株式投資

リーブオーダーとは?仕組みと活用法を解説

- リーブオーダーの基本 株式投資を始めるにあたって、売買の注文方法について学ぶことは非常に大切です。様々な注文方法の中でも、「リーブオーダー」は、効率的に取引を進める上で非常に便利な機能と言えるでしょう。 リーブオーダーとは、事前に売買する価格や条件を設定しておく注文方法のことです。例えば、あなたがA社の株を1,000円で購入したいと考えているとします。この時、リーブオーダーを利用すれば、A社の株価が1,000円になった瞬間に、自動的に買い注文が執行されます。 これは、日中仕事などで常に相場を見守ることが難しい投資家にとって大きなメリットと言えるでしょう。リーブオーダーを設定しておけば、あなたが相場状況を確認していなくても、設定した条件に従って自動的に売買が行われます。 一方で、リーブオーダーは、意図したタイミングで注文が執行されない可能性も考慮する必要があります。例えば、A社の株価が一時的に1,000円に達したものの、その後すぐに値下がりしてしまった場合、不利な価格で購入してしまう可能性もあります。 このように、リーブオーダーは利便性の高い注文方法である一方、リスクを十分に理解した上で利用することが重要です。
NISA

老後資金準備の鍵!通算加入者等期間とは?

老後の生活資金を準備することは、将来の安心を確保するために非常に重要です。そのための有効な手段の一つとして、「確定拠出年金」という制度があります。 確定拠出年金は、毎月一定額の掛金を積み立て、自ら選んだ運用方法で資金を増やしていくというものです。従来型の年金とは異なり、運用成果によって将来受け取れる金額が変わることが特徴です。 確定拠出年金には、大きく分けて2つの種類があります。会社員や公務員が加入する「企業型確定拠出年金」と、自営業者や企業年金のない会社員が加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」です。どちらも、掛金が所得控除の対象となるため、節税効果も期待できます。 運用方法としては、国内外の株式や債券、投資信託など、様々な選択肢から選ぶことができます。リスク許容度やライフプランに合わせて、自身で運用方法を決定できることが、確定拠出年金の大きなメリットと言えるでしょう。 老後資金の準備は、早いうちから始めることが大切です。確定拠出年金の仕組みを理解し、将来設計に役立てていきましょう。
指標

企業分析の基礎指標!ROAを理解しよう

- ROAとは 「ROA」は「Return On Assets」の略称で、日本語では「総資産利益率」と表されます。企業活動において、事業に使用している全ての資産をどれだけ効率的に活用し、利益を生み出しているかを示す指標です。 ROAは、企業の収益性を測る上で非常に重要な指標の一つとされており、投資家や金融機関が融資判断を行う際などに、企業の財務健全性を評価するために活用されています。 ROAは、以下の計算式で算出されます。 > -ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100- 例えば、当期純利益が100万円、総資産が500万円の企業の場合、ROAは20%となります。 ROAが高いほど、企業は少ない資産で多くの利益を生み出していることを意味し、効率的に事業を行っていると考えられます。反対に、ROAが低い場合は、資産を十分に活用できていない可能性があり、経営改善の必要があるかもしれません。 ROAは、同じ業界の企業間で比較したり、過去の自社の数値と比較したりすることで、より意味を持つ指標となります。 ROAはあくまでも一つの指標に過ぎず、企業の財務状況を総合的に判断するためには、他の指標と合わせて分析することが重要です。
経済の用語

