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現地決済方式を解説~メリット・デメリット~

- 現地決済方式とは海外の市場で株式や債券といった証券に投資する場合、日本とは異なる商慣習や法律、制度に則って取引を行う必要があります。その際に、証券の売買や保管、決済を円滑に行うための方法の一つとして、「現地決済方式」と呼ばれる方法があります。では、現地決済方式とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。日本の投資家が海外の証券を購入する場合を例に考えてみましょう。投資家は、まず日本の証券会社に注文を出します。この注文を受けた証券会社は、海外の証券会社と取引を行うために、「カストディアン」と呼ばれる機関に指示を出します。カストディアンは、通常、信託銀行や銀行の子会社など、証券の保管や決済に関する専門的な知識とノウハウを持つ機関です。カストディアンは、投資家の代わりに、海外の証券会社と証券の売買を行い、取引が成立すると、現地の保管機関を通じて証券の受け渡しと代金の決済を行います。この際、証券は、日本の投資家の名前ではなく、カストディアンなどの名義で現地の保管機関に保管されることになります。このように、現地決済方式では、投資家に代わってカストディアンが、海外の証券会社や保管機関との間で、売買、決済、保管といった一連の業務を代行してくれるため、投資家は、海外の複雑な手続きや制度に直接関わることなく、スムーズに海外の証券に投資することができます。
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証券投資の落とし穴?プリンシパル取引を解説

- プリンシパル取引とは証券投資を行う際、私たちは通常、証券会社を通じて株式や債券などの売買を行います。多くの場合、証券会社は私たち投資家の代理人として、取引所との間に入って売買を成立させてくれます。これを「代理売買」と呼びます。 一方、証券会社自身が取引の相手方となる場合があります。これが「プリンシパル取引」です。例えば、投資家がA社の株を「買いたい」と注文した場合、証券会社が自社で保有しているA社の株を投資家に売却することがあります。逆に、投資家がA社の株を「売りたい」と注文した場合、証券会社が自らの資金でその株を買い取ることもあります。 プリンシパル取引では、証券会社は投資家に対して、売買する金融商品の価格や数量などを提示します。投資家はこの提示内容に納得すれば取引が成立し、証券会社は自ら売買の当事者となります。 代理売買と比較して、プリンシパル取引は証券会社にとっては収益機会が大きい一方、投資家にとっては価格や情報面での透明性が低くなる可能性があります。そのため、プリンシパル取引を行う場合は、証券会社から取引内容について十分な説明を受け、内容を理解した上で取引を行うことが重要です。
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金融のプロが解説!ブロックトレードとは?

- ブロックトレードの概要株式投資では、企業の業績や将来性を見込んで、その企業が発行する株式を取引します。 株式の売買は証券取引所を通じて行われ、多くの投資家が参加することで価格が決まります。 通常の取引では、一度に売買できる株数は限られていますが、機関投資家など、資金力のある投資家は、一度に大量の株式を取引したい場合があります。 しかし、大量の株式を一度に売買しようとすると、市場価格に大きな影響を与えかねません。 例えば、ある企業の株を大量に売却すると、その企業の株価は大きく下落する可能性があります。 これは、市場に売りが殺到し、買い手が不足するためです。 逆に、大量に購入しようとすると、株価が急騰する可能性があります。このような事態を防ぎ、市場への影響を抑えながら、大量の株式を売買するために利用されるのが「ブロックトレード」です。 ブロックトレードとは、証券会社などの仲介業者を介して、特定の投資家同士が、取引所を通さずに、大量の株式を直接売買することを指します。 ブロックトレードを利用することで、市場価格への影響を抑えながら、効率的に株式を売買することができます。 また、取引相手と価格や数量を事前に交渉するため、希望する条件で取引できる可能性が高いというメリットもあります。 主に、機関投資家や大口の個人投資家が利用する取引方法となっています。
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プライベートエクイティ:未公開企業への投資

