イールドカーブを読み解く
- イールドカーブとは何かイールドカーブは、異なる満期までの債券の利回りをグラフにしたもので、横軸に残存期間、縦軸に利回りをとります。債券は一般的に、約束された期間が経過すると、発行体から投資家に対して元本が償還されます。この償還されるまでの期間を満期と呼び、償還までの期間が長いほど、投資家は資金が拘束されるリスクを負うことになります。そのため、通常は満期が長い債券ほど高い利回りが設定されています。
イールドカーブは、債券市場の状況を把握するための重要な指標の一つであり、将来の経済成長や物価の動きに対する市場の予想を反映しています。例えば、市場関係者の多くが将来の景気後退を予想している場合、安全資産とされる債券の需要が高まり、価格が上昇、利回りが低下します。
通常、イールドカーブは右肩上がりの曲線を描きます。これは、投資家が長期投資にはより高いリスクプレミアムを要求するためです。長期投資には、短期間の投資に比べて、将来の不確実性が高まり、投資資金がインフレによって目減りするリスクも高まります。そのため、投資家は長期投資に対して、より高い利回りを要求する傾向にあります。逆に、景気後退の局面などでは、将来の金利低下が予想され、長期債券の需要が高まり、利回りが低下する場合があります。このような場合、イールドカーブは、平坦化、あるいは右肩下がりの状態になることがあります。