経済の用語

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経済成長のカギ、GDPギャップを解説

- 国内総生産(GDP)ギャップ経済の潜在能力と現実の差 国内総生産(GDP)ギャップとは、ある時点における現実の経済活動の規模と、経済が本来持っている潜在的な能力との間の差を示す指標です。簡単に言うと、現状における経済活動で生み出された需要と、人材や設備などを最大限に活用した場合に達成可能な供給力との差を意味します。 GDPギャップがプラスの場合、需要が供給を上回る需要超過の状態を示しており、物価上昇(インフレーション)圧力が高まっていることを示唆しています。逆に、GDPギャップがマイナスの場合は、供給が需要を上回る供給超過の状態を示しており、物価下落(デフレーション)圧力が高まっていることを示唆しています。 このギャップは、需要と供給のバランスが崩れている状態、つまり市場メカニズムがうまく機能していない状況を示唆しており、経済の安定成長を阻害する要因となります。GDPギャップの推移を分析することで、政府や中央銀行は適切な経済政策を実施し、経済の安定化を図ることができます。
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投資に潜む「ボラティリティ」:リスクとリターンの表裏一体

- 変動の指標、ボラティリティとは投資の世界では、「ボラティリティ」という言葉がよく使われます。これは、株や債券、為替などの金融商品の価格が、どれくらい大きく変動するかを示す指標です。価格の上がり下がりが激しい場合はボラティリティが高い、穏やかな場合はボラティリティが低いと表現します。例えば、ジェットコースターを思い浮かべてみてください。急上昇や急降下を繰り返すジェットコースターは、まさにボラティリティが高い状態と言えるでしょう。一方、ゆったりと動く観覧車は、ボラティリティが低い状態と言えます。投資において、このボラティリティを理解することは非常に重要です。なぜなら、ボラティリティは、投資のリスクとリターンに大きく関係しているからです。ボラティリティが高い商品は、短期間で大きな利益を得られる可能性を秘めている一方で、その分大きな損失を被るリスクも抱えています。逆に、ボラティリティが低い商品は、価格変動が穏やかであるため、大きな利益は得にくいかもしれませんが、安定した収益を期待することができます。ですから、投資を行う際には、自分のリスク許容度や投資目標に合ったボラティリティの商品を選ぶことが大切です。例えば、短期的な利益を狙う場合は、ある程度のリスクを取ってボラティリティの高い商品を選ぶのも一つの方法です。一方、長期的な資産形成を目指すのであれば、リスクを抑えながら安定した収益が見込める、ボラティリティの低い商品を選ぶ方が適しているでしょう。
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GNPで知る日本の経済規模

- 国民総生産(GNP)とは?国民総生産(GNP)は、日本国民が1年間に新たに生み出したモノやサービスの価値の合計を表す指標です。経済規模や国民の所得水準を把握する上で重要な役割を担っています。少し具体的に説明すると、GNPは、工場で生産された製品の価値だけでなく、美容師が提供するサービスや農家が作った農作物の価値なども含みます。つまり、日本人が国内外を問わず、経済活動を通じて生み出した価値は全てGNPに反映されるのです。例えば、海外で活躍する日本人サッカー選手が得た収入や、海外に工場を持つ日本企業が生み出した利益もGNPに含まれます。一方、国内で働く外国人労働者が得た収入は、GNPには含まれず、国内総生産(GDP)に計上されます。GNPと似た指標にGDPがありますが、GDPは国内で生産された価値の合計を表すのに対し、GNPは「国民」が生産活動で生み出した価値を重視している点に違いがあります。GNPは、一国の経済力を測る上で重要な指標の一つですが、経済活動以外の要素、例えば、環境問題や生活の質などは反映されていません。したがって、GNPだけで国の豊かさや国民の幸福度を測ることはできません。
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経済の健康診断!GDPってなに?

