輸入デフレーション:家計への影響は?
- 輸入デフレーションとは
輸入デフレーションとは、文字通り輸入によって引き起こされる物価の下落現象です。海外から、特に人件費の安い新興国などから、安価な製品が大量に輸入されると、国内の市場では価格競争が激化します。その結果、消費者はこれまでよりも安い価格で商品やサービスを手に入れることができるようになります。
一見すると、輸入デフレーションは消費者にとってメリットが大きいように思えます。家計の負担が減り、自由に使えるお金が増えるため、消費を活性化させる効果も期待できます。しかし、安価な輸入品の流入は、国内の産業にとって大きな打撃となる可能性も孕んでいます。
価格競争に敗れた国内企業は、収益の悪化や雇用削減を余儀なくされ、最悪の場合、倒産に追い込まれることもあります。これは、国内の経済活動の停滞、ひいては賃金の低下や失業者の増加といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。このように、輸入デフレーションは、消費者にとってはメリットとデメリット、そして国内経済全体にとっては大きなリスクを孕んだ複雑な現象と言えるでしょう。