経済の用語

コーポレートガバナンスとは?

- コーポレートガバナンスの定義コーポレートガバナンスは、簡単に言うと「企業統治」のことです。 企業が、株主をはじめとする、従業員や取引先、地域社会など、企業に関わる様々な人たち(ステークホルダー)に対して、きちんと責任を果たしていくための仕組みを指します。 具体的には、企業の意思決定プロセスを明確化し、経営陣が公正かつ透明性のある方法で業務を遂行できるようにするためのルールや慣行、組織構造などが含まれます。 目的は、企業が健全に成長し、社会に貢献し続けることを保証することです。近年、企業の不祥事や経営の不正が後を絶ちません。 このような状況下で、コーポレートガバナンスは、企業が信頼を回復し、持続的な成長を実現するために、これまで以上に重要な要素となっています。 企業は、単に利益を追求するだけでなく、法令を遵守し、倫理的な行動をとり、社会的な責任を果たすことが求められています。 コーポレートガバナンスを適切に機能させることで、企業はステークホルダーからの信頼を獲得し、長期的な企業価値の向上につなげることができるのです。
経済の用語

外貨預金と経済の基礎知識

- 外貨預金の魅力近年の超低金利政策の影響で、銀行に預けていてもほとんど利息が増えない状況が続いています。そのような中、「外貨預金」は、円とは異なる通貨で預金することで、より高い利息を得られる可能性を秘めた魅力的な選択肢として注目されています。外貨預金の最大の魅力は、金利の高い通貨に預け入れることで、日本円の預金よりも多くの利息を受け取れる可能性がある点です。例えば、アメリカドルやオーストラリアドルなどは、日本円に比べて高い金利水準で推移していることが多く、外貨預金の魅力を高めています。さらに、為替の変動によって利益を狙えるのも外貨預金の大きな特徴です。預けている通貨が円に対して値上がりした場合、円に換金する際に為替差益を得ることができます。近年、円安が進む局面も見られ、外貨預金の魅力はますます高まっていると言えるでしょう。しかし、外貨預金は為替リスクも伴うことを忘れてはなりません。円高に進むと、為替差損が発生し、預けた元本を割り込んでしまう可能性もあります。外貨預金を始める際には、リスクとリターンをよく理解し、余裕資金の範囲内で運用することが大切です。
FX

お得に外貨両替!買相場を理解しよう

- 買相場とは 旅行などで海外に行くと、日本円を外貨に交換しますよね。そして、旅行から帰ってきたら、余った外貨を円に戻すことがあると思います。この時、銀行や両替所で提示される円と外貨の交換比率のことを「為替レート」と言います。 「買相場」とは、銀行や両替所が、顧客から米ドルやユーロなどの外貨を買い取る際の交換レートのことを指します。例えば、あなたがアメリカ旅行で余った100ドルを円に戻したい場合、銀行はその日の買相場を使って円に交換してくれます。 この買相場は、銀行が顧客から外貨を取得する際の価格設定と言えます。銀行は、顧客から外貨を安く買い、それを必要とする別の顧客に高く売ることで利益を得ています。そのため、銀行が顧客に提示する買相場は、その銀行が独自に決めているのです。 さらに、買相場は需要と供給の関係によって日々変動します。世の中で円が多く出回っていてドルの需要が高まれば、ドルは高くなります。反対に、ドルが多く出回っていて円の需要が高まれば、ドルは安くなります。このように、買相場は常に変動するため、外貨を円に戻すタイミングによって受け取れる金額が変わってくるので注意が必要です。
債券投資

社債取引情報で市場の透明性アップ

- 社債取引情報とは企業がお金を必要とする際に、株式を発行して投資家から資金を集める方法以外にも、社債という方法があります。これは企業が発行する債券のことで、株式と並んで重要な資金調達の手段となっています。しかし、株式市場と比べると、社債市場は規模が小さく、取引情報も限られているため、価格の透明性が低いという課題がありました。そこで、日本証券業協会は、市場の活性化を図ることを目的として、一定規模以上の社債取引情報をホームページで毎日公表することになりました。この情報公開によって、投資家はより多くの情報を得ることができ、市場全体の動きを把握しやすくなりました。具体的には、公表される情報には、銘柄名、約定単価、取引数量などが含まれています。これにより、これまで見えにくかった社債市場の動向が、投資家にとってより明確にわかるようになりました。この取り組みは、社債市場の透明性を高め、より多くの人が安心して取引に参加できる環境を作るために重要な一歩と言えるでしょう。
株式投資

外貨建ワラントとは?

