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投資戦略: 見直し買いとは?

- 見直し買いとは株式投資の世界では、株価の上昇局面で「見直し買い」という言葉を耳にすることがあります。これは、これまで投資家からあまり注目されていなかった銘柄に、あるきっかけで買い注文が集中し、株価が急上昇する現象を指します。見直し買いが起こる要因はさまざまですが、共通しているのは、その銘柄の価値が再評価されるような材料が出現することです。例えば、業績が予想を上回る好決算を発表したり、新しい技術やサービスを開発したり、社会的なトレンドに合致した事業を展開したりするなど、企業の将来性を期待させるような出来事が起こると、投資家の関心が一気に高まります。これまで割安だと見られていた銘柄が、こうした材料によって見直され、将来的な成長を見込んで多くの投資家が買い注文を入れるため、株価は急騰する傾向にあります。まるで、忘れ去られていた宝物が、再び日の目を見るような状況と言えるでしょう。見直し買いは、一度火が付くと、短期間で株価が大きく上昇する可能性を秘めています。しかし、その一方で、材料が一時的なものに過ぎなかったり、過剰な期待によって株価が実態以上に上昇したりするケースもあるため、注意が必要です。
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元引受契約:新規発行を支える証券会社の役割

- 元引受契約とは企業が事業拡大や新たな取り組みを行うために資金が必要となる場面は少なくありません。 資金調達の方法はいくつかありますが、中でも株式や債券といった有価証券を発行して、広く投資家から資金を集める方法がよく知られています。 しかし、企業が自ら不特定多数の投資家に有価証券を販売していくことは容易ではありません。 そこで、専門的な知識と販売網を持つ証券会社が間に入ることで、円滑な資金調達をサポートしています。この時、証券会社と企業の間で結ばれるのが「元引受契約」です。 元引受契約とは、企業が発行する有価証券を、証券会社が自ら買い取り、それを投資家に販売することを約束する契約です。 つまり、証券会社は、企業が発行する有価証券の引き受け手となり、資金調達の成功を保証する役割を担います。 企業にとっては、確実に資金を調達できるメリットがあり、証券会社にとっては、有価証券の販売によって手数料を得ることができます。元引受契約には、証券会社がすべての有価証券を引き受ける「完全引受」と、一部のみを引き受ける「一部引受」があります。 また、残りの有価証券を他の証券会社に販売する「協調引受」といった方法もあります。 いずれにしても、元引受契約は、企業の資金調達において重要な役割を果たしており、経済活動を支える仕組みの一つと言えるでしょう。
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権利落ちを理解して賢く投資

- 権利落ちとは 株式投資の世界では、「権利確定日」や「権利落ち日」といった言葉を耳にする機会があるでしょう。これは、企業が株主に対して利益を還元する「株主優待」や「配当金」、あるいは株式を分割する「株式分割」といったイベントと深く関わりのある、投資家にとって重要な概念です。 権利落ちとは、簡単に言うと、これらの株主にとってメリットのあるイベントを受ける権利がなくなってしまう日のことを指します。 例えば、企業が発表する株主優待の権利を得るためには、権利確定日と呼ばれる日の終わりまでにその企業の株式を保有している必要があります。しかし、権利確定日の翌営業日に設定されている権利落ち日が到来すると、たとえ権利確定日を超えていても、その日に株式を売却してしまうと、株主優待を受け取る権利は失効してしまいます。 これは配当金に関しても同様で、権利落ち日以降に株式を売却すると、権利確定日を過ぎていても配当金を受け取る権利はなくなってしまいます。 株式投資を行う上で、これらの日程は重要な意味を持つため、事前に確認しておくようにしましょう。
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見切り売り:損切りとの違いとは?

株式投資では、保有している銘柄の価格が下落し、損失が出てしまうことがあります。このような状況に陥ると、多くの人が「一刻も早く損失から逃れたい」という心理状態に陥り、保有株を手放してしまうことがあります。これが「見切り売り」と呼ばれる行動です。 「見切り売り」は、短期的な視点で投資を行う場合に起こりやすい行動パターンと言えます。株価が下落すると、不安や恐怖を感じ、冷静な判断ができなくなってしまうのです。しかし、株価の下落は、一時的な要因によるものかもしれません。例えば、企業の業績とは関係のない、市場全体の動向や経済状況の変化によって、株価が下落している可能性もあります。このような場合、見切り売りをしてしまうと、本来得られたはずの利益を逃してしまうことになりかねません。 株価下落時こそ、冷静に状況を判断し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。企業の業績や将来性をしっかりと見極め、投資方針に沿って行動することが、長期的な資産形成には欠かせません。
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狼狽売りは損の元?冷静な投資判断を

