景気を左右する政府の権限:裁量的財政政策とは?
私たちの暮らしは、まるで海を漂う船のように、景気という波の影響を常に受けています。穏やかな波、つまり好景気の時は、企業はたくさんの商品を販売し、大きな利益を上げる事ができます。企業が潤えば、そこで働く人々の給料も上がり、生活は豊かになっていきます。
しかし、海は常に穏やかであるとは限りません。荒波、つまり不景気の時は、企業は思うように商品を売ることができず、苦しい状況に追い込まれます。その結果、失業者が増えたり、給料が減ったりしてしまうこともあります。
このような景気の波を少しでも安定させ、人々が安心して暮らせるように、国は様々な取り組みを行っています。その中でも、特に効果が期待できる方法の一つに「裁量的財政政策」があります。これは、国が積極的に公共事業などにお金を使うことで、経済全体を活性化させようという政策です。道の修理や橋の建設など、様々な事業に人手が必要となり、雇用が生まれます。そして、仕事に就いた人々が収入を得ることで、消費が促進され、経済は再び活気を取り戻していくのです。