ABS投資の基礎知識

投資について知りたい
先生、「ABS」という言葉をニュースで耳にしたのですが、具体的にはどんな意味ですか?

投資アドバイザー
「ABS」というのは「資産担保証券」の略称で、ざっくり言うと、住宅ローンや自動車ローンなど、さまざまな種類の貸付金を一つにまとめて、証券化したものなんだよ。

投資について知りたい
へえー、そうなんですか。どうしてそのようなことをする必要があるのですか?

投資アドバイザー
それはね、貸付金を持つ側がそれを証券化して投資家に販売することで、早く資金を回収できるメリットがあるからなんだ。投資家にとっても、さまざまな種類の貸付金に分散投資できるため、リスクを軽減することができるという利点があるんだよ。
ABSとは。
『ABS』は、英語の『Asset Backed Securities』の頭文字をとった用語で、金融の分野で広く使用されています。日本語では『資産担保証券』と訳されます。『ABS』は一般的に、証券化された金融商品のことを指しますが、金融庁が定めた標準情報レポーティングパッケージ(SIRP)では、リースやクレジットの債権を裏付けとした証券化商品のことを特に指しています。
ABSとは

ABSとは
ABSは「Asset Backed Securities」の略称で、日本語では「資産担保証券」と呼ばれています。企業が発行する債券の中には、事業から得た利益を投資家に分配するものも存在しますが、ABSは少し異なります。特定の資産から生じる将来の収入を担保として発行される証券です。具体的には、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの返済金などが、こうした資産に該当します。これらの資産から生じるお金の流れは「キャッシュフロー」と呼ばれます。
たとえば、住宅ローンを担保にしたABSを考えてみましょう。住宅ローンを契約した人は、毎月住宅ローンの返済を行います。この返済金の一部が、ABSを購入した投資家に分配される仕組みになっています。つまり、ABSを購入するということは、その裏付けとなる資産が生み出す将来のキャッシュフローに投資することを意味します</span。債券と似たような性質を持っていますが、裏付けとなるものが将来の事業収益ではなく、特定の資産から得られる収入である点がABSの大きな特徴です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| ABSの正式名称 | Asset Backed Securities |
| 日本語名 | 資産担保証券 |
| 概要 | 特定の資産から生まれる将来の収入を裏付けにして発行される証券 |
| 裏付けとなる資産の例 | 住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードの返済金など |
| キャッシュフロー | 裏付け資産が生み出すお金の流れ |
| ABSへの投資 | 裏付けとなる資産が創出する将来のキャッシュフローへの投資 |
ABSの種類

– ABSの種類についてABSは、さまざまな資産を裏付けとする形で発行される証券です。ここでは、代表的なABSの種類とそれぞれの特性について詳しく説明します。-# 住宅ローン担保証券(RMBS)RMBSは、住宅ローンを裏付け資産とするABSです。住宅ローンは一般的に返済期間が長く、金利も固定されているため、RMBSは比較的安定した収益が期待できます。しかし、景気の後退などによって住宅価格が下がると、ローンが焦げ付きやすくなり、RMBSの価値が下落するリスクも存在します。-# 自動車ローン担保証券(ABSB)ABSBは、自動車ローンを裏付け資産とするABSです。自動車ローンは住宅ローンに比べて返済期間が短く、金利も高めに設定されることが多いため、ABSBはRMBSよりも高い利回りが期待できることが特徴です。しかし、自動車は住宅と比較して資産価値が下がりやすいという性質があるため、ローンが焦げ付いた場合、担保となる自動車を売却しても、ローンの残債を回収できないリスクがあります。-# クレジットカード債権担保証券(CCABS)CCABSは、クレジットカードの債権を裏付け資産とするABSです。クレジットカード債権は他のローンと比較して返済期間が短く、利用状況に応じて金利や利用限度額が変動するケースも多いため、CCABSのリスクやリターンは発行条件によって大きく異なることがあります。-# まとめこのように、ABSは裏付けとなる資産によってそのリスクやリターンが大きく異なります。投資を行う際には、それぞれのABSの特性を理解し、自身の投資目的やリスク許容度に適した商品を選ぶことが重要です。
| ABSの種類 | 裏付け資産 | 特徴 | リスク |
|---|---|---|---|
| RMBS (住宅ローン担保証券) | 住宅ローン | – 返済期間が長く、金利が固定されているため、比較的安定した収益が見込まれる。 | – 景気後退などで住宅価格が下落すると、ローンが焦げ付きやすく、RMBSの価値も下がるリスクがある。 |
| ABSB (自動車ローン担保証券) | 自動車ローン | – 住宅ローンに比べて返済期間が短く、金利も高いため、RMBSよりも高い利回りが期待できる。 | – 自動車は住宅と比べて資産価値が下落しやすく、ローンが焦げ付いた場合、担保となる自動車を売却しても、ローンの残債を回収できない可能性がある。 |
| CCABS (クレジットカード債権担保証券) | クレジットカードの債権 | – 返済期間が短く、利用状況により金利や利用限度額が変動することがある。 | – リスクやリターンは、発行条件によって大きく異なる。 |
ABS投資のメリット

