投資信託

投資信託選びの羅針盤!レーティングを徹底解説

- レーティングとは 投資信託を選ぶ際に、数ある商品の中からどれが良いのか迷ってしまうことはありませんか?そんな時、頼りになる指標の一つが「レーティング」です。 レーティングとは、簡単に言えば投資信託の「成績表」のようなものです。過去の運用実績が良いからといって、将来も必ずしも良い成績を残せるとは限りません。そこで、レーティングでは、過去の運用成績だけでなく、ファンドマネージャーの運用スキルや、投資対象としている企業や市場の分析、そして運用方針などが総合的に評価されます。 つまり、レーティングを見ることで、その投資信託がどの程度信頼できるのか、将来的な成長が期待できるのかをある程度予測することができるのです。 ただし、レーティングはあくまで過去のデータや分析に基づいた評価であることを忘れてはいけません。将来の市場環境や経済状況によって、投資信託の成績は変動する可能性があります。最終的な投資判断は、レーティングを参考にしながらも、ご自身の投資目標やリスク許容度などを考慮して行うようにしましょう。
その他

金融危機を招いたSIVとは?

- 仕組み化された投資機関(SIV)とはSIVは、多くの投資家から集めた資金を元手に、住宅ローンやクレジットカードローンなどを債権として証券化し、運用を行う金融機関です。集めた資金は、リスクとリターンを調整して設計された様々な金融商品に投資されます。そして、運用によって得られた利益は、投資家へと分配されます。従来の金融機関とは異なり、SIVは複雑な金融技術を用いて、リスクを細分化し、それぞれの投資家のニーズに合わせた商品を提供できる点が特徴です。例えば、ローリスク・ローリターンを求める投資家には、比較的安全な債権を組み合わせた商品を、ハイリスク・ハイリターンを求める投資家には、高い収益が見込めるが、その分リスクも高い債権を組み合わせた商品を提供します。しかし、SIVは、その複雑な仕組みゆえに、投資家にとってリスクを把握しにくいという側面も持っています。特に、サブプライムローン問題の際には、SIVが運用する金融商品にサブプライムローン関連の証券が含まれていたため、多額の損失が発生し、世界的な金融危機の引き金の一つとなりました。そのため、SIVへの投資を検討する際には、その仕組みやリスクを十分に理解しておくことが重要です。
経済の用語

経済の羅針盤:最終生産物の総取引額とは?

私たちの暮らしは、モノを作ったり、サービスを提供したり、お金をやり取りしたりと、経済活動の上に成り立っています。経済全体がどれくらい活発なのかを知ることは、私たちの生活にとっても重要です。そこで、経済活動の規模を示す指標として「最終生産物の総取引額」が使われています。 「最終生産物の総取引額」は、ある国で一定期間内に生産された、すべての最終的な財やサービスの市場価値の合計額です。つまり、ある国で1年間でどれだけの価値が生み出されたのか、その国の経済規模を測る重要な指標となります。 この指標は、経済の成長を測るのにも役立ちます。例えば、ある年の「最終生産物の総取引額」が前の年よりも増加していれば、その国の経済は成長していると判断できます。逆に、減少していれば、経済は縮小していると考えられます。 「最終生産物の総取引額」は、経済の現状を把握し、今後の見通しを立てるために欠かせない指標です。この指標を理解することで、私たちは経済の動きをより深く理解し、日々の生活や将来の計画に役立てることができます。
その他

外貨預金とカストディアンの関係

- 外貨預金とは 外貨預金とは、普段私たちが利用している円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルや、ヨーロッパ諸国で使われているユーロなど、外国のお金で預金をすることができる金融商品です。 外貨預金の魅力は、円預金に比べて高い金利が設定されていることが多い点です。預けたお金が増えるスピードが円預金よりも速くなる可能性があります。また、為替レートの変動によっては、預けた時よりも円に戻す際に多くの円を受け取ることができ、為替差益を得られる可能性もあります。 しかし、外貨預金にはリスクも存在します。為替レートは常に変動しており、預けた時よりも円安になると、円に戻す際に受け取れる円の金額が減ってしまい、元本割れを起こす可能性があります。外貨預金は、預けたお金が増える可能性がある一方で、減ってしまう可能性もあることを理解しておく必要があります。
経済の用語