- 株価急落時の心理 株式投資をしていると、誰でも経験する恐怖の一つが株価の急落です。日々の値動きは当然のことながら、大きく市場が下落する局面では、ニュースやSNSで市場の暴落が報じられ、不安な気持ちに駆られるのも無理はありません。 特に、保有している株式が大きく値下がりすると、損失を確定したくなくて、冷静さを失ってしまうことがあります。 「もう少し待てば、価格が戻るかもしれない」「損失が拡大するのが怖い」 こうした心理状態に陥ると、冷静な判断ができなくなり、保有し続けるか、損失を抱えながらも売却するかの決断に、大きな迷いが生じてしまいます。 重要なのは、事前に自分自身の投資方針を明確にしておくことです。 具体的には、どの程度の損失までなら許容できるのか、損失が出た場合に備えて、どのような対策を講じるのかなどを事前に決めておくことが重要です。 また、日頃から分散投資を心掛けることも大切です。一つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄や資産に分散投資することで、リスクを抑えることができます。 株価急落は、投資家にとって恐怖体験ですが、冷静さを失わずに対処することが大切です。
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全面安の基礎知識

- 全面安とは株価は常に変動していますが、市場全体で株価が下落する現象を「全面安」と言います。株価が下落する要因は企業の業績悪化や不祥事など、企業ごとによって様々ですが、全面安は経済状況の悪化や予期せぬ大きな出来事など、市場全体に影響を与える要因で起こります。例えば、景気後退の兆候が見られたり、大規模な自然災害が発生したり、世界的な金融危機が起きたりすると、投資家の心理は冷え込み、将来の経済や企業業績に対する不安が広がります。その結果、多くの投資家が株式を売却し始めるため、需要と供給のバランスが崩れ、株価は全体的に下落することになります。全面安は、ほとんどの銘柄の値下がりが起こるため、投資家、特に株式を主要な投資対象としている投資家にとっては厳しい状況と言えます。保有している株式の価値が大きく目減りし、損失を抱えてしまう可能性が高まります。また、全面安の状況下では、底値を見極めることが難しく、安易に売買すると更なる損失を被る可能性もあります。全面安は市場全体に影響を与える現象ですが、その影響度合いや回復期間は、その原因や経済状況によって異なります。全面安時においては、冷静に状況を判断し、長期的な視点を持って投資行動を行うことが重要です。
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融資金利とは?仕組みと投資への影響を解説

- 融資金利の概要株式投資をする際、投資家はその資金を証券会社に預託し、株式の売買を委託します。しかし、預託された資金は証券会社が直接株式購入に充てるのではなく、証券金融会社から資金を借り入れて運用を行うことがあります。この時、証券会社が証券金融会社に対して支払う金利が「融資金利」と呼ばれます。融資金利は、市場の需給関係によって日々変動します。株式市場全体が活況で多くの資金需要が発生している場合は、融資金利は上昇する傾向にあります。逆に、市場が低迷し資金需要が減少すると、融資金利は低下する傾向にあります。投資家にとって、融資金利は無視できない要素の一つです。なぜなら、融資金利は投資家の売買手数料に直接影響を与える可能性があるからです。証券会社は、顧客から受け取る売買手数料の一部で融資金利を賄っています。そのため、融資金利が上昇すると、証券会社は手数料を引き上げる、あるいはサービス内容を見直すなどして、その費用を顧客に転嫁せざるを得ない状況も考えられます。融資金利は、株式市場全体の動向を反映する指標の一つとも言えます。日々の融資金利の動きを注視することで、市場全体の資金需要や投資家心理をある程度把握することが可能となるでしょう。
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有利発行を理解する