– ABS投資のメリット
ABS投資は、伝統的な株式や債券とは異なる特性を持っているため、投資家にとってさまざまな利点があります。
まず第一に、ABS投資は分散投資によるリスク軽減効果が期待できる点です。株式や債券は景気や金利の変動の影響を受けやすいですが、ABSは住宅ローンや自動車ローンなど、その裏付けとなる資産の状況によって価格が決まるため、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があります。これにより、ポートフォリオに組み入れることで、特定の資産に集中することによるリスクを分散することが可能です。
また、ABS投資は通常、債券よりも高い利回りが期待できるという点も魅力の一つです。ABSは株式に比べてリスクが低く、債券に比べて利回りが高いため、安定した収入を求める投資家にとって魅力的な投資対象となる可能性があります。ただし、ABSはその裏付け資産の状態によって元本割れのリスクや、利払いの遅延リスクも伴いますので、投資を行う際には、リスクとリターンのバランスを十分に考慮することが重要です。
| メリット | 解説 |
|---|---|
| 分散投資によるリスク軽減効果 | 株式や債券と異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み入れることでリスクを分散することが可能。 |
| 債券よりも高い利回りの期待 | リスクが低く、安定した収入を求める投資家にとって魅力的。 |
ABS投資のリスク

– ABS投資のリスクABS投資には高い利回りが期待できる一方で、当然ながらリスクも伴います。ここでは、ABS投資に関連する主要なリスクについて詳しく解説します。-# 金利リスクABSはその仕組み上、金利変動の影響を受けやすい金融商品です。一般的に、金利が上昇するとABSの価格は下落する傾向があるため、投資家は注意が必要です。これは、市場金利が上がると新たに発行される債券の利回りが高くなるため、相対的に利回りが低い既存のABSの魅力が失われるからです。-# 信用リスクABSは住宅ローンや自動車ローンなどの貸付債権を裏付け資産としているため、裏付け資産の債務者が債務不履行を起こすと、ABSの元本や利息の支払いが滞るリスクがあるという点が挙げられます。たとえば、住宅ローンを裏付けとしたABSの場合、住宅価格の下落や景気後退により、ローン債務者が返済不能に陥ることがあります。-# 流動性リスクABSは株式や債券と比較して市場規模が小さく、売却を希望しても買い手が見つかりにくいという特徴があります。このため、投資家がすぐに現金化を希望しても、希望する価格で売却できなかったり、売却までに時間がかかったりするリスクがあります。これを流動性リスクと呼びます。特に、経済情勢が悪化したり市場が不安定になったりする際には、この流動性リスクが顕在化しやすくなります。
| リスクの種類 | 内容 |
|---|---|
| 金利リスク | 一般的に、金利が上昇するとABSの価格は下落する傾向があります。これは、市場金利が上昇すると新たに発行される債券の利回りが高くなるため、相対的に利回りの低い既存のABSの魅力が低下するためです。 |
| 信用リスク | ABSは住宅ローンや自動車ローンなどの貸付債権を裏付け資産としています。そのため、裏付け資産の債務者が債務不履行を起こすと、ABSの元本や利息の支払いが滞るリスクがあります。たとえば、住宅ローンを裏付けとするABSの場合、住宅価格の下落や景気後退の影響で、ローン債務者が返済不能に陥る可能性があります。 |
| 流動性リスク | ABSは株式や債券に比べて市場規模が小さく、売却時に買い手を見つけるのが難しいことがあります。このため、投資家がすぐに現金化したい場合でも、希望価格で売却できなかったり、売却までに時間がかかることがあります。特に経済状況が悪化したり市場が混乱したりする場合、流動性リスクが顕在化しやすくなります。 |
ABS投資を検討する上での注意点

資産担保証券(ABS)への投資を検討する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。ABSは住宅ローンや自動車ローンなどの貸付債権を証券化した金融商品です。
まず、投資対象のABSの発行体や裏付け資産の詳細をしっかり理解することが重要です。発行体の信用度や、裏付け資産の質によって、投資のリスクとリターンは大きく変わります。例えば、住宅ローンを裏付けにしたABSの場合、住宅価格の下落は投資価値に影響を与える可能性があります。
次に、格付けや利回りのみに注目するのではなく、裏付け資産の質やリスク分散の状況を慎重に確認することが重要です。高い利回りに気を取られて軽率に投資を決めるのではなく、リスクを正しく評価することが不可欠です。リスク分散が不十分な場合、一部の資産の焦げ付きが全体に大きな影響を与える危険性もあります。
最後に、ABSは複雑な金融商品であるため、投資初心者には不向きな場合がある点を考慮する必要があります。投資判断に迷った際には、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。専門家の意見を参考にしながら、自分の投資経験やリスク許容度を考慮し、慎重に判断することが大切です。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体と裏付け資産の理解 | ABSの発行体の信用力や裏付け資産の内容(住宅ローン、自動車ローンなど)によってリスクとリターンが変わります。 |
| リスクの評価 | 格付けや利回りだけでなく、裏付け資産の質やリスク分散の状況を慎重に確認しましょう。リスク分散が不十分な場合、一部の資産の焦げ付きが全体に影響を与える可能性があるため注意が必要です。 |
| 投資の難易度 | ABSは複雑な金融商品であるため、投資初心者には不向きな場合があります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、自分の投資経験やリスク許容度を考慮して判断することが重要です。 |
