投資の基礎知識：償還について

投資の基礎知識：償還について

償還とは

– 償還とはお金を運用したり、誰かに貸したりすると、いずれは手元に戻ってきます。この、投資した資金が一定期間を経て投資家に戻ってくる仕組みを「償還」と呼びます。分かりやすい例としては、銀行の定期預金が挙げられます。預けたお金は満期になると、元本と利息を合わせて手元に戻ってきますよね。これも広い意味では償還に含まれます。償還は投資の世界でよく使われる言葉で、債券や投資信託など、様々な金融商品に見られます。預けたお金が戻ってくる仕組みは商品によって異なり、元本保証の有無や受け取り時期なども様々です。例えば、国が発行する債券は、発行時に決められた期間が経過すると、額面通りの金額が償還されます。一方、企業が発行する債券の中には、業績などによって償還金額が変動する場合もあります。このように償還は、投資家が資金を回収する上で重要な意味を持つため、それぞれの金融商品の仕組みをよく理解しておくことが大切です。

債券投資における償還

– 債券投資における償還

債券投資は、国や企業にお金を貸し、その見返りとして利息を受け取る投資方法です。そして、この貸したお金は、あらかじめ決められた期日、つまり償還日に返済されます。これを償還といいます。

例えば、あなたが100万円の債券を購入したとします。この債券の利率が年1％、償還日が5年後だとすると、あなたは毎年1万円の利息を受け取ることになります。そして、5年後の償還日には、当初貸した100万円と、最後の1年間分の利息1万円を受け取り、合計で105万円が戻ってくるわけです。

このように、債券投資では、償還日と償還金額があらかじめ決まっています。そのため、満期まで保有すれば、どれだけの金額がいつ戻ってくるのかが明確です。これは、将来の資金計画を立てやすくなるという大きなメリットと言えます。例えば、子供の教育資金や老後の生活資金など、将来の必要な資金に合わせて債券を選んで投資することができます。

投資信託における償還

– 投資信託における償還

投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとまとめにして、株式や債券などで運用を行う金融商品です。 投資信託を購入する際には、銀行預金のように金額を決めて投資するのではなく、「口数」で購入します。

投資信託は、株式や債券の価格変動の影響を受けて、その価値が上下します。そのため、投資信託の解約時に受け取る金額は、投資した時の金額よりも増えることもあれば、減ってしまうこともあります。これを元本保証がないと言います。

投資信託を解約することを「償還」と言います。償還手続きを行うと、その時点の基準価額で計算された金額が、投資家の銀行口座に払い戻されます。

例えば、1口10,000円の時に100口購入した投資信託があるとします。その後、基準価額が1口12,000円に値上がりしたタイミングで償還した場合、受け取れる金額は120万円(12,000円×100口)となります。反対に、基準価額が8,000円に値下がりしたタイミングで償還した場合は、80万円(8,000円×100口)しか受け取ることができません。

このように、投資信託は運用成果によって受け取る金額が変動する可能性があることを理解しておく必要があります。

繰上償還について

– 繰上償還について

お金を借りると、毎月決まった金額を返済していくのが一般的ですが、決まった期間よりも早くまとめて返済をする方法があります。これを「繰上返済」といいます。

「繰上返済」は、住宅ローンなど、長期にわたって返済を続ける場合に、利息の負担を減らす効果があります。例えば、住宅ローンを組んで1,000万円を借りたとします。金利が年1％、返済期間が30年の場合、毎月の返済額は約32,160円、総返済額は約1,157万円になります。しかし、10年後に100万円を繰上返済すると、その分の利息がかからなくなるため、総返済額を減らすことができます。

繰上返済には、返済額が減る「期間短縮型」と、毎月の返済額が減る「返済額軽減型」の2種類があります。 どちらのタイプが有利かは、その人の経済状況やライフプランによって異なります。

繰上返済を行う場合は、手数料や違約金が発生する場合もあるため、事前に金融機関に確認することが大切です。また、繰上返済によって、手元のお金が減ってしまうという側面もあるため、無理のない範囲で行うようにしましょう。

まとめ

投資の世界において、お金がいつ、どのように戻ってくるのかは非常に大切な要素です。これは「償還」と呼ばれ、投資を考える際には必ず理解しておかなければなりません。

投資したお金が返ってくる仕組みや時期は、投資対象によって異なります。例えば、債券であれば、あらかじめ決められた期日に元本と利息が支払われます。一方、株式の場合は、企業の業績次第で配当金が支払われるかどうかが決まり、元本保証もありません。

特に、投資信託のように複数の金融商品を組み合わせたものの場合、償還金額が変動するという特徴があります。これは、投資信託が組み入れている株式や債券の価格が変動するためです。そのため、投資信託は値上がり益を狙える一方、元本割れのリスクも伴います。

投資を行う前に、まずは自身のリスク許容度を把握することが重要です。リスク許容度とは、どれくらいのリスクを負って投資を行うことができるかを表すものです。リスク許容度は年齢や資産状況、投資経験などによって異なってきます。

投資信託など、償還金額が変動する可能性のある商品に投資する場合は、事前にリスク許容度をよく考慮し、無理のない範囲で運用するように心がけましょう。