株式投資

個別銘柄だけが下落?独歩安の謎に迫る

株式市場全体が活況を呈し、多くの投資家が利益を上げているように見える強気相場。しかし、このような上昇局面においても、周囲の熱気に反して価格を下げ続ける銘柄が存在します。これが、今回取り上げる「独歩安」と呼ばれる現象です。まるで上昇の波に乗り遅れたかのように、単独で下落していくその様子は、投資家にとって不安を掻き立てるものです。一体なぜ、このようなことが起こるのでしょうか? 独歩安の背景には、様々な要因が考えられます。一つは、その銘柄固有の悪材料です。例えば、業績の悪化や不祥事の発覚などが挙げられます。これらのネガティブな情報は、市場全体の optimistic なムードを打ち消し、当該銘柄の売却を誘発する可能性があります。また、競合企業の台頭も、独歩安の要因となりえます。競争の激化は、企業の収益性を低下させる可能性があり、投資家心理を冷やすことになりかねません。さらに、市場全体の調整局面も、独歩安を招く可能性があります。全体的な株価調整の中で、特に業績や将来性に対する懸念が強い銘柄は、集中的に売られる傾向があるためです。 このように、独歩安は様々な要因によって引き起こされる可能性があります。重要なのは、安易な楽観論に流されず、個別銘柄の分析を怠らないことです。市場全体の動向を把握しつつ、各企業の業績や将来性を冷静に見極めることが、独歩安のリスクを回避し、堅実な投資を行う上で不可欠と言えるでしょう。
経済の用語

知っておきたいインフレーションの影響

- インフレーションとはインフレーションとは、身の回りのモノやサービスの価格が、長い期間にわたって全体的に上昇していく現象を指します。わかりやすく例えると、昨年まで100円で購入できたりんごが、今年は110円に値上がりしてしまう状況です。このような値上がりが、様々な商品やサービスで見られるようになると、経済全体としてインフレーションが進行していると考えられます。インフレーションの影響は、私たちの生活にも大きく関わってきます。例えば、これまでと同じ1万円札を持って買い物に行っても、インフレーションによって商品の価格が上がってしまうと、以前と同じ量の商品は買えなくなってしまいます。つまり、インフレーションは、お金の価値が目減りすることを意味し、私たちの購買力を低下させてしまうのです。インフレーションが発生する原因は複雑で、需要と供給のバランスが崩れる、原油価格や人件費などのコストが上昇する、など、様々な要因が考えられます。インフレーションは、経済成長の過程で、ある程度はやむを得ない側面もあると言われています。しかし、急激なインフレーションは、経済に混乱をもたらし、私たちの生活にも大きな影響を与えてしまう可能性があります。そのため、政府や中央銀行は、物価の動向を注意深く監視し、適切な政策によってインフレーションの抑制に努めています。
株式投資

資産運用の選択肢を広げる「私募」とは

近年、資産運用はますます多様化しており、その選択肢の一つとして「私募」という言葉を耳にする機会が増えてきました。従来の銀行預金や株式投資とは異なる投資先として、私募は近年注目を集めています。 しかし、私募は誰でも気軽に始められるわけではありません。私募投資は、特定の投資家から資金を集め、専門家である運用会社がその資金を運用し、得られた利益を投資家に分配するという仕組みになっています。 私募投資は、一般的に証券取引所に上場されていない未公開株や不動産、ヘッジファンドなど、比較的リスクの高い投資対象に投資を行います。そのため、元本保証はなく、投資した金額以上の損失が出る可能性もあります。 一方で、私募投資は高い収益 potential を秘めている点が魅力です。また、伝統的な投資対象とは異なる投資先となるため、投資ポートフォリオの多様化にも繋がります。 今回の記事では、このような私募投資の仕組みやメリット、注意点について詳しく解説していきます。私募投資は、リスクとリターンを理解した上で、ご自身の資産状況や投資目標に合致しているかどうかを慎重に見極めることが重要です。
経済の用語

