経済の用語

経済の用語

外貨預金とイールド・カーブの関係

預貯金や債券といった金融商品は、一般的に預け入れ期間が長くなるほど金利も高くなる傾向があります。これは、お金を預ける側からすると、長期間お金を自由に使うことができなくなるリスクを補うために、より高い金利を求めるためです。 この預け入れ期間と金利の関係性をグラフで表したものが「イールド・カーブ」です。イールド・カーブは、横軸に預け入れ期間、縦軸に金利をとることで、一目で金利の期間構造を把握することができます。例えば、1年満期の債券の金利が2%、5年満期の債券の金利が3%、10年満期の債券の金利が4%とすると、イールド・カーブは右上がりの曲線を描きます。 このイールド・カーブの形は、将来の金利動向を示唆するものとして、市場関係者の間で注目されています。一般的に、イールド・カーブが右上がりの状態は、将来金利が上昇するという予想を反映していると言われています。逆に、イールド・カーブが右下がりの状態は、将来金利が低下するという予想を反映していると言われています。また、イールド・カーブが水平な状態は、将来金利が現状と大きく変わらないという予想を反映していると言われています。 このように、イールド・カーブは将来の金利動向を占う上で重要な指標の一つとなっています。
経済の用語

国内所得とは何か?

- 国内所得の概要国内所得とは、日本の地理的な範囲内において、1年間で新たに生み出された生産活動による所得の総額を指します。これは、私たちが普段の経済活動で得る、会社員であれば給与、自営業者であれば利益、預金を持っている人が受け取る利子など、あらゆる種類の所得を含んでいます。この指標は、経済規模や国民全体の所得水準を把握する上で非常に重要です。国内所得は、日本経済の現状を把握するための基本となります。国内所得が増加している場合は、経済活動が活発化し、企業の生産や人々の消費が拡大していることを示唆します。逆に、国内所得が減少している場合は、経済活動が停滞し、企業業績の悪化や失業者の増加などが懸念されます。さらに、国内所得は、政府が経済政策を立案する際の重要な判断材料となります。政府は、国内所得の動向を分析することで、景気対策や財政政策の効果を測定し、今後の経済政策の方向性を決定します。私たち一人ひとりにとっても、国内所得を理解することは重要です。国内所得の動向を把握することで、日本経済の現状と将来展望を理解し、自身の生活設計や資産運用など、より良い選択をするための判断材料とすることができます。
経済の用語

安定成長協定:EUの財政規律

- 協定の背景ヨーロッパ諸国が力を合わせ、共通の通貨「ユーロ」を導入したのは、歴史的な出来事でした。この壮大な試みを成功させるには、加盟国同士の経済的な結びつきをより一層強固なものにする必要がありました。しかし、各国の財政状況にばらつきがあると、ユーロ全体の安定を揺るがす火種になりかねません。 そこで、健全な財政運営を維持し、ユーロ圏の経済が持続的に成長していくために、「安定成長協定」が導入されることになりました。これは、加盟国が責任ある財政政策を維持することを目的とした、いわばヨーロッパ経済の番人とも言えるものです。具体的には、国の予算赤字を国内総生産(GDP)比で3%以内に、政府債務残高を60%以内に抑えるよう定めています。これらの数字は、経済が健全な状態を保つための目安として、専門家によって綿密に計算されたものです。この協定の導入により、加盟国は共通のルールに基づいて財政運営を行うことを迫られることになりました。これは、単一通貨を採用したユーロ圏にとって、非常に重要なことでした。なぜなら、財政の乱れは、金利の上昇や通貨価値の下落など、経済全体に悪影響を及ぼし、ユーロの安定を損なう可能性があるからです。安定成長協定は、加盟国が責任ある行動を取り、ユーロ圏全体の経済的な安定を維持するための、重要な枠組みと言えるでしょう。
経済の用語

