経済の用語

経済の用語

金融政策決定会合とは?

- 金融政策の舵取り役 金融政策決定会合とは、日本銀行の中枢ともいえる政策委員会が、日本経済の安定に向けて金融政策を検討し、最終決定を下す会議です。 私たちの日常生活や企業活動は、景気が良いか悪いか、物価が上昇しているか下落しているかといった経済状況に大きく左右されます。金融政策は、この経済状況を安定させるための重要な役割を担っています。 金融政策決定会合では、日本銀行が持つ様々な金融調節手段、例えば、政策金利の操作や資産買入れなどを通じて、経済を活性化させたり、インフレを抑えたりするための議論が交わされます。 そして、そこで決定された金融政策は、私たちの預貯金の金利や企業の借入金利、ひいては投資や消費といった経済活動全体に大きな影響を与えることになります。 このように、金融政策決定会合は、日本経済の羅針盤を握る、非常に重要な会議と言えるでしょう。
経済の用語

家計を直撃!輸入インフレとは?

- 輸入インフレとは私たちの暮らしに欠かせない食料品やエネルギー資源の多くは、海外からの輸入に頼っています。 輸入インフレとは、こうした海外からの輸入品の価格が上昇することで、国内の物価全体が上昇する現象を指します。商品の価格は、需要と供給のバランスによって常に変動しています。 需要が供給を上回れば価格が上昇し、逆に供給が需要を上回れば価格は下落するのが基本です。 輸入インフレは、主にこの供給側の要因によって発生します。例えば、世界的な需要の増加や産出国の政情不安、自然災害などによって、原油や穀物の供給量が減少すると、国際的な価格が上昇します。 すると、その影響は当然、日本にも及びます。 日本は資源の多くを輸入に頼っているため、輸入価格の上昇は、電気料金やガソリン価格、食料品価格など、様々な商品の値上がりに繋がります。 これが輸入インフレです。輸入インフレの特徴として、私たちの努力ではコントロールできない外的要因によって引き起こされる点が挙げられます。 また、一度発生すると、様々な商品やサービスに波及し、家計を圧迫するだけでなく、企業活動にも大きな影響を与える可能性があります。
経済の用語

経済の安定成長を支える金融政策とは

- 金融政策の役割 金融政策とは、国の経済を安定させ、健全な成長を促すための重要な役割を担っています。簡単に言えば、国の経済を調整する「舵取り」のようなものです。この舵取り役を担うのが、日本の中央銀行である日本銀行です。 日本銀行は、主に二つの方法で金融政策を行います。一つは「金利の調整」です。金利とは、お金を借りる際にかかる費用のことで、日本銀行はこの金利を調整することで、企業や個人がお金を借りやすくしたり、逆に借りづらくしたりします。例えば、金利を下げると、企業はより低コストでお金を借りて事業を拡大しやすくなるため、経済活動が活発化しやすくなります。 もう一つは「お金の流通量の調整」です。これは、市場に供給するお金の量を増やしたり減らしたりすることで、景気を調整する方法です。例えば、景気が低迷している場合には、お金の供給量を増やすことで、企業の投資や個人の消費を促進し、景気を押し上げる効果が期待できます。 このように、金融政策は私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。日々のニュースなどで、金融政策の動向に関心を持つことが大切です。
経済の用語

輸出関税:国際貿易の基礎知識

輸出関税とは 輸出関税とは、ある国から別の国へ商品を輸出した際に、輸出する側の国の政府によって課される税金のことです。簡単に言えば、商品を海外へ販売する際に、その国から「さようなら」という意味で課される税金と言えるでしょう。 この税金は、国際貿易において広く見られる一般的なものであり、輸出を行う国の政府にとって貴重な財源となっています。輸出関税は、輸出される商品の種類、量、または価値に基づいて、それぞれ異なる税率が適用されます。例えば、贅沢品には高い税率が設定される一方で、原材料には低い税率が適用されることがあります。 輸出関税の目的は、主に政府の収入を増やすことにありますが、それ以外にも、国内産業の保護や、輸出量の調整、国際価格への影響といった目的も含まれています。例えば、国内産業を保護するために、特定の商品の輸出に関税を課すことで、海外からの競争を抑制し、国内企業を保護することができます。 しかし、輸出関税は国際貿易を歪める可能性も孕んでおり、自由貿易の原則に反すると批判されることもあります。そのため、輸出関税は、国際的な貿易協定や二国間協定によって制限される場合があります。
経済の用語

金融商品取引業者とは?