ランダムウォーク:予測不能な市場の動き

- 効率的な市場とランダムウォーク株や債券といった証券の値動きは、多くの投資家にとって最大の関心事です。もしも将来の価格が分かれば、誰もが大きな利益を得られるでしょう。しかし、経済学の理論には、効率的市場仮説という考え方があります。これは、市場には常に最新の状況が反映されており、証券の価格は常に適切な水準になっているというものです。この考え方に基づくと、過去の値動きや現在の市場の傾向から将来の価格を予想することはできません。なぜなら、新しい情報は予測できないタイミングで発生し、それがすぐに価格に織り込まれるからです。まるで、どちらに進むか分からない人が、でたらめに歩く姿を想像してみてください。このような価格の動き方をランダムウォークと呼びます。例えば、ある企業の業績が予想を上回るという良いニュースがあったとします。効率的市場仮説に従えば、この情報はすぐに株価に反映され、株価は上昇します。しかし、この上昇は予測不可能なタイミングで起こるため、事前に情報を得て利益を得ることはできません。つまり、効率的市場仮説が正しいとすると、どんなに高度な分析を行っても、常に市場平均を上回る利益を出し続けることは難しいということになります。ランダムウォークは、投資家にとって重要な教訓を与えてくれます。それは、将来の価格を予測することに労力を費やすよりも、分散投資など、リスクを適切に管理することに注力すべきだということです。
債券投資

債券投資の安定化策:値洗いの重要性

- 債券貸借取引における値洗いとは債券貸借取引とは、主に機関投資家などが保有する債券を、一時的に貸し出す側と借りる側に分かれて行う取引です。貸し出す側は保有する債券を有効活用して収益を得ることができ、借りる側は必要な債券を一時的に調達して、空売りなどの取引に活用することができます。 この取引では、貸し出す側は債券を返却してもらうための担保として、借り手から現金を受け取ります。しかし、取引期間中に貸し出した債券の価格が変動すると、担保として預かっている現金の価値も変動してしまいます。例えば、債券の価格が値上がりした場合、担保の現金だけでは債券を買い戻すことができなくなる可能性があります。 そこで、取引期間中に債券価格の変動に応じて担保金の額を調整する「値洗い」という仕組みが導入されています。値洗いでは、あらかじめ定められた頻度(例えば、毎日)で債券の時価を評価し、担保金が不足している場合は借り手が追加で差し入れ、逆に過剰になっている場合は貸し手が借り手に返金します。 この値洗いという仕組みは、債券の貸し手と借り手の双方が、市場価格の変動リスクを負わないようにするために重要な役割を果たしています。これにより、貸し手は安心して債券を貸し出すことができ、借り手も必要な時に必要な債券を調達することができます。
経済の用語

ユーロ圏:通貨統合がもたらすメリットと課題

- 通貨統合参加国とは 通貨統合参加国とは、ユーロという共通通貨を使用している国々のことを指します。ヨーロッパの国々で構成されるヨーロッパ連合(EU)に加盟し、通貨としてユーロを導入している国々が中心となります。 ユーロを使用することで、これらの国々はヨーロッパ経済通貨同盟(EMU)という仕組みに基づき、経済的な結びつきを強めています。これは、単一の通貨と共通の金融政策によって、ヨーロッパ全体の経済をより発展させようという取り組みです。 ユーロ圏の参加国は、共通の金融政策に沿って、それぞれの国の経済状況に合わせて調整を行いながら、経済活動を進めています。例えば、物価の変動や経済成長の度合いを、ユーロ圏全体で協力して調整しています。 ユーロを導入することで、国境を越えた貿易や投資が活発化し、域内経済の活性化と成長を促す効果も期待できます。また、為替レートの変動リスクがなくなるため、企業はより安定した経済活動を行うことができるようになります。
指標

ラスパイレス指数とは?

- ラスパイレス指数の基礎知識ラスパイレス指数は、経済学や統計学の分野で、物価の変動を把握するために使われる指標です。私たちの生活において身近な、ガソリンや食料品といった様々な商品の値段が、時間の経過とともにどのように変化したかを調べる際に役立ちます。この指数を理解する上で重要なのは、基準となる年を決めることです。例えば、2020年を基準年とした場合、その年に人々がどの様な商品を、どのくらいの量だけ購入していたかを調査します。そして、その購入量を固定したまま、現在の価格で同じ商品を購入するとしたらいくらかかるのかを計算します。もし、現在の価格で同じ量の商品を購入するのに、基準年の時よりも多くの費用がかかる場合は、物価が上昇したと判断できます。逆に、基準年の時よりも少ない費用で済む場合は、物価が低下したということになります。ラスパイレス指数は、このように基準年の消費量を固定することで、物価の上昇や低下を明確に示すことができます。この分かりやすさが、経済の動向を分析する上で重要な指標として、ラスパイレス指数が広く用いられている理由の一つです。
債券投資