- 有利発行とは 企業が事業拡大などを行うには、資金を調達する必要があります。資金調達の方法はいくつかありますが、その中でも株式を発行して資金を集める方法を「増資」といいます。 有利発行とは、この増資を行う際に、発行する新しい株式の価格を、現在の市場価格よりも低い価格に設定して発行することを指します。 では、なぜこのような方法をとるのでしょうか?それは、投資家にとって魅力的な投資機会を作り出すことで、企業はより簡単に、そして確実に資金を調達することができるからです。 市場価格よりも低い価格で購入できるということは、投資家にとっては、値上がり益を狙えるお得な話です。そのため、多くの投資家が応募しやすくなり、企業は目標とする資金をスムーズに集められます。 一方で、有利発行は、既存の株主にとっては、所有する株式の価値が薄まるというデメリットも生じます。発行済株式数が増加するため、一株あたりの価値が低下してしまうからです。 このように、有利発行は企業にとって資金調達を容易にするメリットがある一方で、既存の株主にとってはデメリットも存在します。そのため、企業は有利発行を行う際には、そのメリットとデメリットを十分に検討し、慎重に判断する必要があります。
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企業成長の糧となる「有償増資」

会社を大きくしたり、新しい機械や工場におお金を使ったりするためには、お金を集めることがとても大切です。お金を集める方法はいろいろありますが、その中でも「有償増資」は、会社を成長させるための大切な方法の一つです。 有償増資とは、簡単に言うと、会社が投資家から新しいお金を出してもらい、その代わりに、新しく作った会社の株を投資家に渡す方法です。投資家からすると、お金を出す代わりに会社の株をもらうことで、将来、会社の業績が上がって株の価値が上がった時に、その差で利益を得ることができます。一方、会社側としては、借金のようにお金を返す必要がないため、返済の負担を負うことなく、新しい事業や設備投資などにお金を使うことができます。 しかし、有償増資には、メリットだけではありません。新しい株を発行することで、一株あたりの価値が薄まる可能性があります。また、経営権の比率が変わる可能性もあります。そのため、有償増資を行う際には、メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に検討する必要があります。
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投資家必見!有価証券報告書を読み解く

- 企業分析の基礎資料 企業分析を行う上で欠かせない資料の一つに、有価証券報告書があります。 これは、企業が投資家に向けて作成する情報開示資料であり、企業の活動内容を詳しく知ることができる、いわば「通知表」のようなものです。 有価証券報告書には、企業の財務状況や経営成績はもちろんのこと、事業内容や将来の展望など、多岐にわたる情報が詳細に記載されています。 具体的には、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表、事業の状況や経営方針、今後のリスクや見通しなどが含まれます。 これらの情報は、企業の現状を正しく理解し、将来性を評価するために非常に重要です。 例えば、過去の売上や利益の推移を見ることで、企業の成長性や収益力を把握することができます。 また、今後の事業計画や投資計画を分析することで、企業の将来性を見極めることができます。 有価証券報告書は、膨大な情報量を含むため、最初は難解に感じるかもしれません。 しかし、重要な項目を押さえながら読み進めることで、企業への理解を深め、より的確な投資判断を行うことが可能となります。 企業分析の基礎資料として、有価証券報告書を積極的に活用していくことが重要です。
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資金調達の方法:有価証券の募集とは?

- はじめに 企業が事業を拡大したり、新しい製品やサービスを開発したりするためには、資金が必要です。この必要な資金を集めることを「資金調達」と呼びますが、資金調達には様々な方法があります。銀行からお金を借りる方法や、事業に賛同してくれる投資家から出資を受ける方法など、それぞれに特徴があります。 その中でも、「有価証券の募集」は、多くの投資家から一度に大きな資金を集めることができる効果的な方法として知られています。企業は、株式や債券といった「有価証券」を発行し、投資家に購入してもらうことで、必要な資金を調達します。 この有価証券の募集には、いくつかの種類や、それぞれにメリット・デメリットが存在します。この資料では、これから有価証券の募集を検討する企業の皆様向けに、その概要や仕組み、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。そして、それぞれの企業にとって最適な資金調達方法を選択できるよう、有価証券の募集に関する理解を深めていきましょう。
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有価証券の私募を解説

- 有価証券の私募とは 会社が事業を大きくしたり、新しい事業を始めたりする際、必要な資金を集めることがあります。この資金調達の方法の一つに、株式や債券といった有価証券を発行して、投資家からお金を集める方法があります。 有価証券には、大きく分けて二つの募集方法があります。一つは、証券取引所に上場して、広く一般の投資家から資金を集める「公募」です。もう一つは、特定の少数の投資家だけに絞って有価証券を販売する「私募」です。 私募は、公募のように多くの人に販売する必要がないため、手続きが比較的簡単で、短期間で資金調達ができるというメリットがあります。また、投資家も、その企業の事業内容や将来性などをよく理解した上で投資するケースが多いため、企業と投資家の関係が密接になるという側面もあります。 一方で、私募は、公募と比べて、投資家保護の観点から規制が厳しいという側面もあります。具体的には、私募で有価証券を販売できる相手は、金融機関や事業会社など、一定の知識や経験を有すると認められる投資家に限られています。 このように、私募にはメリットとデメリットの両方があります。そのため、会社は、資金調達の目的や状況に応じて、公募と私募のどちらが適切か、慎重に検討する必要があります。
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投資初心者向け:優先株とは?

