FX

為替相場と中央銀行の連携プレイ

今日の世界では、国境を越えた取引や投資が活発に行われており、これは経済成長の大きな原動力となっています。そして、このような経済活動が円滑に行われるためには、安定した為替相場が欠かせません。為替相場が大きく変動すると、企業は海外との取引で損失を被るリスクが高まり、国際的な投資も停滞してしまうからです。 しかしながら、為替相場は経済状況や政治動向など、様々な要因によって常に変動しています。時には、投機的な動きによって急激な変動が起こることもあり、経済に大きな混乱をもたらす可能性も孕んでいます。 このような事態を防ぐために、各国の中央銀行は国際協力体制を築いています。その代表的な取り組みが「協調介入」です。これは、複数の国が合意の上で、それぞれの国の通貨を売ったり買ったりすることで、為替相場を安定させるというものです。 協調介入は、市場に対して強いメッセージを発信する効果があり、急激な為替変動を抑え、世界経済の安定に貢献しています。しかしながら、為替相場は非常に複雑なメカニズムで動いているため、協調介入が常に成功するとは限りません。そのため、各国の中央銀行は、常に市場を注視し、適切な政策を迅速に実行していく必要があります。
FX

為替の基礎知識:仲値とは?

- 仲値とは銀行で外貨預金を始めたり、海外旅行のために外貨に両替したりする際に、必ず確認するのが為替レートです。この為替レートには、実は様々な種類が存在します。その中でも、私たちにとって特に馴染み深いものが「仲値」と呼ばれるものです。仲値は、正式には「Telegraphic Transfer Middle rate」といい、TTMと略されることもあります。これは、銀行が顧客との取引や、比較的小規模な外国為替取引を行う際に基準となる為替レートのことを指します。つまり、私たちが銀行で外貨預金や外貨両替を行う際に適用されるレートが、まさにこの仲値なのです。もう少し具体的に説明すると、仲値は銀行が独自に定めるのではなく、「TTS」と呼ばれる銀行が外貨を売却する際のレートと、「TTB」と呼ばれる銀行が外貨を買い取る際のレートの中間に位置しています。TTSはTTBよりも高く設定されているため、銀行はこの間の差額で利益を得ているのです。仲値は、日々変動する為替相場の中でも比較的安定しており、銀行にとっても顧客にとっても基準となる重要なレートと言えるでしょう。
株式投資

外貨預金とギャン分析

20世紀前半、株式や商品の市場で、ウィリアム・ギャンという人物が名を上げていました。彼は「伝説のトレーダー」と呼ばれ、独自の分析手法を用いて巨額の財産を築いたと言われています。なぜなら、彼の相場の予想は驚くほど正確だったからです。 ギャンは、価格の動きと時間の経過に特別な関係があると考えました。そして、図形や天体の動きを取り入れた、独自の分析手法を編み出したのです。彼の理論は、現代のコンピューターを使った分析手法にも影響を与え続けており、多くのトレーダーが彼の理論を学び、応用しようとしています。 ギャンは、市場は人間の心理や行動によって動くと考えていました。そして、人間の心理や行動には、ある一定のパターンやサイクルが存在し、それが市場の動きにも反映されていると考えたのです。彼は、歴史的な価格データや天体の動きを分析することで、これらのパターンやサイクルを解き明かそうとしました。 彼の理論は、現代のトレーダーにとっても学ぶべき点が多いと言えます。なぜなら、市場は常に変化し続けるものですが、人間の心理や行動という根源的な部分は、時代が変わっても変わらないからです。
経済の用語