住宅ローン担保証券(RMBS)とは

- RMBSの概要RMBSは、Residential Mortgage Backed Securitiesの略で、日本語では住宅ローン担保証券と呼ばれます。住宅ローンを融資している銀行などの金融機関は、その住宅ローンの返済請求権をまとめて証券化し、投資家に販売しています。この証券化された商品がRMBSです。 投資家は、RMBSを購入することで、住宅ローンへの投資と同様の効果を得ることができ、その見返りとして、住宅ローン借入者から支払われる金利と元本を受け取ることができます。RMBSは、発行する証券の構造によって、元本や利子の受け取り方が異なります。 RMBSは、住宅ローンの金利変動リスクや債務不履行リスクなどを分散できるというメリットがある一方、住宅市場の変動に影響を受けるというリスクも抱えています。そのため、投資家は、RMBSへの投資を検討する際には、これらのリスクを十分に理解しておく必要があります。
FX

外貨預金とオプション・トリガー

外貨預金は、円預金よりも高い金利が見込めるという魅力的な側面を持つ一方、為替レートの変動によっては、預け入れた元本を割り込んでしまうリスクも孕んでいます。そこで、そのリスクを軽減し、同時に利益獲得を目指す方法として、オプション取引を組み合わせるという手段があります。 オプション取引とは、将来のある特定の期日に、事前に決めておいた為替レートで、通貨を売買する権利を取引することを指します。例えば、1ドル=100円の時に、1ドル=105円で売る権利を買っておけば、将来、円安が進み1ドル=110円になった場合でも、1ドル=105円で売却することができます。この権利のことを「オプション」と呼び、オプションを購入することを「買い」、売却することを「売り」と言います。 オプション取引を活用することで、為替レートの変動リスクを抑制しながら、円高局面でも利益を狙うことが可能になります。ただし、オプション取引は、為替レートの予測が難しく、元本を超える損失が出る可能性もあるため注意が必要です。 外貨預金とオプション取引を組み合わせる際には、リスクとリターンのバランスを十分に理解した上で、ご自身の投資経験やリスク許容度に合わせた投資を行うようにしましょう。
経済の用語

通貨当局の役割と機能

- 通貨当局とは通貨当局とは、国の経済を安定させるために、お金の価値や金融システム全体を見守る役割を担う機関のことです。国の経済にとって、お金の価値が大きく変動したり、銀行などの金融機関が不安定な状態になることは大きな問題です。そこで、通貨当局が様々な政策や活動を通して、経済の安定に貢献しています。日本では、財務省と日本銀行がこの通貨当局の役割を担っています。財務省は、国の予算や税金に関する業務を行う機関ですが、お金の発行や管理なども担当しています。一方、日本銀行は、銀行の銀行として、銀行にお金を貸し出したり、預金を受け入れたりする業務を行っています。これら二つの機関は、それぞれの役割を通じて、日本の経済が安定して発展していくように協力しています。具体的には、物価の変動を抑えたり、景気を調整したりするために、様々な政策を行っています。例えば、物価が上がりすぎないように、金利を調整したり、必要に応じて市場に介入して、お金の量を調整したりします。このように、通貨当局は、普段私たちが目にすることは少ないですが、経済を支える重要な役割を担っています。
債券投資

