経済統計の基礎、68SNAとは?
- 68SNAの概要1968年に国際連合統計委員会で採択された国民経済計算体系(SNA)は、「68SNA」と呼ばれています。正式名称は「システム・オブ・ナショナル・アカウンツ・ナインティーン・シックスティエイト」と言い、各国の経済活動を体系的に記録・分析するための統計的な枠組みを提供しています。これは、経済統計の基礎となる重要な概念です。68SNA以前は、各国が独自の統計基準を用いていたため、国際的な経済状況の比較が困難でした。そこで、68SNAは世界共通の経済統計基準として導入され、各国経済の比較分析を可能にする共通言語としての役割を担うことになりました。これは、いわば世界の経済活動を共通の尺度で測定するための「ものさし」のようなものです。この「ものさし」を用いることで、私たちは初めて異なる国の経済規模や成長率などを比較できるようになり、国際的な経済協力や政策立案に不可欠な情報を提供しています。68SNAは、その後の経済構造の変化や統計手法の進歩に対応するため、何度か改訂が行われてきました。しかし、基本的な概念や枠組みは現在も世界各国の経済統計の基盤として広く受け入れられ、活用され続けています。