独占企業と私たちの生活

- 市場を支配する存在 市場を支配する企業、それはまるで広大な砂漠に一本だけそびえ立つ巨木のような存在です。 ある特定の商品やサービスを提供する企業が、競合相手が全くいない状態で市場を独占している状態を、私たちは「独占」と呼びます。 この「独占企業」は、競争相手がいないため、市場において圧倒的な力を持ちます。 例えば、ある地域で電気を供給する会社が1社しかないとします。住民たちは生活していく上で電気を必要とするため、その会社が提示する料金を支払わざるを得ません。 独占企業は、このように消費者が他に選択肢を持たない状況を利用して、商品の価格や供給量を自由に決めることが可能です。 この力の偏りは、私たち消費者に様々な影響を与える可能性があります。 時には、独占企業が自らの利益を追求するために不当に高い価格を設定したり、品質の低い商品やサービスを提供したりする可能性も否定できません。 そのため、独占状態を防ぎ、公正な競争を促すためのルールや制度が、社会にとって非常に重要になるのです。
その他

独自給付:厚生年金基金のプラスアルファとは?

- 独自給付とは会社員や公務員であれば、誰でも加入する国民年金に上乗せして給付を受けられる老齢厚生年金。この老齢厚生年金をさらに充実させるための仕組みの一つに、会社が独自に運営する年金制度である企業年金があります。 企業年金には、大きく分けて確定給付型と確定拠出型がありますが、独自給付は確定給付型の一つである厚生年金基金制度の中で、特別な位置付けを持つ給付です。 厚生年金基金は、企業が従業員の老後の生活をより豊かにするために設立する年金制度です。そして、この厚生年金基金から支給される年金には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、国が運営する老齢厚生年金の一部を代行して支給する「代行部分」です。もう一つが、老齢厚生年金に上乗せして支給される「独自給付部分」です。 独自給付部分は、各企業の経営状況や従業員の年齢構成などに応じて、給付水準や給付方法を独自に設計することができます。そのため、企業は、従業員のニーズに合わせた、よりきめ細やかな年金制度を設計することが可能となります。 しかし、近年では、企業の経営環境の変化や少子高齢化の進展などにより、厚生年金基金制度を取り巻く状況は厳しさを増しています。そのため、独自給付を含め、将来受け取れる年金額は、将来の経済状況や社会保障制度の改正などによって変動する可能性があることを理解しておく必要があります。
投資信託

将来設計の新たな選択肢、インフラファンドとは

近年、投資を通じて社会貢献をしたいと考える方が増えています。従来の投資は経済的な利益を追求することが主な目的でしたが、昨今では、自分の資産が社会の役に立つように運用したいという倫理観や社会貢献意識の高まりから、新たな投資の形が注目されています。 その一つが、インフラファンドです。インフラファンドは、私たちの生活に欠かせない社会基盤、いわゆるインフラストラクチャーに投資を行う金融商品です。例えば、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの設備や、道路、鉄道、空港といった公共施設の運営権利などが投資対象となります。 これらのインフラストラクチャーは、私たちが安全で快適な生活を送る上で無くてはならないものです。インフラファンドは、こうした社会基盤の整備を支え、より良い未来を創造することに貢献します。また、インフラファンドは比較的安定した収益が見込めるという側面も持ち合わせています。社会基盤は私たちの生活に不可欠なものであり、その需要は長期間にわたって安定しているためです。さらに、国や地方公共団体が関わる事業であることも多く、投資対象としての信頼性も高いと言えるでしょう。
その他

