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NDP:経済成長の真の姿を測る
- 経済指標NDPとは
経済の状況を把握するには、様々な指標を参考にしますが、その中でも基本となる指標の一つに国内総生産(GDP)があります。GDPは、一定期間内に国内で新しく生み出された製品やサービスの付加価値の合計を表し、経済規模や成長率を測る指標として世界中で広く用いられています。
しかし、GDPには、生産活動によって生じる「資本」の消耗、つまり「固定資本減耗」が含まれていません。
例えば、工場で製品を生産する際に、機械や設備は徐々に摩耗し、その価値は低下していきます。この価値の低下分が「固定資本減耗」です。
GDPは、この固定資本減耗を考慮せずに、生産活動で新たに生み出された価値の総額のみを示しているため、経済の実態をより正確に反映しているとは言えません。
そこで登場するのが、NDP(ネット・ドメスティック・プロダクト)、日本語では国内純生産と呼ばれる指標です。NDPは、GDPから固定資本減耗を差し引くことで、国内で新たに生み出された価値から、生産活動によって失われた価値を差し引いた「真の」経済成長を測ることができます。
つまり、NDPはGDPよりも経済の実態をより正確に反映した指標と言えるでしょう。