- プライベートエクイティとは プライベートエクイティ(PE)とは、証券取引所に上場されていない企業、つまり一般的には知られていない未公開企業に対して行われる投資のことを指します。 これらの企業は、規模が小さくても将来性のあるビジネスモデルや、独自の技術を持っている場合があり、PEファンドは将来的に大きく成長することを期待して投資を行います。 投資の目的は、将来的に投資先企業の株式を売却することで利益を得ることです。具体的には、企業を成長させた上で新規株式公開(IPO)を目指す、あるいは他の企業に売却するなど、出口戦略を検討します。 投資対象となる企業にとっては、銀行からの融資とは異なり、PEからの資金調達は、事業拡大や経営改善のための貴重な資金となります。 PEファンドは、単にお金を提供するだけでなく、経営陣に対して経営指導や事業戦略の策定支援、人材紹介などの経営サポートを行うこともあります。 このように、PEは、投資家と未公開企業の双方にとってメリットのある資金調達と言えるでしょう。
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ブックビルディングとは? IPO価格決定の仕組みを解説

- ブックビルディングの概要ブックビルディングとは、企業が新たに株式市場へ上場する際(IPO)や、既に上場している企業が増資を行う際に、投資家からの需要動向を把握し、適切な発行価格を決定するプロセスです。従来の価格決定方法では、証券会社が過去のデータや市場の状況などを基に需要を予測し、発行価格を設定していました。しかし、この方法では、必ずしも市場の実勢を正確に反映した価格になるとは限りませんでした。一方、ブックビルディングでは、実際に機関投資家に対して、購入希望の株数とその価格を聞き取ることで需要を調査します。このプロセスを通じて、企業は投資家がどの程度の価格であれば購入意欲を示すのかを把握することができます。そして、集まった需要状況に基づいて、最終的な発行価格を決定します。ブックビルディングは、従来の方法よりも市場メカニズムを重視した価格設定が可能となり、需要と供給の関係を適切に反映した発行価格を設定することができます。これにより、企業は資金調達を円滑に行うことが期待できます。また、投資家にとっても、より適正な価格で購入できる可能性が高まります。
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ブックビルディング方式とは? IPO価格決定の仕組みを解説

企業が事業を拡大したり、新しい商品開発を進めたりするためには、資金が必要です。資金を集める方法はいくつかありますが、その一つに株式市場への上場、つまり新規株式公開(IPO)があります。IPOとは、これまで限られた投資家のみが保有していた株式を、証券取引所に上場することで、広く一般の投資家に買ってもらうことを指します。 IPOの際には、企業は新たに株式を発行し、投資家に売り出すことになりますが、この時に設定されるのが公募価格です。公募価格は、企業の財務状況や業績見通し、類似企業の株価などを考慮して、証券会社が中心となって算出します。 公募価格は、企業にとって非常に重要な意味を持ちます。公募価格が高く設定されれば、企業は多くの資金を調達することができます。しかし、高すぎる公募価格は、投資家にとって魅力に欠け、株式が売れ残ってしまう可能性もあります。逆に、公募価格を低く設定してしまうと、多くの株式を発行しなければならず、株価が上昇した際の株主還元が少なくなるなど、企業価値の向上を妨げる可能性もあります。 このように、公募価格の設定は、企業の将来を大きく左右する重要な要素と言えるでしょう。
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企業の体力強化!?減資のしくみとは

- 減資とは何か企業は、事業を始める際や事業を拡大する際に、必要な資金を元手として集めます。この元手を「資本金」と呼びます。資本金は、企業の活動の基盤となる重要な資金です。減資とは、この資本金の額を減らす手続きのことを指します。企業は、様々な理由で減資を実施します。例えば、過去の利益剰余金が積み上がっている場合、減資によって株主へ資金を還元することが可能です。また、事業規模の縮小や業績不振などにより、現状に見合った資本金に見直すことで、財務体質の健全化を図る場合があります。減資の手続きは、株主総会での特別決議など、法律で定められた手続きを踏む必要があります。減資を行う際には、企業は債権者保護の観点から、官報への公告や債権者への個別通知などを行う必要があります。減資は、企業にとって重要な経営戦略の一つと言えるでしょう。減資によって、企業は財務構造を改善し、株主への利益還元を強化することができます。しかし、その一方で、市場からの信用力低下や、将来の事業拡大に必要な資金調達に影響を与える可能性も考慮する必要があります。
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株価チャートの「窓」:急騰・急落のサイン?