ルーブル合意:為替安定への模索

1987年2月、フランスのパリにあるルーブル宮殿に、世界経済を牽引する先進7カ国(G7)の財務大臣と中央銀行総裁が集結しました。彼らの目的は、世界経済の安定化という共通の目標を達成するためでした。そして、この会議で締結されたのが、後に「ルーブル合意」と称されることになる歴史的な合意です。 当時の世界経済は、1985年のプラザ合意後の急激なドル安によって、為替市場が大きく変動し、世界経済の不確実性が高まっているという状況にありました。この不安定な状況を打開するために、G7は協調して為替レートの安定化を図る必要性を認識していたのです。 ルーブル合意では、各国が協調して為替介入を行うこと、そして、各国が自国の経済政策を調整し、世界経済の安定に貢献することが約束されました。具体的な政策としては、財政政策や金融政策の調整などが挙げられます。この合意は、各国が自国の利益だけでなく、世界経済全体の安定を重視した行動をとるという、国際協調の精神に基づいた画期的なものでした。
その他

適格機関投資家等特例業者とは?

お金の世界において、投資家を守るためのルールは必要不可欠です。しかしながら、厳格すぎるルールは、新しい事業や資金調達の機会を閉ざしてしまう可能性も孕んでいます。 そこで、投資家保護と資金調達の柔軟性を両立させるために「適格機関投資家等特例業者」という制度が設けられています。 この制度は、一定の知識や経験、資産規模を持つプロ投資家のみを対象とすることで、規制を緩和し、より自由度の高い投資を可能にするものです。これにより、ベンチャー企業など、従来の金融機関からの融資が難しいとされてきた企業も、資金調達の道が開け、新たな事業展開や成長を促進することができます。 一方で、この制度は、プロ投資家以外の一般投資家には適用されません。そのため、一般投資家は、リスクの高い投資に巻き込まれないよう、自身のリスク許容度や投資目的を十分に理解した上で、投資判断を行う必要があります。 投資家保護と資金調達のバランスは、経済の活性化にとって重要な課題です。「適格機関投資家等特例業者」制度は、そのバランスを図る上での有効な手段の一つと言えるでしょう。
経済の用語

経済の基礎指標:最終生産額とは?

私たちの暮らしは、様々な経済活動によって成り立っています。経済活動は、衣食住をはじめとする様々な財やサービスを生み出し、私たちの生活を豊かにしています。 では、この経済活動の成果は、どのように測ればよいのでしょうか。経済活動の成果を測る指標の一つに、「最終生産額」があります。 最終生産額とは、私たち消費者が最終的に購入して消費する財やサービスの生産額を合計したものです。 例えば、パン屋さんが美味しいパンを作るために、小麦粉やバター、砂糖などの材料を購入し、パンを製造し、私たちがそのパンを購入するとします。この場合、最終生産額に計上されるのは、私たちが購入したパンの価格です。小麦粉やバター、砂糖などの価格は、すでにパンの価格に含まれているため、二重計上を避けるために最終生産額には含まれません。 このように、最終生産額は、私たちが実際に消費する財やサービスの価値を合計することで計算されます。経済活動によって、私たちの生活がどれだけ豊かになったのかを知る上で、重要な指標と言えるでしょう。
経済の用語