企業活動の要!在庫投資を理解しよう

- 在庫投資とは お店を開いて、お客様に商品を買ってもらう。これは商売の基本中の基本ですが、そのためには、当然、お店に商品を並べなければいけません。この、お店に商品を並べるために必要な投資のことを「在庫投資」と呼びます。 例えば、皆さんがよく行く洋服屋さんを想像してみてください。 お店の商品は季節によって変わりますよね。夏にはTシャツやショートパンツが並び、冬にはコートやセーターが店頭に並びます。 洋服屋さんは、季節の変わり目に合わせて商品を仕入れています。冬物のコートやセーターを、冬になってから慌てて仕入れようとしても、人気の商品は品切れになっていたり、仕入れ値が高くなってしまったりするかもしれません。だから、冬の商品は秋口から、夏の商品は春先から、先回りして仕入れておく必要があるのです。 この、先回りして商品を仕入れておくためにかかる費用が、在庫投資です。 在庫投資は、洋服屋さんだけでなく、あらゆるお店や会社で発生します。 例えば、皆さんが毎日使うスマートフォンやパソコンなどの電化製品を作る会社でも、在庫投資は非常に重要です。 電化製品を作るためには、様々な部品を組み合わせる必要がありますが、これらの部品はすぐに手に入ると限りません。 世界中の様々な国から部品を輸入したり、長い時間をかけて部品を組み立てたりする必要があるため、電化製品をスムーズに作るためには、部品をあらかじめ仕入れておくことが重要になります。 このように、在庫投資は、お客様に商品を安定的に届けるため、そして、会社が円滑に事業を行うために欠かせない投資なのです。
投資信託

投資信託の司令塔:委託会社を理解する

投資信託とは、多くの人から集めたお金をまとめて専門家が運用し、その成果を投資家に分配する商品です。 例えるなら、大きな船のようなもので、その船に乗りたい人が出資金を出し合い、みんなで航海の成果を分かち合うイメージです。 では、その大きな船を動かす船長は誰でしょうか?それが「委託会社」です。 委託会社は、集まったお金をどのように運用するか、つまりどの株式や債券に投資するかを決定する、いわば投資信託の運用責任者です。 彼らは、投資のプロとして、市場の状況などを分析し、投資家にとって最適な航路を選びます。 投資信託を購入する際には、その船旅を任せる委託会社がどのような会社なのか、実績や運用方針などをよく調べる必要があります。 信頼できる委託会社を選ぶことが、安全で快適な船旅、つまり、 successful な資産運用につながるのです。
FX

意外と知らない?外貨両替のTTBとは

海外旅行を計画したり、海外に住む家族に送金したりする際に、避けて通れないのが円を現地通貨に両替することです。この両替には、実は様々な種類のレートが存在することをご存知でしょうか? 旅行会社のパンフレットや銀行の窓口でよく目にするのは「TTS」と呼ばれるレートですが、今回はそれとは異なる「TTB」というレートについて詳しく解説していきます。 「TTB」は、「Telegraphic Transfer Buying Rate」の略称で、日本語では「電信買相場」と呼ばれます。簡単に言うと、銀行が私たち顧客から外貨を買い取る際のレートを指します。海外旅行から帰国し、使い切れなかった外貨を円に両替する際や、海外からの送金を受け取る際に適用されるレートが、まさにこのTTBです。 TTBは、銀行が外貨を仕入れるコストに加え、一定の手数料が上乗せされて決定されます。そのため、顧客が外貨を売却する際のレートであるTTBは、銀行が顧客に外貨を販売する際のレートであるTTSと比較して、低い水準に設定されていることが一般的です。 海外旅行や海外送金を計画する際には、これらのレートの違いを理解しておくことが重要です。円高や円安の動向だけでなく、両替するタイミングや金融機関によって適用されるレートが異なる場合があることも踏まえ、事前にしっかりと情報収集を行いましょう。
経済の用語

