企業買収の戦略:TOBとは?
- 企業買収の手段TOB
株式を公開し、市場で取引されている企業を買収する方法の一つにTOBがあります。TOBとは、「株式公開買付」の略で、買収を希望する企業が、証券取引所を経由せずに、対象となる企業の株式を、市場価格よりも高い価格で、株主から直接買い集めることを指します。
通常、企業買収といえば、買収側が対象企業の株を市場で買い集めるイメージがありますが、TOBでは、買収を希望する企業は、買収したい企業の株主に対して、「いつからいつまでの間、1株あたりいくらで買い取ります」という提案を行います。この提案は、対象企業の株主全員に対して行われ、株主はその提案内容に基づいて、自分の保有する株を売却するかどうかを判断します。
TOBを実施する期間はあらかじめ決められており、その期間中に株主は自由に売却の判断ができます。そして、提案された価格で株を売却したい株主だけが、買収を希望する企業に株を売却することになります。TOBは、市場を通さずに株主から直接株式を取得するため、買収を希望する企業にとって、短期間で効率的に株式を取得できるメリットがあります。