- 外貨建ワラントの概要 投資の世界では、様々な金融商品が存在しますが、その中でも「ワラント」という言葉を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか。ワラントとは、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で、特定の株式や債券などの原資産を一定期間内に売買する権利を投資家に与える有価証券のことです。そして、このワラントの中でも、「外貨建ワラント」は、海外市場で発行され、米ドルやユーロなどの外貨建てで取引されるワラントを指します。 通常の円建てのワラントと比較した際に、外貨建ワラントには、為替の影響を受けるという大きな特徴があります。例えば、米ドル建てのワラントを購入した場合、円安ドル高の局面では、為替差益によって利益が拡大する可能性があります。一方、円高ドル安の局面では、為替差損によって損失が拡大する可能性もあります。 外貨建ワラントは、高いリターンを狙うことができる一方で、投資初心者にとっては仕組みが複雑でリスクも高いため、投資する前に十分な知識を身につけることが重要です。具体的には、原資産の価格変動リスクに加え、為替変動リスクも考慮する必要があります。 外貨建ワラントへの投資を検討する際は、目 prospectusなどの資料をよく読み込み、リスク許容度などを踏まえて、慎重に判断することが大切です。
株式投資

コーポレートアクションを理解しよう

- コーポレートアクションとは企業は、事業を円滑に進め、成長を促すために、常に変化と対応を迫られています。その中で、株主や債権者といった、企業と密接に関わる人たちに対して、企業がとる重要な行動があります。それが「コーポレートアクション」です。コーポレートアクションとは、企業が株主や債権者に対して行う、財務上または企業構造上の重要な意思決定を指します。 つまり、企業がお金に関することや、会社の構造自体を変えるような場合に、株主や債権者に対して、その決定を知らせる行動のことです。コーポレートアクションには、実に様々な種類があります。例えば、企業の業績が好調な場合には、利益の一部を株主へ還元する「配当金」の支払いが行われることがあります。 また、株価が上がりすぎて取引しづらくなった場合には、株式を分割して1株あたりの価格を下げる「株式分割」が行われることもあります。逆に、株価が低迷している場合には、複数の株式をまとめて1つの株式にする「株式併合」によって、株価の安定化を図ることもあります。さらに、株主に対して、自社製品の割引券や商品券などを提供する「株主優待」なども、コーポレートアクションの一つです。 また、企業買収の方法として、市場を通じて株式の買い付けを呼びかける「株式公開買付け(TOB)」なども、コーポレートアクションに含まれます。このように、コーポレートアクションは、企業の規模や経営状況、将来展望などによって、その種類は多岐にわたります。そして、これらの行動は、投資家が保有する株式や債券の価値に直接影響を与える可能性があります。そのため、投資家は、コーポレートアクションの内容を理解し、自身の投資判断に役立てることが重要です。
指標

アメリカ経済の今を読み解く!非農業部門雇用者数とは?

- 雇用統計の重要指標 経済の状況を掴む上で、様々な統計データが活用されますが、中でも雇用に関する統計は、景気の現状や将来予測を行う上で非常に重要な指標となります。 特に注目すべきは、アメリカで毎月第一金曜日に発表される「非農業部門雇用者数」です。これは、農業分野を除く様々な業種における雇用者数の増減を示す指標であり、景気の動向を敏感に反映することから、市場関係者から特に注目されています。 この指標が大きく増加した場合、企業の業績が向上し、新規雇用が創出されていると解釈できます。その結果、景気は拡大傾向にあると判断され、消費や投資の活性化が期待されます。逆に、この数値が減少に転じた場合、企業業績の悪化や雇用抑制の動きを示唆しており、景気は後退局面に入っていると見なされます。 この「非農業部門雇用者数」は、単独でも重要な経済指標ですが、他の経済指標と合わせて分析することで、より精度の高い景気判断が可能になります。例えば、製造業の受注状況や消費者物価指数などと併せて見ることで、雇用状況の背景にある要因を深く理解することができます。
債券投資