債券投資の選択権料を理解する

- 債券の選択権料とは債券投資の世界では、投資家にある種の権利を付与した「選択権付債券」という商品が存在します。この選択権は、将来の市場環境の変化に応じて投資家が有利に立ち回れる可能性を秘めていますが、当然ながら、発行体と投資家の間で何の対価もなく提供されるわけではありません。投資家がこうした権利を得るために支払う対価のことを「選択権料」と呼びます。これは、発行体が投資家に選択権を与える代わりに受け取るプレミアムのようなものであり、債券価格に上乗せされる形で取引されます。では、具体的にどのような権利に対して選択権料が発生するのでしょうか?代表的な例としては、「繰り上げ償還権」と「プットオプション」が挙げられます。繰り上げ償還権は、発行体が将来、あらかじめ定められた価格で債券を買い戻せる権利です。一般的に市場金利が低下した場合に、発行体がより低い金利で資金調達をやり直すためにこの権利を行使します。一方、プットオプションは投資家側が、あらかじめ定められた価格で債券を発行体へ売却できる権利です。こちらは市場金利が上昇し、債券価格が下落した場合に投資家が損失を限定するために利用されます。このように、選択権料は投資家と発行体のどちらか一方に有利に働く可能性を秘めた権利に対する対価として発生します。投資家としては、選択権料を支払うだけの価値があるかどうか、将来の市場動向を見据えながら慎重に判断する必要があります。
経済の用語

国際貿易の舞台裏:ラウンドとは?

世界は広がり、国と国はまるで隣人同士のように頻繁に物のやり取りをするようになりました。それぞれの国が得意な物を作り、それを必要な国に届ける。そうすることで、お互いの国が豊かになることを目指しているのです。これを国際貿易と呼びます。 しかし、この国際貿易を円滑に進めるためには、いくつかのルールが必要です。例えば、ある国から物を輸入する際にかかる税金や、物の品質、安全基準など、様々なルールを国同士で決めておく必要があるのです。 そこで重要な役割を担うのが「ラウンド」と呼ばれる会議です。世界貿易機関(WTO)に加盟している国々が一堂に会し、貿易に関する様々なルールについて話し合い、合意を目指す場です。 「ラウンド」は、まるで大きな舞台役者のようです。それぞれの国が自国の利益のために、時に激しく主張をぶつけ合い、妥協点を探りながら交渉を進めていきます。そして、長い時間をかけて、貿易をより自由で、公平なものにしていくための新しいルールが生まれていくのです。まるで、多くの人の想いが詰まった脚本を基に、素晴らしい舞台を作り上げていくかのようです。
FX

通貨先物取引でリスクヘッジ!

- 通貨先物取引とは通貨先物取引は、将来のある時点の為替レートを予め決めておき、そのレートで特定の通貨を売買する契約を指します。これは、まるで将来の為替レートを「予約」しておくようなものです。例えば、旅行や輸入などで将来、円をドルに交換する必要があるとします。このとき、円安が進むと、同じ量の円でも交換できるドルが少なくなってしまいます。 このような場合に、通貨先物取引を利用すると、将来の為替レートを予め確定させておくことができるため、円安による損失を回避することができます。 具体的には、将来の特定の日に、あらかじめ決めた為替レートで円をドルに交換する契約を金融機関と結びます。そして、実際にその日が来たら、契約に基づいて円をドルに交換します。 逆に、円高が予想される場合には、将来の為替レートでドルを円に交換する契約を結ぶことで、円高による損失を回避することもできます。このように、通貨先物取引は、将来の為替変動リスクを回避する手段として利用されます。ただし、予想と反対の為替変動が起きた場合には、逆に損失が発生する可能性もある点は理解しておく必要があります。
投資信託

将来設計を賢くサポート!ライフサイクルファンドとは

- 人生のステージに寄り添う投資 人生は長い航海のようです。そして、その航海のそれぞれのステージで、私たちには異なる夢や目標があります。若い頃は、将来に向けて大きな夢を描き、その実現のために積極的に行動を起こします。結婚や出産、住宅の購入など、人生における大きなイベントも待ち受けているかもしれません。一方、歳を重ねるにつれて、今まで築き上げてきたものを守りながら、穏やかで安定した生活を送りたいと願うようになるでしょう。 投資の世界にも、このように変化する人生のステージに合わせてくれる便利な商品があります。それが「ライフサイクルファンド」です。これは、例えるなら、経験豊富な船長が、航海の状況に合わせて自動的に航路や速度を調整してくれるようなものです。 具体的には、若い頃は、株式投資のように高いリターンを目指せる投資を積極的に行います。そして、定年が近づくにつれて、債券投資のようにリスクを抑えた運用へと徐々にシフトしていきます。このように、年齢や設計したい将来に合わせて、自動的に資産配分を調整してくれるので、投資の知識や経験が浅い方でも、安心して資産運用に取り組むことができます。 ライフサイクルファンドは、いわば、人生という航海を成功に導くための頼もしいパートナーと言えるでしょう。
外貨預金