経済指標「国内純生産」:その意味と重要性

- 国内純生産とは何か国内純生産(NDP)は、一定期間内に国内で新しく生み出された財やサービスの価値から、生産活動で使われた設備や建物などの固定資産の減少分(固定資本減耗)を引いたものです。もう少し分かりやすく説明すると、国内総生産(GDP)から、生産活動で消費された資本を差し引いたものがNDPと言えます。GDPは、ある国で一定期間内に生産されたモノやサービスの総額を示す指標であり、国の経済規模を表す最も重要な指標の一つです。しかし、GDPは生産活動で消費された資本を考慮していません。例えば、工場で車を生産するとします。この生産活動によってGDPは増加しますが、同時に工場の機械や建物は劣化し、その価値は減少していきます。 NDPは、このように生産活動によって消費された資本を考慮することで、GDPよりもより正確に国の経済活動を反映した指標と言えます。つまり、GDPが生産活動の全体像を示すのに対し、NDPは生産活動の結果として実際にどれだけ価値が増えたのかを示す指標と言えるでしょう。
経済の用語

経済の基礎知識!国内最終需要とは?

- 国内最終需要とは 国内最終需要とは、ある一定期間内に、国内で最終的に需要されたモノやサービスの合計金額を表す経済指標です。これは、私たちが日々の暮らしの中で購入する食料品や家電製品、企業が事業活動のために投資する工場や機械、そして政府が行う道路や橋などの建設といった、国内で消費・投資されるあらゆるモノやサービスを含んでいます。 この指標は、国内の景気動向を把握する上で非常に重要です。なぜなら、国内最終需要が増加すれば、モノやサービスの生産が活発化し、企業の業績が向上、雇用も増加するなど、経済全体が好循環に向かうからです。逆に、国内最終需要が減少すると、モノやサービスの生産が縮小し、企業の業績が悪化、雇用も減少するなど、経済全体が悪循環に陥ってしまいます。 国内最終需要は、大きく分けて「民間需要」「政府需要」「海外需要」の3つから成り立ちます。「民間需要」は、私たち個人や企業による消費・投資活動を指し、「政府需要」は、国や地方公共団体による公共事業や公務員の人件費などを指します。そして「海外需要」は、輸出から輸入を差し引いた純輸出を指します。これらの需要の動きを分析することで、今後の景気動向を予測することができます。
経済の用語

家計の財布の中身、国内可処分所得とは?

- 国内可処分所得とは? 国内可処分所得とは、日本に住む私たちや企業が自由に使えるお金の合計を表す指標です。経済の状況を把握する上で重要な役割を担っています。 私たちの暮らしで例えると、給料やボーナスで受け取った収入から、税金や社会保険料などを差し引いた後に残るお金が、国内可処分所得に当たります。この残ったお金は、自由に使うことができます。 例えば、日々の食費や光熱費などの生活に必要な支出や、旅行や趣味などの楽しみに使うこともできます。また、将来に備えて貯蓄したり、投資に回したりすることもできます。 国内可処分所得が多いほど、人々の生活は豊かになり、消費や投資も活発になると考えられています。逆に、国内可処分所得が減ってしまうと、人々の生活は苦しくなり、消費や投資も冷え込んでしまう可能性があります。 そのため、政府は、人々の所得を増やしたり、税金や社会保険料の負担を減らしたりすることで、国内可処分所得を増やし、経済を活性化させようと様々な政策に取り組んでいます。
経済の用語

経済の要!知っておきたい中央銀行の役割

- 中央銀行とは中央銀行は、各国の金融システムの中枢を担う、いわば「銀行の銀行」です。私たちが預金したり、お金を借りたりする銀行とは異なり、国家の経済全体を支える重要な役割を担っています。中央銀行の最も大きな役割は、通貨の価値を安定させることです。物価が大きく上がったり下がったりすると、経済活動に混乱が生じます。中央銀行は、金利の調整や市場への資金供給などを通じて、物価の安定を図ります。また、中央銀行は、銀行など金融機関に対して資金を貸し出す最後の貸し手としての役割も担っています。金融機関が資金繰りに窮した場合でも、中央銀行から資金を借り入れることで、金融システム全体の安定を維持することができます。日本では、「日本銀行」が中央銀行としての役割を担っています。日本銀行は、政府と協力しながら、国民経済の健全な発展に貢献することを使命としています。中央銀行は、私たちの暮らしや経済活動に大きな影響を与える重要な存在です。その役割や機能について理解を深めておくことが大切です。
経済の用語