経済の主役!最終需要を理解しよう

経済活動において、私たちがモノやサービスを購入し、利用する最終的な段階を表す「最終需要」は、経済の動きを理解する上で欠かせない重要な指標です。 最終需要は、具体的には「消費」、「投資」、「輸出」の3つの要素で構成されます。 まず「消費」は、私たちが日々の生活の中で洋服や食品などを購入することを指します。毎日の食事や日用品の購入、休日の旅行やレジャーなど、私たちの暮らしに必要なモノやサービスに対する需要が、経済活動の基盤となっています。 次に「投資」は、企業が工場や設備を新たに建設したり、機械や車両を導入したりすることを指します。企業は、より多くの製品を生産したり、より質の高いサービスを提供したりするために、積極的に投資を行います。この投資活動が、経済成長や雇用創出に繋がっていくのです。 そして「輸出」は、国内で生産されたモノやサービスを海外へ販売することを指します。自動車や家電製品、アニメやゲームといったコンテンツなど、世界で需要のある製品やサービスを輸出することで、国全体が豊かになっていきます。 このように、最終需要は私たちの消費活動から企業の投資活動、そして国際的な貿易まで、経済活動のあらゆる側面に関わる重要な概念なのです。
その他

適格機関投資家とその役割

- 適格機関投資家とは金融の世界では、誰もが同じように投資できるわけではありません。 特に、複雑な金融商品やリスクの高い投資案件に投資できるのは、専門知識や豊富な経験を持つ一部の投資家だけです。彼らを「適格機関投資家」と呼びます。金融商品取引法では、適格機関投資家を「有価証券への投資に関する高度な知識と豊富な経験を持つと認められる投資家」と定義しています。具体的には、銀行や保険会社などの金融機関、投資助言や資産運用を専門に行う投資運用業者、そして、一定規模以上の会社などが該当します。では、なぜこのような制度があるのでしょうか? それは、金融市場の安定と投資家保護のためです。複雑な金融商品は、仕組みやリスクを理解していないと思わぬ損失を被る可能性があります。そのため、専門知識を持った投資家に限定することで、市場の混乱を防ぎ、投資家を保護しようというわけです。適格機関投資家は、金融のプロフェッショナルとして、より専門的な知識や情報に基づいた投資判断を行うことが期待されています。彼らが市場で重要な役割を担っていることは間違いありません。
その他

わかりやすく解説!最終給与比例方式とは?

- はじめに老後の生活設計において、公的年金だけに頼らず、自分自身で将来に備えた資金準備が欠かせない時代となりました。企業年金制度は、まさにそのための有効な手段の一つと言えるでしょう。数ある企業年金制度の中でも、今回は「最終給与比例方式」について詳しく解説していきます。この制度は、退職時の給与額に応じて受け取れる年金額が決まるため、長年勤務し、高い給与を得てきた人ほど、より多くの年金を受け取れるという特徴があります。具体的には、退職前の一定期間の平均給与を基に、勤務年数に応じた支給率をかけて年金額を算出します。例えば、30年間勤務し、平均給与が50万円、支給率が2%だった場合、年間300万円の年金を受け取ることができます。しかし、この制度は、将来の給与や支給率が確定しているわけではないという点に注意が必要です。企業の業績悪化などにより、給与が減額されたり、支給率が見直される可能性もゼロではありません。そのため、最終給与比例方式だけに頼るのではなく、他の貯蓄方法と組み合わせるなど、リスク分散を意識した資金計画を立てることが大切です。
税制

