【分かりやすく解説】 日本開発銀行とは?
投資について知りたい
先生、「日本開発銀行」って聞いたことあるんですけど、どんなことをするところなんですか?
投資アドバイザー
良い質問だね! 日本開発銀行は、国の政策に基づいて、民間企業では難しい大きな事業や新しい事業にお金を貸したり、投資したりする銀行なんだよ。
投資について知りたい
へえー、普通の銀行とは違うんですね!具体的にはどんな事業を支援しているんですか?
投資アドバイザー
例えば、高速道路や港などの大きなインフラ整備や、環境問題の解決に繋がる事業、新しい技術を使った事業などを支援しているんだよ。最近では、北海道東北開発公庫と統合して、日本政策投資銀行になったんだ。
日本開発銀行とは。
投資の言葉で「日本開発銀行」っていうのは、英語でJapan Development Bank:JDBって書いて、日本語でジャパン・ディベロップメント・バンクって読むんだけど、北海道東北開発公庫と一緒になって、今は日本政策投資銀行っていう名前になってるんだ。
日本開発銀行の概要
日本開発銀行は、かつて日本に存在した政府が全ての資金を出資していた政策金融機関で、通称は「開銀」と呼ばれていました。1951年に設立され、2008年に株式会社日本政策投資銀行に改組されるまで、日本の経済成長を支える重要な役割を果たしてきました。
日本開発銀行の主な役割は、国の政策に沿って、民間企業や公共事業に対して、長期かつ低利で資金を供給することでした。民間金融機関ではリスクが高く、融資が難しい事業であっても、国の政策に合致し、将来性があると判断されれば、積極的に融資を行っていました。
具体的には、戦後の復興期には、電力、鉄鋼、海運などの基幹産業を中心に融資を行い、高度経済成長期には、高速道路網の整備や都市開発など、大規模なインフラ整備事業を支えました。また、オイルショックやバブル崩壊後の経済危機においては、景気対策や企業の資金繰り支援など、重要な役割を担いました。
このように、日本開発銀行は、民間金融機関では対応できない分野において、政府の意向を反映した資金供給を行うことで、日本の経済発展に大きく貢献しました。しかし、その一方で、政府の介入による非効率性や、透明性の低さが問題視されることもありました。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 日本開発銀行(開銀) |
設立 | 1951年 |
改組 | 2008年(株式会社日本政策投資銀行) |
特徴 | 政府全額出資の政策金融機関 |
主な役割 | 国の政策に沿った長期・低利の資金供給 |
融資対象 | 民間企業、公共事業 |
融資基準 | 国の政策に合致、将来性 |
活動時期と主な融資先 | – 戦後復興期:電力、鉄鋼、海運などの基幹産業 – 高度経済成長期:高速道路網整備、都市開発などのインフラ整備事業 – オイルショック・バブル崩壊後:景気対策、企業の資金繰り支援 |
功績 | 民間金融機関では対応できない分野の資金供給による経済発展への貢献 |
問題点 | 政府介入による非効率性、透明性の低さ |
主な融資対象
– 主な融資対象
日本開発銀行は、国民生活の向上と経済の成長に貢献することを使命として、幅広い分野へ融資を行ってきました。
まず、道路、港湾、空港といった社会インフラの整備は、人や物の流れを円滑化し、経済活動を活性化させるために欠かせません。
また、エネルギー資源の開発も重要なテーマです。
エネルギーは産業活動や日常生活の基盤となるため、その安定供給を確保することは国の発展に不可欠です。
さらに、中小企業への支援にも力を入れていました。
中小企業は、日本経済を支える大きな存在であり、雇用創出にも大きく貢献しています。
加えて、環境保全や都市開発といった分野も、融資対象として重視していました。
快適で持続可能な社会を実現するために、環境問題への取り組みや、都市機能の向上は避けて通れない課題です。
このように、日本開発銀行は、多岐にわたる分野に積極的に融資を行うことで、日本の発展に大きく寄与してきました。
融資対象分野 | 目的・効果 |
---|---|
社会インフラ整備 (道路、港湾、空港など) | 人や物の流れを円滑化し、経済活動を活性化 |
エネルギー資源開発 | 産業活動や日常生活の基盤となるエネルギーの安定供給を確保 |
中小企業支援 | 日本経済を支え、雇用創出にも貢献する中小企業を支援 |
環境保全 | 快適で持続可能な社会の実現に向けた環境問題への取り組み |
都市開発 | 快適で持続可能な社会の実現に向けた都市機能の向上 |
政策金融機関としての役割