- 国内総生産(GDP)とは国内総生産(GDP)は、ある国の経済規模を測る上で最も重要な指標の一つです。 GDPは、Gross Domestic Productの略称であり、日本語では「国内総生産」と訳されます。簡単に言うと、GDPは一定期間(通常は1年間)に、国内で生産された全ての最終的な財やサービスの市場価値を合計したものです。 つまり、ある国で1年間にどれだけの価値を生み出したのかを示す指標と言えるでしょう。例えば、自動車や家電製品といったモノだけでなく、美容院での散髪や病院での診察といったサービスもGDPに含まれます。これらの財やサービスの生産活動が活発であれば、GDPは増加し、経済が成長していることを示します。逆に、生産活動が低迷すれば、GDPは減少し、経済は縮小していることになります。GDPは、経済の現状を把握するだけでなく、政府の経済政策の立案や、企業の経営判断、投資家の投資判断など、様々な場面で活用されています。
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物価上昇の影に潜む「ボトルネック・インフレーション」とは?

経済の世界では、様々な要因が複雑に絡み合い、物価の上昇、すなわちインフレーションが引き起こされます。近年、特に注目されているのが「ボトルネック・インフレーション」と呼ばれる現象です。これは、特定の資源や生産要素の不足が、まるで瓶の首を絞めるように、経済活動全体に影響を及ぼし、物価上昇を引き起こす現象を指します。 私たちの生活に欠かせない、ありとあらゆる製品やサービスは、企業の生産活動によって生み出されています。この生産活動には、原材料や工場、機械設備、そして働く人材といった、様々な要素が必要となります。これらの要素は「生産要素」と呼ばれ、生産活動を円滑に進めるためには、これらの要素がバランス良く供給されていることが非常に重要です。 しかし、世界的な需要の急増や、自然災害、紛争など、様々な要因によって、特定の資源や生産要素の供給が滞ることがあります。例えば、世界的に需要が高まっている半導体や、ウクライナ情勢の影響を受けているエネルギー資源などが挙げられます。このような状況下では、企業は必要な資源や生産要素を十分に確保することが難しくなり、生産活動が停滞してしまいます。その結果、製品やサービスの供給が不足し、価格が上昇してしまうのです。
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私たちの暮らしを守る公共サービス

- 公共サービスとは私たちの暮らしは、目に見えるものも見えないものも含め、様々なサービスによって成り立っています。その中でも、「公共サービス」は、国や地方公共団体が、私たち国民の生活の安全や安心、健康を守るために提供するサービスを指します。では、具体的にどのようなサービスが公共サービスに該当するのでしょうか?例えば、事件や事故から私たちを守ってくれる警察や消防、社会の秩序を守る司法、国の平和と安全を守る防衛などは、公共サービスの代表的な例です。また、教育や医療、福祉といった、私たちが安心して生活していく上で欠かせないサービスも、公共サービスに含まれます。さらに、道路や橋の整備、公園の管理なども、私たちの生活を支える重要な公共サービスです。これらのサービスがなければ、私たちの生活は非常に不便なものになってしまうでしょう。このように、公共サービスは、私たちが日々安心して暮らしていく上で欠かせないものであり、社会全体にとって非常に重要な役割を担っています。これらのサービスは、税金によって賄われているため、私たち一人一人がその重要性を認識し、大切に利用していく必要があります。
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経済指標GNEで国の経済規模を把握する

- GNEとはGNEとは、グロス・ナショナル・エクスペンディチャーの頭文字を取ったもので、日本語では国民総支出と訳します。これは、ある国に住む国民全体が、一年間に使ったお金の総額を表す経済指標です。国内総生産(GDP)と混同されがちですが、GNEは国民経済全体における支出の総額を測る指標である一方、GDPは国内で生み出された付加価値の総額を測る指標であるため、両者は異なります。GNEは、国内総支出(GDE)に海外からの純所得受取を加えたものと等しくなります。具体的には、国内の個人消費、企業投資、政府支出といった国内総支出に、海外からの給与所得や財産所得の受け取りなど、海外からの純所得受取を加算することで算出されます。GNEは、国民経済の規模や動向を把握する上で重要な指標の一つであり、経済政策の立案や評価にも活用されます。特に、海外との経済的な結びつきが強い国においては、GNEを用いることで、より正確に経済状況を把握することができます。
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私たちの暮らしを守る公共投資