資産運用を海外へ?適格外国仲介業者とは

近年、日本の投資家の間では、資産を国内だけでなく、海外にも分散して投資することの重要性が認識されてきています。それに伴い、海外の株式や債券といった金融商品への関心も高まっています。 海外の金融商品に投資する場合、証券会社や銀行といった金融機関を利用するのが一般的ですが、海外の金融機関と取引を行う際には、「適格外国仲介業者」という存在が重要な役割を担います。 適格外国仲介業者とは、海外の金融機関を代理して、顧客である投資家との間で、口座開設や取引の手続き、取引に関する情報の提供などを行う業者です。日本の投資家が海外の金融商品に投資する際、通常は日本の金融機関を通じて取引を行いますが、その背後では適格外国仲介業者が海外の金融機関との橋渡しをしているケースが多く見られます。 適格外国仲介業者は、海外の金融機関に関する専門知識や経験が豊富であり、投資家に対して、海外投資に関する様々な情報提供やアドバイスを行うこともできます。また、言語の壁や文化の違いを克服し、円滑な取引を実現する上でも重要な役割を果たしています。 海外投資を行う際には、適格外国仲介業者の存在とその役割について理解しておくことが大切です。
経済の用語

再調達原価とは?

- 再調達原価とは? 商品や製品を新しく買い直したり、作り直したりする場合、当然ながら費用が発生します。 この費用こそが「再調達原価」と呼ばれるもので、文字通り、再び調達する場合にかかる費用を指します。 例えば、家具を作っている会社を考えてみましょう。 この会社が木材を仕入れて、椅子を作るとします。 木材の仕入れ値はもちろんのこと、工場までの送料や木材を加工する人材の人件費なども再調達原価に含まれます。 また、洋服を販売しているお店の場合、販売している洋服を仕入れるための費用が再調達原価となります。 この場合、洋服の仕入れ値だけでなく、お店までの送料や、仕入れた洋服を保管しておくための倉庫の賃料なども含まれることがあります。 このように、再調達原価は、単に商品そのものの価格だけでなく、商品を再び調達するために必要なあらゆる費用を含むため、企業の経営において非常に重要な要素となります。
株式投資

適格外国金融商品市場とは?

- 適格外国金融商品市場の概要日本の投資家が、海外の金融商品に投資する場合、その取引が行われる市場が、日本の法律に基づいて適切に規制されているかどうかは、重要な検討事項です。なぜなら、市場の規制が不十分な場合、投資家保護の観点から、思わぬリスクにさらされる可能性があるからです。そこで、日本の金融商品取引法では、「適格外国金融商品市場」という制度を設けています。これは、日本の投資家保護の観点から、一定の水準を満たしていると認められた外国の金融商品市場のことを指します。具体的には、証券取引所や、証券会社が顧客の注文を取引する店頭市場などが、この制度の対象となります。これらの市場は、日本の金融庁や証券取引等監視委員会といった監督機関によって、厳正に審査されます。審査では、市場の開示体制や、取引の公正性を確保するためのルールなどが、日本の基準に照らして十分かどうかが評価されます。そして、審査の結果、適格と認められた市場が、「適格外国金融商品市場」として、金融庁の告示において指定されます。この制度は、日本の投資家が、海外の金融商品に投資する際の安心感を高める上で、重要な役割を担っています。
債券投資

資産運用としての抵当証券

- 抵当証券とは抵当証券とは、住宅ローンを借りた人が、毎月返済するお金をまとめて、投資家などお金を持っている人が購入できる商品にしたものです。住宅ローンは、人によって借りている金額や金利、返済期間などがバラバラです。このバラバラな住宅ローンをたくさん集めて、大きなひとつの塊にすることを「証券化」と言います。そして、証券化されたものが「抵当証券」です。抵当証券は、多くの住宅ローンをまとめて作られているため、投資家にとっては、様々な条件の住宅ローンに一度に投資できるというメリットがあります。また、株式のように市場で売買できるため、換金性も高いという特徴があります。投資家は、この抵当証券を買うことで、間接的に住宅ローンにお金を貸していることになります。そして、住宅ローンの借り手が毎月返済するお金の中から、利息を受け取ることができます。ただし、抵当証券への投資には、住宅ローンの金利変動リスクや、借り手が返済できなくなるリスクなど、いくつかのリスクも存在します。投資する前には、これらのリスクをよく理解しておくことが重要です。
その他