- 金融商品取引業者とは私たちが投資を行う際、金融商品取引業者は欠かせない存在です。銀行預金と異なり、株式や投資信託といった金融商品は、値動きによって利益と損失が生じる可能性があります。金融商品取引業者は、これらの金融商品を売買したい投資家と市場をつなぐ、いわば橋渡し役を担っています。具体的には、投資家からの注文を受けて株式などの売買を仲介したり、投資信託の販売を行ったりします。また、投資家の資産状況や投資目標に応じて、最適な投資プランの提案やアドバイスなども行います。 金融商品取引業者は、金融商品取引法という法律に基づいて、金融庁に登録することが義務付けられています。この法律は、投資家を保護し、金融市場の秩序を維持するために制定されました。金融商品取引業者は、この法律に従い、顧客の利益を最優先に行動し、適切なサービスを提供することが求められています。例えば、顧客に対して、投資のリスクや手数料などを丁寧に説明する義務があります。また、顧客から預かった資産は、自社の資産とは分別して管理することが義務付けられています。
経済の用語

金融商品取引業協会:投資家保護の番人

- 金融商品取引業協会とは金融商品取引業協会は、投資家を守るため、そして金融市場が健全に発展していくために、金融商品取引業者自らが作った自主規制機関です。金融商品取引法という法律に基づいて設立されました。 では、具体的にどのような活動をしているのでしょうか? 金融商品取引業協会には、証券会社や銀行など、金融商品を扱う様々な企業が会員となっています。協会はこれらの会員企業に対して、法令やルールを遵守するよう指導・監督を行い、投資家からの苦情を受け付ける窓口も設けています。 また、投資家向けに、金融商品に関する知識や情報を提供するためのセミナーや相談会を開催するなど、投資家教育にも力を入れています。 金融商品取引業協会は、投資家と金融機関の橋渡し役として、金融市場全体の信頼性を高めるという重要な役割を担っています。
経済の用語

金融持ち株会社とその役割

- 金融持ち株会社とは金融持ち株会社とは、銀行や証券会社、保険会社といった、様々な種類の金融機関を子会社として傘下に置く持ち株会社のことです。 金融持ち株会社自身は、私たち一般顧客向けに預金や融資、証券の売買、保険の販売といった具体的な金融サービスを直接提供することはありません。 その代わりに、金融持ち株会社はグループ全体の経営戦略を立てたり、子会社間で連携を強化して新しいサービスを生み出したり、グループ全体のリスクを管理したりと、グループ全体を統括する役割を担います。 近年、金融の自由化やグローバル化が進展する中で、異なる金融サービスを組み合わせた新しい金融サービスへのニーズが高まっています。このような状況下で、金融持ち株会社は、グループ内の多様な金融機関を連携させることで、顧客の多様なニーズに対応できる総合的な金融サービスを提供することが期待されています。
経済の用語

金融リテラシーを身につけて、より良い未来を!

- 金融リテラシーとは 金融リテラシーとは、お金に関する知識や情報を正しく理解し、自分自身の状況に合わせて適切な判断や行動ができる能力のことを指します。日々の生活から将来設計に至るまで、お金は常に私たちの暮らしと深く関わっています。毎月の家計管理、将来のために備える貯蓄、資産運用としての投資、住宅購入や教育資金など目的別に必要な資金調達、そして万が一の病気や事故に備える保険など、人生における様々な場面においてお金に関する知識は必要不可欠です。 金融リテラシーを高めることで、私たちはこれらの場面でより賢明な選択をすることができるようになります。例えば、収入と支出を把握し計画的に貯蓄を行うことで、将来の夢の実現に近づけるかもしれません。また、様々な金融商品の中から自分に合ったものを選び、リスクとリターンを理解した上で投資を行うことで、資産を増やすことができる可能性もあります。さらに、適切な保険に加入することで、病気や事故など、不測の事態に備えることも可能です。 このように、金融リテラシーは、私たちが経済的に自立し、より豊かで安定した生活を送るために欠かせない能力と言えるでしょう。
経済の用語