企業の資金調達!社債投資の基礎知識

- 社債とは会社が事業を大きくしたり、新しい設備を導入したりするためには、たくさんのお金が必要になります。この必要な資金を集める方法の一つに、-社債の発行-があります。社債とは、会社が投資家に対して発行する債券のことです。投資家は社債を購入することで、会社にお金を貸すことになります。 会社は集めたお金を事業に投資し、その後、投資家に対してあらかじめ決めていた利息を付けてお金を返済します。社債は「事業債」とも呼ばれ、株式の発行や銀行からの融資と並ぶ、企業にとって重要な資金調達方法の一つです。銀行からお金を借りるよりも低い金利でお金を借りられる場合もあり、企業は状況に応じて使い分けています。投資家にとっては、社債は預貯金よりも高い利回りが期待できるというメリットがあります。ただし、会社が倒産してしまうと、投資したお金が戻ってこないリスクもあります。そのため、投資する際には、会社の業績や財務状況などをよく調べる必要があります。
経済の用語

金融商品と買手責任

私たちは毎日、洋服や食品、家電など、実に様々な商品やサービスを購入して生活しています。日々の買い物において、消費者は商品の品質や価格、デザインなどを比較検討し、納得した上で購入するのが一般的です。これは、民法の原則である「買手が注意する」という考え方に基づいています。つまり、消費者は自身の責任において、商品の価値をよく見極めて購入する必要があるのです。 例えば、スーパーマーケットでりんごを買う場面を想像してみてください。消費者は、りんごの色ツヤや形、傷の有無などを確認し、さらに価格と比較して購入するかどうかを判断します。もし、傷んでいることに気付かずに購入してしまっても、それは消費者が注意を怠った結果であり、原則として販売店に責任を問うことはできません。 ただし、この原則には例外もあります。販売店が商品の欠陥を隠していた場合や、虚偽の説明をして消費者を欺いた場合には、販売店に責任が生じる可能性があります。しかし、このような場合でも、消費者が販売店の説明を鵜呑みにせず、自ら情報収集を行うなど、注意を払うことは重要です。
その他

ヘッジファンドへの入り口、ゲートキーパーとは?

近年、高い収益を狙える個人や機関投資家を中心に、ヘッジファンドへの投資に関心を持つ人が増えています。しかし、ヘッジファンドは、一般的な投資信託と比較して、仕組みが複雑でリスクも高いという側面があります。そのため、専門知識がない人が安易に投資をすることは推奨できません。 そこで、ヘッジファンドへの投資を検討する際に、重要な役割を担うのが「ゲートキーパー」です。彼らは、ヘッジファンドの世界へ投資家を案内する案内役として、投資家とヘッジファンドの橋渡し役を担います。具体的には、ヘッジファンドの運用状況や戦略を分析し、投資家にとって適切なファンドを選定します。また、投資家に対しては、投資のリスクや期待リターンを分かりやすく説明する役割も担います。 ヘッジファンドへの投資は、高い収益の可能性を秘めている一方で、大きなリスクも伴います。そのため、投資を検討する際は、ゲートキーパーのような専門家の助言を得ながら、慎重に判断することが重要です。
債券投資

外貨建て債券で資産運用!メリット・デメリットを解説

- 外貨建て債券とは外貨建て債券とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの外国通貨で発行される債券のことを指します。 一般的な債券は、購入、利息の受け取り、償還時の受け取りなど、すべての手続きが日本円で行われます。しかし、外貨建て債券の場合、これらのすべての手続きが発行された通貨で行われます。 例えば、米ドル建て債券を購入する場合、購入時に日本円を米ドルに交換する必要があります。その後、利息を受け取る際も米ドルで支払われ、満期償還時にも米ドルで受け取ることになります。 つまり、外貨建て債券に投資するということは、投資期間中は、常に為替変動リスクと隣り合わせということになります。しかし、為替変動リスクは、円高・円安どちらの可能性もあるため、円安になった場合には、為替差益を得られる可能性も秘めています。
経済の用語

企業 governance の要!社外取締役の役割とは?