もういいと言ったらダメ?金融商品の再勧誘

- 金融商品と勧誘 家や車を購入する際には、現物を見たり触れたりして、機能や価格を比較検討できます。しかし、金融商品は形のない、いわば「目に見えない商品」です。そのため、その仕組みやリスクを正しく理解することが容易ではありません。 銀行や証券会社などの金融機関では、お客様の資産運用や資産形成を支援するために、投資信託、保険、デリバティブ取引など、様々な金融商品を取り扱っています。そして、お客様のニーズや状況に合わせて、これらの商品を提案することがあります。これが「勧誘」です。 金融機関の担当者による勧誘は、お客様にとって、自身に合った金融商品を選び、資産運用を始める貴重な機会となります。しかし、勧められるままに契約してしまうと、リスクや複雑な条件を十分に理解しないまま、自分にとって最適ではない商品を選んでしまう可能性も潜んでいます。 金融商品を選ぶ際には、その商品の仕組み、メリットだけでなくリスク、手数料などのコストをしっかりと理解することが重要です。また、複数の商品を比較検討し、疑問点があれば、納得いくまで担当者に質問することが大切です。
株式投資

株価チャートの抵抗線とは?

- 抵抗線とは 株価チャートを分析する際、過去の値動きから将来の価格変動を予測することはよく行われます。その中で、「抵抗線」と呼ばれる線が重要な役割を果たします。 抵抗線とは、株価が上昇しにくくなる価格帯を指します。チャート上では、まるで天井のように機能し、株価がその価格帯に達すると上昇が阻害される、あるいは反落する傾向が見られます。 過去の値動きにおいて、特定の価格帯で売りが増えたり、利益確定の売りが集中したりすることで、その価格帯が心理的な抵抗帯となることがあります。投資家は、過去の経験から、その価格帯に達すると再び売りが増えるのではないかと予測し、買い控えたり、保有株を売却したりする行動をとるため、結果として株価の上昇が抑えられるのです。 抵抗線は、必ずしも絶対的なものではありません。市場の状況や企業の業績など、様々な要因によって突破されることもあります。しかし、抵抗線の存在を意識することで、投資判断の材料となり、より慎重で計画的な投資行動をとることができるようになるでしょう。
経済の用語

お金を貸す時に知っておきたい「債務不履行リスク」

お金は、誰かに貸せば必ず返ってくると考えるのは、当然のことかもしれません。しかし、現実の世界では、常に思い通りにいくとは限りません。お金を貸した相手が、約束通りにお金を返済できない、あるいは返済が遅れてしまう、という問題は、私たちが思っている以上に多く発生しています。このような事態を「債務不履行」と呼びますが、これはお金を貸す側にとって、大きな損失に繋がるリスクをはらんでいます。お金を貸す際には、まず「貸したお金が返ってこないかもしれない」という可能性をしっかりと認識しておくことが重要です。 もちろん、お金を貸す相手が、信頼できる友人や家族である場合、返済が滞る可能性は低いと考えるかもしれません。しかし、どんなに親しい間柄であっても、予測できない事情によって状況は変化する可能性があります。病気や事故、失業といった予期せぬ出来事が起こり、返済が困難になってしまうことも考えられます。 お金を貸す際には、たとえ親しい間柄であっても、安易に決断するのではなく、返済計画や万が一の場合の対応などについて、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。また、状況によっては、無理にお金を貸さずに断る勇気も必要です。
株式投資

底値って?投資の基礎知識

投資の世界で飛び交う専門用語の一つに「底値」という言葉があります。これは、ある一定期間において、株価が最も安い価格のことを指します。投資初心者にとって、この「底値」は非常に魅力的に映る言葉と言えるでしょう。なぜなら、もしもこの底値で株を購入することができれば、その後の株価上昇に伴い、大きな利益を得られる可能性を秘めているからです。しかしながら、変動を続ける株価の中で、この底値を正確に予測することは、プロの投資家でも至難の業と言えます。 底値は、株価が下落し切った後に初めて確認できるものであり、それがまさに底値であると断言することはできません。底値だと考えて購入した株が、その後さらに下落してしまう可能性も十分に考えられるのです。このような状況から、投資の世界では「落ちてくるナイフを掴むな」という言葉が生まれました。これは、下落中の株価に飛びついて安易に購入する危険性を表した格言です。底値で株を購入できれば大きな利益に繋がりますが、その反面、底値を見誤ることで大きな損失を被るリスクも孕んでいることを忘れてはなりません。
経済の用語