生命保険会社を支える死差損益

- 死差損益とは生命保険会社にとって、契約者が亡くなった際に支払う保険金と、契約者から受け取る保険料のバランスは非常に重要です。このバランスを保つために、生命保険会社は将来の死亡率を予測し、それに基づいて保険料や準備金を計算しています。この予測と現実の差によって生じるのが「死差損益」です。生命保険会社は、過去の膨大な統計データや最新の医療技術の進歩などを考慮して、可能な限り正確に死亡率を予測しようと努めています。しかし、病気の流行や大規模な自然災害など、予測が難しい事態が発生することがあります。例えば、新型の感染症が流行した場合、予測を上回る死亡者が発生し、生命保険会社は予定していた以上の保険金を支払う必要が生じます。このような場合、死差損益は赤字となります。一方で、医療技術の進歩や健康意識の高まりによって、実際の死亡率が予測よりも低くなることもあります。このような場合、生命保険会社は予定していたよりも少ない保険金の支払いとなり、死差損益は黒字となります。死差損益は、生命保険会社の経営状態を左右する重要な要素の一つです。生命保険会社は、この死差損益を適切に管理するために、常に最新の情報を収集し、予測の精度向上に努めています。そして、将来にわたって契約者に安心して保険サービスを提供できるよう、健全な経営を維持していくことが求められます。
指標

投資効率を測る!インフォメーションレシオ入門

お金を運用する上で、より大きな利益を得たいと考えるのは当然のことです。しかし、高い収益の可能性を追求する裏側には、その分だけ損失を抱えてしまうリスクも潜んでいることを忘れてはいけません。大切なのは、やみくもに危険を冒すのではなく、リスクとリターンのバランスを意識することです。 では、どのようにそのバランスを見極めれば良いのでしょうか?そこで参考にしたいのが「情報比率」という指標です。情報比率は、投資によって得られる超過収益とリスクの関係性を数値化したものです。情報比率が高いほど、少ないリスクで大きなリターンを得られる可能性を示唆しています。 情報比率を活用すれば、それぞれの投資対象が持つリスクとリターンのバランスを客観的に比較検討することができます。過去のデータや市場の動向を分析し、情報比率を参考にしながら、自身のリスク許容度に合った投資先を選択することが、堅実な資産運用への第一歩と言えるでしょう。
株式投資

株価下落時の頼みの綱?「支持線」を解説!

- 支持線とは 株式投資において、将来の株価の動きを予測することは、利益を得る上で非常に重要です。様々な分析手法が存在しますが、その中でも「支持線」は、多くの投資家が注目する指標の一つです。 株価は常に変動しており、上昇と下降を繰り返しながら推移していきます。この動きの中で、過去のチャートを分析すると、特定の価格帯で株価の下落が止まり、反発する傾向が見られることがあります。この価格帯を「支持線」と呼びます。 支持線は、まるで株価を下から支える線のように機能することから、そのように名付けられました。これは、多くの投資家が、その価格帯まで株価が下落すると、割安感から買い注文を入れる傾向があるためだと考えられています。買い注文が増えることで、株価の下落が止まり、上昇に転じる可能性が高まります。 ただし、支持線はあくまで過去のデータに基づいた予測であり、必ずしもその価格帯で株価が反発するとは限りません。他の要因によって、株価が支持線を突破して、さらに下落することもあり得ます。 そのため、支持線を投資判断の材料とする際には、他の指標も組み合わせて、総合的に判断することが重要です。
先物取引

特例商先外務員とは?

- 特例商先外務員とは? 金融商品取引業者、つまり証券会社などで私たちが株式や債券を取引する際には、証券外務員という資格を持った担当者の方とやり取りするのが一般的です。しかし、商品関連市場デリバティブ取引となると、対応するのは「特例商先外務員」と呼ばれる資格を持った担当者になります。では、特例商先外務員とは一体どのような資格なのでしょうか? これは、金融商品取引法という法律に基づいて定められた資格です。金融商品取引業者の中でも、特に商品関連市場デリバティブ取引の媒介や取次ぎ、顧客勧誘などを専門に行うことができる特別な資格を指します。つまり、株式や債券ではなく、金や原油などの商品(コモディティ)や、それらを原資産とする先物取引やオプション取引などを行う場合には、特例商先外務員が窓口となって、顧客の取引をサポートすることになります。顧客の立場としては、商品関連市場デリバティブ取引を行う際には、担当者が特例商先外務員の資格を持っているかどうかを確認することで、安心して取引を進めることができます。
その他