- 社外取締役とは社外取締役とは、企業の従業員ではなく、企業経営に直接関わっていない立場の人物が、取締役会の一員として参加する取締役のことです。彼らは、その企業の株主や取引先、従業員といった立場ではなく、中立的な立場で経営を監視し、助言や提言を行います。従来の日本企業では、社内から昇進した取締役が多数を占めることが一般的でした。しかし、近年では、企業統治の強化や経営の透明性向上のため、外部の視点を取り入れることの重要性が認識されつつあります。そこで、社外取締役は、その専門知識や豊富な経験に基づき、客観的な立場から経営判断を監督し、企業の成長や健全な発展に貢献することが期待されています。具体的には、経営戦略や財務状況、リスク管理体制などを監視し、取締役会において経営陣に対して意見を述べたり、助言を行ったりします。また、不正や粉飾決算などの問題が発生した場合には、第三者としての立場から調査を行い、再発防止策を提言する役割も担います。社外取締役は、企業と一定の距離を保ちながら、公平かつ公正な視点で経営を監督することで、企業の長期的な成長と株主や投資家を含む、すべてのステークホルダーの利益を守る重要な役割を担っています。
FX

外貨預金のリスクとリターン

- 外貨預金とは外貨預金とは、普段私たちが利用している円預金とは異なり、アメリカドルやユーロといった外国の通貨で預金を行う金融商品です。銀行や信用金庫などで取り扱っており、円預金と同じように預金口座を開設して利用します。外貨預金の最大の魅力は、円預金よりも高い金利が期待できる点です。超低金利時代の日本では、少しでも有利な運用先として人気を集めています。また、海外旅行や海外への送金など、外貨を必要とする際には、円から外貨に両替するよりも手数料を抑えられる可能性があります。しかし、外貨預金には為替変動リスクが伴います。預入時よりも円安になれば為替差益を得られますが、逆に円高になれば為替差損が発生し、円換算額は目減りしてしまいます。そのため、為替レートの変動によっては、預入時よりも元本が減ってしまう可能性も考慮しなければなりません。外貨預金は、預入通貨や預入期間、金融機関によって金利や手数料が異なるため、事前にしっかりと比較検討することが重要です。また、為替変動リスクを理解し、余裕資金で行うなど、リスク管理を徹底した上で利用する必要があります。
投資信託

投資信託の換金方法:買取請求とは?

- 投資信託を現金化するには? 投資信託は、株式投資のように証券取引所で売買される商品ではありません。そのため、現金化したい場合は、運用会社または販売会社に依頼して換金手続きを行う必要があります。 投資信託の換金には、主に『解約請求』と『買取請求』の2つの方法があります。 -解約請求-は、投資信託を売却し、その時点の基準価格に基づいて換金する方法です。一般的に、銀行や証券会社で購入した投資信託は、この解約請求によって換金手続きを行います。 一方、-買取請求-は、運用会社が投資信託を直接買い取る方法です。 どちらの方法で換金するかは、投資信託の種類や運用会社、販売会社によって異なります。また、換金にかかる手数料や日数もそれぞれ異なるため、事前に確認しておくことが重要です。 投資信託は、長期的な資産運用として人気ですが、換金方法についてもしっかりと理解しておくことが大切です。
経済の用語