輸出増大が招く物価上昇!輸出インフレーションを解説

- 輸出インフレーションとは 輸出インフレーションとは、景気が良くなり、モノやサービスの需要が増えることで起こる、需要インフレと呼ばれるものの一種です。 具体的には、日本の企業が作った製品やサービスを海外にたくさん販売するようになると、国内ではその製品やサービスが不足し始めます。 その結果、国内でその製品やサービスの価格が上がってしまい、これが輸出インフレーションです。 海外で日本の製品やサービスがよく売れるようになると、企業はもっとたくさん作ろうとします。 工場を新しく建てたり、人を増やしたりすることで、経済全体が活気づく効果も期待できます。 しかし、急激に輸出が増えすぎると、国内のモノの値段が上がりすぎてしまい、私たちの生活にも影響が出てしまう可能性があります。 例えば、いつも食べている食品の値段が上がってしまったり、日用品が買いにくくなってしまうかもしれません。 輸出が増えることは、基本的には良いことですが、急激な変化は注意が必要です。
経済の用語

取引の計上タイミング:約定基準とは?

- 売買取引の認識基準 企業活動においては、日々様々な取引が発生します。その中でも、有価証券や商品などの売買取引は、企業の業績に大きな影響を与えるため、その取引を会計帳簿にいつ計上するかは非常に重要となります。 この計上タイミングを決定する基準の一つに「約定基準」があります。約定基準とは、売買契約が成立した時点、つまり売買の約束がされた時点で、その取引を計上する基準です。例えば、A社がB社へ商品を100万円で販売する契約を締結した場合、実際に商品が引き渡され、代金が支払われていなくても、契約が成立した時点で、A社は100万円の売上を計上します。 約定基準を採用する主な理由は、取引の明確性と確実性を確保するためです。売買契約が成立した時点であれば、取引の内容や金額が明確に定まっているため、後から取引内容が変更されたり、取引自体がなかったことにされるリスクが低くなります。 しかし、約定基準はあくまで一つの基準であり、企業会計の原則や個別具体的な取引の内容によっては、他の基準が適用される場合もあります。重要なのは、企業が自社の事業内容や取引の実態に合った認識基準を選択し、一貫性を持って適用することです。
経済の用語

売買成立時の価格:約定価格とは?

- 売買における重要な指標約定価格 何かを売買する際、誰もが必ず目にすることになるのが「価格」です。 この価格には、実は様々な種類が存在します。 その中でも、売買取引において特に重要なのが「約定価格」です。 約定価格とは、売買の当事者間で合意が成立し、実際に取引が成立した時点での価格を指します。 例えば、あなたが1個1,000円のリンゴを10個購入したいとします。 お店に行けば、確かにリンゴは1個1,000円の値札が付いて売られています。 しかし、必ずしも1個1,000円で10個購入できるとは限りません。 もしかしたら、お店でセールをしていて、1個800円で売られているかもしれません。 反対に、天候不順でリンゴが不作となり、1個1,200円の価格でしか買えないということもあるかもしれません。 そして、実際にあなたが購入したリンゴの価格、これがすなわち約定価格となります。 約定価格は、市場の需給バランスや、取引時間帯、取引量など、様々な要因によって変動する可能性があります。 そのため、売買取引を行う際には、常に最新の市場情報をチェックし、約定価格の動向を注視することが重要となります。
経済の用語

経済成長の指標:名目成長率とは

- 名目成長率を理解する名目成長率とは、ある経済指標の増加率を、金額ベースで、つまり物価の変動を考慮せずに表したものです。経済の分野では、主に名目GDP(国内総生産)成長率を指し、国の経済規模を示す名目GDPが、前の年と比べてどれだけ増加したかを प्रतिशत で表します。例えば、ある年の名目GDPが100兆円だったとします。そして翌年には103兆円に増加したとします。この場合、名目GDPは3兆円増加したことになります。これを प्रतिशत で表すと、(3兆円 / 100兆円) * 100 = 3%となり、名目成長率は3%となります。名目成長率を見ることで、経済が金額ベースでどれだけ成長したかを把握することができます。しかし、名目成長率は物価の変動を考慮していないため、実際の経済成長を正確に反映しているとは言えません。例えば、物価が大きく上昇している場合には、名目GDPは増加していても、実際の経済規模はそれほど成長していない可能性があります。より正確に経済成長を把握するためには、物価の変動を考慮した実質成長率を見る必要があります。実質成長率は、名目成長率から物価上昇率を引いた値で表されます。経済分析を行う際には、名目成長率と実質成長率の両方を比較することが重要です。
経済の用語