- 公共投資とは私たちが日々安全に、そして快適に暮らしていくためには、道路や橋、港湾、公園、上下水道など、様々な設備が必要です。これらの設備は、私たちの生活や経済活動を支える基盤となるもので、まとめて「社会資本」と呼ばれています。 社会資本は、民間企業だけでは整備が難しいものが多く、国や地方公共団体が税金を主な財源として整備を行います。この活動こそが「公共投資」です。公共投資は、単に社会資本を整備するだけでなく、以下のような効果も期待されています。* -雇用を創出し、景気を刺激する効果-公共事業には多くの労働力が必要となるため、雇用創出につながります。また、労働者の所得が増加することで消費が活性化し、景気全体の押し上げ効果も期待できます。* -国民生活の質の向上-老朽化した道路や橋を改修することで、安全性が高まり、交通渋滞の緩和にもつながります。また、公園や緑地を整備することで、人々の憩いの場が増えたり、防災機能の強化にもつながります。* -民間投資を誘導する効果-新しい道路や鉄道などの交通インフラが整備されると、企業は工場や店舗を建設しやすくなり、民間投資を促進する効果も期待できます。このように、公共投資は私たちの生活や経済活動にとって非常に重要な役割を担っています。
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経済指標GDIを読み解く

- 国内総所得(GDI)とはGDIは、「国内総所得」を意味するGross Domestic Incomeの略称です。これは、一定期間内に国内で新たに生み出された財やサービスの付加価値の合計を指す経済指標です。私たちの暮らしと密接に関わる経済活動の全体像を把握する上で、GDIは重要な役割を担っています。国内で生まれる新たな価値は、企業の生産活動や人々の労働など、様々な経済活動によって生み出されます。GDIは、これらの経済活動によって得られた所得の合計を測ることで、国内経済の規模や成長力を示す指標として用いられます。GDIは、私たちが普段よく耳にする「GDP(国内総生産)」と密接な関係があります。GDPが生産面から経済活動を測る指標であるのに対し、GDIは分配面から経済活動を測る指標となります。 つまり、GDPが「どれだけモノやサービスが生産されたか」を示すのに対し、GDIは「生産されたモノやサービスによってどれだけ所得が得られたか」を示す指標と言えます。GDIは、経済政策の立案や評価、景気判断など、様々な場面で活用されています。GDIの動向を把握することで、私たちは自国の経済状況や将来展望をより深く理解することができます。
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金融市場の要!公開市場操作とは?

- 公開市場操作の仕組み日本銀行は、私たちが日々利用するお金の量を管理し、経済の安定化を図る役割を担っています。そのための重要な手段の一つが「公開市場操作」です。公開市場操作とは、日本銀行が民間金融機関を相手に、主に国債や手形の売買を行うことで、市場に流通するお金の量を調整する仕組みです。イメージとしては、蛇口から出る水の量を調整するように、市場にお金を供給したり、吸収したりする作業と言えるでしょう。日本銀行が国債を買い入れると、その代金が民間金融機関に渡り、市場に流通するお金の量が増加します。金利は低下し、企業はよりお金を借りやすくなるため、設備投資や雇用が促進され、景気が良くなる効果が期待できます。逆に、日本銀行が国債を売却すると、民間金融機関からお金が吸収され、市場に流通するお金の量は減少します。金利は上昇し、企業はむやみにお金を借りることが難しくなります。このため、過熱した景気を抑制する効果が期待できます。このように、日本銀行は公開市場操作を通じて、経済状況に合わせて市場のお金の量を調整し、物価の安定や経済の健全な成長を目指しているのです。
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ペイメント・ネッティングとは?