債務不履行とは?責任と種類を解説

- 債務不履行の概要債務不履行とは、当事者間で交わされた契約において、債務を負う側(債務者)が、正当な理由なくその債務を果たせない状態を指します。これは、単に支払いが滞っている状態だけを指すのではなく、契約内容に沿った履行が不可能な状況や、履行はしたものの契約内容に違反している場合なども含まれます。 債務不履行は、特別なものではなく、私たちの日常生活でも発生する可能性があります。例えば、通販で商品を購入したにも関わらず、販売者が期日までに商品を発送しないケースや、住宅の建築工事において、工事業者が約束した期日までに工事を完了できないケースなどが挙げられます。また、金銭の貸し借りにおいても、借りた側が期日までに返済を行わない場合も債務不履行に該当します。 債務不履行が発生した場合、債権者は債務者に対して、債務の履行を請求する権利を持ちます。具体的には、商品を発送するように請求したり、工事を完了するように要求したりすることができます。また、状況によっては、債務不履行によって発生した損害に対する賠償を請求することも可能です。 債務不履行は、当事者間の信頼関係を損ない、経済的な損失をもたらす可能性もあるため、契約を締結する際には、契約内容を明確化し、双方が合意した上で契約を締結することが重要です。
指標

投資信託選びに必須!定量評価とは?

お金を増やすために投資信託を利用する方が増えています。投資信託を選ぶ際に、どの投資信託を選ぶかは大切ですが、実は、どの運用機関を選ぶかという点も同じくらい、場合によってはそれ以上に大切です。運用機関とは、投資信託を実際に運用している会社のことです。 同じような投資対象を扱っていても、運用機関によって運用成績が大きく変わる可能性があります。それは、運用機関によって運用方針や戦略、そして運用する担当者のスキルが異なるからです。 例えば、同じような名前の投資信託であっても、A社は成長が見込める企業に積極的に投資する方針なのに対し、B社は安定して利益を出し続ける企業に投資する方針かもしれません。また、日々の市場の動きに対して、A社は頻繁に売買を行う戦略をとる一方、B社は長期的な視点で売買をほとんど行わない戦略をとるかもしれません。さらに、担当者の経験や知識の違いによっても、運用成績に差が出ることもあります。 このように、運用機関によって投資信託の運用成績は大きく変わる可能性があるため、どの運用機関を選ぶかは非常に重要です。投資信託を選ぶ際には、運用機関の過去の実績や運用方針、運用体制などをよく調べてから判断するようにしましょう。
経済の用語

企業再生の切り札?債権放棄を解説

- 債権放棄とは債権放棄とは、企業が抱えている借金について、お金を貸している側がその返済を求める権利を放棄することを指します。これは、経営が傾き、返済が困難になった企業に対して行われることが一般的で、企業の再生を助けるための手段の一つとして用いられます。債権放棄が行われると、企業は借金の返済という重圧から解放され、経営を立て直すことに集中できるようになります。例えば、多額の借金を抱え、倒産の危機に瀕している企業があるとします。この企業に対して、お金を貸している銀行が債権放棄という形で支援を行うことがあります。具体的には、融資額の一部、あるいは全部を返済しなくても良いとすることで、企業の財務状態を改善し、再建を後押しするのです。債権放棄は、企業にとっては経営再建の大きなチャンスとなる一方で、債権者にとっては貸したお金の一部または全部を失うことを意味します。そのため、債権放棄を行うかどうかは、企業の将来性や、債権放棄による影響などを慎重に検討した上で決定されます。
株式投資