- 株価チャートの基本 株価チャートは、企業の状況や市場全体の動きを知る上で欠かせない道具です。 チャートは、縦軸に株価、横軸に時間を設定し、株価の動きを線で表現したグラフです。 株価は常にゆるやかに変動しており、チャート上では滑らかな線として描かれます。この線の動きを見ることで、ある企業の株が過去から現在にかけてどのように推移してきたのか、また、市場全体がどのような状況であったのかを把握することができます。 例えば、線が右肩上がりに描かれている場合は、その期間中に株価が上昇していたことを示しており、投資家から見てその企業の価値が高まっていると判断されていたことが読み取れます。反対に、線が右肩下がりに描かれている場合は、株価が下落しており、投資家から見てその企業の価値が低く評価されていたことを示しています。 株価チャートには、日足、週足、月足など、時間軸の単位が異なる様々な種類があります。日足チャートは一日の株価の動きを、週足チャートは一週間の株価の動きを、月足チャートは一ヶ月の株価の動きをそれぞれ表しています。 どの時間軸のチャートを見るかによって、市場の短期的な動きを見るか、長期的な流れを見るかが変わってきます。例えば、短期的な値動きを確認したい場合は日足チャートを、長期的なトレンドを把握したい場合は月足チャートを参照すると良いでしょう。
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金融のプロが解説!相対取引の基礎知識

- 相対取引とは証券会社などを通さずに、特定の当事者間で直接取引を行うことを相対取引といいます。 これは、オーダーメイドの取引とも表現され、市場を通さないため、取引所取引のように不特定多数の参加者を相手にするわけではありません。 買い手と売り手は、顔の見える関係で、価格や数量、決済方法といった取引条件を自由に設定できるという特徴があります。例えば、企業が発行する債券を、特定の投資家に対して、市場を通さずに直接販売する場合などが挙げられます。 この場合、企業は、市場価格にとらわれず、投資家と交渉の上で有利な価格で資金調達を行うことができます。また、投資家も、市場で入手困難な債券を、発行体と直接交渉することで、希望する条件で取得できる可能性があります。相対取引は、このように、当事者間で柔軟な条件設定が可能であるというメリットがある一方で、市場を通さないため、価格の透明性や、取引相手に関する情報が得にくいといったデメリットも存在します。そのため、相対取引を行う際には、取引相手のリスクや、取引条件などを慎重に検討する必要があります。
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金融の世界の相対売買とは?

- 相対売買の基礎知識 普段、私たちがお店で買い物をするときは、お店の人と値段の交渉をすることはほとんどありませんよね?しかし、世の中には、売り手と買い手が直接話し合って、商品の価格や条件を決める取引が存在します。それが「相対売買」です。 相対売買は、いわば「当事者同士のお見合い」のようなもの。例えば、あなたが希少な絵画を所有していて、それを欲しい人が現れたとします。この時、二人で値段や引き渡し時期などの条件を交渉し、合意に至れば取引が成立します。これが相対売買です。 お店で商品を買うのとは違い、相対売買は市場を通さず、一対一で行われる点が大きな特徴です。株式や債券といった金融商品も、証券会社を通して市場で売買されることが一般的ですが、当事者間で直接取引される場合もあります。 相対売買の対象は多岐に渡り、金融商品以外にも、不動産や美術品など、様々なものが考えられます。
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証券投資の穴場?フェニックス銘柄を解説