ケインズ経済学:需要が経済を動かす

- ケインズ経済学とは20世紀を代表する経済学者の一人、ジョン・メイナード・ケインズによって提唱された経済理論が、ケインズ経済学です。1930年代、世界は未曾有の不況、世界恐慌に陥りました。人々は仕事を失い、企業は倒産し、経済は暗澹たる状況でした。従来の経済学では、この恐慌を説明することも、解決策を見出すこともできませんでした。そこで、ケインズは、従来の経済学の常識を覆す、新たな理論を打ち立てたのです。ケインズは、経済活動のレベル、つまりモノやサービスがどれだけ生産され、消費されるかは、生産能力ではなく、需要によって決定されると考えました。人々がモノやサービスを求める需要がなければ、企業は生産する意欲を失い、経済は停滞してしまいます。これが、ケインズ経済学の根幹をなす「有効需要の原理」です。この考え方は、当時の常識を覆すものでした。従来の経済学では、市場メカニズムが働けば、需要と供給は一致し、経済は常に完全雇用状態にあるとされていました。しかし、世界恐慌は、市場メカニズムが必ずしも機能するとは限らないことを証明したのです。ケインズは、政府が積極的に経済に介入することで、需要を創出し、経済を不況から脱却できると主張しました。具体的には、公共事業などを通じて、政府が支出を増やし、雇用を創出することで、需要を喚起するという方法です。ケインズ経済学は、世界恐慌後の資本主義経済に大きな影響を与え、多くの国で経済政策に採用されました。そして、現代の経済学においても、重要な理論の一つとして、その考え方は受け継がれています。
その他

年金数理の「実務基準」:その役割と重要性

- 年金数理と実務基準年金制度は、老後の生活を支える重要な役割を担っています。将来にわたって、受給者に対して年金を安定的に給付するためには、計画的な積立と運用が必要です。この複雑な仕組みを設計し、適切に運用するために欠かせないのが「年金数理」です。年金数理とは、数学や統計学といった専門知識を駆使して、年金制度の設計や運営を行う学問です。将来の年金受給額や給付期間、運用による収益などを予測し、必要な積立金の規模を算出します。また、年金制度の健全性を維持するために、人口動態や経済状況の変化などを考慮しながら、長期的な視点に立って分析・評価を行います。しかし、年金数理は高度な専門知識を必要とするため、その計算や分析には高度な専門性と倫理観が求められます。そこで、年金数理業務の質を確保し、国民の年金に対する信頼を維持するために重要な役割を担うのが「実務基準」です。実務基準は、年金数理の専門家団体などが策定するもので、年金数理業務を行う上での具体的な計算方法や分析手法、倫理規定などを定めています。これにより、年金数理業務の標準化と透明性を確保し、国民が安心して年金制度を利用できる環境を整備しています。年金は国民生活に密接に関わる重要な制度です。年金数理と実務基準は、その制度を支える重要な柱として、今後も重要な役割を担っていくでしょう。
先物取引

先物取引の基本:買建てとは?

- 先物取引と買建て先物取引とは、将来のある時点(例えば3ヶ月後や半年後など)で、ある商品をあらかじめ決めておいた価格で売買する契約のことです。これは、未来の価格変動を利用して利益を狙ったり、将来の価格変動リスクを回避するために利用されます。この先物取引において、「買建て」とは、将来の価格上昇を見込んで、あらかじめ決められた価格で商品を買う予約を入れることを指します。例えば、現在の金の価格が1グラム5,800円だとします。しかし、あなたは今後の世界情勢や金の需要増加を予測して、3ヶ月後には金価格が1グラム6,000円に上昇すると予想したとします。そこで、あなたは先物取引を利用して、3ヶ月後に金を1グラム6,000円で買う契約を結びます。これが「買建て」です。もし3ヶ月後に予想通り金価格が1グラム6,500円に上昇した場合、あなたはあらかじめ決めていた6,000円で金を購入できるため、1グラムあたり500円の利益を得ることができます。しかし逆に、金価格が予想に反して下落した場合には、損失が発生する可能性もあります。このように先物取引、特に買建ては、将来の価格変動を予測して利益を狙う投資手法と言えるでしょう。ただし、価格変動によっては大きな損失を被る可能性もあるため、投資する際にはリスクを十分に理解しておくことが重要です。
債券投資