企業間での取引では、商品やサービスの提供と引き換えに、金銭のやり取りが発生します。請求書を発行し、入金を確認するといった一連の業務は、取引の度に発生し、その都度、資金の移動が発生します。 特に、海外企業との国際取引や、多岐にわたる企業との取引を行う場合には、資金移動の回数が必然的に増加します。それに伴い、手数料や事務処理の負担が大きくなり、企業にとって大きな負担となってしまうことがあります。 このような、資金移動の効率化を図るための仕組みとして、「ペイメント・ネッティング」と呼ばれるものがあります。ペイメント・ネッティングとは、企業間で発生する複数の債権と債務を相殺し、最終的に発生する差額分のみを決済する方法です。 例えば、A社がB社に対して100万円の債務を、C社に対して50万円の債権を持っているとします。また、B社はC社に対して30万円の債務を持っているとします。この場合、ペイメント・ネッティングを利用すると、A社はB社に70万円、C社はA社に20万円を支払うだけで済みます。 このように、ペイメント・ネッティングを利用することで、資金移動の回数を減らし、手数料や事務処理の負担を軽減することができます。特に、国際取引や多岐にわたる取引を行う企業にとっては、導入するメリットが大きいと言えるでしょう。
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世界経済を動かすG7とは?

- G7の概要G7とは、主要7か国首脳会議(Group of Seven)の略称で、国際社会における重要な課題について協議するために、日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダの7か国が定期的に集まる会合を指します。 G7は、1975年にフランスのランブーイエで初開催されて以来、毎年開催されており、世界経済や国際金融、貿易、開発、気候変動など、幅広い議題について意見交換を行っています。 G7の参加国は、世界経済における大きな影響力を持つ国々であり、その合計GDPは世界の約4割を占めています。そのため、G7での合意や声明は、国際社会全体に大きな影響を与える可能性があります。 G7サミットでは、首脳会議だけでなく、財務大臣・中央銀行総裁会議や、外務大臣会合など、様々なレベルの会合も開催されます。これらの会合を通して、G7参加国は、国際社会の安定と繁栄のために、緊密な連携と協力を図っています。
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今は昔、公営企業金融公庫

「公営企業金融公庫」という名前を耳にして、懐かしさを覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。2008年10月まで存在していたこの機関は、地方公共団体専門の金融機関でした。 地方公共団体は、私たちの日々の暮らしに欠かせない水道事業や病院事業など、様々なサービスを提供しています。公営企業金融公庫は、これらの事業を支えるための資金を供給する役割を担っていました。 具体的には、地方公共団体が道路や橋などのインフラ整備を行う際や、住民向け住宅を建設する際などに、長期的な融資を行っていました。 しかし、時代の流れとともに、地方公共団体を取り巻く環境も変化し、公営企業金融公庫のあり方が見直されるようになりました。そして、2008年10月、日本政策投資銀行に統合される形で、その歴史に幕を下ろしました。 公営企業金融公庫は、かつて地方公共団体の重要なパートナーとして、私たちの生活を陰ながら支えていました。その功績は、現在も日本政策投資銀行に引き継がれています。
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ホームアセットバイアス:なぜ自国資産に偏る?

投資の世界には、「卵は一つの籠に盛るな」ということわざがあります。これは、一つのものに資産を集中させてしまうと、その資産の価値が下落した際に大きな損失を被ってしまうことを意味しています。そのため、リスクを分散させるために、国内だけでなく海外の資産にも投資をする国際分散投資が重要視されています。 しかし、現実は異なるようです。多くの投資家は、国内の株式や債券など、自分が住んでいる国の資産に偏った投資を行っている傾向があります。これは、ホームアセットバイアスと呼ばれる現象で、自国バイアスとも呼ばれます。 なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?その理由の一つに、人は自分がよく知っているものに対して安心感を抱くという心理的な側面があります。例えば、自分が利用したことのある企業や、よく知っている業界の企業であれば、その企業の将来性やリスクをある程度予測することができます。一方で、海外の企業や市場については、情報収集が難しく、不確実性が高いため、投資をためらう傾向があります。 しかし、ホームアセットバイアスは、必ずしも投資家にとって有利に働くとは限りません。自国の経済状況が悪化した場合、国内資産の価値は大きく下落する可能性があります。また、国際分散投資を行うことで、より高いリターンを得られる可能性もあります。 長期的な資産形成を成功させるためには、感情に左右されず、リスクとリターンを考慮した上で、国際分散投資を行うことが重要です。
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貿易の自由化を目指したGATTとその役割

