経済の用語

いざなみ景気とは?:日本の高度経済成長期を超えた好景気

- いざなみ景気の概要「いざなみ景気」とは、2002年1月から2008年2月までの約6年間続いた、日本の好景気の波のことです。 これは、戦後最も長く続いた1960年代の「いざなぎ景気」を上回る長さで、文字通り、日本経済にとって歴史的な好景気として記憶されています。この時期、世界経済全体が成長を続けており、日本もその波に乗り輸出を中心として経済が拡大しました。特に、中国やその他のアジア諸国では、経済成長に伴って需要が急増しており、日本の自動車や電化製品などが飛ぶように売れました。 この輸出の増加は、日本の製造業の業績を大きく押し上げ、企業収益が大幅に改善しました。いざなみ景気は、日本の経済状況を大きく変えました。長年の不況から脱却し、雇用状況も改善しました。有効求人倍率は上昇し、失業率は低下しました。これは、人々がより働き口を見つけやすい状況になったことを意味し、景気回復を実感できる人が増えた時代とも言えます。しかし、一方で、いざなみ景気は輸出に大きく依存していたため、その後の世界経済の変動の影響を受けやすい側面も持っていました。 結果として、2008年のリーマンショックによる世界的な景気後退の影響を大きく受け、終焉を迎えることとなりました。
その他

転職時の年金はどうなる?移受換のススメ

仕事を変えることは、人生における大きな転換期であり、給料や待遇だけでなく、老後の生活資金についても考える必要があります。日本では、会社員などが加入する年金制度は、定年後の生活を支える重要な役割を担っています。そして、転職によって、加入している年金制度が変わることがあります。そのため、転職活動をする前に、ご自身の年金についてしっかりと理解しておくことが大切です。 会社員の場合、加入する年金制度は主に2種類あります。一つ目は、すべての会社員が加入する「国民年金」です。二つ目は、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」です。厚生年金は、国民年金に上乗せして支給される年金制度で、加入期間や給与に応じて金額が変わります。 転職によって、厚生年金から国民年金への切り替えが生じる場合、将来受け取れる年金額が減ってしまう可能性があります。また、企業によっては独自に「企業年金」という制度を設けている場合があります。転職によって、それまで積み立ててきた企業年金の加入資格を失ったり、受給資格が変わったりすることがあります。 転職を検討する際は、転職エージェントやファイナンシャルプランナーなどに相談し、年金制度について詳しく確認することをおすすめします。将来の生活設計をしっかりと立てるために、早いうちから年金について考えていきましょう。
その他

投資者を守る制度:投資者保護基金とは

投資は、将来のために資産を増やしたいと考えている人にとって、魅力的な選択肢の一つです。しかし、それと同時に、投資には「元本割れのリスク」がつきものという側面も持ち合わせています。これはつまり、投資した金額よりも手元に戻ってくるお金が減ってしまう可能性があるということです。当然ながら、このようなリスクを考えると、投資に対して不安を感じてしまう人も少なくありません。特に、投資初心者の方や、大切なお金を運用する場合は、その不安はより一層大きくなるでしょう。 このような投資家の方々の不安を少しでも和らげ、安心して投資に臨めるようにするために、日本には「投資者保護基金」という制度があります。これは、証券会社などの金融機関が破綻した場合に、投資家の方々が預けていた資産を保護するための制度です。 投資者保護基金は、証券会社などが加入を義務付けられている制度であり、万が一、加入している金融機関が破綻してしまった場合、投資家一人当たり最大1,000万円までの資産が保護されます。ただし、これはあくまでも上限額であり、保護される金額は預けていた資産の額や種類によって異なります。 投資者保護基金は、投資を行う上での不安を完全に取り除くことはできません。しかし、投資家の方々にとって、万が一の際に備えとなるセーフティネットとして機能することは間違いありません。投資を行う際には、このような制度があることを理解しておくことが大切です。
経済の用語

いざなぎ景気:高度経済成長を象徴する好景気

- いざなぎ景気とは1965年10月から1970年7月までの約5年間、実に57か月間も続いた好景気を「いざなぎ景気」と呼びます。これは、日本の高度経済成長期を象徴する出来事として、歴史に名を刻んでいます。 この時代、日本は「国民所得倍増計画」を掲げ、国民全体が一丸となって経済成長を目指しました。東京オリンピックの開催も、日本経済に大きな活力を与えました。街には新しい建物や道路が次々と建設され、人々の暮らしは豊かになっていきました。 「いざなぎ景気」は、単なる好景気ではありませんでした。戦後の焼け野原から立ち上がり、本格的な経済大国への道を歩み始めた、日本の大きな転換点だったと言えるでしょう。
その他

移換完了通知書とは?