外貨建て外債で資産防衛

- 外貨建て外債とは外貨建て外債とは、発行している企業の国以外の通貨で発行される債券のことを指します。例えば、日本の企業が発行する債券であっても、アメリカドルやユーロで発行されていれば、それは外貨建て外債に分類されます。外貨建て外債には、主に二つの魅力があります。一つ目は、外貨に投資できるという点です。日本円だけで資産を保有していると、円安になった場合に資産価値が目減りしてしまうリスクがあります。外貨建て外債に投資することで、円安になった場合には円換算で利益が膨らむ可能性があり、リスク分散につながります。二つ目は、利回りの高さです。一般的に、日本やアメリカなどの先進国で発行される債券よりも、経済成長の著しい新興国で発行される外貨建て外債の方が、利回りが高くなる傾向があります。高い利回りを求めて、外貨建て外債に投資するのも一つの方法です。ただし、外貨建て外債への投資にはリスクも存在します。為替変動リスクや発行体の信用リスクなど、事前にしっかりと理解しておく必要があります。
経済の用語

ケインズ経済学:政府の役割と有効需要

市場は、需要と供給の関係を通じて価格が決まる仕組みを持っていると考えられています。しかし、経済学者の中には、価格メカニズムが常に円滑に機能するとは限らないと考える人々がいます。 従来の経済学では、価格は需要と供給に応じて柔軟に変動し、両者を一致させると考えられてきました。例えば、ある商品に需要が集中して供給が不足した場合、価格は上昇し、需要を抑制すると同時に供給を増やすように働きかけるとされてきました。 しかし、ケインズ学派と呼ばれる経済学者たちは、現実の経済においては、価格が硬直的であり、需要と供給の不均衡は、価格調整ではなく、数量の調整によって解消される場合があると指摘しました。 例えば、物価の下落が遅延し、需要が供給を上回る状況が続くとします。このような状況下では、企業は商品の在庫を抱えることになります。在庫が増加し続けると、企業は生産量を減らし、雇用を削減することで需給のバランスをとろうとします。その結果、経済活動は縮小し、景気は後退に向かう可能性があります。 ケインズ学派は、このような状況を克服するために、政府が積極的に経済に介入し、需要を創出する必要があると主張しました。
経済の用語

ビッグマックでわかる?為替の面白指標

誰もが知るマクドナルドの定番商品、ビッグマック。世界中で愛されているこのハンバーガーですが、実は国によって価格が大きく異なるのをご存知でしょうか? ある国ではワンコインで購入できる一方で、別の国ではその倍以上の値段が付いていることもあるのです。一体なぜこのような価格差が生じるのでしょうか? その要因の一つに挙げられるのが、各国の物価水準の違いです。経済が発展し、物価が高い国では、ビッグマックの材料費や人件費、店舗の賃料なども高くなるため、必然的に販売価格も高くなります。逆に、物価が低い国では、これらのコストを抑えられるため、比較的安価で提供できるのです。 さらに、為替レートも価格に影響を与えます。自国通貨の価値が低い場合、輸入品の価格は高くなるため、ビッグマックの材料費の一部を輸入に頼っている国では、販売価格に反映されることになります。 また、税金や関税も価格差の要因となります。国によって付加価値税や消費税の税率が異なり、輸入品に関税が課される場合もあるため、これらの要素が最終的な価格に影響を与えるのです。 このように、一見同じように見えるビッグマックの価格にも、各国の経済状況や政策が複雑に絡み合っているのです。
株式投資

信用取引と実物決済を理解する

- 信用取引とは 信用取引は、証券会社から資金や株券を借りて、自己資金以上の規模で株式売買を行うことができる仕組みです。 少ない資金を元手に大きな利益を狙うことができる点が魅力ですが、その一方で、損失が出た場合も自己資金を超えて拡大するリスクがあります。 信用取引では、投資家は証券会社に一定の保証金を預け入れることで、その数倍の金額の取引を行うことができます。例えば、保証金率が20%の場合、100万円の保証金で500万円までの取引が可能です。 信用取引には、資金を借りて株を購入する「買い建て」と、株を借りて売却する「売り建て」の2種類があります。買い建ては、将来株価が上昇すると見込む場合に、売り建ては株価が下落すると見込む場合に利用します。 信用取引は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法と言えます。株式投資を始めるにあたっては、信用取引の仕組みとリスクを正しく理解しておくことが重要です。
経済の用語