国際機関の紹介:国際労働機関

- 国際労働機関とは国際労働機関(ILO)は、世界中の労働環境や労働者の権利を守ることを目的として設立された国際機関です。1919年、第一次世界大戦後の平和構築を目指したベルサイユ条約に基づき、国際連盟(国際連合の前身)とともに設立されました。本部はスイスのジュネーブにあります。ILOは、国際連合の専門機関の一つであり、1946年以降は国際連合と連携して活動しています。世界には様々な国際機関が存在しますが、ILOは労働問題に特化した唯一の機関として、重要な役割を担っています。具体的には、ILOは労働条件や労働関係に関する国際的な基準を設定し、各国がその基準を満たすよう指導や支援を行っています。また、児童労働や強制労働の撤廃、労働者の安全衛生の確保など、様々な労働問題に取り組んでいます。さらに、労働問題に関する調査研究や情報提供、会議やセミナーの開催などを通じて、国際的な連携と協力を促進しています。ILOの活動は、すべての人々が人間らしく働き、生活できる社会を実現することを目指しています。
経済の用語

お金を印刷するところ?NPBってどんな機関?

- 生活に身近なNPB 「NPB」という略称を耳にしたことはありますか? 実は、NPBは私たちの生活に深く関わっている機関です。NPBとは、「国立印刷局」のことを指します。英語では「National Printing Bureau」と表記し、その頭文字を取ってNPBと呼ばれています。 では、国立印刷局は具体的にどのような役割を担っているのでしょうか? 実は、私たちが日々当たり前のように使用している紙幣や硬貨を製造しているのが、この国立印刷局なのです。例えば、お財布から取り出す千円札や、自動販売機に投入する百円硬貨なども、全て国立印刷局が製造しています。 さらに、国立印刷局は紙幣や硬貨だけでなく、様々な種類の証券類も印刷しています。例えば、国が発行する債権である国債や、収入の証明として利用する収入印紙なども、国立印刷局が手掛けています。 このように、国立印刷局は私たちの生活を支える重要な機関の一つと言えるでしょう。
経済の用語

国際貿易機構:幻の自由貿易機関

第二次世界大戦後、世界は荒廃と混乱の中にありました。戦争によって疲弊した世界経済を復興し、再び平和で豊かな社会を築き上げるために、国際的な協力が必要不可欠でした。そして、二度と戦争の惨禍を繰り返さないという強い願いから、新たな国際機関の設立構想が生まれました。それが、国際貿易機構(ITO)です。 ITOは、世界の国々が協力して自由な貿易体制を築き、経済発展を促進することを目指しました。これは、戦間期のブロック経済や保護主義的な貿易政策が世界恐慌や第二次世界大戦の一因となったという反省に基づいています。 自由貿易とは、関税などの貿易障壁をなくし、国と国との間でモノやサービスが自由に取引される状態を指します。自由貿易の下では、各国は自国の得意な分野に資源を集中させ、生産性を向上させることができます。そして、生産したモノやサービスを世界市場で自由に売買することで、より多くの利益を得ることが期待できます。 ITOは、自由貿易こそが、世界経済の成長、雇用創出、そして生活水準の向上を実現する最も効果的な手段であると信じていました。また、自由貿易を通じて国家間の相互依存関係を深めることが、平和な国際秩序の構築にも貢献すると考えていました。
経済の用語