- GATTとは GATTは、「関税と貿易に関する一般協定」の日本語訳で、英語の"General Agreement on Tariffs and Trade"の頭文字をとったものです。 第二次世界大戦後、荒廃した世界経済を復興させ、発展させていくために、国と国との間でモノやサービスを自由に売買できるようにすることを目指して、1948年にGATTは発効しました。これは、特定の国だけが有利になるような貿易協定ではなく、GATTに参加するすべての国々にとって公平な条件で貿易を行うことを目的とした、国際社会における画期的な協定でした。 GATTは、貿易における関税や輸入割当などの障壁を段階的に削減していくことを目指しました。また、加盟国に対して、他の加盟国との間で差別的な扱いを行わない「最恵国待遇」の原則や、国内産業保護のための数量制限の原則的な禁止などを義務付けました。これらの原則に基づき、GATTは、多国間貿易体制の基礎として、その後の世界経済の成長に大きく貢献しました。
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経済指標「GDE」:国内経済の現状を知る

- 国内総支出 (GDE) とは国内総支出 (GDE) は、ある一定期間内に国内で、家計、企業、政府が財やサービスの購入のために使った支出の合計額を表す経済指標です。 これは、国内でどれだけの経済活動が行われたかを示す重要な指標の一つであり、国内総生産 (GDP) と密接な関係があります。GDE は、主に以下の4つの要素から構成されています。1. -消費支出- 家計による財やサービスの購入にかかった支出です。食料品、衣料品、住居費、医療費、教育費などが含まれます。2. -投資支出- 企業による設備投資や住宅投資にかかった支出です。工場や機械設備の購入、住宅の新築などが含まれます。3. -政府支出- 政府による財やサービスの購入や、社会保障関連費などの支出です。道路建設、教育機関の運営、公務員の給与などが含まれます。4. -純輸出- 輸出から輸入を差し引いたものです。輸出が増えればGDEは増加し、輸入が増えればGDEは減少します。GDE は、GDP を支出面から見た場合の指標と考えることができます。 GDP は生産、分配、支出の3つの側面から算出できますが、GDE はそのうち「支出」の側面を表しています。 つまり、国内で新たに生み出された財やサービスがどのように使われたかを表していると言えるでしょう。GDE の変化は、景気の動向を把握する上で重要な手がかりとなります。 GDEが増加すれば景気は拡大傾向にあり、逆に減少すれば景気は後退傾向にあると判断できます。
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ボックス相場攻略の鍵

- ボックス相場とは株価の値動きが、まるで箱の中に閉じ込められたように、一定の範囲内で推移する状態を「ボックス相場」と呼びます。別名「レンジ相場」とも呼ばれ、チャートを見ると、高値と安値の間を行ったり来たりする動きが見て取れます。この相場の特徴は、価格変動が比較的小さく、方向性が見えにくい点にあります。上昇トレンドや下降トレンドのように、一方的に価格が動くことは少なく、買いたい人と売りたい人の力が均衡している状態と言えます。ボックス相場では、過去の値動きの高値圏が抵抗帯となり、安値圏が支持帯となるケースが多く見られます。このため、相場がどちらに転じるかは判断しづらく、経験の浅い投資家にとっては、利益を上げにくい相場と言えるでしょう。しかし、ボックス相場には、ある程度の値幅が期待できるというメリットもあります。高値圏では売り、安値圏では買いというように、計画的に売買することで、利益を狙うことが可能です。ただし、相場がいつ転換するかは予測できないため、注意深く見極める必要があります。
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世界の経済を動かすG20とは?