– 政策金融機関としての役割日本開発銀行は、利益を追求するだけの一般的な金融機関とは一線を画し、政府の政策実現を図るという重要な役割を担っていました。具体的には、政府が掲げる経済政策目標を達成するため、民間金融機関ではリスクが高すぎると判断し、融資に二の足を踏むようなプロジェクトに対しても、積極的に資金を供給していました。例えば、高度経済成長期には、鉄鋼、電力、造船といった基幹産業に対して積極的に融資を行い、日本の産業発展を力強く後押ししました。これらの産業は、当時の日本経済にとって非常に重要であると認識されていましたが、多額の投資が必要となるため、民間金融機関だけでは十分な資金供給が難しい状況でした。 また、近年では、環境問題や少子高齢化といった社会課題の解決に貢献できる事業に対しても、積極的に融資を行っています。これらの事業は、新たな技術やサービスを生み出す可能性を秘めているものの、収益化までの道のりが不透明な場合が多く、民間金融機関が投資をためらうケースも少なくありません。このように、日本開発銀行は、民間金融機関では対応が難しい分野においても、政府の方針に基づき、リスクを恐れずに果敢に挑戦することで、時代を超えて日本の経済成長を支え続けてきたと言えるでしょう。
時代 | 融資対象 | 目的 | 成果 |
---|---|---|---|
高度経済成長期 | 鉄鋼、電力、造船といった基幹産業 | 産業発展 | 日本の産業発展を力強く後押し |
近年 | 環境問題や少子高齢化といった社会課題の解決に貢献できる事業 | 社会課題の解決、新たな技術やサービスの創出 | – |
北海道東北開発公庫との統合
2008年10月、日本開発銀行は北海道東北開発公庫と統合し、新たに日本政策投資銀行が誕生しました。この統合は、政府系金融機関の役割を見直し、政策金融の効率化と強化を図るという目的で行われました。
統合以前、日本開発銀行は国内外のインフラ整備や産業振興を、北海道東北開発公庫は北海道・東北地方の開発をそれぞれ担っていました。しかし、経済のグローバル化や少子高齢化の進展に伴い、従来の枠にとらわれない広範な分野への対応が求められるようになりました。
そこで、両行のノウハウや資源を統合することで、より効果的な政策金融の実施を目指したのが今回の統合です。具体的には、統合により、これまで以上に幅広い分野に対して、資金供給や事業投資、コンサルティングなどの多様な支援を提供できる体制が整いました。
日本政策投資銀行は、この統合を機に、日本の経済社会の持続的な発展に貢献する政策金融機関として、新たなスタートを切りました。
項目 | 内容 |
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統合時期 | 2008年10月 |
統合元 | 日本開発銀行、北海道東北開発公庫 |
統合後 | 日本政策投資銀行 |
統合の目的 |
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統合の背景 |
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統合による効果 |
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日本政策投資銀行の誕生
– 日本政策投資銀行の誕生2008年10月1日、日本の経済成長を力強く後押しする、新しい政策金融機関が産声を上げました。それが「日本政策投資銀行」です。 この銀行は、かつて国内の産業発展を支えてきた「日本開発銀行」と、北海道・東北地方の開発を担ってきた「北海道東北開発公庫」という、歴史ある二つの金融機関が統合して誕生しました。日本政策投資銀行は、単なるお金の貸し手ではなく、日本の未来を創造するパートナーとして、幅広い役割を担っています。企業への融資はもちろんのこと、企業が発行する債券の保証、さらには株式投資といった多岐にわたる金融サービスを提供することで、日本経済の成長を支えています。その活動範囲は、国内にとどまりません。世界経済の成長を取り込みながら、日本の発展につなげるため、海外でのインフラ整備事業や資源開発事業などにも積極的に投資を行っています。日本政策投資銀行は、豊富な経験と高い専門性を活かしながら、これからも日本経済の発展に貢献していくことが期待されています。
項目 | 内容 |
---|---|
設立 | 2008年10月1日 |
目的 | 日本の経済成長を力強く後押しする |
統合元 | 日本開発銀行 北海道東北開発公庫 |
役割 | 日本の未来を創造するパートナー |
事業内容 | – 企業への融資 – 企業が発行する債券の保証 – 株式投資 – 海外でのインフラ整備事業や資源開発事業への投資 |
特徴 | 豊富な経験と高い専門性 |