資産運用と投機的需要

私たちが日々お金を必要とする理由は、大きく分けて3つあります。 一つ目は、日々の生活を送る上で欠かせないものを購入するための「取引需要」です。毎日の食事や通勤の交通費、水道光熱費の支払いなど、生きていくためには様々なものにお金を使う必要があります。 二つ目は、将来起こるかもしれないリスクに備えるための「 precautionary demand」です。病気や怪我、失業など、予期せぬ出来事はいつ起こるか分かりません。このような万が一の事態に備えて、ある程度の貯蓄を持っておくことは安心感に繋がります。 そして三つ目は、より有利な条件で運用するための「投機的需要」です。預貯金や株式投資、不動産投資など、お金には様々な使い道があります。安全資産であるお金を保有し、それぞれの状況やリスク許容度に応じて、より有利な投資機会を待つという選択をする人もいます。
債券投資

委託現先:賢く資金調達するテクニック

- 委託現先とは委託現先とは、証券会社に証券を売却すると同時に、将来の特定日に同じ銘柄を買い戻すことを約束する取引です。簡単に言うと、証券を担保にお金を借り入れる方法の一つと言えるでしょう。例えば、Aさんが100万円相当の株式を持っているとします。Aさんは急にお金が必要になった時、この株式を証券会社に売却し、同時に将来同じ株式を102万円で買い戻す約束をすることで、すぐに現金を得ることができます。これが委託現先です。この場合、Aさんは実質的に2万円の利息を支払うことになりますが、すぐに資金を調達できるというメリットがあります。委託現先は、主に短期間の資金調達に利用されます。企業であれば、給与の支払いなど、一時的に資金が不足する際に利用することが考えられます。個人であれば、急な出費や投資資金が必要になった場合などに利用されます。委託現先を利用する際には、買い戻す際の価格が決まっているため、将来の価格変動リスクを回避できるというメリットがあります。しかし、金利の変動リスクは残ります。また、買い戻し期日までに必要な資金を準備する必要があり、資金計画をしっかりと立てることが重要になります。
経済の用語

迫りくる財政の崖:フィスカルクリフとは?

「フィスカルクリフ」という言葉を耳にしたことはありますか?経済ニュースなどで見聞きしたことがある方もいるかもしれません。これは、まるで崖っぷちに立たされ、一歩間違えれば大きな谷底へ転落してしまうような、危機的な経済状況を比喩的に表す言葉です。 特に、2013年以降、アメリカ経済が抱えていた危機を象徴する言葉として世界中で注目を集めました。当時、アメリカでは、減税措置の期限切れと、同時に進められていた歳出自動削減が重なることで、急激な財政引き締めが行われることが懸念されていました。もし、このタイミングで適切な経済対策が取られなければ、アメリカ経済は景気後退に陥り、世界経済にも大きな悪影響を及ぼす可能性があったのです。 この「フィスカルクリフ」という言葉は、経済の崖っぷちという状況を分かりやすく伝えることで、人々の危機感を高め、政治的な行動を促す効果がありました。実際に、アメリカ議会はこの問題の深刻さを重く受け止め、最終的には期限ギリギリで妥協案を成立させました。 このように、「フィスカルクリフ」は、経済状況を端的に表現するだけでなく、その背後にある問題点やリスクを浮き彫りにし、人々の行動を促す力を持った言葉と言えるでしょう。
その他

決済機能の基礎知識

- 決済機能とは 買い物をしたり、サービスを受けたりした際に、その対価を支払いますよね。このお金のやり取りをスムーズに行うための仕組みを、決済機能と呼びます。 かつてはお店で現金を使うことがほとんどでしたが、近年では、銀行振込やクレジットカード、電子マネーなど、様々な決済手段が利用されています。 こうした多様な決済方法を支えているのが、銀行や決済代行事業者などが提供する決済機能です。 決済機能は、商品やサービスの購入者と販売者の間に入り、安全かつ確実にお金のやり取りを仲介する役割を担っています。具体的には、銀行口座からの代金引き落としや、クレジットカード情報の処理、電子マネーの残高管理など、複雑な処理を行っています。 私たちが普段何気なく利用している様々な決済サービスは、こうした決済機能によって支えられているのです。
経済の用語