経済指標「NNP」とは? GDPとの違いを解説

- 経済指標NNPとは 経済指標NNPとは、一体どのようなものでしょうか。NNPは、「ネット・ナショナル・プロダクト(Net National Product)」の略称で、日本語では「国民純生産」と訳されます。これは、一定期間内に国内で生み出された、商品やサービスの付加価値の合計から、生産活動によって使用され、価値が減少した資本設備の費用、つまり減価償却費を差し引いたものを指します。 イメージとしては、国内で活動する人々が生み出した価値から、生産設備の消耗による価値の減少分を差し引いて、国民全体でどれだけの純粋な価値を生み出したかを測る指標と言えるでしょう。 この指標は、国民が生産活動によって得た所得の総額を示すものとして用いられます。つまり、NNPは、国民全体の経済的な豊かさを示す重要な指標の一つなのです。
経済の用語

国際協力の要!世界銀行の役割とは?

第二次世界大戦後、世界は荒廃し、多くの国々が復興という大きな課題に直面していました。こうした中、世界の再建と発展を支援する機関として設立されたのが国際復興開発銀行、通称「世界銀行」です。 世界銀行は、1944年に設立された国際機関であり、現在では189ヶ国が加盟しています。その主な目的は、加盟国、特に開発途上国と呼ばれる国々に対して、資金の貸し付けや専門知識に基づいた政策アドバイスを行うことで、経済発展を促し、貧困を減らすことです。 具体的には、世界銀行は、道路や橋などのインフラストラクチャー整備、教育や医療などの社会サービスの向上、そして民間セクターの成長を促進するためのプロジェクトなど、幅広い分野で支援を行っています。 世界銀行の活動は、開発途上国の経済成長を支え、人々の生活水準向上に大きく貢献してきました。世界銀行は、今後も、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、国際社会と連携し、世界の貧困削減と繁栄のために重要な役割を担っていくことが期待されています。
経済の用語

世界経済の基盤、国際通貨制度を解説

- 国際通貨制度とは世界各国はそれぞれ異なる通貨を用いていますが、国境を越えた貿易や投資を行うためには、異なる通貨間での交換や決済をスムーズに行うためのルールが必要です。これを国際通貨制度と呼びます。国際通貨制度は、いわば国際的な経済活動におけるお金のルールと言えるでしょう。このルールによって、異なる通貨を持つ国々が円滑に取引を行い、国際的な経済活動を活性化させています。具体的には、国際通貨制度は、国際的な貿易や投資における決済を円滑に行うための仕組みや、為替レートの安定化、国際的な金融危機発生時の対応などを定めています。例えば、貿易決済においてどの国の通貨を用いるのか、為替レートをどのように決定するのか、国際的な債権・債務をどのように調整するのかといった問題を解決するための枠組みを提供しています。過去の歴史において、金本位制やブレトンウッズ体制など、様々な国際通貨制度が採用されてきました。現在では、変動相場制を基軸とした制度が主流となっています。しかし、世界経済は常に変化しており、国際通貨制度もまた、新たな課題や状況に適応しながら進化し続けています。
経済の用語

国際通貨基金:世界の経済安定を守る機関

- 国際通貨基金とは国際通貨基金(IMF)は、世界経済の安定と成長を支えるために設立された国際機関です。 1944年、第二次世界大戦の終戦間際に、アメリカ合衆国のブレトン・ウッズという場所で開かれた会議で、国際通貨体制の安定と復興を目指して設立が合意されました。 この合意をブレトン・ウッズ協定と呼び、IMFはこの協定に基づき、世界銀行とほぼ同時期に誕生しました。IMFの主な役割は、加盟国間の通貨・為替相場の安定を図ることです。 各国が協力して国際的な通貨システムを維持し、急激な変動や混乱を防ぐことで、国際貿易や投資を促進し、経済成長を促すことを目指しています。 具体的には、IMFは加盟国に対して、経済状況の監視や政策提言、資金援助などを行っています。経済危機に陥った国に対しては、資金支援と合わせて、経済構造の改革や財政健全化のための政策提言を行うことで、危機の克服と経済の再建を支援しています。IMFは、世界190カ国が加盟する国際機関であり、世界経済の安定と成長のために重要な役割を担っています。 世界経済のグローバル化が進む中で、国際協力の重要性はますます高まっており、IMFの役割は今後も重要性を増していくと考えられます。
経済の用語

世界で活躍するお金:国際通貨ってなに?