積立投資の強力な味方:定量購入法のススメ

- 定量購入法とは定量購入法とは、毎月のように時間を決めて、価格に関係なく、一定の金額で金融商品を購入する方法です。例えば、毎月10万円分の投資信託を買うと決めたとします。基準価額が1万円の場合は10口購入することになりますが、基準価額が5,000円に下がった場合は20口購入することになります。このように、定量購入法では、あらかじめ決めた金額を投資し続けるため、基準価額が低い時には多くの口数を、高い時には少ない口数を購入することになります。この投資方法のメリットは、価格変動を利用して、購入単価を抑えられる点にあります。価格が安い時に多く買い、価格が高い時には少なく買うことで、結果的に購入単価を平準化することができます。この効果を「ドルコスト平均法」と呼ぶこともあります。株式投資などでは、常に底値や天井値を見極めて売買するのは至難の業です。定量購入法であれば、価格の変動に一喜一憂することなく、機械的に投資を継続できます。また、感情に左右されずに投資を続けることができるため、投資初心者が長期投資を行うための有効な方法の一つと言えるでしょう。
経済の用語

債権者平等の原則とは?

- 債権者平等の原則の概要 企業は、事業を行う上で、銀行からの借り入れや社債の発行など、様々な形で資金調達を行います。しかし、経済状況の変化や経営の失敗などによって、企業が当初の予定通りに事業を継続することが困難になり、負債を返済することができなくなる場合があります。このような状態を「倒産」と呼びます。 倒産した場合、当然ながら、すべての債権者に対して、その全額を弁済することができなくなります。このような場合に、どの債権者が優先的に弁済を受けられるのか、という問題が生じます。この問題を解決するのが「債権者平等の原則」です。 債権者平等の原則とは、特別な事情がない限り、すべての債権者が、その債権額に応じて、平等な割合で弁済を受けられるという原則です。例えば、A社の負債総額が100億円、資産総額が50億円だったとします。この場合、A社は債務超過に陥っており、すべての債権者に全額を返済することができません。このとき、債権者平等の原則に基づけば、1億円の債権を持つBさんは、5,000万円の弁済を受けることができます。同様に、5,000万円の債権を持つCさんは、2,500万円の弁済を受けることができます。 債権者平等の原則は、民法に明記されていません。しかし、裁判例や法理論によって確立された重要な考え方であり、日本の倒産法の基本原則の一つとなっています。
税制

将来への備えをスムーズに:定率償却のススメ

- 企業年金と過去勤務債務 企業が従業員のために導入している年金制度には、将来の年金支給のために毎月コツコツ積み立てていく方法と、退職時にまとめて支給額を決める方法があります。前者を「確定拠出年金」、後者を「確定給付年金」と呼び、特に確定給付年金において従業員が会社に勤め始めた時点から退職するまでの期間に、将来受け取る年金額を積み立てていくことは非常に重要です。 従業員は、会社で長年働き続けることで、会社の成長に貢献しています。会社は、従業員の頑張りに対して、給与という形で報酬を支払っていますが、それ以外にも、老後の生活資金を支える年金を準備することで、従業員の将来にわたる安心を保障する責任があります。特に、長年会社に貢献してきた勤続年数の長い従業員に対しては、それに見合った年金額を準備する必要があります。 しかしながら、過去においては、年金制度の設計上、将来の年金支給額を十分に積み立ててこなかったケースも見受けられます。このような場合、本来積み立てておくべきだった過去の不足部分を「過去勤務債務」と呼びます。過去勤務債務の存在は、将来の年金支給に影響を与える可能性があるため、企業は、現在の従業員に対する将来の年金支給を確実にするため、そして企業の健全な経営を維持するためにも、計画的に過去勤務債務を解消していく必要があります。