会社員生活を終え、老後の生活資金として重要な役割を果たす年金。受け取り方には、まとまったお金として受け取る「一時金」と、毎月あるいは毎年受け取る「年金」の二つがあります。もしあなたが「年金」として受け取ることを選択した場合、勤めていた会社で積み立てられた年金資産は、将来年金を支払う機関に移されることになります。 この資産の移し替えを「移換」と呼びます。退職時に必要な手続きを行い、年金資産の移換が完了すると、移換先の機関から「移換完了通知書」が送られてきます。この通知書は、あなたの大切な年金資産が無事に新しい管理機関に移されたことを証明する重要な書類です。通知書が届いたら、内容をよく確認しましょう。もし、記載内容に不明な点があれば、移換先の機関に問い合わせてみてください。
経済の用語

外貨預金と経済成長の関係

- 経済成長率とは 経済成長率は、ある国の経済活動が、一定期間(通常は1年間)にどれくらい活発になったのかを示す指標です。この指標を見ることで、国の経済が拡大しているのか、それとも縮小しているのかを判断することができます。 経済成長率は、国内総生産(GDP)の増加率で測られます。GDPとは、国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を示すもので、経済全体の規模を把握する上で重要な指標となります。 例えば、ある年のGDPが100兆円で、翌年のGDPが103兆円だったとします。この場合、GDPは3兆円増加したことになり、経済成長率は3%となります。 経済成長率が高いほど、企業の業績が向上し、雇用も増加する傾向にあります。また、税収も増加するため、政府はより充実した社会保障や公共サービスを提供できるようになります。 逆に、経済成長率が低い場合は、企業の業績が悪化し、失業者が増加する可能性があります。また、税収も減少するため、政府は社会保障や公共サービスを縮小せざるを得なくなる可能性もあります。 このように、経済成長率は、私たちの生活に大きな影響を与える重要な指標と言えるでしょう。
その他

金融機関とのトラブル解決:あっせん制度のスムーズな活用

- 金融トラブルとあっせんお金に関する商品やサービスは、私たちにとって身近なものですが、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。例えば、金融機関から勧められた金融商品が、後になって自分に合っていないと気づいたり、サービス内容について説明不足だったと感じることもあるでしょう。このような場合、金融機関と直接話し合っても、なかなか意見がまとまらないことも少なくありません。このような状況で、裁判などの法的措置を取る前に検討したいのが「あっせん」という制度です。あっせんとは、中立的な第三者が間に入り、トラブルを抱える当事者間の合意による問題解決を支援する手続きです。法的拘束力がないため、当事者は自分の意思で話し合いに応じ、解決策を探ることができます。金融あっせん制度を利用するメリットとしては、手続きが比較的簡単で、費用も無料である点が挙げられます。また、弁護士などの専門家によるサポートを受けられる場合もあり、法律知識がない方でも安心して利用できます。金融トラブルに巻き込まれた際は、一人で悩まず、まずは関係機関に相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、問題解決への糸口が見つかるかもしれません。
その他

投資顧問業務とは?その役割と重要性を解説

- 投資顧問業務の概要投資顧問業務とは、お客様である投資家の方々に対して、投資に関する様々なアドバイスを提供する専門性の高いサービスです。投資顧問は、お客様一人ひとりの投資目標やリスク許容度、資産状況などを丁寧にお伺いし、深く理解した上で、最適な投資戦略をプランニングいたします。具体的には、お客様の投資目標を達成するために最適な資産配分を検討し、株式、債券、投資信託など、多岐にわたる金融商品の中から、お客様の状況に最適なものを選定し、ポートフォリオをご提案いたします。また、市場環境や経済動向を分析し、お客様の投資方針に基づいた売買のタイミングに関するアドバイスなども行います。投資顧問業務は、お客様の資産運用を長期的な視点に立ってサポートするサービスです。お客様一人ひとりに寄り添い、オーダーメイドのアドバイスを提供することで、お客様の大切な資産の成長と、将来の安心の実現を目指します。
経済の用語

