経済学の基本: 効用価値説とは?
投資について知りたい
先生、『効用価値説』ってどういう意味ですか?難しくてよくわからないです。
投資アドバイザー
なるほど。『効用価値説』は簡単に言うと、『物の価値はその物を使うことでどれだけ満足できるかで決まる』という考え方だよ。
投資について知りたい
なるほど。つまり、すごく欲しい物は、高くなるってことですか?
投資アドバイザー
その通り! みんながすごく欲しい物は、みんなが喜んで高いお金を払うから、価格も高くなるんだ。これが『効用価値説』で説明できるんだよ。
効用価値説とは。
「効用価値説」は、投資と関わる言葉で、物の価値を、その物を消費することで得られる満足度で決まると考える考え方のことです。この考え方は、経済学の分野で「新古典派経済学」と呼ばれる考え方の土台となっています。新古典派経済学では、物の価値は価格として表されると考えています。つまり、高い値段が付くものほど、人にとって満足度が高いと考えるわけです。この考え方は、それまでの「労働価値説」という、物の価値は作るのに必要な労働量で決まるという考え方とは異なる、新しい価値観を示しました。
経済学における価値の考え方
– 経済学における価値の考え方経済学では、物の価値をどのように捉えるかが、価格がどのように決まるか、資源をどのように配分するかといった問題と深く関わってきます。物の価値については、時代や考え方によって様々な捉え方がされてきましたが、現代の経済学で中心的な考え方の一つに「効用価値説」があります。「効用価値説」とは、簡単に言うと、人々がその物から得られる満足度や有用性で価値を判断する考え方です。 例えば、真夏の砂漠で喉が渇いている人にとって、一杯の水は非常に高い価値を持つでしょう。なぜなら、その一杯の水が命を救うほどの大きな満足や有用性を持つからです。逆に、水が豊富な場所では、同じ一杯の水であっても、価値はそれほど高くはなりません。このように、「効用価値説」では、物の価値は、その物の客観的な特性だけで決まるのではなく、それを利用する人や状況によって変化すると考えます。同じ物でも、それを必要とする人の状況や、その物がどれだけ役立つかによって、価値は大きく変わるのです。経済学では、このような価値の考え方を基に、価格の決定や資源の配分について分析していきます。 人々がそれぞれ何をどれくらい必要としているか、そして市場にどれだけの物があるのか、といった要素を考慮することで、物の価格や供給量が変化していく様子を解き明かしていくのです。
価値の考え方 | 説明 | 例 |
---|---|---|
効用価値説 | 人々が物から得られる満足度や有用性で価値を判断する考え方 | 真夏の砂漠では水は高い価値を持つが、水が豊富な場所では価値は低くなる |
効用価値説の中心概念:効用
– 効用価値説の中心概念効用効用価値説。それは、名前の通り「効用」を価値の基準としています。では、効用とは一体何でしょうか?簡単に言えば、私たちが商品やサービスを消費した時に感じる満足感のことを指します。例えば、真夏の炎天下で喉がカラカラになっている時、一杯の水を飲むと、体中に染み渡るような、何にも代えがたい満足感を得られますよね。しかし、反対にお腹がタプタプになるまで水を飲んだ後では、たとえ同じ水であっても、得られる満足感は最初の時ほど大きくはありません。このように、効用は、客観的な尺度で測れるものではなく、あくまでもそれを体験する人の主観によって決まるものです。置かれている状況や時間、個人の好みなどによって、同じものでも効用は大きく変わってきます。効用価値説は、このように変化する主観的な満足度を基準に、価値を判断していく考え方と言えるでしょう。
用語 | 説明 | 例 |
---|---|---|
効用 | 商品やサービスを消費した時に感じる 主観的な満足感 |
真夏の炎天下で飲む一杯の水の満足感 |
効用価値説 | 効用を価値の基準とする考え方。 主観的な満足度に基づき価値を判断する。 |
水が欲しい時に感じる水の価値は、 お腹が満たされている時よりも高い |
価格と効用の関係
私たちは日々、様々な商品やサービスを購入して暮らしています。その際、商品の価格と、その商品から得られる満足度や価値を比較検討し、購入するかどうかを決めているのではないでしょうか。経済学では、この商品から得られる満足度や価値のことを「効用」と呼びます。
効用価値説では、消費者が商品から感じる効用の大きさが、そのまま商品の価格に反映されると考えます。つまり、ある商品から得られる効用が高い、言い換えれば、その商品に対して大きな満足感や価値を感じれば、消費者はその商品に対して高い価格を支払っても良いと考えるようになり、その結果、商品の価格は上昇する方向に働くのです。
反対に、商品から得られる効用が低い、つまり満足感や価値をあまり感じない場合、消費者は低い価格でなければ購入しようとは考えません。そのため、商品の価格は下落する方向に働くことになります。
このように、効用価値説では、商品の価格はその商品から得られる効用によって決まると説明しています。私たちが日々の生活の中で無意識に行っている行動を、経済学の理論を用いて説明することでより深く理解することができます。
効用 | 価格への影響 |
---|---|
高い (満足感・価値が大きい) | 上昇 |
低い (満足感・価値が小さい) | 下落 |
労働価値説との違い
– 労働価値説との違いかつては、物の価値は、それを作るために費やされた労働量で決まるという「労働価値説」が主流でした。例えば、服を作るために10時間、家具を作るために20時間かかったとすると、家具は服の2倍の価値があると考えるわけです。しかし、この考え方では説明できない場合があります。希少な宝石であるダイヤモンドを考えてみましょう。ダイヤモンドは採掘が難しく、研磨にも高度な技術が必要とされますが、労働時間だけで考えると、それほど長い時間をかけているわけではありません。にもかかわらず、ダイヤモンドは非常に高値で取引されています。これは、労働時間だけでは物の価値を完全に説明できないことを示しています。そこで登場したのが「効用価値説」です。効用価値説では、人々が商品やサービスにどれだけの満足感や有用性を感じるか、つまり「効用」を重視します。ダイヤモンドが高価なのは、その美しさや希少性から、人々が大きな効用を感じているからです。つまり、効用価値説は、人々の主観的な価値観を経済理論に取り入れることで、労働価値説では説明できなかった価格の決定メカニズムを、より現実に近い形で説明できるようになったのです。
項目 | 労働価値説 | 効用価値説 |
---|---|---|
価値の基準 | 生産に必要な労働量 | 商品・サービスから得られる満足度・有用性(効用) |
説明できるもの | 労働時間と価値が比例する商品 | 希少性や嗜好による価格変動 |
ダイヤモンドの価格 | 説明困難(労働時間に見合わない高価格) | 説明可能(美しさ・希少性による高い効用) |
現代経済学への影響
– 現代経済学への影響
「役に立つ」と感じる価値は人それぞれ異なり、それを測ることは難しいように思えます。しかし、経済学ではこの「効用価値」という考え方が、現代でも重要な役割を担っています。
特に、経済活動をミクロな視点で見るミクロ経済学という分野では、需要と供給の関係や価格決定の仕組みを説明する上で、効用価値の考え方が基礎となっています。
私たち消費者は、限られたお財布事情の中で、それぞれの商品から得られる満足度と価格を天秤にかけています。そして、最も満足度が高まると感じるように、日々の買い物やサービスの利用などを行っていると考えられています。
このように、効用価値の考え方は、現代経済学の土台となる考え方を理解する上で、決して欠かすことのできないものと言えるでしょう。