- 優先株の概要会社が事業を大きくしたり、新しい取り組みを始めたりするためには、お金が必要です。そのお金を集める方法の一つに、株式の発行があります。株式には、大きく分けて「普通株」と「優先株」の二種類があります。 優先株とは、普通株よりも先に会社の利益を受け取ったり、もし会社が倒産してしまった場合でも、先に会社の財産を受け取ったりできる権利を持った株式です。 なぜこのような特別な権利があるかというと、優先株は「債券」と「株式」の両方の性質を持っているからです。 債券は、会社にお金を貸す代わりに、決まった利息を受け取れる仕組みです。一方、株式は会社の ownership を持つ代わりに、会社の業績に応じて配当金を受け取れる仕組みです。 優先株は、債券のように決まった時期に決められた金額の配当金を受け取ることができます。一方で、会社の業績が非常に良い場合は、普通株のようにより多くの配当金を受け取れる可能性もあります。 このように優先株は、普通株よりもリスクが低く、債券よりもリターンの可能性が高いという特徴を持っています。
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空売り:投資戦略とその仕組み

- 空売りの基本的な考え方空売りとは、将来価格が下落すると予想される株を借りて売却し、その後、価格が実際に下落した時点で買い戻すことで利益を狙う投資戦略です。例えば、A社の株価が将来的に1株1,000円から500円に下落すると予想したとします。この場合、投資家は証券会社からA社の株を1株1,000円で借りて市場で売却します。その後、予想通り株価が500円に下落した時点で、投資家は市場でA社の株を500円で買い戻し、最初に借りていた証券会社に返却します。この結果、投資家は1,000円で売って500円で買い戻すことで、1株あたり500円の利益を得ることができます。これが空売りの基本的な仕組みです。ただし、空売りは大きな利益を狙える一方、損失が無限大になるリスクも孕んでいる点は注意が必要です。なぜなら、株価が予想に反して上昇し続けた場合、買い戻しのコストが際限なく高くなってしまう可能性があるからです。そのため、空売りを行う際には、損失を限定するための適切なリスク管理が不可欠となります。
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年末年始の投資戦略:餅つき相場とは?

12月も終わりに近づくと、街はイルミネーションで彩られ、テレビでは年末年始の特別番組が目白押しになります。新しい年を迎える準備に、誰もが心を躍らせる時期ですが、投資の世界にも、年の瀬特有の動きが見られるようになります。それが「餅つき相場」です。 「餅つき相場」とは、12月下旬から翌年1月上旬にかけて、株式相場が大きく変動する現象を指します。年末年始は、企業の決算発表や経済指標の発表が少なくなるため、市場参加者は、例年よりも少ない情報に基づいて売買の判断を迫られることになります。また、年末年始休暇に入る市場参加者が増えるため、市場全体の取引量も減少します。 取引量が減少し、市場参加者が減少する一方で、新年への期待感から買い注文が増えたり、逆に、その年の損失を確定するために売り注文が増えたりと、売買の思惑が交錯しやすくなります。 このように、年末年始は、さまざまな要因が重なり、相場が大きく上下に変動しやすくなるのです。その様子が、まるで杵で餅をつくときに、餅が上下に跳ね上がる様子に似ていることから、「餅つき相場」と呼ばれるようになりました。
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クラウドファンディング成功のカギ!「目標募集額」設定の重要性