経済成長の起爆剤となるか?異次元緩和を解説

- 異次元緩和とは何か2013年から日本銀行が導入した金融緩和策を「異次元緩和」と呼びます。これは、従来の金融緩和策と比べて、規模や対象範囲が桁違いに大きく、大胆な政策であることから、このように呼ばれています。当時の日本は、長年にわたる物価の下落や経済の低迷といった「デフレ」と呼ばれる状況に苦しんでいました。そこで、当時の安倍晋三首相が掲げた経済政策「アベノミクス」の三つの柱の一つとして、この異次元緩和が実施されました。デフレから脱却し、物価を上昇させ、力強い経済成長を実現することを目指したのです。では、具体的にどのようなことを行ったのでしょうか。従来の金融緩和策は、主に政策金利の調整によって、世の中に出回るお金の量を調節していました。しかし異次元緩和では、日本銀行が供給するお金の量そのもの(マネタリーベース)を大幅に増やすことを目標としました。また、従来は国債を中心に購入していましたが、異次元緩和では、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)といった、株式や不動産に投資する金融商品も積極的に購入対象としました。このように、異次元緩和は、お金の量を増やす「量的緩和」と、購入対象を広げる「質的緩和」を組み合わせることで、より大きな効果を狙った政策といえます。
株式投資

株価上昇の兆し?「あく抜け」相場を解説!

- 「あく抜け」とは?株価は企業の業績や経済状況、社会情勢など、様々な要因によって上下します。特に悪いニュース、例えば企業の業績悪化や不祥事、予期せぬ社会的な問題などは、投資家の不安をあおり、株価の下落を招く大きな要因となります。このような株価を押し下げる悪材料を「悪材料」と呼びます。「あく抜け」とは、これまで株価の下落要因となっていたこれらの悪材料が出尽くし、下げ止まり、安定したり上昇に転じたりする現象のことを指します。相場用語としてよく使われ、「悪い材料が出尽くす」という意味合いで「悪(あく)が抜ける」と表現されます。例えば、ある企業の業績悪化が懸念され、さらに悪いことに不祥事が発覚したとします。このようなネガティブなニュースが続くと、投資家は将来に対する見通しに不安を感じ、株を売却する動きが強まります。その結果、株価は下落を続けるでしょう。しかし、その後、これらの悪材料が全て明らかになり、これ以上の新たな悪材料が出てこなくなると、売る動きは徐々に弱まり、株価は底を打つ可能性が高まります。これが「あく抜け」の状態です。ただし、「あく抜け」は、必ずしも株価がすぐに上昇に転じることを保証するものではありません。あくまでも下落の勢いが弱まり、上昇に転じる可能性を示唆するサインの一つと捉えるべきです。投資家は、「あく抜け」を確認した後も、他の経済指標や企業業績などを慎重に見極めながら、投資判断を行う必要があります。
その他

投資のプロフェッショナル!投資顧問業者とは?

- 投資顧問業者とは投資顧問業者は、お客様一人ひとりの資産運用をサポートする専門家です。株式や債券といった、価格が変動する金融商品への投資について、お客様の代わりに専門的なアドバイスや運用サービスを提供します。具体的には、お客様の投資経験や知識、そして将来に向けてどれだけの資産を、どれくらいの期間で築きたいかといった投資目標、どれくらいのリスクを取れるのかといったリスク許容度などを、時間をかけて丁寧にヒアリングします。そして、お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適な投資戦略を一緒に考え、具体的な投資計画を立てます。さらに、投資計画に基づき、お客様の代わりに株式や債券などの銘柄選択、売買のタイミング、資産の配分割合などを判断し、運用を行います。投資の世界は複雑で、経済状況や企業業績などによって日々変化するため、常に最新の情報収集や分析が欠かせません。投資顧問業者は、専門的な知識や豊富な経験を活かし、お客様の大切な資産をお預かりして、目標とする資産形成を実現できるよう、日々努力を重ねています。
FX

外貨預金のスゴ技!円クロス取引とは?