- 国際通貨世界のビジネスを支えるお金 国際通貨とは、国と国との取引やお金のやり取りをスムーズにするために使われる特別な通貨のことです。 例えば、日本の会社がアメリカの会社から機械を輸入するとします。この時、もし国際通貨というものがなければ、日本の会社はまず円をドルに両替しなければなりません。そして、アメリカの会社は受け取ったドルを再び自国の通貨に両替する必要があります。このように、国際的な取引の度に両替が必要になると、時間も手間もかかってしまい、大変面倒です。 そこで登場するのが国際通貨です。特定の通貨を、まるで世界共通の通貨のように使うことで、こうした面倒を解消することができます。 現在、世界の基軸通貨として最も広く使われているのはアメリカドルです。ドルは原油や金などの重要な商品の取引にも使われており、国際的な金融市場でも中心的な役割を担っています。 国際通貨は、世界のビジネスを円滑に進めるための潤滑油のような役割を担っていると言えるでしょう。
経済の用語

投資初心者必見!「地合い」を理解して賢く投資

- 「地合い」とは?投資の世界で頻繁に耳にする「地合い」という言葉。これは、相場全体の状態や雰囲気を表す言葉です。株式投資を行う上で、この「地合い」を理解することは非常に重要となります。なぜなら、地合いに応じて取るべき投資戦略が変わってくるからです。例えば、株価全体が上昇傾向にある場合は、「強気相場」と呼ばれ、積極的に投資を行うことが推奨されます。反対に、株価全体が下降傾向にある場合は、「弱気相場」と呼ばれ、投資を控えるか、保有している株式を売却して損失を限定することが推奨されます。地合いを判断する要素としては、様々なものがあります。経済指標や企業業績、金融政策、政治状況、投資家の心理状況など、様々な要素が複雑に絡み合って地合いは形成されます。そのため、地合いを正確に予測することは容易ではありません。しかし、過去のデータや専門家の分析などを参考にしながら、自分自身である程度地合いを判断する能力を養うことは重要です。地合いを正しく見極めることで、より効果的に投資を行い、資産を増やす可能性を高めることができるでしょう。地合いは常に変化するものです。常に最新の情報に目を向け、冷静に状況を判断することが、投資で成功するための鍵となります。
経済の用語

国際貸借説:為替レートを動かす力

- 国際的なお金の流れと為替レートの関係異なる国々で行われる貿易や投資などの取引は、常に異なる通貨間の交換を伴います。このような国境を越えたお金の移動は「国際貸借」と呼ばれ、為替レートを決定づける重要な要素となります。これが「国際貸借説」と呼ばれる考え方です。例えば、日本の企業がアメリカの製品を輸入する場合、代金はアメリカドルで支払う必要があります。この時、日本の銀行は円を売ってドルを購入し、アメリカの銀行に送金します。このように、円の売却とドルの購入が増加すると、円の価値は下がり、ドルの価値は上がります。これが為替レートの変動です。逆に、日本の投資家がアメリカの株式を購入する場合、円を売ってドルを購入する動きが活発化し、ドルの需要が高まります。その結果、円安ドル高が進行します。このように、国際的な投資や貿易の状況によって通貨の需要と供給が変化し、それが為替レートに影響を与えるのです。為替レートは、貿易や投資の動向、経済指標、金融政策など、様々な要因によって複雑に変動します。国際貸借説は、その中でも特に重要な要素である「国際的な資金の流れ」に着目し、為替レートの変動メカニズムを説明するものです。
経済の用語

