EEC:ヨーロッパ統合の礎となった組織
投資について知りたい
先生、「EEC」って投資の資料で見たんですけど、どういう意味ですか?
投資アドバイザー
いい質問だね!EECは「ヨーロピアン・エコノミック・コミュニティー」の略で、日本語では欧州経済共同体って言うんだ。簡単に言うと、ヨーロッパの国々が経済的に協力し合うための組織だよ。
投資について知りたい
へえー。それで、投資とどう関係があるんですか?
投資アドバイザー
EECはその後、EU(ヨーロッパ連合)に発展したんだけど、EUの経済活動は投資家にとっても重要なんだ。だから、投資の資料でEECって言葉が出てくるんだよ。
EECとは。
投資の話をするときによく出てくる「EEC」っていう言葉は、「ヨーロッパ経済共同体」の略で、ヨーロッパの国々が力を合わせて経済を一つにして、みんなで物が自由に売買できる大きな市場を作ろうとした組織のことです。この組織を作るための取り決めは1957年3月25日に結ばれて、実際に活動が始まったのは1958年1月1日からです。
EECとは
– EECとは
EECは、「ヨーロピアン・エコノミック・コミュニティー」の略称で、日本語では「欧州経済共同体」と訳されます。これは、1957年3月25日に調印されたローマ条約によって設立が決定され、翌1958年1月1日に発足しました。
EECの主な目的は、加盟国間における経済の統合と共通市場の形成です。これは、第二次世界大戦後のヨーロッパにおいて、国家間の経済的な結びつきを強化することで、戦争の惨禍を繰り返さないようにするという理念に基づいていました。
具体的には、加盟国間で関税や貿易制限を撤廃し、人、物、サービス、資本の自由な移動を実現することを目指しました。また、共通の農業政策や競争政策などを導入することで、経済統合を促進しようとしました。
EECは、その後の発展を経て、1993年に発足した欧州連合(EU)の礎となりました。EUは、経済統合にとどまらず、政治、外交、安全保障など、より幅広い分野での協力を目指す組織へと発展しています。
項目 | 内容 |
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正式名称 | ヨーロピアン・エコノミック・コミュニティー (European Economic Community) |
日本語名 | 欧州経済共同体 |
設立 | 1958年1月1日
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目的 |
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具体的な内容 |
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発展 | 1993年 欧州連合(EU)発足の礎となる |
EECの設立目的
– EECの設立目的二度の世界大戦という大きな悲劇を経験したヨーロッパの国々は、二度と戦争を起こさないためには、平和で豊かな社会を築くことが不可欠だと考えました。しかし、戦争によって疲弊した経済を立て直し、人々の生活を向上させるためには、国同士が協力し合うことが何よりも重要でした。そこで、ヨーロッパの国々は、経済的な結びつきを強めることで、政治的な安定も実現できると信じて、EEC(ヨーロッパ経済共同体)を設立しました。EEC設立の大きな目的は、加盟国間でモノを自由に売買できる「自由貿易」を実現することでした。それまで、国境を越えてモノを売買する際には、高い関税や複雑な手続きが必要で、経済活動の大きな障壁となっていました。そこで、EECは加盟国間の関税や貿易障壁を撤廃し、人やモノ、サービス、資本といったものが国境を越えて自由に移動できるようにしました。これにより、企業はより広い市場で自由に活動できるようになり、人々はより多くの選択肢から商品やサービスを選べるようになりました。そして、活発な経済活動は雇用を生み出し、人々の生活水準の向上に繋がりました。EECは、経済的な結びつきを深めることで、ヨーロッパに平和と繁栄をもたらすという大きな目標を掲げていました。そして、その理念は、後のEU(ヨーロッパ連合)へと受け継がれていきます。
設立の背景 | 設立目的 | 具体的な取り組み | 結果 |
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二度の世界大戦という悲劇を経験し、 平和で豊かな社会を築くために、 国同士の協力が必要不可欠という認識 |
経済的な結びつきを通じて、 政治的な安定を実現する |
加盟国間における – 関税・貿易障壁の撤廃 – 人・モノ・サービス・資本の自由移動 |