国の財布で景気を調整? フィスカル・ポリシー入門

景気は、海の波のように、好況と不況を繰り返しながら常に変化しています。穏やかな凪の日もあれば、荒れ狂う嵐の日もあるように、経済活動も活発な時期と停滞する時期を繰り返すのです。このような荒波を乗りこなし、経済の安定を図るために、国は「財政政策」という強力な手段を用います。 財政政策とは、政府が税金や公共事業などを通じて、景気を調整しようとする政策のことです。景気が低迷し、人々の消費や企業の投資が冷え込んでいる時には、政府は公共事業を増やしたり、減税したりすることで、需要を創り出し、景気を刺激しようとします。例えば、道路や橋などの建設工事を積極的に行ったり、個人や企業への税負担を軽減することで、人々がより多くのお金を使ったり、投資しやすくなるように促します。 一方、景気が過熱し、物価が上昇しすぎている時には、政府は公共事業を抑制したり、増税したりすることで、過剰な需要を抑え、景気を抑制しようとします。人々が商品やサービスを買いすぎて物価が上がってしまうのを防ぐために、政府はブレーキをかける役割を担うのです。このように、財政政策は、国の経済活動を調整し、人々の暮らしが安定した状態を保てるように、重要な役割を担っています。
経済の用語

決済システムの基礎知識

- 決済システムとは私たちの生活は、様々な商品やサービスの取引で成り立っています。そして、それらの取引をスムーズに行うために欠かせないのが「決済システム」です。 決済システムとは、商品やサービスを購入した際に、その対価であるお金を、売り手と買い手の間で安全かつ確実にやり取りするための仕組みのことです。例えば、あなたがデパートで買い物をし、クレジットカードで支払ったとしましょう。この時、あなたの銀行口座からデパートの銀行口座へ、お金が移動します。一見、単純なように思えるかもしれませんが、この裏側では複雑な処理が行われています。 クレジットカード会社や銀行などを経由して、お金の流れを管理し、不正アクセスや情報の漏洩を防ぎながら、確実にお金が支払われるようにする。これが、決済システムの重要な役割です。決済システムは、何もクレジットカード決済だけではありません。銀行振込や電子マネー、最近ではQRコード決済など、様々な種類があります。 私達が普段何気なく利用しているこれらのサービスも、全て決済システムによって支えられているのです。このように、決済システムは現代社会において、無くてはならない社会インフラの一つと言えるでしょう。
経済の用語

欧州評議会:ヨーロッパの平和と人権を守る

- 欧州評議会とは 欧州評議会(CE)は、第二次世界大戦後の荒廃したヨーロッパにおいて、平和と人権を再び築き上げるために設立された国際機関です。1949年5月5日にロンドン条約に基づいて設立され、本部はフランスのストラスブールに置かれています。 欧州評議会の主な目的は、加盟国間で共通の価値観である人権、民主主義、法の支配を促進することです。そのために、人権、民主主義、文化、社会問題など、幅広い分野で条約や協定を採択し、加盟国に対してその履行を促しています。 欧州評議会は、欧州連合(EU)とは別の組織です。EUは経済統合を主な目的とする一方、欧州評議会はより広範な人権や民主主義の保護・促進を目的としています。また、加盟国の数も異なり、欧州評議会はEU加盟国を含む46カ国が加盟しているのに対し、EUは27カ国にとどまります。 欧州評議会は、欧州人権裁判所を設置し、人権侵害の申し立てに対して法的拘束力のある判決を下す権限を持っています。これは、欧州評議会が人権保護において重要な役割を果たしていることを示しています。 このように、欧州評議会は第二次世界大戦後のヨーロッパにおいて、平和と人権の確立に大きく貢献してきました。そして、今日においても、変化する国際情勢の中で、人権、民主主義、法の支配といった普遍的な価値観を守り続けるために重要な役割を担っています。
その他