- フェニックス銘柄とは かつては多くの企業が株式を公開し、活発に売買が行われる金融商品取引所に上場していました。しかし、企業業績の悪化や市場環境の変化など、様々な理由によって上場廃止を余儀なくされる企業も少なくありません。こうした企業の中には、その後も事業を継続し、再び成長軌道に乗る可能性を秘めている場合があります。 フェニックス銘柄とは、一度は金融商品取引所での取引から姿を消し、現在は店頭取引となっている銘柄のうち、将来的な成長が期待される銘柄を指します。具体的には、日本証券業協会が定める一定の基準(例えば、時価総額や財務状況など)を満たした銘柄が、フェニックス銘柄として指定されます。 フェニックス銘柄は、かつて市場で活躍した企業が再び輝きを取り戻す可能性を秘めていることから、投資家にとって魅力的な投資対象となりえます。しかし、上場廃止に至った経緯や、現在の事業状況などを慎重に見極める必要があります。
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投資戦略: 見直し買いとは?

- 見直し買いとは株式投資の世界では、株価の上昇局面で「見直し買い」という言葉を耳にすることがあります。これは、これまで投資家からあまり注目されていなかった銘柄に、あるきっかけで買い注文が集中し、株価が急上昇する現象を指します。見直し買いが起こる要因はさまざまですが、共通しているのは、その銘柄の価値が再評価されるような材料が出現することです。例えば、業績が予想を上回る好決算を発表したり、新しい技術やサービスを開発したり、社会的なトレンドに合致した事業を展開したりするなど、企業の将来性を期待させるような出来事が起こると、投資家の関心が一気に高まります。これまで割安だと見られていた銘柄が、こうした材料によって見直され、将来的な成長を見込んで多くの投資家が買い注文を入れるため、株価は急騰する傾向にあります。まるで、忘れ去られていた宝物が、再び日の目を見るような状況と言えるでしょう。見直し買いは、一度火が付くと、短期間で株価が大きく上昇する可能性を秘めています。しかし、その一方で、材料が一時的なものに過ぎなかったり、過剰な期待によって株価が実態以上に上昇したりするケースもあるため、注意が必要です。
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元引受契約:新規発行を支える証券会社の役割

- 元引受契約とは企業が事業拡大や新たな取り組みを行うために資金が必要となる場面は少なくありません。 資金調達の方法はいくつかありますが、中でも株式や債券といった有価証券を発行して、広く投資家から資金を集める方法がよく知られています。 しかし、企業が自ら不特定多数の投資家に有価証券を販売していくことは容易ではありません。 そこで、専門的な知識と販売網を持つ証券会社が間に入ることで、円滑な資金調達をサポートしています。この時、証券会社と企業の間で結ばれるのが「元引受契約」です。 元引受契約とは、企業が発行する有価証券を、証券会社が自ら買い取り、それを投資家に販売することを約束する契約です。 つまり、証券会社は、企業が発行する有価証券の引き受け手となり、資金調達の成功を保証する役割を担います。 企業にとっては、確実に資金を調達できるメリットがあり、証券会社にとっては、有価証券の販売によって手数料を得ることができます。元引受契約には、証券会社がすべての有価証券を引き受ける「完全引受」と、一部のみを引き受ける「一部引受」があります。 また、残りの有価証券を他の証券会社に販売する「協調引受」といった方法もあります。 いずれにしても、元引受契約は、企業の資金調達において重要な役割を果たしており、経済活動を支える仕組みの一つと言えるでしょう。
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権利落ちを理解して賢く投資