– 企業活動の拡大 – 人々の選択肢の増加 – 雇用創出 – 生活水準の向上 – ヨーロッパに平和と繁栄をもたらす |
EECの主な活動
ヨーロッパ経済共同体 (EEC) は、その設立理念である経済統合を実現するために、多岐にわたる取り組みを行いました。中でも特に重要なのは、共通農業政策、関税同盟、そして域内市場の統合です。
共通農業政策は、加盟国全体の農業分野における発展を目指した取り組みです。農産物の価格を安定させ、農業の生産性を向上させることで、域内農業を守り、発展させることを目指しました。関税同盟は、加盟国間で互いに課していた関税を撤廃し、域外に対しては共通の関税率を適用することで、加盟国間における自由貿易を推進しました。これは、加盟国間の経済的な結びつきを強める上で大きく貢献しました。域内市場の統合は、人、物、サービス、そして資本の自由な移動を実現することで、経済活動を活性化させました。これは、国境を越えた経済活動の障壁を取り除き、より広範な市場と労働力を活用することを可能にしました。
これらの取り組みによって、EECは加盟国間の経済的な結びつきを強め、経済成長と社会の発展に大きく貢献しました。EECの成功は、その後のヨーロッパ統合の進展に大きく影響を与え、今日の欧州連合 (EU) の礎を築きました。
取り組み | 目的 | 効果 |
---|---|---|
共通農業政策 | 加盟国全体の農業分野における発展。農産物価格の安定化と農業生産性の向上による域内農業の保護と発展。 | 域内農業の保護と発展。 |
関税同盟 | 加盟国間の関税撤廃と域外への共通関税率適用による加盟国間自由貿易の推進。 | 加盟国間の経済的な結びつきの強化。 |
域内市場の統合 | 人、物、サービス、資本の自由な移動による経済活性化。国境を越えた経済活動の障壁撤廃と、より広範な市場と労働力の活用。 | 経済活動の活性化。 |
EECからEUへ
1993年、欧州経済共同体(EEC)は、マーストリヒト条約によって欧州連合(EU)へと姿を変えました。これは、単なる名称変更ではなく、ヨーロッパ統合に向けた大きな前進を象徴する出来事でした。
EECは、その名の通り、加盟国間の経済的な結びつきを深めることに主眼を置いていました。しかし、EUは、EECの築き上げてきた経済統合の基盤を土台としつつ、その活動範囲を大きく広げました。
具体的には、政治、外交、安全保障といった分野においても、加盟国間で協力体制を構築することを目標に掲げました。これは、ヨーロッパの国々が、より緊密に連携し、共に歩む未来を描いていることを示しています。
EUの誕生は、EECの活動が、ヨーロッパ統合の礎として重要な役割を果たしたことを証明しています。EUは、EECの理念を受け継ぎ、より強固で、広範な協力関係を築くことで、平和で繁栄したヨーロッパの実現を目指しています。
項目 | EEC | EU |
---|---|---|
設立年 | 1957年 (ローマ条約) |
1993年 (マーストリヒト条約) |
目的 | 加盟国間の経済的な結びつきを深める | EECの経済統合を基盤とし、政治、外交、安全保障といった分野にも協力体制を構築する |
関係性 | EUはEECの理念と活動を継承し、発展させた組織 |
EECが残した影響
ヨーロッパ経済共同体、略してEECは、その後のヨーロッパ統合の礎を築き、今日のヨーロッパ連合(EU)の繁栄に大きく貢献しました。
EECがもたらした影響は多岐に渡りますが、特に重要なのは経済面における功績です。EECは、加盟国間における関税や貿易障壁を取り除くことで、国境を越えたモノやサービス、人の流れを活発化させました。
これにより、加盟国間における貿易が大幅に増加し、企業はより広大な市場を相手にビジネスを展開することが可能となりました。
その結果、ヨーロッパ経済は大きく成長し、人々の生活水準の向上にも繋がりました。
また、EECの成功は、世界経済のグローバル化が加速する中で、地域統合の重要性を示す先駆的な事例となりました。
EECの経験は、その後の北米自由貿易協定(NAFTA)や東南アジア諸国連合(ASEAN)など、他の地域における地域統合の動きにも大きな影響を与え、世界経済の多極化を促す上で重要な役割を果たしました。
項目 | 内容 |
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設立趣旨 | ヨーロッパ統合の基礎構築 |
主な影響 |
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世界経済への影響 |
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