企業グループで年金制度導入?知っておきたい「連合設立」

- 従業員のための厚生年金基金企業が従業員の老後の生活保障や福利厚生を充実させることは、従業員のモチベーション向上や優秀な人材の確保につながる重要な取り組みです。そのための有効な手段の一つとして、企業年金制度の導入が挙げられます。企業年金制度には様々な種類がありますが、その中でも「厚生年金基金」は、企業が独自に設立する年金制度であり、従業員にとってより手厚い保障を実現できる可能性を秘めています。厚生年金基金は、国が運営する公的年金である厚生年金に上乗せする形で給付を行う制度です。企業は従業員とその遺族に対して、老齢年金、障害年金、遺族年金といった様々な給付を行うことができます。給付額は、従業員の加入期間や給与水準、運用実績などによって決定されます。厚生年金基金の大きなメリットは、企業が独自に制度設計を行える点にあります。従業員の年齢層や職種、給与体系などを考慮し、最適な制度を構築することで、従業員のニーズに合致したきめ細やかな保障を提供することが可能となります。また、掛金の一部または全部を企業が負担することもできるため、従業員の負担を軽減できる点も魅力です。厚生年金基金は、従業員の老後への不安を軽減し、安心して仕事に打ち込める環境作りに貢献します。それはひいては、企業の成長にもつながっていくと考えられます。
その他

投資における「善管注意義務」とは?

投資の世界へようこそ。ここでは、お客様からお預かりした大切な資産を、専門的な知識と経験を持つプロフェッショナルが運用しています。彼らには、資産運用を行う上で、高い倫理観と専門性に基づいた行動が求められます。この行動規範の根幹をなす重要な概念の一つが、「善管注意義務」です。 投資の世界では、お客様からお預かりした資産を「預かり物」として、大切に扱うことが求められます。この「預かり物」を扱う際に、専門家として当然求められる注意を払って、お客様の利益のために最善を尽くさなければなりません。この、お客様の利益を最優先に考え、誠実かつ注意深く業務を行うことを「善管注意義務」と呼びます。 例えば、お客様の投資目標やリスク許容度を十分に考慮せずに、リスクの高い金融商品を勧めることは、この「善管注意義務」に反する可能性があります。お客様一人ひとりの状況を理解し、それぞれのニーズに合った最適な提案を行うことが、私たち専門家に求められているのです。
その他

ファンドマネージャーの役割とは?

- 資金運用のプロフェッショナル 「ファンドマネージャー」という職業をご存知でしょうか? 彼らは、いわば「お金の専門家」であり、投資家から預かった大切なお金を運用する役割を担っています。 投資信託や年金基金といった、私たちにとって身近な金融商品も、実はファンドマネージャーが運用しているケースが多いのです。彼らは、株式や債券、不動産など様々な投資対象の中から、その時々の経済状況や市場の動向を見極め、最適な組み合わせで投資を行います。その目的は、預かった資金を大きく成長させ、投資家に還元することです。 ファンドマネージャーの仕事は、まさに「未来への投資」と言えるでしょう。 彼らの的確な判断と運用スキルによって、私たちの将来の資産形成が大きく左右されるといっても過言ではありません。
経済の用語

連結決算:企業グループ全体を見る

- 連結決算とは複数の会社がまるで一つの会社のように、財務諸表を作成することを連結決算といいます。ある会社が他の会社に対して、株式の保有などを通じて影響力を持つ場合、その関係は親子会社のようなものと捉えられます。親会社が子会社に対して大きな影響力を持つ場合、子会社の経営成績は親会社の経営成績にも影響を与えます。しかし、それぞれの会社が個別に財務諸表を作成すると、会社全体としての本当の経営状況や財政状態が見えにくくなってしまいます。そこで、連結決算が必要となるのです。連結決算では、親会社と子会社、そして関係会社を合わせた企業グループ全体の財務諸表を作成します。これにより、企業グループ全体でどれだけの売上や利益をあげているのか、どれだけの資産や負債を持っているのかを明らかにすることができます。連結決算は、投資家をはじめとする利害関係者にとって、より正確で有用な情報を提供するために欠かせないものです。企業グループ全体の経営状況を把握することで、投資判断の材料としたり、企業グループ全体の成長戦略を描くヒントを得たりすることができます。
債券投資