- G20の概要 G20は、「Group of Twenty」の略称で、世界経済において重要な役割を担う20の国と地域からなるグループです。 G20には、アメリカ、日本、ドイツ、フランスといった先進国だけでなく、中国、インド、ブラジルなどの新興国も参加しています。これは、世界経済が大きく変化し、新興国の影響力が強まっていることを反映しています。 G20の主な活動は、国際金融システムの安定化や経済成長の促進などを目的とした、首脳会議(サミット)や財務大臣・中央銀行総裁会議の開催です。これらの会議では、世界経済の現状や課題について議論し、協調して取り組むべき政策について合意形成を目指します。 具体的には、世界的な金融危機への対応、経済成長の促進、貧困の削減、気候変動対策など、幅広い分野で議論が行われます。G20は、国際的な経済問題について話し合い、協調して対策を講じることで、世界経済の安定と成長、そして持続可能な社会の実現を目指しています。
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金融機関破綻時の保護制度:ペイオフとは?

- ペイオフ制度の概要銀行は、私たちが預けたお金を企業への融資や国債の購入などを通じて社会に循環させる役割を担っています。しかし、その一方で、銀行といえども経営がうまくいかず、破綻してしまうリスクも孕んでいます。もしも銀行が破綻してしまった場合、預けていたお金が返ってこなくなるのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。このような事態から預金者を守るための安全網として、ペイオフ制度が存在します。ペイオフ制度とは、銀行や信用金庫などの金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が預金者に対して、預金などを一定額まで払い戻す制度です。預金保険機構とは、ペイオフを実施するために国が設立した機関です。ペイオフの対象となるのは、預金、当座預金、利息などです。ただし、すべての預金が保護されるわけではなく、1つの金融機関につき1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護の対象となります。例えば、A銀行に1,500万円の預金をしている人がいたとします。もしもA銀行が破綻した場合、ペイオフによって預金保険機構から1,000万円とその利息が支払われます。しかし、残りの500万円については保護の対象外となるため、払い戻しを受けられない可能性があります。ペイオフ制度は、預金者を保護するための重要な制度ですが、限度額を超える預金は保護されないという点に注意が必要です。そのため、複数の金融機関に預金を分散したり、投資信託など他の金融商品と組み合わせて資産運用を行うなど、リスク分散を意識することが大切です。
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アメリカ経済の舵取り役:Fedとは?

アメリカ経済の心臓部と表現されることもある、連邦準備制度。これは、アメリカの中央銀行であるFedの正式名称です。 では、中央銀行とは一体どのような役割を担っているのでしょうか?中央銀行は、国の経済活動を円滑に進めるために、金融政策の実施や金融システムの安定化を図る機関です。 例えば、景気が低迷している時には、金利を引き下げることで企業の投資や個人の消費を促進します。逆に、景気が過熱して物価が上昇しすぎている時には、金利を引き上げて経済活動を抑制します。 このように、Fedは、巨大な経済システムであるアメリカ経済の安定と成長を支える重要な役割を担っています。その影響力はアメリカ国内にとどまらず、世界経済にも大きな影響を与えています。
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銀行業務の舞台裏:交換尻とは?

私たちが普段何気なく行っている銀行送金。その裏では、想像を超える規模の資金が銀行間を目まぐるしく移動しています。例えば、あなたがA銀行の口座から、B銀行の口座を持つ友人に1万円を送金したとしましょう。この時、A銀行からB銀行へ1万円が移動しますが、これは一見単純なように見えて、実は複雑な資金の流れを伴っています。 なぜなら、このような銀行間の送金は、1日に何万件、何百万件という膨大な件数発生するからです。もし、全ての銀行が、他の全ての銀行と個別にやり取りをしていたらどうなるでしょうか。送金処理は複雑になり、時間もかかり、ミスも発生しやすくなってしまいます。 そこで、銀行間の資金移動をスムーズに行うために、重要な役割を担っているのが「銀行間決済システム」です。これは、複数の銀行を繋ぎ、銀行間での送金や資金決済を効率的かつ安全に行うためのシステムです。このシステムがあることで、私たちは銀行や時間帯を気にすることなく、スムーズに送金を行うことができるのです。
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経済を紐解く:交換方程式

