証券業界のITインフラ:認証基盤システムとは?

証券業界のITインフラ:認証基盤システムとは?

投資について知りたい

先生、「認証基盤システム」って、何ですか?投資に関係あるって聞いたんですけど…

投資アドバイザー

ああ、それは証券会社で働く人や投資をする人にとって、とても大切なシステムなんだよ。簡単に言うと、インターネット上で安全に取引するための仕組みと言えるかな。

投資について知りたい

インターネット上で安全に取引する仕組み…ですか?

投資アドバイザー

そう。例えば、銀行のオンラインバンキングを使うときに、パスワードを入れないとログインできないだろう?あれと同じように、証券会社で株などを売買したり、協会のサービスを使うときにも、本人確認や権限を確認する必要があるんだ。そのためのシステムが「認証基盤システム」なんだよ。

認証基盤システムとは。

投資に関係する言葉である「認証基盤システム」は、日本の証券会社が集まってできた協会が作って運営しているシステムのことです。このシステムは、誰が誰で何ができるのかという情報を一箇所にまとめて管理しています。このシステムを使うためには、「SI-Net」という別のシステムを経由する必要があります。「認証基盤システム」は、以下のようなサービスで使われています。・証券会社の社員として登録すること・資格を管理するシステム・証券会社間をつなぐネットワーク・反社会的勢力ではないかを確認するシステム

証券業界の認証を一手に担う

証券業界の認証を一手に担う

お金を扱う金融の世界では、お客様からお預かりした大切な資産を守るために、セキュリティ対策は何よりも重要です。特に、証券取引のように様々な会社が関わる場合には、不正なアクセスや情報の漏洩を防ぐために、より厳格な認証システムが必要不可欠です。そこで、日本の証券業界全体で導入されているのが、日本証券業協会が構築・運営を行う「認証基盤システム」です。このシステムは、証券会社や関連機関で働くすべての人たちの認証情報と、それぞれの仕事内容に応じたシステム利用権限を一元管理しています。
このシステムの導入により、証券業界全体でセキュリティレベルの大幅な向上が見込まれます。個々の従業員は、許可された範囲内でしかシステムにアクセスできず、不正な取引や情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。また、各証券会社は、従業員一人ひとりにシステムへのアクセス権を設定する必要がなくなり、管理コストの削減と業務効率化を実現できます。
「認証基盤システム」は、日本の証券業界にとって、安全かつ効率的な業務運営を支える重要なインフラストラクチャと言えるでしょう。

項目 内容
システム名 認証基盤システム
運営主体 日本証券業協会
目的 証券取引におけるセキュリティ強化、不正アクセスや情報漏洩の防止
対象 証券会社や関連機関の従業員
機能 認証情報とシステム利用権限の一元管理
効果 セキュリティレベル向上、不正取引リスクの最小化、管理コスト削減、業務効率化

SI-Netを介したセキュアな接続

SI-Netを介したセキュアな接続

– SI-Netを介したセキュアな接続証券会社が利用する認証基盤システムは、顧客の大切な資産情報を取り扱うため、非常に高いレベルのセキュリティ対策が求められます。しかし、このシステムは証券会社のネットワークと直接接続されているわけではありません。 両者の間を繋ぐ役割を担っているのが「SI-Net」と呼ばれる、証券業界専用のネットワークです。SI-Netは、外部からの不正アクセスを遮断するために、インターネットとは完全に分離された閉域網として構築されています。 このネットワーク内には、証券会社だけでなく、証券取引所や証券保管振替機構など、日本の証券市場の中核を担う重要な機関も接続されています。認証基盤システムは、この強固に守られたSI-Netを通じてのみアクセスを許可する仕組みになっています。 つまり、たとえ悪意のある第三者が証券会社のネットワークに侵入を試みたとしても、SI-Netの壁を突破しなければ認証基盤システムには到達できません。 SI-Netは、言わば重要な情報資産を厳重に保管する「金庫」への唯一の入り口と言えるでしょう。このように、認証基盤システムはSI-Netという強固なセキュリティネットワークを介することで、顧客の大切な資産情報を外部からの脅威から守っているのです。