近年、新しい事業を始める際に必要となる資金を集める方法として、「クラウドファンディング」という手段が注目されています。インターネットを通じて、多くの個人から少額ずつ資金を集める仕組みで、起業家や新しいビジネスに挑戦する人たちにとって、資金調達のハードルを下げる画期的な方法として期待されています。 従来の資金調達といえば、銀行からの融資や、ベンチャーキャピタルからの出資が一般的でした。しかし、これらの方法には、審査が厳しく、資金調達までに時間がかかるといった課題がありました。一方、クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集めるため、従来の方法よりも、スピーディーかつ、比較的容易に資金調達を行うことが可能です。また、資金提供者との距離が近く、直接意見交換ができる点も魅力の一つです。 クラウドファンディングは、新しい商品やサービスの開発、地域活性化プロジェクト、芸術活動など、様々な分野で活用されています。資金調達を希望する人は、インターネット上のクラウドファンディングプラットフォームに、プロジェクトの内容や目標金額、資金の使い道を掲載します。資金提供者は、そのプロジェクトに共感し、応援したいと思えば、プラットフォームを通じて資金を提供します。 このように、クラウドファンディングは、資金調達の新たな選択肢として、ますますその存在感を増していくと考えられています。
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「模様眺め」で相場の流れを読もう

- 「模様眺め」とは?投資の世界では、常に変化する相場と向き合いながら、利益を追求していく必要があります。しかし、常に積極的に売買を行うことが最善の策とは限りません。状況によっては、一歩引いて市場の動向を見極めることが重要になります。「模様眺め」とは、まさにそのような投資行動を指す言葉です。これは、相場が上昇するのか、それとも下落するのか、その方向性が見えにくい時に、売買を控えて様子を見ることを意味します。無理に売買をしてしまうと、予想に反して損失を被る可能性もあります。特に、相場全体が大きく動かず、方向感に乏しい時や、経済指標の発表など、相場に大きな影響を与えるイベントを控えている時は、多くの投資家が「模様眺め」の姿勢をとります。「模様眺め」は、決して消極的な行動ではありません。むしろ、市場の動向がはっきりするまで静観し、より確実なタイミングで投資判断を行うための、戦略的な選択と言えます。焦らず冷静に状況を見極めることで、投資の成功確率を高めることに繋がるのです。
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株の名義書換とは?基礎知識と手続きの流れ

株式投資を始めようとすると、まずは証券会社に口座を開設し、そこで株式を購入するのが一般的な流れです。しかし、証券会社を通じて購入した株式は、実際には投資家個人の名義ではなく、証券会社の名義で管理されているケースがほとんどです。これは、証券会社が投資家全体の株式をまとめて管理することで、売買などの事務処理を効率化しているためです。 しかし、この状態では、株主総会での議決権行使や、企業から送付される株主優待の受け取りなど、株主としての権利を十分に行使できない場合があります。 そこで重要となるのが「名義書換」です。名義書換とは、証券会社名義で管理されている株式を、投資家個人の名義に変更する手続きのことです。名義書換を行うことで、株主としての権利を完全に自分のものとすることができます。 名義書換は、証券会社に手続きを依頼することで行えます。ただし、証券会社によっては手数料が発生する場合や、手続きに時間がかかる場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
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無償増資で何が起きる?

- 無償増資とは企業が事業拡大や設備投資などのためにお金を集める方法として、新たに株を発行して投資家から資金を募る「増資」という方法があります。この増資には、株を購入する際に対価が必要となる「有償増資」と、株主に対価を求めずに株を交付する「無償増資」の二つがあります。無償増資は、企業が内部に貯めている利益剰余金などの資金を元手に、株主に対して無料で新しい株を発行する仕組みです。この際、企業は新たに資金調達を行う必要はなく、株主も追加の負担なく株式を手にすることができます。具体的には、企業はまず、利益剰余金の一部を資本金に組み入れます。そして、増加した資本金を元に、新しい株式を発行し、既存の株主に対してその保有比率に応じて無償で割り当てるのです。無償増資は、株主にとって保有する株式数が増えるため、一見するとメリットが大きいように思えます。しかし、一株あたりの価値は下がる可能性があります。これは、発行済み株式数が増加するためです。無償増資は、企業が安定した経営状態であることや、株主還元を目的とする場合などに行われます。
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議決権なし?無議決権株式を解説

- はじめの一歩 会社組織において、その所有権を示すものとして「株式」が存在します。 一般的に、株式を保有することで株主総会における議決権が付与され、企業の重要な意思決定に意見を反映させることができます。 しかし、株式の中には「無議決権株式」と呼ばれる、議決権を持たない特殊な株式も存在します。 一見すると不利に思えるかもしれませんが、無議決権株式は発行企業と投資家双方にとってメリットがある場合があります。 今回は、この無議決権株式について詳しく解説していきます。 具体的には、無議決権株式発行の背景や、メリット・デメリット、そして投資家が知っておくべき注意点などをわかりやすく説明していきます。
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無額面株式:その仕組みとメリット