私たちの社会において、経済活動は人々の暮らしに欠かせないものです。そして、その経済活動を円滑に進めるために重要な役割を担っているのが貨幣です。貨幣は、まるで私たちの体の中を流れる血液のように、経済活動という体の中を循環し、様々な経済主体をつないでいます。 私たちが日々の生活の中で行う買い物は、貨幣を用いた経済活動の一例です。また、企業が工場を新しく建設したり、新しい機械を導入したりする投資活動も、貨幣を介して行われています。このように、経済活動は、規模の大小にかかわらず、貨幣を通して行われているのです。 経済活動が活発になれば、人々の間でモノやサービスが盛んに取引されるようになり、貨幣の流れも大きくなります。逆に、経済活動が停滞すると、モノやサービスの取引が減少し、貨幣の流れも小さくなってしまいます。このように、貨幣の流れと経済活動の規模は密接に関係しており、経済の状況を把握する上で重要な指標となっています。
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企業を苦しめる「貸し渋り」とは?

- 貸し渋りとは銀行は、私たちが預けたお金を企業や個人に貸し出すことで、お金を必要とする人と、お金を運用したい人を結びつける役割を担っています。これが「融資」と呼ばれるものです。銀行は融資を通して金利を得て経営を安定させ、預金者へは預金金利を支払います。それと同時に、企業活動や個人の消費を活発化させることで、経済全体を支える役割も担っているのです。しかし、時に銀行は、この「融資」に対して消極的になることがあります。これが「貸し渋り」です。具体的には、以前よりも厳しい条件を提示したり、融資そのものを断ったりするなど、銀行が融資に後ろ向きな姿勢を示すことを指します。では、なぜ銀行は貸し渋りをしてしまうのでしょうか。その背景には、様々な要因が考えられます。主なものとしては、不景気や景気の先行き不安、企業業績の悪化などがあげられます。このような状況下では、企業の倒産や個人の返済能力の低下によって、融資が焦げ付いてしまうリスクが高まります。銀行は、自分たちの経営を守るため、そして預金者のお金をリスクにさらさないため、貸し渋りという選択をする場合があるのです。貸し渋りは、銀行の経営を守るためには必要な選択である一方、経済全体に悪影響を与える可能性もはらんでいます。資金を必要とする企業は新たな事業展開や設備投資を断念せざるを得なくなり、個人の消費も冷え込んでしまうかもしれません。結果として、景気回復が遅れ、経済活動全体が停滞してしまうことも考えられます。
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企業再生と貸し剥がし:その影響とは?

近年、耳にする機会が増えてきた「貸し剥がし」という言葉。これは、金融機関が融資している企業に対して、その融資残高を減らすために行う様々な行為を指します。 例えば、企業が金融機関からお金を借りている場合、その返済を本来よりも早く求めるように促したり、新たな融資の申し込みを断ったりすることが挙げられます。 では、なぜ金融機関は貸し剥がしを行うのでしょうか?その背景には、融資先の企業の業績悪化や将来性への不安があります。金融機関は、企業が将来的に返済不能に陥るリスクを常に評価しており、そのリスクが高まったと判断した場合、貸し剥がしに踏み切ることがあります。 貸し剥がしは、企業にとって死活問題になりかねません。資金調達の道が閉ざされることで、企業は事業の継続に必要な資金を確保することが困難になります。その結果、設備投資や新規事業への展開が滞り、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性も孕います。 このように、貸し剥がしは企業にとって大きな痛手となるため、その実態を正しく理解し、対策を講じておくことが重要です。