- 権利落ちとは 株式投資の世界では、「権利確定日」や「権利落ち日」といった言葉を耳にする機会があるでしょう。これは、企業が株主に対して利益を還元する「株主優待」や「配当金」、あるいは株式を分割する「株式分割」といったイベントと深く関わりのある、投資家にとって重要な概念です。 権利落ちとは、簡単に言うと、これらの株主にとってメリットのあるイベントを受ける権利がなくなってしまう日のことを指します。 例えば、企業が発表する株主優待の権利を得るためには、権利確定日と呼ばれる日の終わりまでにその企業の株式を保有している必要があります。しかし、権利確定日の翌営業日に設定されている権利落ち日が到来すると、たとえ権利確定日を超えていても、その日に株式を売却してしまうと、株主優待を受け取る権利は失効してしまいます。 これは配当金に関しても同様で、権利落ち日以降に株式を売却すると、権利確定日を過ぎていても配当金を受け取る権利はなくなってしまいます。 株式投資を行う上で、これらの日程は重要な意味を持つため、事前に確認しておくようにしましょう。
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見切り売り:損切りとの違いとは?

株式投資では、保有している銘柄の価格が下落し、損失が出てしまうことがあります。このような状況に陥ると、多くの人が「一刻も早く損失から逃れたい」という心理状態に陥り、保有株を手放してしまうことがあります。これが「見切り売り」と呼ばれる行動です。 「見切り売り」は、短期的な視点で投資を行う場合に起こりやすい行動パターンと言えます。株価が下落すると、不安や恐怖を感じ、冷静な判断ができなくなってしまうのです。しかし、株価の下落は、一時的な要因によるものかもしれません。例えば、企業の業績とは関係のない、市場全体の動向や経済状況の変化によって、株価が下落している可能性もあります。このような場合、見切り売りをしてしまうと、本来得られたはずの利益を逃してしまうことになりかねません。 株価下落時こそ、冷静に状況を判断し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。企業の業績や将来性をしっかりと見極め、投資方針に沿って行動することが、長期的な資産形成には欠かせません。
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狼狽売りは損の元?冷静な投資判断を

- 株価急落時の心理 株式投資をしていると、誰でも経験する恐怖の一つが株価の急落です。日々の値動きは当然のことながら、大きく市場が下落する局面では、ニュースやSNSで市場の暴落が報じられ、不安な気持ちに駆られるのも無理はありません。 特に、保有している株式が大きく値下がりすると、損失を確定したくなくて、冷静さを失ってしまうことがあります。 「もう少し待てば、価格が戻るかもしれない」「損失が拡大するのが怖い」 こうした心理状態に陥ると、冷静な判断ができなくなり、保有し続けるか、損失を抱えながらも売却するかの決断に、大きな迷いが生じてしまいます。 重要なのは、事前に自分自身の投資方針を明確にしておくことです。 具体的には、どの程度の損失までなら許容できるのか、損失が出た場合に備えて、どのような対策を講じるのかなどを事前に決めておくことが重要です。 また、日頃から分散投資を心掛けることも大切です。一つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄や資産に分散投資することで、リスクを抑えることができます。 株価急落は、投資家にとって恐怖体験ですが、冷静さを失わずに対処することが大切です。
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全面安の基礎知識

- 全面安とは株価は常に変動していますが、市場全体で株価が下落する現象を「全面安」と言います。株価が下落する要因は企業の業績悪化や不祥事など、企業ごとによって様々ですが、全面安は経済状況の悪化や予期せぬ大きな出来事など、市場全体に影響を与える要因で起こります。例えば、景気後退の兆候が見られたり、大規模な自然災害が発生したり、世界的な金融危機が起きたりすると、投資家の心理は冷え込み、将来の経済や企業業績に対する不安が広がります。その結果、多くの投資家が株式を売却し始めるため、需要と供給のバランスが崩れ、株価は全体的に下落することになります。全面安は、ほとんどの銘柄の値下がりが起こるため、投資家、特に株式を主要な投資対象としている投資家にとっては厳しい状況と言えます。保有している株式の価値が大きく目減りし、損失を抱えてしまう可能性が高まります。また、全面安の状況下では、底値を見極めることが難しく、安易に売買すると更なる損失を被る可能性もあります。全面安は市場全体に影響を与える現象ですが、その影響度合いや回復期間は、その原因や経済状況によって異なります。全面安時においては、冷静に状況を判断し、長期的な視点を持って投資行動を行うことが重要です。
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融資金利とは?仕組みと投資への影響を解説