経済指標としての名目国民総所得

- 名目国民総所得とは国民全体の所得を知る上で欠かせない指標の一つに、名目国民総所得(名目GNI)があります。これは、ある一定期間に国民が得た所得の合計を、その年の物価水準で評価したものです。国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計を表す指標として、国内総生産(GDP)が用いられます。一方で名目GNIは、このGDPに海外からの純所得受取を加えることで算出されます。海外からの純所得受取とは、海外からの給与や投資収益など、海外から得た所得から、海外への所得の支払いを差し引いたものです。つまり、名目GNIはGDPが国内の経済活動を測る指標であるのに対し、国境を越えた経済活動も含めた、国民全体の経済的な豊かさを示す指標と言えます。例えば、日本で働く外国人の給与はGDPには含まれますが、名目GNIには含まれません。逆に、海外で働く日本人が得た給与はGDPには含まれませんが、名目GNIには含まれます。このように、名目GNIは、国民が国内外でどれだけの所得を得ているのかを把握する上で重要な指標と言えるでしょう。
経済の用語

経済成長の指標:名目GDPとは?

- 名目GDPとは名目GDPは、特定の期間(通常は1年間)に国内で生産された全ての最終財・サービスの市場価値を、その年の価格水準で評価したものです。 つまり、経済活動の規模を測る指標の一つであり、生産されたモノやサービスの価値を、計算時点の価格で合計したものです。例えば、ある年に車が100万円で10台、パソコンが10万円で100台生産されたとします。この年の名目GDPは、(100万円 × 10台) + (10万円 × 100台) = 2,000万円となります。名目GDPは、経済成長や景気動向を把握する上で重要な指標となります。名目GDPが増加している場合は、経済活動が活発化し、生産や消費が増加していることを示唆しています。逆に、名目GDPが減少している場合は、経済活動が停滞し、生産や消費が減少していることを示唆しています。ただし、名目GDPは物価変動の影響を受けるため、経済の実力を正確に測る指標としては必ずしも適切ではありません。 物価が上昇すると、生産量が変わらなくても名目GDPは増加してしまうからです。そのため、経済の実力をより正確に測るためには、物価変動の影響を取り除いた実質GDPを参考にする必要があります。
経済の用語

名目経済成長率とは?

- 経済成長の尺度経済とは、人々の暮らしを支えるモノやサービスがどれくらい生産され、消費されているかを表すものです。そして経済が成長しているかどうかを知ることは、私たちの生活水準が向上するかどうかに直結する重要な関心事です。経済の成長を測る尺度の一つに、名目経済成長率があります。これは、ある一定期間における経済活動で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計、すなわち国内総生産(GDP)の増加率を見ることで算出されます。もしGDPが増加していれば、その国の経済規模は拡大していると判断できますし、逆に減少していれば縮小していると判断できます。例えば、ある年のGDPが100兆円で、翌年には103兆円に増加したとします。この場合、名目経済成長率は3%となり、経済が成長していると判断できます。名目経済成長率は、経済の現状を把握し、将来の経済動向を予測する上で重要な指標となるのです。
経済の用語

名目金利と実質金利:お金の増減を考える

お金を銀行に預けたり、逆に借りたりする際には、必ず「金利」が発生します。この金利は、お金を「運用する」と考えるとイメージしやすいかもしれません。 銀行は、預かったお金を企業への融資や国債の購入など、様々な方法で運用し、利益を得ています。その利益の一部が、預金者への金利として支払われます。金利は、預けたお金を一定期間銀行に預けることで、銀行がそのお金を運用した対価として受け取る報酬のようなものです。 預金金利は、預ける期間が長くなるほど、また預ける金額が大きくなるほど高くなるのが一般的です。また、世の中の景気が良くて企業がお金を借りやすくなっている状況では、銀行はより積極的に運用を行うため、預金金利も高くなる傾向があります。 一方、お金を借りる場合、金利は「借りたお金の使用料」となります。銀行からお金を借りると、借りた金額に加えて、金利を上乗せして返済する必要があります。金利の高さは、借入期間や借入金額、そして個人の信用情報などによって異なります。一般的に、借入期間が長くなるほど、借入金額が大きくなるほど、金利は高くなります。また、過去の返済状況が悪く信用情報が低い場合は、高い金利が適用される可能性があります。
経済の用語

名目貨幣量とは?