外貨預金とオフショア取引:基礎知識

- 外貨預金とは外貨預金とは、普段私たちが利用している円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルや、ヨーロッパ諸国で使われているユーロなど、海外で使用されている通貨で預金することを指します。外貨預金の最大の魅力は、円預金と比べて金利が高い場合が多いという点です。金利は国によって異なり、経済状況によっても変動するため、円預金よりも高い金利を設定している国もあります。そのため、より多くの利息を受け取ることを期待して、外貨預金を選択する人もいます。また、預けている通貨が円に対して値上がりした場合には、為替差益と呼ばれる利益を得ることもできます。例えば、1ドル100円の時に預金し、1ドル110円の時に円に戻した場合、10円の利益が発生します。しかし、外貨預金にはリスクも伴います。預けている通貨が円に対して値下がりした場合には、為替差損が発生し、元本を割り込んでしまう可能性があります。例えば、1ドル100円の時に預金し、1ドル90円の時に円に戻した場合、10円の損失が発生します。さらに、為替手数料や金利の変動リスクなども考慮する必要があります。外貨預金は、これらのリスクを十分に理解した上で、余裕資金で行うようにしましょう。
投資信託

REITで始める不動産投資

- REITとはREITは、「不動産投資信託」を省略した言葉です。多くの投資家から集めたお金を、オフィスビルやマンションといった不動産に投資し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。イメージとしては、みんなで少しずつお金を出し合って、大きな不動産を購入し、その不動産から得られる利益をみんなで分配する、という感じです。REITの魅力は、少額から不動産投資にチャレンジできる点にあります。通常、不動産投資となると、数千万円、数億円といった多額の資金が必要となります。しかし、REITであれば、株式投資のように、証券会社を通じて、数百円から数万円程度で購入することができます。また、REITは株式のように証券取引所に上場されているため、株式投資と同様に、売買がしやすいというメリットもあります。価格も日々変動するため、値上がり益を狙うことも可能です。ただし、REITは投資である以上、リスクも存在します。例えば、金利上昇や景気後退などにより、不動産価格が下落した場合には、分配金の減少や元本割れの可能性もあります。投資する際には、リスクとリターンをよく理解した上で、ご自身の資産状況や投資目標に合致しているかどうかを判断する必要があります。
債券投資

債券の現先取引とは?仕組みとメリットをわかりやすく解説

- 債券の現先取引の概要債券の現先取引とは、将来のある特定の期日(将来約定日)に、売買した債券等を再び同じ数量、同じ価格で買い戻す、あるいは売り戻すことを約束した上で、債券等の売買を行う取引のことです。簡単に言うと、一時的に資金を調達したり、運用したりする目的で行われる取引といえます。この取引は、条件付き売買取引とも呼ばれています。現先取引では、最初に債券を売却する際、将来の買い戻し価格(または売り戻し価格)があらかじめ決められています。この価格には、取引期間中に得られるはずの利息に相当する部分が含まれています。この仕組みにより、現先取引は実質的に短期の資金貸借と同じ役割を果たします。例えば、企業が短期的に資金を必要とする場合、保有している債券を現先取引で売却することができます。そして、将来約定日に、あらかじめ決められた価格で債券を買い戻すことで、短期の資金調達が完了します。現先取引は、金融機関同士が短期資金を調整する際によく利用されます。また、企業も短期的な資金繰り調整のために現先取引を利用することがあります。さらに、投資家が債券の価格変動を利用して利益を狙う場合にも、現先取引が活用されることがあります。このように、現先取引は短期資金の調達や運用、リスクヘッジなど、さまざまな目的で利用される金融取引です。
株式投資