国際貸借:経済のバランス感覚

- 国際貸借とは何か 国際貸借は、国と国との間でお金が行き来する仕組みです。 個人間の貸し借りと同じように、ある国が別の国にお金を貸したり、借りたりすることがあります。 例えば、日本の企業が海外に進出する際に、工場建設などのためにお金が必要になります。 このとき、日本の銀行からお金を借りることもありますが、海外の銀行からお金を借りることもあります。 このように、企業活動を通じて国境を越えてお金の貸し借りが発生することがあります。 また、国同士がお互いに協力し合うために、お金の貸し借りを行うこともあります。 発展途上国の経済発展を支援するために、先進国が資金援助を行うことがあります。 これも国際貸借の一種です。 国際貸借は、一国の経済状況を把握する上で重要な指標となります。 家計のやりくりと同様に、一国のお金の outflow が inflow よりも多いと国際貸借は赤字、反対に inflow が多いと黒字になります。 赤字や黒字の状況は、その国の経済状況や将来予測に影響を与える可能性があります。
経済の用語

金融システムの要!地区連銀ってどんな機関?

アメリカの経済は、世界経済に大きな影響を与えています。その経済の安定を陰ながら支えているのが、「地区連銀」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、正式には「連邦準備銀行」といい、アメリカの中央銀行としての役割を担っています。 中央銀行とは、国の金融政策を決定し、実行する機関のことです。私たちの暮らしは、お金の流れと密接に関わっており、金融政策はその流れを調整する重要な役割を担っています。例えば、物価の上昇を抑えたり、景気を刺激したりするために、金利の調整やお金の供給量をコントロールしています。 アメリカは広大な国土をもち、地域によって経済状況も異なります。そこで、全米を12の地区に分けて、それぞれの地域経済の実情に合わせたきめ細かい金融サービスを提供するために設立されたのが、12の地区連銀です。 各地区連銀は、独自の判断で金融機関への貸出や債券の購入などを行い、地域経済の安定に貢献しています。また、金融に関する情報を収集・分析し、中央銀行全体の方針決定にも関わっています。このように、地区連銀はアメリカの金融システムにおいて、なくてはならない存在といえるでしょう。
経済の用語

国際収支表を読み解く

- 国際収支表とは 国際収支表は、ある国と外国との間で行われた経済取引を一定期間(通常は1年間)記録したものです。これは、国の経済活動を把握するための重要な統計であり、いわば「国の家計簿」のような役割を果たしています。 国際収支表は、経常取引、資本取引、金融取引の3つの主要な勘定から構成されています。 経常取引は、貿易収支(輸出入の差額)、サービス収支(サービスの輸出入の差額)、第一次所得(海外からの給与や投資収益など)、第二次所得(国際協力や贈与など)が含まれます。 資本取引は、特許権や商標権などの無形資産の取引や、国際間の資本移動を記録します。 金融取引は、海外への投資や借入など、国際的な金融資産・負債の変動を記録します。 国際収支表を分析することで、その国の経済状況や国際的な地位を把握することができます。例えば、経常収支が黒字であれば、その国は外国に対してモノやサービスを多く輸出していることを示しており、経済が好調である可能性が高いと言えます。逆に、経常収支が赤字であれば、その国は外国からの輸入に依存していることを示しており、経済状況が悪化している可能性があります。 国際収支表は、政府や企業、投資家など、様々な経済主体にとって重要な情報源となっています。国際経済の動向を理解し、適切な政策や戦略を立てるために、国際収支表を正しく理解することが重要です。
経済の用語