資産運用に!CDの魅力を解説

- CDとは CDは、正式名称を「譲渡可能預金証書」と言い、銀行にお金を預ける際に発行される証書のようなものです。 このCDは、普通預金などとは異なり、あらかじめ決められた期間が経過するまでは原則としてお金を引き出すことができません。つまり、満期日までお金は銀行に預けられたままになります。 しかし、その代わりに、CDは普通預金よりも高い金利で運用できるという大きなメリットがあります。銀行は、預かったお金を一定期間運用することが約束されているため、その分高い金利を支払うことができるのです。 CDは、預入期間や預入金額によって金利が異なり、満期が長いほど、また預入金額が多いほど、高い金利が設定されるのが一般的です。
その他

証券取引と決済:仕組みを理解する

株式や債券といった証券に投資をする際、投資家は証券会社に売買の仲介を依頼します。投資家が証券会社に売買注文を出すと、その注文が成立するまでには、いくつかの段階を経て、最終的に証券の受け渡しと代金の支払いが完了します。 まず、投資家が証券会社に電話やインターネットを通じて、購入したい銘柄や数量、売却したい銘柄と数量などを指定して注文を出します。このとき、価格を指定して注文を出す場合と、市場価格で注文を出す場合があります。注文が出されると、証券会社はその注文を市場に発注します。 証券会社から発注された注文は、証券取引所に集約され、売買が成立すると、証券会社間で証券の受け渡しと代金の支払いが行われます。そして、投資家の証券会社口座では、購入した証券の増加と購入代金の引き落とし、または売却した証券の減少と売却代金の入金が行われます。 この一連の取引の過程で重要な役割を果たすのが「決済」です。決済とは、証券の受け渡しと代金の支払いを確実に行うための仕組みです。日本国内の証券取引では、通常、売買成立日から起算して3営業日目に決済が行われます。
投資信託

ファンドオブファンズ:分散投資でリスクを抑える

- ファンドオブファンズとはファンドオブファンズとは、例えるなら「投資の専門家が厳選した投資信託の詰め合わせセット」のようなものです。投資家から集めたお金を、運用のプロであるファンドマネージャーが、複数の投資信託に投資していきます。通常の投資信託では、投資対象が株式や債券などに限定されていることが多いですが、ファンドオブファンズの場合、投資対象は「投資信託」です。しかも、国内外の様々な投資信託に投資するため、投資対象は株式、債券、不動産など多岐に渡り、より分散投資の効果が見込めます。ファンドオブファンズの魅力は、この分散投資を簡単に行える点にあります。投資家は、ファンドオブファンズという一つの商品に投資するだけで、複数の投資信託に投資したのと同様の効果を得ることができ、リスクを効率的に分散できます。さらに、ファンドマネージャーが常に市場の動向を分析し、投資する投資信託の組み合わせを調整してくれるため、投資初心者の方や、自分で投資先を選ぶ時間がない方でも、プロの判断で資産運用を任せることができます。しかし、ファンドオブファンズは、複数の投資信託を経由するため、その分費用がかかる場合があります。投資する際は、運用手数料などのコストも考慮する必要があります。
その他