ライツ・オファリング:増資の選択肢

- ライツ・オファリングとは株式会社がお金を集める方法の一つに、「ライツ・オファリング」というものがあります。 これは、簡単に言うと、既に株を持っている株主に対して、新しく発行する株を買う権利を無料で配る方法です。この権利のことを「ライツ」と呼びます。例えば、A社が1株あたり1,000円で新たに株を発行するとします。 A社は、既にA社の株を持っている株主に対して、その保有株数に応じてライツを発行します。 このライツがあれば、決められた期間内であれば、1株あたり1,000円で新しいA社の株を買うことができます。株主は、このライツを使って新しい株を買うか、それともこのライツ自体を市場で売るかを選ぶことができます。 ライツを売却すれば、その分の利益を得ることができます。ライツ・オファリングは、株式会社にとっては、既存の株主から比較的簡単に資金を調達できるというメリットがあります。また、株主にとっても、市場価格よりも低い価格で新しい株を取得できる可能性があり、魅力的な投資機会となりえます。
経済の用語

RCC:金融システムを守る重要な役割

- 整理回収機構(RCC)とは整理回収機構(RCC)は、1998年の金融危機を契機に設立された公的機関です。正式名称は、預金保険機構と整理回収機構を合わせて「預金保険機構および整理回収機構」といいます。 RCCの主な役割は、破綻した金融機関の不良債権、つまり貸し倒れのおそれがある融資や債権を買い取り、回収することです。金融機関が大量の不良債権を抱えると、その損失によって経営が行き詰まり、最終的には破綻に追い込まれる可能性があります。破綻した金融機関は、預金者や企業への融資といった金融サービスを提供することができなくなり、経済全体に大きな影響を与えてしまいます。 RCCは、このような事態を防ぎ、日本の金融システムの安定を維持するという重要な役割を担っています。具体的には、破綻した金融機関から不良債権を買い取ることで、健全な金融機関への影響を最小限に抑え、金融システムの混乱を防ぎます。そして、買い取った不良債権を適切に管理・回収することで、国民の負担を軽減することに努めています。 RCCは、金融危機のような緊急時だけでなく、平時においても金融システムの安定化に貢献しています。例えば、金融機関が将来の経済状況悪化に備えて、あらかじめ不良債権をRCCに売却する仕組みがあります。この仕組みによって、金融機関は経営の健全性を保ちつつ、企業への融資など本来の業務に注力することができます。
FX

外貨預金とオファーの関係

外貨預金は、円ではなく米ドルやユーロなど、外国のお金で預金をすることができる金融商品です。外貨預金を始めるには、まず円を外貨に交換する必要があります。この円を外貨に交換する際に、注意しなければならないのが「売値」と「買値」です。 銀行では、私たちが円と交換に外貨を買う際の価格と、預けていた外貨を円に換金する際の価格をそれぞれ別に設定しています。銀行から外貨を買う際の価格を「買値」、預けていた外貨を銀行に売る際の価格を「売値」と言います。 銀行は、この「売値」と「買値」の価格差で利益を得ています。例えば、1ドル=100円の時に銀行が「買値」を1ドル=100.5円、「売値」を1ドル=99.5円に設定していたとします。この場合、私たちは10万円を1000ドルに交換する際に、100.5円の「買値」を適用され、手数料を含め10万500円を支払うことになります。逆に、1000ドルを円に換金する際には、99.5円の「売値」が適用されるため、受け取れるのは9万9500円になります。 このように、外貨預金では、円を外貨に交換する際と、外貨を円に換金する際の為替レートが異なるため、注意が必要です。外貨預金をする際には、これらの「売値」と「買値」の違いを理解した上で、計画的に運用していくことが大切です。
経済の用語