将来設計の要!支給率を理解しよう

- 支給率とは 支給率とは、長年の会社員生活で積み立てたお金や個人年金保険などで積み立てたお金が、老後、年金や一時金としてどれくらい受け取れるのかを左右する重要な要素です。簡単に言うと、給料や保険料などを長年積み立てた結果、将来、年金や一時金としてどのくらいの割合で受け取ることができるのかを示した比率のことです。 例えば、毎月決まった額を30年間積み立てたとします。そして、その積み立てたお金を元手に、65歳から受け取れる年金額が決まるとします。この時、積み立てた総額に対して、年金として受け取れる総額の割合が支給率です。もし支給率が高ければ、積み立てたお金に対してより多くの年金を受け取れるということになります。逆に、支給率が低ければ、受け取れる年金額は少なくなります。 支給率は、加入している年金制度や保険の種類、加入期間、年齢、性別、そして、将来の運用実績や経済状況によって異なります。そのため、将来どれくらい年金を受け取れるのか、しっかりと理解するためには、支給率について詳しく知っておく必要があります。
投資信託

日経平均下落に備える?インバース型投資とは

- インバース型投資の概要 インバース型投資とは、日経平均株価やTOPIXといった、特定の株価指数を基準とした投資手法です。 通常、株価が上昇すると利益が得られますが、インバース型投資では株価が下落する局面で利益を狙います。 例えば、日経平均株価を例に考えてみましょう。日経平均株価が1%上昇すると予想した場合、通常は日経平均株価に連動する投資信託などを購入します。 一方、日経平均株価が1%下落すると予想した場合、インバース型投資の出番です。 インバース型投資では、日経平均株価が下落するほど利益が得られるように設計された金融商品に投資します。 具体的には、日経平均株価が1%下落した場合、インバース型投資商品はあらかじめ設定された倍率に応じて値上がりします。 倍率が1倍であれば1%、2倍であれば2%上昇するといった具合です。 インバース型投資は、株価の下落局面でのリスクヘッジや、相場の下落局面での利益獲得を狙う投資家にとって有効な手段となりえます。
先物取引

特例商先外務員とは?

証券会社で投資家と接する社員を「外務員」と呼びますが、実は一括りに「外務員」と言っても、その役割や扱う商品によっていくつかの種類に分けられます。 まず、株式や債券といった有価証券を売買したい個人投資家には、「一般外務員」が対応します。「一般外務員」は、顧客の投資目標やリスク許容度などを丁寧にヒアリングし、最適な銘柄の選定や売買のタイミングなどをアドバイスします。顧客の大切な資産を扱うため、金融商品に関する幅広い知識や市場分析力はもちろんのこと、顧客との信頼関係を築くコミュニケーション能力も求められます。 一方、「金融商品取引主任者」は、投資信託や投資顧問契約といった、より専門性の高い金融商品を扱います。顧客は、これらの商品について、リスクやリターンなどを十分に理解した上で契約する必要があります。そのため、「金融商品取引主任者」は、複雑な金融商品の仕組みを顧客に分かりやすく説明するだけでなく、顧客が適切な判断を下せるよう、情報提供やアドバイスを行います。 このように、証券会社で働く外務員には、それぞれ異なる役割と専門性が求められます。投資家は、自分がどのようなサービスを受けたいかによって、適切な資格を持った外務員を選ぶことが大切です。そして、外務員は、投資家保護の観点から、それぞれの業務内容に応じた試験に合格し、資格を取得する必要があります。
その他

年金運営の頼れるパートナー:指定法人とは?

