、「ハイテク企業の聖地」とも呼ばれるようになりました。現在では、金融、小売、バイオテクノロジーなど、幅広い業種の企業が上場しており、世界中の投資家から注目を集めています。
投資信託

運用評価の重要な5つのPとは?

- 運用評価の重要性 投資信託や年金基金など、私たちのお金を預け、将来のために増やしてくれる運用機関。その運用機関を選ぶ際、多くの人は、過去の運用成績、つまりどれくらい利益を出してくれたのかという点に注目するでしょう。もちろん、過去の成績は、その運用機関の実力を知る上で重要な指標の一つです。しかし、過去の成功が未来の成功を保証するわけではありません。 そこで重要となるのが「運用評価」です。運用評価とは、単に過去の成績表を見るのではなく、その運用機関がどのような投資 philosophy を持ち、どのような戦略で運用を行い、どのような体制でリスク管理を行っているのか、といったプロセス面も含めて総合的に評価することです。 例えば、短期間で大きな利益をあげた運用機関があったとしても、それが一時的な市場の動きに便乗した結果なのか、それとも、綿密な分析と戦略に基づいた結果なのかによって、将来性に対する評価は大きく変わってきます。 適切な運用評価を行うことによって、目先の利益にとらわれず、長期的な視点に立って、より安心して資産を預けられる、信頼できる運用機関を見つけることができるでしょう。
その他

将来設計の鍵!「予定昇給率」を理解しよう

老後の生活資金として、会社員や公務員が加入する年金制度である企業年金は欠かせないものです。将来受け取れる年金額は、現役時代の積立額や運用状況だけでなく、「予定昇給率」によっても大きく変わってきます。 予定昇給率とは、将来の給与の増加率を予測して設定する数値のことです。企業年金は、加入期間中の給与水準をもとに年金額が計算されるため、この予定昇給率が高く設定されていれば、将来受け取れる年金額も多くなる仕組みです。 例えば、毎年昇給が見込める企業に勤めている場合は、予定昇給率も高めに設定される可能性があります。一方、給与の伸びが緩やかな企業に勤めている場合は、予定昇給率は低めに設定されるでしょう。 将来、自分がどれくらいの年金を受け取れるのか、その金額を把握するためには、加入している企業年金の制度設計をよく理解し、予定昇給率がどのように設定されているのかを確認することが重要です。また、自身のライフプランに合わせた資産形成計画を立てるためにも、専門家などに相談しながら、年金制度について理解を深めていきましょう。
その他

投資の前に!契約締結前交付書面で確認すべきこと

- 契約締結前交付書面とは 投資信託や株式、債券といった金融商品を購入しようとする際に、証券会社や銀行などの金融機関から必ず受け取る書面があります。それが「契約締結前交付書面」です。 この書面は、金融機関と契約を結ぶ前に、顧客が金融商品の内容やリスク、手数料などを理解するための重要な情報がまとめられています。金融商品への投資には、利益を得られる可能性がある一方で、損失を被るリスクも存在します。また、金融機関が提供するサービスには、それぞれ手数料や諸費用が発生します。 契約締結前交付書面には、これらのリスクや手数料に関する情報が具体的に記載されており、顧客はそれを事前に確認することで、自分自身で投資判断を行うことができます。 金融商品や取引に関するトラブルを未然に防ぎ、顧客を保護するため、法律で金融機関に交付が義務付けられています。契約締結前交付書面の内容をよく理解した上で、納得してから契約を結ぶようにしましょう。
株式投資

投資前に知っておきたい「整理銘柄」とは?

株式投資は企業の成長や収益を期待して行いますが、時には思いもよらない事態に見舞われることがあります。それは、保有している株式が証券取引所での売買対象から外れてしまう「上場廃止」です。 企業が上場廃止となる理由は様々ですが、共通しているのは投資家にとって大きな痛手となる可能性があるということです。 上場廃止の主な要因としては、業績の悪化が挙げられます。度重なる赤字や債務超過に陥ると、企業の存続自体が危ぶまれ、市場からの信頼を失墜させてしまうためです。また、不祥事の発覚も上場廃止に繋がるケースがあります。粉飾決算やインサイダー取引など、企業のコンプライアンス違反は投資家の不信感を招き、株価の暴落を招く恐れがあります。 上場廃止が決定すると、その銘柄は「整理銘柄」に指定され、投資家は売買を行うことができなくなります。その後、上場廃止基準に従って取引が再開されることもありますが、株価は大幅に下落しているケースがほとんどです。そうなれば、投資家は多大な損失を被ることになりかねません。 株式投資を行う上で、上場廃止のリスクは常に念頭に置いておく必要があります。
FX

為替相場を動かす「5・10日要因」とは?

毎月5日と10日は、多くの企業にとって資金繰りが慌ただしくなる日です。これは、国際的な商習慣が関係しています。 輸出や輸入を行う企業にとって、商品の受け渡しと代金の支払いは重要な取引です。国際的な取引の場合、この代金の支払いは、慣習的に毎月5日と10日に集中する傾向があります。 そのため、輸出企業にとっては代金を受け取る日、輸入企業にとっては代金を支払う日として、これらの日が重要な意味を持つようになります。 特に、海外との取引で多く利用されるアメリカドルは、円とは異なる通貨のため、取引の都度、両替が必要となります。毎月5日と10日は、多くの企業が円をドルに、あるいはドルを円に換金するため、為替相場が大きく変動する可能性も秘めています。企業は、このような為替変動リスクも考慮しながら、資金繰りを管理していく必要があると言えるでしょう。
投資信託

投資の基礎知識:契約型投資信託とは?

投資信託は、多くのお金を出し合ってひとまとめにし、運用の専門家が様々な資産に投資する金融商品です。一言で投資信託といっても、実際にはいくつかの種類があります。 代表的なものは、契約型投資信託と会社型投資信託です。この二つは、投資信託を設定する際の形態が異なります。 契約型投資信託は、運用会社と投資家が投資信託の運用に関する契約を結ぶことで成立します。この場合、投資信託自体には法人格がありません。一方、会社型投資信託は、投資信託自体が株式会社として設立されます。 日本では、一般的に投資信託と呼ばれるものは、ほとんどが契約型投資信託を指します。契約型投資信託は、会社型投資信託に比べて、設定や運用がしやすいという特徴があります。そのため、個人投資家向けに販売される投資信託の多くは、契約型投資信託として設定されています。