家計と地域経済:さくらレポートを読み解く

私たちが日々生活する地域社会と経済は、切っても切り離せない関係にあります。 地域の経済が活況を呈していれば、雇用も生まれ、街に活気があふれます。 逆に、経済が低迷すれば、私たちの生活にも影響が及ぶ可能性があります。 自分の住む地域の経済状況を把握することは、将来設計を考える上でも非常に重要と言えるでしょう。 日本銀行が発表している「地域経済報告」、通称「さくらレポート」は、こうした地域経済の現状を把握するための重要な資料です。 日本全国を北海道、東北、北関東、関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄の9つの地域に分け、それぞれの経済状況を分析し、今後の見通しを示しています。 企業の業績動向や雇用状況、消費活動など、多岐にわたるデータに基づいた分析は、私たちの生活にも大きな影響を与えるものです。 例えば、さくらレポートで地域の主要産業の業績が良いと報告されていれば、新規雇用が生まれやすくなる可能性があります。 また、消費活動が活発化していれば、地域の商店の売上増加も見込めるでしょう。 逆に、企業業績が悪化している場合は、失業率の上昇や賃金減少といった影響が出る可能性も考えられます。 さくらレポートの内容を理解することで、私たちは自身の生活に密接に関係する地域経済の現状と将来展望を知り、適切な行動をとることができるのです。
経済の用語

国際収支を理解する

- 国際収支とは? 国際収支は、ある国とその他の国々との間で、一年間にどれだけの経済的なやり取りがあったのかを記録したものです。これは、いわば国の家計簿のようなものです。 家計簿と同じように、お金の出入りを記録することで、その国の経済状態を把握することができます。具体的には、貿易や投資など、国境を越えてお金が出入りするあらゆる取引が記録されます。 例えば、海外へ自動車を輸出すると、その分の外貨が国内に入ってきます。反対に、海外から石油を輸入すると、その分の外貨が国外に出ていきます。国際収支は、このようにして生じるお金の流れを、様々な項目に分類して記録したものです。 国際収支を分析することで、その国の経済が海外の影響をどの程度受けているのか、また、国際的な競争力を持っているのかどうかなどを判断することができます。そのため、政府や企業、投資家などが、今後の経済政策や事業戦略などを考える上で、重要な指標となっています。
経済の用語

国際決済銀行:金融の安定を支える存在

- 国際決済銀行とは国際決済銀行(BIS)は、スイスのバーゼルに本部を置く国際機関です。1930年に設立され、世界60以上の国の中央銀行が加盟しています。BISは「中央銀行の中央銀行」とも呼ばれ、国際的な金融の世界において重要な役割を担っています。BISの主な役割は、国際的な金融協力と金融の安定を促進することです。具体的には、世界各国の中央銀行が協力して金融政策や為替政策を調整するための場を提供しています。また、国際的な金融市場の動向やリスクに関する情報を収集・分析し、加盟国の中央銀行に提供することで、世界経済の安定に貢献しています。BISは、中央銀行間の協力や情報交換の場を提供するだけでなく、国際的な金融に関する調査研究や基準策定も行っています。例えば、国際的な銀行の自己資本比率に関する基準である「バーゼル規制」は、BISが中心となって策定したものです。このように、BISは国際的な金融システムの安定と効率性向上に大きく貢献しており、世界経済にとって非常に重要な機関と言えるでしょう。
経済の用語

値洗いとは?仕組みと目的をわかりやすく解説

- 値洗いの基礎知識 「値洗い」とは、企業が保有している資産、特に株や債券といった価格変動しやすい有価証券について、その価値を最新の市場価格を用いて評価し直すプロセスを指します。 私たちが普段商品を購入する際、その時点での価格を支払います。しかし、時間が経つにつれて商品の価値は変動することがあります。例えば、人気商品であれば価格は上昇するでしょうし、反対に人気がなくなれば価格は下落します。 これと同じように、企業が保有する資産も、取得時点と比べて市場価値が変動している可能性があります。そこで、企業は定期的に資産の値洗いを行い、保有資産の価値を最新の市場価格に基づいて把握する必要があるのです。 値洗いによって明らかになった購入時からの価値の変動は、「評価損益」として計上されます。もしも市場価格が上昇していれば「評価益」、下落していれば「評価損」となります。 企業は、この値洗いを通じて、保有資産の市場価値を常に正しく把握し、財務諸表の信頼性を高めることが求められます。これにより、投資家や債権者に対して、企業の健全な財務状況を示すことができるのです。