企業が従業員のために積み立てる年金制度には、厚生年金に加えて、企業年金や厚生年金基金といったものがあります。これらの年金制度は、従業員が安心して老後の生活を送れるよう、企業が長期的な視点で資金を運用し、給付を行うものです。しかし、年金制度の運営には、専門的な知識や経験、そして多大な時間と労力が必要となります。そこで、企業年金や厚生年金基金の運営を専門的に担う機関として登場したのが「指定法人」です。 指定法人は、厚生労働大臣から指定を受けた、年金制度運営のプロフェッショナル集団です。彼らは、年金数理や資産運用、法令など、年金運営に必要な幅広い知識と経験を有しています。企業は、これらの専門家に業務を委託することで、より安全かつ効率的に年金制度を運営することができます。具体的には、指定法人は、年金給付額の計算や給付の実施、年金資産の管理や運用、年金制度に関する相談対応など、多岐にわたる業務を行います。 このように、指定法人は、企業年金や厚生年金基金が円滑に運営されるために欠かせない存在となっています。従業員が安心して老後を迎えられるよう、陰ながら支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。
その他

年金資産運用におけるインハウス運用とは?

- インハウス運用の定義インハウス運用とは、企業年金基金や厚生年金基金といった年金基金が、その資産の運用を外部の専門機関に委託せず、自らの組織内で行うことを指します。従来、年金基金の資産運用は、専門知識や経験を持つ信託銀行や投資顧問会社といった外部の機関に委託するのが一般的でした。しかし、2000年6月の規制緩和により、資産規模の大小に関わらず、すべての年金基金がインハウス運用を選択できるようになりました。外部機関への委託に比べて、インハウス運用には以下のような利点があります。* 運用コストを削減できる可能性がある* 運用方針をより反映させやすい* 運用状況に対する透明性が高まる一方で、専門知識や経験を持つ人材の確保や育成、システム構築などが必要となるため、導入には慎重な検討が必要です。
経済の用語

年金積立金の安定化を図る特例掛金収入現価とは

日本の年金制度は、現在働いている世代の人たちが支払う保険料を、その時の高齢者の年金として支給する「賦課方式」が中心となっています。これは、現役世代の人たちが、自分たちの親世代を支えるという、家族の助け合いの考え方に基づいた仕組みと言えます。しかし、少子高齢化が進む日本では、働く世代が減り、高齢者が増えるため、この仕組みだけでは、将来の年金支給が難しくなることが懸念されています。そこで、将来世代の負担を軽くするために、「積立方式」も取り入れられています。 この方式は、将来の年金支給に備えて、あらかじめ資金を積み立てておくというものです。 積立方式には、運用益によって年金原資を増やすことができるというメリットがあります。一方、賦課方式に比べて、すぐに効果が現れないことや、インフレなどの経済状況によって、積立金の価値が変動するリスクも抱えています。 日本の年金制度を将来にわたって安定させるためには、賦課方式と積立方式のどちらが良いかを単純に決めるのではなく、それぞれのメリットとデメリットを踏まえ、両者を適切に組み合わせることが重要です。また、年金制度を持続可能なものにするためには、少子高齢化対策や経済の活性化など、総合的な取り組みが必要不可欠と言えるでしょう。
債券投資

債券の価格はどうやって決まるの? 指定報告協会員の役割

- 債券の価格決定の仕組み 株式投資と比べると、債券投資は難解な印象を抱く方もいらっしゃるかもしれません。特に、債券の価格がどのように決まるのか、疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。株式は証券取引所で売買され、その取引を通じて価格が決まりますが、債券は少し事情が異なります。 債券は通常、証券取引所ではなく証券会社などの金融機関を通じて売買されます。そのため、株式のように市場全体で統一された価格が表示されているわけではありません。では、債券の価格はどのように決まるのでしょうか? 債券の価格は、主に需要と供給の関係によって変動します。需要が多い、つまり債券を買いたい人が多い場合は価格が上昇し、逆に需要が少ない、つまり債券を売りたい人が多い場合は価格が下落します。 また、債券価格は、新規発行された債券の利回りにも影響を受けます。一般的に、市場の金利が上昇すると、新規発行される債券の利回りも上昇します。すると、既存の債券の利回りが相対的に低くなり、価格が下落する傾向があります。逆に、市場の金利が低下すると、既存の債券の利回りが相対的に高くなり、価格が上昇する傾向があります。 さらに、債券の発行体の信用力も価格に影響を与えます。発行体の信用力が高いほど、債券の価格も高くなる傾向があります。これは、信用力が高い発行体であれば、債務不履行のリスクが低いためです。 このように、債券の価格は様々な要因によって複雑に変動します。債券投資を行う際には、これらの要因を理解しておくことが重要です。
債券投資

債券投資の基礎:応募者利回りとは?