- 融資金利の概要株式投資をする際、投資家はその資金を証券会社に預託し、株式の売買を委託します。しかし、預託された資金は証券会社が直接株式購入に充てるのではなく、証券金融会社から資金を借り入れて運用を行うことがあります。この時、証券会社が証券金融会社に対して支払う金利が「融資金利」と呼ばれます。融資金利は、市場の需給関係によって日々変動します。株式市場全体が活況で多くの資金需要が発生している場合は、融資金利は上昇する傾向にあります。逆に、市場が低迷し資金需要が減少すると、融資金利は低下する傾向にあります。投資家にとって、融資金利は無視できない要素の一つです。なぜなら、融資金利は投資家の売買手数料に直接影響を与える可能性があるからです。証券会社は、顧客から受け取る売買手数料の一部で融資金利を賄っています。そのため、融資金利が上昇すると、証券会社は手数料を引き上げる、あるいはサービス内容を見直すなどして、その費用を顧客に転嫁せざるを得ない状況も考えられます。融資金利は、株式市場全体の動向を反映する指標の一つとも言えます。日々の融資金利の動きを注視することで、市場全体の資金需要や投資家心理をある程度把握することが可能となるでしょう。
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有利発行を理解する

- 有利発行とは 企業が事業拡大などを行うには、資金を調達する必要があります。資金調達の方法はいくつかありますが、その中でも株式を発行して資金を集める方法を「増資」といいます。 有利発行とは、この増資を行う際に、発行する新しい株式の価格を、現在の市場価格よりも低い価格に設定して発行することを指します。 では、なぜこのような方法をとるのでしょうか?それは、投資家にとって魅力的な投資機会を作り出すことで、企業はより簡単に、そして確実に資金を調達することができるからです。 市場価格よりも低い価格で購入できるということは、投資家にとっては、値上がり益を狙えるお得な話です。そのため、多くの投資家が応募しやすくなり、企業は目標とする資金をスムーズに集められます。 一方で、有利発行は、既存の株主にとっては、所有する株式の価値が薄まるというデメリットも生じます。発行済株式数が増加するため、一株あたりの価値が低下してしまうからです。 このように、有利発行は企業にとって資金調達を容易にするメリットがある一方で、既存の株主にとってはデメリットも存在します。そのため、企業は有利発行を行う際には、そのメリットとデメリットを十分に検討し、慎重に判断する必要があります。
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企業成長の糧となる「有償増資」

会社を大きくしたり、新しい機械や工場におお金を使ったりするためには、お金を集めることがとても大切です。お金を集める方法はいろいろありますが、その中でも「有償増資」は、会社を成長させるための大切な方法の一つです。 有償増資とは、簡単に言うと、会社が投資家から新しいお金を出してもらい、その代わりに、新しく作った会社の株を投資家に渡す方法です。投資家からすると、お金を出す代わりに会社の株をもらうことで、将来、会社の業績が上がって株の価値が上がった時に、その差で利益を得ることができます。一方、会社側としては、借金のようにお金を返す必要がないため、返済の負担を負うことなく、新しい事業や設備投資などにお金を使うことができます。 しかし、有償増資には、メリットだけではありません。新しい株を発行することで、一株あたりの価値が薄まる可能性があります。また、経営権の比率が変わる可能性もあります。そのため、有償増資を行う際には、メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に検討する必要があります。
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投資家必見!有価証券報告書を読み解く