外貨預金といえば、通常はまず円を米ドルに交換し、それから他の通貨に交換するという手順を踏みます。しかし、「円クロス取引」では、この常識を覆すことができます。 円クロス取引とは、米ドルを仲介とせずに、円とその他の通貨を直接交換する取引方法です。例えば、ユーロを購入したいとします。従来の方法では、まず円を米ドルに交換し、その後で米ドルをユーロに交換していました。しかし、円クロス取引であれば、円を直接ユーロに交換することが可能になります。 この方法のメリットは、為替手数料の節約という点にあります。従来の為替取引では、円から米ドル、そして米ドルからユーロというように、二つの為替レートに基づいて手数料が発生します。しかし、円クロス取引では、円とユーロの交換に一回の為替レートしか適用されないため、手数料を抑えることが期待できます。 さらに、円クロス取引は、多様な通貨への投資機会を提供してくれます。米ドルを介さずに直接取引を行うことで、より多くの国の通貨にアクセスしやすくなるため、投資の幅が広がります。
NISA

個人型確定拠出年金iDeCo+とは?

人生100年時代と言われるようになり、老後の生活設計は誰もが真剣に考えるべき課題となっています。公的年金制度だけでは将来の不安が払拭できない中、自分自身で老後資金を準備することの重要性はますます高まっています。 老後資金の準備方法として、個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)が注目されています。iDeCoは、毎月一定額を積み立て、自分で選んだ運用方法で資金を増やしていく私的年金制度です。 2018年8月からは、このiDeCoに新たな制度が加わりました。それが「iDeCo+(イデコプラス)」です。これは、特に中小企業にお勤めの方や自営業の方を対象とした制度で、従来のiDeCoよりもさらに多くの金額を積み立てることができるというメリットがあります。 今回の記事では、このiDeCo+について、その仕組みやメリット、注意点などを詳しく解説していきます。老後の生活資金準備の新たな選択肢として、ぜひご一読ください。
FX

海外投資と向き合う: 為替変動リスクを理解する

近年、資産運用の一環として海外投資に注目が集まっています。海外投資は、日本国内の投資商品だけでは得られない高いリターンを期待できる点が魅力です。例えば、経済成長の著しい新興国の企業や、世界的に有名な先進国の優良企業など、投資対象の選択肢が広がる点は大きなメリットと言えるでしょう。 しかし、海外投資にはリスクが伴うことも忘れてはなりません。特に、為替変動リスクは海外投資特有のリスクであり、避けて通ることはできません。これは、投資先の国の通貨と日本円の交換レートが変動することで、利益が減ってしまったり、損失が発生してしまうリスクです。例えば、アメリカドルで運用する投資信託を購入した場合、円高ドル安になると、円に換算した時の資産価値が目減りしてしまいます。 海外投資を始めるにあたっては、為替変動リスクを十分に理解し、リスクを軽減するための対策を講じることが重要です。具体的には、投資する国や地域、通貨を分散したり、為替ヘッジ付きの投資信託を活用するなどの方法があります。投資初心者の方はもちろん、投資経験が豊富な方にとっても、為替変動リスクへの理解を深めることは、海外投資で成功を収める上で非常に重要です。
その他

投資教育で賢く運用!確定拠出年金の基礎知識

確定拠出年金は、加入者自身が老後の生活資金を準備する年金制度です。従来の会社が年金を準備する確定給付型とは異なり、運用による成果によって将来受け取れる年金額が増減するという大きな特徴があります。つまり、加入者一人ひとりが投資に対する理解を深め、状況に合わせて適切な運用方法を選択することが重要になります。 そこで、確定拠出年金制度においては、加入者に対する投資教育が非常に重要な役割を担います。投資教育を通じて、加入者は投資の基礎知識やリスクとリターンの関係、分散投資の重要性などを学ぶことができます。これらの知識を身につけることで、自身のリスク許容度やライフプランに合わせた適切な投資商品の選択が可能となり、より効果的に老後資金を形成していくことができるようになります。 さらに、投資教育は、金融商品の仕組みや金融市場の動向に関する理解を深める良い機会となります。金融リテラシーの向上は、確定拠出年金だけでなく、家計全体の資産形成においても非常に重要です。 このように確定拠出年金における投資教育は、加入者一人ひとりが将来設計をしっかりと描き、安心して老後を迎えるための重要な鍵となるのです。
経済の用語