- 債券投資における利回り 債券投資を行う上で、「利回り」は投資判断を行う上で非常に重要な指標となります。利回りとは、投資した元本に対してどれだけの収益を得ることができるのかを示す割合のことです。 例えば、100万円の債券に投資し、1年後に1万円の利息を受け取ったとすると、この債券の利回りは1%となります。債券の利回りは、大きく分けて「表面利率」と「実質利回り」の2種類があります。 表面利率とは、債券の券面に記載されている利率のことです。一方で実質利回りは、債券の購入価格や市場価格、償還までの期間などを考慮した利回りです。債券は、発行価格と償還価格が異なる場合があり、また市場で売買されるため価格が変動します。そのため、実際に投資家が手にする収益は表面利率とは異なる場合があり、実質利回りを確認することが重要となります。 債券の利回りは、将来の金利変動によって影響を受けます。一般的に、金利が上昇すると債券の価格は下落し、利回りは上昇する傾向があります。逆に、金利が低下すると債券の価格は上昇し、利回りは低下する傾向があります。 債券投資を行う際には、利回りの概念をしっかりと理解し、表面利率だけでなく実質利回りも確認することが大切です。また、将来の金利変動が債券の価格や利回りに影響を与える可能性があることも踏まえておく必要があります。
投資信託

初心者に優しいインデックス運用入門

- インデックス運用とはインデックス運用とは、市場全体の動きを反映する指数(インデックス)に連動することを目指す投資手法です。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった、株式市場全体の値動きを示す指標を参考に運用を行います。具体的には、これらの指数に連動するように構成された投資信託やETF(上場株式投資信託)を購入します。例えば、TOPIXに連動する投資信託を購入した場合、TOPIXが上昇すれば投資信託の価格も上昇し、TOPIXが下落すれば投資信託の価格も下落します。これは、市場全体の動きに連動して、利益を得ようとする投資戦略と言えます。従来型の投資信託のように、個々の銘柄を選別して売買する運用と比較して、インデックス運用は、銘柄の選定や売買にかかる手間やコストを抑えることができます。そのため、長期的な資産形成を目的とする投資家にとって、有効な選択肢となり得るでしょう。
その他

厚生年金基金における「指定年金数理人」の役割とは?

会社が従業員の将来のために準備する年金制度の一つに、「厚生年金基金」というものがあります。これは、会社が従業員とその家族のために積み立てを行い、従業員が定年退職を迎えた後や、病気や怪我で働けなくなった場合、あるいは不幸にも亡くなってしまった場合に、生活の支えとなるよう長期にわたって年金を支給する制度です。 この厚生年金基金は、将来にわたって安定的に年金を支給していくために、健全な財政運営を行っていく必要があります。そこで、専門的な知識を駆使して、厚生年金基金の財政状態を分析し、将来の年金支給額や積立金の状況を予測したり、様々なリスクを評価したりする「年金数理人」という専門家の存在が重要となります。 年金数理人は、まるで会社の未来を予測する預言者のように、高度な計算や分析を用いて、将来の年金財政を見通します。そして、財政状況が悪化しそうな場合には、早めに対策を打つためのアドバイスを行います。年金数理人の専門的な知見は、従業員とその家族が安心して暮らせる未来を守る上で、欠かせないものと言えるでしょう。
税制