経済学の二大巨頭:古典学派 vs ケインズ学派

- マクロ経済学の二大潮流マクロ経済学は、森全体を見るように、経済全体を一つのまとまりとして捉え、その動きを分析する学問です。経済の成長や失業、物価など、私たちの生活に密接に関わる問題を扱うため、非常に重要な分野と言えるでしょう。そして、この広大なマクロ経済学の世界には、大きく分けて二つの大きな潮流が存在します。一つは、18世紀後半に活躍した経済学者アダム・スミスに端を発する古典学派です。古典学派は、「神の見えざる手」という言葉で表されるように、市場メカニズムが働くことで、経済は自然と均衡状態に向かうと考えます。彼らは、政府による介入は市場メカニズムを阻害し、かえって経済を不安定にするため、最小限にとどめるべきだと主張しました。一方、20世紀初頭にイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズによって提唱されたのがケインズ学派です。彼らは、世界恐慌による大不況を経験し、市場メカニズムは必ずしも完全ではなく、経済が不況に陥り、人々が苦境に陥ることもあると主張しました。そして、このような時には、政府が積極的に財政政策や金融政策を行い、需要を創出することで、経済を安定化させるべきだとしました。このように、古典学派とケインズ学派は、経済の仕組みや政府の役割について全く異なる見解を持っています。現代のマクロ経済学は、これらの学派の考え方を基礎としつつ、世界経済の変動や新たな経済現象を説明できるよう、日々進化を続けているのです。
FX

FXで勝つ! パラボリックを駆使した取引戦略

お金のやり取りで利益を上げるには、為替レートの動きを予想し、最適なタイミングで売買することが肝心です。しかし、為替レートは常に上下しており、その動きを完璧に読み解くことは簡単ではありません。そこで役立つのが、専門的な分析手法の一つである「パラボリック・タイム・プライス」です。これは、「SAR」と呼ばれる線をグラフ上に表示することで、トレンドの転換点を捉えようとする分析手法です。 パラボリック・タイム・プライスは、トレンドが上昇傾向にある場合は為替レートの下側に、下降傾向にある場合は上側にSARを表示します。そして、SARを基準に、為替レートが反対側に動いた点をトレンド転換のサインと捉えます。例えば、上昇トレンドが続いていた場合、SARは為替レートの下側に表示されますが、為替レートがSARを下回った場合、下降トレンドへの転換を示唆している可能性があります。 ただし、パラボリック・タイム・プライスはあくまでもトレンド転換の可能性を示唆するものであり、必ずしも正確に転換点を捉えられるわけではありません。そのため、他の指標も併用しながら、総合的に判断することが重要です。
経済の用語

実物経済を理解する

- 実物経済とは何か私たちの生活は、日々さまざまな経済活動によって支えられています。朝起きて口にする食べ物、通勤で利用する電車、仕事で使っているパソコンなど、どれも経済活動の成果です。これらの経済活動の中で、実際に目に見える財やサービスの生産、流通、消費に関わる部分を指して「実物経済」と呼びます。実物経済は、私たちの暮らしに直接関わる経済活動であるため、その動向は私たちの生活に大きな影響を与えます。例えば、実物経済が活発化し、モノやサービスの生産が増えれば、企業の業績が向上し、雇用も増えるでしょう。すると、人々の所得が増え、消費も活発化するという好循環が生まれます。逆に、実物経済が低迷すると、企業の業績が悪化し、雇用が減少し、人々の生活は苦しくなる可能性があります。実物経済の具体的な例としては、農業や漁業といった第一次産業、工場でのモノづくりである第二次産業、そして、小売業やサービス業といった第三次産業が挙げられます。これらの産業は、互いに密接に関係し合いながら、私たちの生活に必要な財やサービスを提供しています。近年では、インターネットの普及やグローバル化の進展により、実物経済は大きく変化しています。例えば、インターネット通販の普及により、小売業のあり方が変化しているほか、海外との取引が活発化し、国際的な分業体制が構築されています。このように、実物経済は常に変化を続けており、私たちはその変化に対応していく必要があります。