項目 内容
システム 証券会社が利用する認証基盤システム
セキュリティ 顧客の資産情報保護のため非常に高いレベルのセキュリティ対策が必要
接続方法 証券会社のネットワークとは直接接続されておらず、SI-Netを介して接続
SI-Netとは 証券業界専用の閉域網
インターネットとは完全に分離
証券会社、証券取引所、証券保管振替機構など重要な機関が接続
SI-Netの役割 外部からの不正アクセスを遮断
認証基盤システムへの唯一のアクセス経路
SI-Netの比喩 重要な情報資産を厳重に保管する「金庫」への唯一の入り口

多岐にわたるサービスへの入り口

多岐にわたるサービスへの入り口

– 多岐にわたるサービスへの入り口

認証基盤システムは、証券会社で働く人が、それぞれのシステムにログインするための仕組みです。しかし、その役割はログイン管理にとどまりません。証券業務で必要な様々なサービスへ、スムーズにアクセスできるようにする重要な役割も担っています。

例えば、証券会社で働くためには、証券外務員という資格の登録や管理が必要です。また、協会が提供する広域ネットワーク(協会WAN)を通じて、市場情報や顧客情報にアクセスすることも欠かせません。さらに、マネーロンダリングなどの犯罪を防ぐため、反社会的勢力との取引をチェックする情報照会システムの利用も求められます。

認証基盤システムは、これらの多岐にわたるサービスすべての利用開始地点として機能しています。つまり、一度ログインすれば、他のサービスを利用する際に、改めてIDやパスワードを入力する必要がないのです。これは、各サービスが個別に複雑な認証システムを構築する必要性をなくし、システム全体の運用効率を高めるとともに、セキュリティレベルの均一化にも貢献しています。

サービス 内容 認証基盤システムの役割
証券業務システム 証券会社社員が業務で利用するシステム ログイン管理
証券外務員資格管理システム 証券外務員資格の登録・管理 シングルサインオンによるアクセス
協会WAN 市場情報や顧客情報へのアクセスを提供する広域ネットワーク シングルサインオンによるアクセス
情報照会システム マネーロンダリング防止のための反社会的勢力との取引チェック シングルサインオンによるアクセス

業界全体のセキュリティレベル向上に貢献

業界全体のセキュリティレベル向上に貢献

証券業界全体で導入が進む認証基盤システムは、日本の金融市場の安全性向上に大きく貢献しています。このシステムは、証券会社に所属するすべての従業員の認証情報と、それぞれの権限情報を一元管理することで、不正アクセスや情報漏洩といったリスクを大幅に減少させることができます。
従来は、各証券会社が個別に認証システムを構築・運用していました。しかし、この方法では、システムの開発や維持管理に多大な費用と時間がかかり、各社にとって大きな負担となっていました。認証基盤システムの導入により、こうした負担が軽減され、限られた経営資源をより有効に活用できるようになります。
具体的には、顧客サービスの向上や、新たな金融商品の開発、従業員向けの研修など、より収益に直結する分野に資源を集中させることが可能となります。また、業界全体でセキュリティレベルが向上することで、顧客からの信頼が高まり、市場全体の活性化にも繋がると期待されています。

項目 詳細
システム概要 証券会社に所属する全従業員の認証情報と権限情報の一元管理システム
導入メリット – 不正アクセスや情報漏洩リスクの軽減
– システム開発・維持管理の負担軽減による経営資源の有効活用(顧客サービス向上、新商品開発、従業員研修など)
– 業界全体のセキュリティレベル向上による顧客からの信頼向上、市場活性化
従来の課題 各証券会社が個別に認証システムを構築・運用していたため、費用や時間がかかっていた
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