将来設計のカギ!予定再評価率を理解しよう
老後の生活設計において、年金は欠かせない収入源です。特に、会社員や公務員などが加入する企業年金は、国民年金に上乗せして受け取れるため、その金額によって老後の生活水準は大きく変わってきます。企業年金の中には、「キャッシュバランスプラン」と呼ばれる制度があります。この制度では、将来受け取れる年金額が、運用実績ではなく、あらかじめ決められた一定の利率(予定利率)で計算されるという特徴があります。つまり、毎月決まった額が積み立てられていくように見えるため、将来の受給額をイメージしやすいというメリットがあります。
しかし、経済状況や物価は常に変動するものです。将来、物価が大きく上昇した場合、年金資産は目減りし、受け取れる年金の購買力が低下してしまう可能性があります。例えば、100円の物が将来200円になった場合、同じ金額の年金を受け取っても、以前と同じ水準の生活を送ることは難しくなります。
このような事態に対応するために、キャッシュバランスプランでは「予定再評価率」を用いて、将来の給付額を調整します。予定再評価率は、物価や賃金の変動などを考慮して設定され、将来の年金資産の実質的な価値を維持することを目的としています。そのため、将来の年金受給額は、予定利率だけでなく、この予定再評価率によっても影響を受ける可能性があることを理解しておく必要があります。