家計に影響大!通貨残高を理解しよう

- 通貨残高とは? 通貨残高とは、私たちが日々利用しているお金をはじめ、経済全体に流通しているお金の総量を指します。これは、例えるなら、社会全体を流れる血液のようなもので、経済活動を円滑に進めるために欠かせない要素です。 通貨残高には、私たち個人が銀行に預けている預金や、財布に入っている現金などが含まれます。また、企業が事業活動のために保有している預金なども、もちろん通貨残高の一部です。 この通貨残高は、経済全体にお金がどの程度行き渡っているかを示す重要な指標となり、政府や中央銀行が金融政策を決定する際の判断材料の一つとして用いられています。 例えば、通貨残高が少ない状態では、企業は設備投資や事業拡大に十分な資金を調達することが難しくなり、経済活動が停滞する可能性があります。反対に、通貨残高が多すぎると、物価が上昇しやすくなるインフレーションのリスクが高まります。 このように、通貨残高は経済の安定に深く関わっており、その動向を把握することは、金融政策だけでなく、私たち一人ひとりの経済活動にとっても非常に重要です。
指標

投資信託選びに必須!ユニバース比較とは?

投資信託を選ぶ際、過去の運用成績は誰もが注目するポイントと言えるでしょう。もちろん、高い収益は魅力的ですが、それだけを見て投資を決断するのは危険を伴います。なぜなら、市場全体が成長する好景気の中では、特別なことをしなくても、多くの投資信託が高い収益を上げている可能性があるからです。 そこで重要となるのが、「他の投資信託と比べてどうか?」という視点です。同じカテゴリーの中で、他の投資信託よりも優れた成績を収めているのかどうかを見極めることが重要になります。 この視点を与えてくれるのが、「ユニバース比較」という考え方です。ユニバース比較とは、投資信託を、株式市場全体や特定の分野といった、同じような投資対象を扱うグループと比較することです。これにより、その投資信託が、市場全体の上昇に便乗して収益を上げているだけなのか、それとも独自の運用によって収益を上げているのかを判断することができます。 ユニバース比較は、投資信託を選ぶ上で欠かせない視点の一つです。投資信託の成績表を見る際には、必ずユニバース比較にも注目し、他の投資信託と比べてどうかという視点で評価するようにしましょう。
経済の用語

オーストラリア経済の舵取り役:RBAとは?

- オーストラリアの中央銀行 オーストラリアの中央銀行は、リザーブ・バンク・オブ・オーストラリア(RBA)と呼ばれ、オーストラリア経済の安定という重要な役割を担っています。 中央銀行は、一般の銀行とは異なり、国全体の経済活動に焦点を当てています。RBAは、物価の安定、完全雇用、そして国民の経済的 رفاهの促進という3つの主要な目標を掲げています。 これらの目標を達成するために、RBAは様々な政策ツールを用いています。中でも重要なのが金利政策です。RBAは、経済状況に応じて金利を調整することで、物価の上昇率を一定範囲内に抑えようとします。また、景気が悪化した場合には、金利を引き下げることで企業の投資や個人の消費を刺激し、景気を下支えしようとします。 さらに、RBAは為替介入や金融システムの安定化といった役割も担っています。為替介入とは、市場に介入してオーストラリアドルの価値を調整することです。金融システムの安定化とは、金融機関の破綻を防ぎ、金融システム全体の安定を維持することです。 このように、RBAはオーストラリア経済にとって非常に重要な役割を果たしています。RBAの政策は、私たちの日常生活にも大きな影響を与えていると言えるでしょう。
FX

為替の値動きを読む!オシレーター系指標のススメ

- オシレーター系指標とは? 為替相場の値動きをグラフで表したものをチャートと呼びますが、このチャート分析に欠かせないツールのひとつにテクニカル指標があります。テクニカル指標は大きく分けてトレンド系指標とオシレーター系指標の2種類に分類されます。 オシレーター系指標は、為替レートが買われ過ぎなのか、売られ過ぎなのかを判断するために用いられる指標です。チャート上に表示されるオシレーター系指標は、一般的に0から100までの範囲で推移します。 この指標が70~80%以上の水準にあるときは「買われ過ぎ」、20~30%以下の水準にあるときは「売られ過ぎ」と判断されます。 オシレーター系指標は、相場が上昇トレンドにあるか下降トレンドにあるかには関係なく、現在の価格が適正な水準から逸脱しすぎていないかを示してくれるという特徴があります。 そのため、オシレーター系指標は、相場の加熱感や反転の兆候を捉えるために有効なツールと言えるでしょう。