- お金の量を測る経済の動きを理解する上で、世の中に出回っているお金の量を把握することは非常に大切です。経済が活発に成長していくためには、適切な量のお金が人々の間でやり取りされている必要があります。しかし、「お金」と一言で言っても、私たちが普段使うお札や硬貨だけではありません。銀行口座に預け入れられている預金や、スマートフォンで決済する電子マネーなど、時代の流れと共にその姿は多様化し、複雑になっています。そのため、お金の量を正確に測るためには、何を「お金」とみなすのかをはっきりさせる必要があります。例えば、日々の買い物に使えるお札や硬貨だけでなく、すぐに現金化できる預金なども「お金」に含めるべきかどうか、といった線引きが重要になります。さらに、お金の量を測る際には、どの範囲までを対象とするのかも明確にする必要があります。一国の経済活動を分析する場合には、国内で流通しているお金の量を見ることになりますし、世界経済全体を対象とする場合には、国境を越えて移動するお金の流れも考慮する必要があります。このように、お金の量を測る作業は、一見単純そうに見えて、実は様々な要素を考慮する必要がある、奥の深いものなのです。
経済の用語

株式投資の基礎: 業績相場とは?

- 業績相場とは 株式投資の世界では、「業績相場」という言葉がよく聞かれます。これは、企業の業績が堅実に伸びていくことで、その結果として株価全体が上昇する状況を指します。 企業は、商品を販売したりサービスを提供したりすることで収益を上げています。そして、その収益が増加すれば、企業の価値が高まったと評価され、株価は上昇する傾向にあります。 多くの企業が好調な業績を記録し、それが市場全体に広がっていくことで、業績相場は生まれます。例えば、新しい技術が開発されて多くの企業がその技術を活用し始めたり、景気が回復して企業の業績が全体的に向上したりする場合などが考えられます。 業績相場では、投資家は企業の将来の収益成長に期待して投資を行います。そのため、企業の業績発表の内容が非常に重要視され、良い内容であれば株価が大きく上昇することがあります。逆に、企業業績が悪化した場合や、将来の見通しが下方修正された場合には、株価が大きく下落する可能性もあります。 業績相場は、一般的に経済が安定成長している時期に起こりやすく、長期的な投資に適していると言われています。
経済の用語

経済指標「名目GNP」:その意味と重要性

- 名目GNPとは名目GNP(名目国民総生産)は、ある一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの合計額を表す指標です。これは、一国の経済規模を測る上で欠かせない指標の一つとされています。具体的には、国内の企業や個人が生産活動によって生み出した付加価値の総額に、海外からの所得の純受取額(海外からの所得から海外への所得を差し引いたもの)を加えることで算出されます。ここでポイントとなるのが、「名目」という言葉です。これは、計算にあたり、現在の価格が使われていることを意味します。つまり、物価の変動は考慮されていません。例えば、ある年の名目GNPが100兆円だったとします。そして、翌年には物価が10%上昇したとしましょう。もし、生産量や海外からの所得に変化がなければ、翌年の名目GNPは110兆円となります。これは、物価の上昇によって、同じ量のモノやサービスでも、より多くの金額で取引されるようになったためです。このように、名目GNPは物価変動の影響を受けるため、経済の実際の成長を正確に反映しているとは限りません。しかしながら、ある時点における経済規模を把握するには有効な指標と言えるでしょう。
経済の用語

契約自由の原則と強行規定

- 契約自由の原則とは 私達の日常生活において、物はもちろんのこと、サービスの提供など、様々な場面で契約が結ばれています。実は、こうした契約が当事者同士の自由な意思によって成立していることを保証しているのが「契約自由の原則」です。 この原則は大きく分けて二つの側面を持っています。一つは「契約締結の自由」です。これは、誰と契約するか、あるいは契約をするかどうかを、自分の意思で自由に決定できる権利を意味します。例えば、無理やり物を買わされたり、反対に、正当な理由なくサービスの利用を拒否されたりすることがあってはいけません。 そしてもう一つが「契約内容の自由」です。これは、契約の内容、例えば商品の価格やサービスの内容、支払い方法などを当事者間で自由に決めることができることを意味します。もちろん、法律や公序良俗に反する内容は認められませんが、そうでない限り、当事者間の合意が尊重されます。 このように契約自由の原則は、私達が安心して経済活動を行う上で、非常に重要な役割を果たしているのです。
経済の用語