- 企業分析の基礎資料 企業分析を行う上で欠かせない資料の一つに、有価証券報告書があります。 これは、企業が投資家に向けて作成する情報開示資料であり、企業の活動内容を詳しく知ることができる、いわば「通知表」のようなものです。 有価証券報告書には、企業の財務状況や経営成績はもちろんのこと、事業内容や将来の展望など、多岐にわたる情報が詳細に記載されています。 具体的には、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表、事業の状況や経営方針、今後のリスクや見通しなどが含まれます。 これらの情報は、企業の現状を正しく理解し、将来性を評価するために非常に重要です。 例えば、過去の売上や利益の推移を見ることで、企業の成長性や収益力を把握することができます。 また、今後の事業計画や投資計画を分析することで、企業の将来性を見極めることができます。 有価証券報告書は、膨大な情報量を含むため、最初は難解に感じるかもしれません。 しかし、重要な項目を押さえながら読み進めることで、企業への理解を深め、より的確な投資判断を行うことが可能となります。 企業分析の基礎資料として、有価証券報告書を積極的に活用していくことが重要です。
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資金調達の方法:有価証券の募集とは?

- はじめに 企業が事業を拡大したり、新しい製品やサービスを開発したりするためには、資金が必要です。この必要な資金を集めることを「資金調達」と呼びますが、資金調達には様々な方法があります。銀行からお金を借りる方法や、事業に賛同してくれる投資家から出資を受ける方法など、それぞれに特徴があります。 その中でも、「有価証券の募集」は、多くの投資家から一度に大きな資金を集めることができる効果的な方法として知られています。企業は、株式や債券といった「有価証券」を発行し、投資家に購入してもらうことで、必要な資金を調達します。 この有価証券の募集には、いくつかの種類や、それぞれにメリット・デメリットが存在します。この資料では、これから有価証券の募集を検討する企業の皆様向けに、その概要や仕組み、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。そして、それぞれの企業にとって最適な資金調達方法を選択できるよう、有価証券の募集に関する理解を深めていきましょう。
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有価証券の私募を解説

- 有価証券の私募とは 会社が事業を大きくしたり、新しい事業を始めたりする際、必要な資金を集めることがあります。この資金調達の方法の一つに、株式や債券といった有価証券を発行して、投資家からお金を集める方法があります。 有価証券には、大きく分けて二つの募集方法があります。一つは、証券取引所に上場して、広く一般の投資家から資金を集める「公募」です。もう一つは、特定の少数の投資家だけに絞って有価証券を販売する「私募」です。 私募は、公募のように多くの人に販売する必要がないため、手続きが比較的簡単で、短期間で資金調達ができるというメリットがあります。また、投資家も、その企業の事業内容や将来性などをよく理解した上で投資するケースが多いため、企業と投資家の関係が密接になるという側面もあります。 一方で、私募は、公募と比べて、投資家保護の観点から規制が厳しいという側面もあります。具体的には、私募で有価証券を販売できる相手は、金融機関や事業会社など、一定の知識や経験を有すると認められる投資家に限られています。 このように、私募にはメリットとデメリットの両方があります。そのため、会社は、資金調達の目的や状況に応じて、公募と私募のどちらが適切か、慎重に検討する必要があります。
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投資初心者向け:優先株とは?

- 優先株の概要会社が事業を大きくしたり、新しい取り組みを始めたりするためには、お金が必要です。そのお金を集める方法の一つに、株式の発行があります。株式には、大きく分けて「普通株」と「優先株」の二種類があります。 優先株とは、普通株よりも先に会社の利益を受け取ったり、もし会社が倒産してしまった場合でも、先に会社の財産を受け取ったりできる権利を持った株式です。 なぜこのような特別な権利があるかというと、優先株は「債券」と「株式」の両方の性質を持っているからです。 債券は、会社にお金を貸す代わりに、決まった利息を受け取れる仕組みです。一方、株式は会社の ownership を持つ代わりに、会社の業績に応じて配当金を受け取れる仕組みです。 優先株は、債券のように決まった時期に決められた金額の配当金を受け取ることができます。一方で、会社の業績が非常に良い場合は、普通株のようにより多くの配当金を受け取れる可能性もあります。 このように優先株は、普通株よりもリスクが低く、債券よりもリターンの可能性が高いという特徴を持っています。