退職給付会計と前払年金費用について

多くの企業では、長く勤めてくれた従業員が安心して退職後の生活を送れるよう、年金や退職一時金を支給しています。これらの退職後の給付を適切に管理し、将来の支払いに備えることは、企業にとって重要な責務です。この重要な役割を担うのが退職給付会計です。 退職給付会計は、将来従業員に支払う退職給付の費用を、従業員が働いている期間にわたって計画的に計上していくための会計処理です。この会計処理によって、企業は将来の大きな支出に備えることができ、安定した経営を続けることが可能となります。また、退職給付会計は、企業の財務状態を正しく反映させる上でも重要な役割を果たします。退職給付会計に基づいて適切に費用計上を行うことで、企業の財務諸表はより信頼性の高いものとなり、投資家や債権者に対して透明性の高い情報開示を行うことができます。退職給付会計は、単なる会計処理ではなく、従業員の将来への配慮と、企業の健全な発展を支える重要な要素と言えるでしょう。
債券投資

劣後債:ハイリスク・ハイリターンの投資対象

- 劣後債とは?会社が発行する債券には、返済の順番が決められているものがあります。この順番を「弁済順位」と呼びますが、劣後債とは、他の債券よりも弁済順位が低い債券のことを指します。 会社が倒産した場合、まずは銀行からの借入金や従業員への給与など、優先的に返済されるべき「優先債権」が支払われます。その後、残った財産でようやく劣後債の返済が始まるのです。優先債権と比べて返済順位が低いということは、それだけ元本が返ってこないリスクが高いことを意味します。言い換えれば、投資家にとってはハイリスク・ハイリターンの投資対象と言えるでしょう。では、なぜ劣後債は発行されるのでしょうか?それは、会社にとって資金調達手段の幅を広げることができるからです。劣後債は利回りが高い分、投資家にとっては魅力的な投資先となります。そのため、会社は通常の社債よりも有利な条件で資金を調達することが可能となります。しかし、投資家は劣後債の高いリスクを十分に理解しておく必要があります。 発行会社の業績や財務状況などを慎重に見極め、投資するかどうかを判断することが重要です。
オプション取引

CDS入門:信用リスクを管理する金融商品

- CDSとはCDSとは、クレジット・デフォルト・スワップ(Credit Default Swap)の略称で、企業の倒産や債務不履行といった信用リスクを売買するための金融派生商品です。 CDS取引では、信用リスクの買い手と売り手が契約を結びます。例えば、A社が発行した債券を保有している投資家が、A社の経営状況が悪化して債務不履行に陥るリスクをヘッジしたいとします。この投資家は、CDSの買い手として、B金融機関と契約を結びます。この契約において、投資家はB金融機関に対して、あらかじめ決められた保険料を支払います。 もし、実際にA社が債務不履行を起こした場合、B金融機関は、投資家に対して、債券の損失を補填する義務を負います。逆に、A社が債務不履行を起こさずに、契約期間が満了した場合には、投資家は保険料を支払っただけで、B金融機関から支払いを受けることはありません。 このように、CDSは、買い手にとっては、信用リスクをヘッジする手段となり、売り手にとっては、保険料を得る代わりに、リスクを引き受けることになります。
株式投資

株式投資の基礎知識:前場と後場

株式投資を始めるにあたり、株式が売買できる時間帯である「株式市場の営業時間」は基本的な知識として押さえておく必要があります。 株式市場は、銀行や郵便局のように決まった時間帯にのみ開いており、証券取引所が開いている間だけ取引を行うことができます。 日本では、東京証券取引所が代表的な証券取引所として知られていますが、取引時間は大きく分けて午前と午後の2部構成となっています。午前は「前場」、午後は「後場」と呼ばれ、それぞれ決められた時間帯に売買が成立するように取引が行われています。 株式市場の営業時間は、証券会社を通して株式の売買注文を出せる時間帯のことでもあります。売買注文は、証券会社が投資家から受け付けた後、証券取引所に送られ、取引時間中に他の投資家の注文と照らし合わせて約定します。 そのため、株式投資を行う場合は、証券会社の営業時間はもちろんのこと、証券取引所の営業時間内に売買注文を出す必要があることを覚えておきましょう。