GNIで知る国の豊かさ

- 国民総所得(GNI)について解説 GNIとは、国民総所得(Gross National Income)の略称で、ある国に居住する国民が1年間でどれだけの所得を得たかを示す経済指標です。 国内で生産活動が行われると、そこで新たに価値が生み出されます。これを付加価値といい、国内のあらゆる産業で生み出された付加価値の合計を国内総生産(GDP)と呼びます。 一方で、GNIはGDPに海外からの所得の純受取を加えて算出します。海外からの所得の純受取とは、海外からの給与や投資収益などから、海外への給与や投資収益などを差し引いたものです。 つまり、GNIは国内で生み出された所得だけでなく、海外からの所得も含めた、国民全体が稼いだ所得の合計を表していると言えます。 GNIは、国の経済規模や国民の生活水準を把握する上で重要な指標の一つとして、国際比較などに用いられます。
経済の用語

株価上昇のサイン? 強含みとは

株式投資の世界には、独特の表現や専門用語が数多く存在します。その中でも、「強含み」という言葉は投資家たちの間でよく飛び交い、市場の注目を集めることがあります。では、この「強含み」とは一体どのような状態を指すのでしょうか? 簡単に言うと、「強含み」とは、現在の株価がすでに高い水準にあるにもかかわらず、今後さらに上昇する可能性が高いと予想される状態を意味します。 例えば、ある企業が画期的な新製品を発表したり、業績予想を大幅に上方修正したりした場合、その企業の株価は「強含み」の状態となる可能性があります。投資家たちは、その好材料によって将来的な利益拡大を見込み、株の買い注文を積極的に出すため、株価は上昇圧力を受けることになるのです。 「強含み」は、市場全体が活況を呈している状況下で特に多く見られます。投資家心理が強気に傾き、リスクを取ってでも積極的に投資を行おうとする機運が高まっているため、わずかな好材料でも株価が大きく反応しやすくなるからです。 しかし、「強含み」だからといって、必ずしもその後も株価が上昇し続けるという保証はありません。市場環境や企業業績の変化などによって、株価は予想に反して下落する可能性も常に秘めていることを忘れてはなりません。
経済の用語

金融の基礎知識:無担保コール翌日物金利とは?

私たちが普段利用している銀行は、預金を集めて企業や個人にお金を貸し出すことで利益を得ています。銀行は預かっているお金を元手に、住宅ローンや事業資金などを貸し出し、その利息で収益を上げています。しかし、銀行といえども、毎日必ず資金に余裕があるとは限りません。例えば、給料日など特定の日に預金の払い戻しが集中すると、その分貸し出しに回せるお金が減ってしまいます。また、企業からまとまった融資の申し込みがあった場合など、手持ちの資金だけでは足りないという事態も起こりえます。 このような場合、銀行はどのように対処するのでしょうか? 実は、銀行同士で短期間でお金を貸し借りすることで、資金の過不足を調整しています。銀行間で翌日返済の約束でお金を貸し借りする市場を「コール市場」と呼びます。銀行は、コール市場を通じて資金を調達することで、急な預金の払い戻しや融資の申し込みにも対応できるのです。私たちが安心して銀行を利用できるのも、このような銀行間の資金調達システムがあるからこそと言えるでしょう。
経済の用語

無担保コールレートとは?

- 無担保コールレートの概要銀行などの金融機関は、日々多くのお金の出し入れを行っています。預金者が預金を引き出したり、企業への融資を行ったりと、その金額は膨大です。このような業務を行う中で、金融機関は、預金の受け入れと貸し出しのバランスを適切に保ち、安定的に資金を運用していく必要があります。このバランスを調整するために活用されるのが「無担保コール市場」です。無担保コール市場では、金融機関同士が担保なしで、ごく短期間(主に翌日返済)、資金を貸し借りしています。この際の金利を「無担保コールレート」と呼びます。翌日返済の取引が中心であることから、「オーバーナイト・コール・レート」とも呼ばれます。金融機関は、預金準備率などの規制により、一定割合以上の資金を日本銀行に預け入れる必要があります。日々の業務の中で資金が不足する場合には、この無担保コール市場で他の金融機関から資金を借り入れ、逆に資金が余剰している場合には、他の金融機関に貸し出すことで、効率的に資金調達や運用を行っています。このように、無担保コールレートは、金融機関の資金調達の短期的な指標となる重要な金利の一つと言えるでしょう。