年金制度を支える「特例掛金」:その役割と目的

日本の年金制度は、現在働いている世代の人々が保険料を納め、その保険料を年をとって仕事をしなくなった世代の人々に支給するという、世代と世代が支え合う仕組みで成り立っています。しかし、子どもの数が減り高齢者の数が多くなる少子高齢化が進んでいるため、保険料を支払う現役世代が減り、年金を受け取る高齢者世代が増えていることが問題となっています。このままだと、将来、年金を支えるための財源が不足してしまう可能性があり、年金制度を維持していくことが難しくなるかもしれません。 このような状況を改善し、将来にわたって年金制度を安定させるためには、様々な対策を講じる必要があります。その一つとして、保険料を支払う期間や年金を受け取ることができる年齢を見直すことが考えられています。また、年金制度だけでなく、医療や介護などの社会保障制度全体で、どのように費用を負担していくのか、国民全体で考えていく必要があるでしょう。 年金制度は、私たちが安心して老後の生活を送るために欠かせないものです。制度の現状と課題について理解を深め、将来に向けてどのようにしていくべきか、真剣に考えていく必要があります。
投資信託

投資初心者必見!インデックスファンドとは?

- インデックスファンドとは? インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX、アメリカのS&P500など、市場全体の動きを表す指標(インデックス)に連動することを目指す投資信託です。 これらの指標は、特定の市場に上場している株式のうち、代表的な銘柄を一定のルールに基づいて選んで構成されています。 例えば、日経平均株価は、東京証券取引所に上場している企業のうち、225銘柄の株価を平均して算出されます。そのため、日経平均株価連動型のインデックスファンドを購入すると、実質的にこれら225銘柄に投資していることと同じような効果が得られます。 インデックスファンドの値動きは、連動を目指す指標の値動きとほぼ一致します。そのため、日経平均株価が上昇すれば、日経平均株価連動型のインデックスファンドも同様に値上がりし、反対に、日経平均株価が下落すれば、ファンドの価値も同様に下落します。このように、インデックスファンドは、市場全体の値動きに連動して利益を得ようとする投資商品と言えるでしょう。
株式投資

投資初心者が知っておくべき「往って来い」とは?

- 「行って来い」ってなに?株式投資や為替取引の世界で頻繁に耳にする「行って来い」という言葉。これは、ある一定の期間、例えば「1日」や「1週間」といった短いスパンで、相場がまるで迷子のように方向感覚を失ってしまう現象を指します。例えば、今日の株式市場でA社の株価を見てみましょう。取引開始とともに勢いよく上昇したA社の株価は、一時1,000円の大台に乗りました。ところが、昼休みの後から雲行きが怪しくなり始め、あれよあれよという間に値を下げてしまったのです。そして、取引終了の鐘が鳴る頃には、なんと取引開始時の水準である900円に戻ってしまいました。このように、一度は上昇したにも関わらず、最終的には元の価格に戻ってしまう。まるで遠くへ出かけた人が、結局は家に戻ってくるような、そんな動き方をすることから「行って来い」と呼ばれるわけです。「行って来い」は、上昇の後だけでなく、下落の後にも起こることがあります。取引開始直後に大きく値を下げた株価が、その後持ち直して、最終的には最初の価格に戻るケースも「行って来い」と表現されます。投資初心者にとっては、一喜一憂させられる動き方ですが、相場の世界ではよくあること。慌てず騒がず、冷静に市場の動きを見極めることが肝心です。
投資信託

従業員のための資産運用!指定運用方法とは?

- はじめに 近年、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金といった制度への関心が高まっています。これらの制度は、私たち従業員が将来に備えて資産を築くための有効な手段となります。 これらの制度の大きな特徴の一つに、加入者自身がどのようにお金を運用するかを選択できるという点があります。しかし、投資の知識や経験がない人にとって、最適な運用方法を選ぶことは容易ではありません。 そこで、加入者の資産運用をサポートするために用意されているのが「指定運用方法」です。これは、運用方法に迷う加入者に代わって、あらかじめ決められた方法で専門家が資産を運用してくれるというものです。 今回は、この「指定運用方法」について詳しく解説し、そのメリットや注意点などを分かりやすくお伝えしていきます。