- 無額面株式とは 従来の株式は、株券に金額が明記されており、これを「額面」と呼んでいました。この額面は、株主としての権利や責任の基準となる重要なものでした。例えば、1株あたり100円の額面が設定されている場合、100株を保有する株主は、会社に対して1万円分の出資をしているとみなされ、配当金を受け取る際や、株主総会で議決権を行使する際に、この額面を基準としていました。 しかし、近年では、企業の資金調達の柔軟性を高めるために、この額面をなくした「無額面株式」が主流になりつつあります。無額面株式では、株券に金額が記載されておらず、企業はより自由に発行価格を設定することができます。発行価格を低く設定することで、より多くの資金を調達することも可能になります。 また、無額面株式は、株式分割や併合などの手続きを簡素化できるというメリットもあります。従来の額面株式では、これらの手続きを行う際に、株券の書換えなどの煩雑な作業が必要でしたが、無額面株式では、これらの手続きを電子的に行うことができるため、企業の負担を軽減することができます。 このように、無額面株式は、企業にとって多くのメリットがあることから、近年急速に普及しています。
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信用取引の落とし穴?逆日歩を理解する

- 信用取引とは 信用取引は、証券会社から資金や株を借りて、より多くの株を取引できる仕組みです。 通常、株を購入する際には、証券口座に入金した資金の範囲内でしか取引できません。しかし、信用取引を利用すると、証券会社から資金や株を借りることで、自己資金以上の金額の株を取引することが可能になります。 例えば、100万円の資金で、1株1000円の株を1000株購入しようとすると、ちょうど資金を使い切ってしまいます。しかし、信用取引を利用すれば、証券会社から資金を借りて、自己資金以上の株数、例えば2000株購入することができます。 信用取引では、自己資金の何倍もの金額を取引できるので、少ない資金で大きな利益を狙うことができます。これを「レバレッジ効果」と呼びます。しかし、その反面、損失が出た場合も、自己資金以上の損失を被る可能性があり、リスク管理が非常に重要となります。
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投資の鉄人技!?逆張り投資で成功を目指す

- 逆張り投資とは投資の世界には、「皆が右を向いたら、左を向け」という言葉にも似た「逆張り投資」という手法があります。これは、大勢の投資家と反対の行動をとる投資方法です。例えば、ある会社の株について考えてみましょう。多くの投資家がその会社の業績を評価し、株を買い進めているとします。すると、当然株価は上昇していきます。しかし、逆張り投資家は、この状況を「過熱」と判断します。多くの人が飛びついているため、株価は本来の価値よりも高くなっていると考え、敢えて売却するのです。反対に、業績不振や不祥事などで、ある会社の株価が下落しているとします。多くの投資家は、損失を恐れて、その会社の株を売却するでしょう。しかし、逆張り投資家は、値下がりした時こそチャンスと捉えます。一時的な要因で株価が下落しているだけで、本来の価値はまだ高いと判断し、買い増しを行うのです。逆張り投資は、大勢の投資家の心理の裏をかき、割安で株を売買することで利益を狙う投資手法と言えるでしょう。
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議決権制限株式:企業支配の鍵

- 議決権制限株式とは 会社法上の「株式」には、株主総会での議決権など、株主として企業経営に参画する権利が認められています。しかし、企業によっては、経営の安定化を図るため、または、事業承継を円滑に進めるためなどに、議決権を制限した株式を発行することがあります。これが「議決権制限株式」です。 議決権制限株式には、大きく分けて以下の3つの種類があります。 1. -議決権が全くない株式- この種類の株式には、株主総会での議決権が全く認められていません。 2. -議決権が制限されている株式- 通常の株式よりも、1株あたりの議決権数が少ない株式や、特定の議案についてのみ議決権を行使できない株式がこの種類に該当します。 3. -種類株式として発行された議決権制限株式- 会社法では、内容の異なる複数の種類の株式を発行することを認めており、これを「種類株式」と呼びます。種類株式として発行された議決権制限株式は、議決権の制限に加えて、配当や残余財産の分配について特別な権利が与えられている場合もあります。 議決権制限株式は、通常の株式と比較して、株主としての権利が制限されています。しかし、その反面、発行価格が割安に設定されている場合や、高い配当利回りが見込める場合があります。議決権制限株式への投資を検討する際には、メリットだけでなく、デメリットも十分に理解しておくことが重要です。