為替相場の謎を解く

- 為替相場とは?異なる国の通貨を交換する際に、どれだけの金額で交換できるのかを示す比率のことを為替相場といいます。例えば、1米ドルが110円の為替相場の場合、1米ドルと110円は同じ価値ということになります。これは、両替所で1万円札を米ドルに両替するときなどにも関係してきます。この為替相場は、常に変動しています。変動する要素は、経済状況や政治状況、金利差、貿易収支など、実に様々なものが考えられます。 為替相場の変動は、私たちの生活にも大きな影響を与えます。例えば、海外旅行に行く時には、円高であれば旅行費用を抑えることができますし、逆に円安であれば旅行費用は高くなってしまいます。また、輸入品の価格にも影響を与え、円高であれば輸入品を安く購入することができますが、円安であれば輸入品の価格は高くなってしまいます。では、なぜ為替相場は変動するのでしょうか?それを解き明かしてくれるのが為替相場決定理論です。為替相場決定理論には、購買力平価説や金利平価説、国際収支説など、様々なものがあります。これらの理論を理解することで、為替相場の変動要因を分析し、将来の為替相場の動きを予測することができます。
その他

外貨預金とクレジットデリバティブの関係

- 外貨預金とは外貨預金とは、普段私たちが使っている日本円ではなく、アメリカドルやユーロといった外国のお金で預金することを指します。銀行にお金を預けて利息を受け取るという点は、円預金と同じですが、外貨預金は預ける通貨が外国のお金になるという点が異なります。外貨預金の大きな魅力は、円預金よりも高い金利を受け取れる可能性があることです。世界経済の状況や国の政策によって異なりますが、一般的に日本よりも高い金利を設定している国が多いため、外貨預金は魅力的な選択肢となりえます。しかし、高い金利と引き換えに、注意すべき点も存在します。それは為替レートの変動リスクです。為替レートとは、異なる通貨同士を交換する際の比率のことですが、これは常に変動しています。そのため、預入時よりも円安になった場合、円換算した際に元本が減少してしまう可能性があります。反対に、円高になった場合は、円換算で利益が出る可能性もあります。外貨預金は、円預金に比べて高い金利で運用できる可能性を秘めている一方、為替レートの変動によって元本割れのリスクも伴います。外貨預金を検討する際は、金利だけでなく為替変動リスクも考慮し、ご自身の資産状況や投資目標に合わせて慎重に判断する必要があります。
経済の用語

財政インフレーション:政府支出と物価上昇の関係

- 財政インフレーションとは財政インフレーションは、政府の財政政策が引き金となって物価が上昇する現象を指します。通常、経済活動が活発になると、モノやサービスへの需要が高まり、供給が追い付かなくなることで物価が上昇します。財政インフレーションは、政府が公共事業などへの支出を増やすことで、需要を人為的に押し上げることが原因で発生します。例えば、政府が大規模な公共事業を実施すると、建設需要が高まり、セメントや鉄鋼などの建設資材の価格が上がります。また、公共事業に従事する労働者の賃金も上昇するため、他の産業でも賃上げの動きが広がり、様々なモノやサービスの価格が上昇していく可能性があります。このような需要増加によるインフレーションは、「需要サイドのインフレーション」とも呼ばれます。財政インフレーションは、企業の投資意欲を高めたり、雇用を創出したりする効果も期待できます。しかし、過度な財政支出は、急激なインフレーションを招き、経済の安定を損なう可能性も孕んでいます。政府は、財政政策を行う際には、経済状況を的確に把握し、適切な支出規模を見極める必要があります。
FX

外貨預金の為替手数料を理解しよう

外貨預金とは、普段使い慣れた円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルや、ヨーロッパ諸国で使われているユーロなど、外国で使われているお金で預金することをいいます。 外貨預金には、預け入れたお金が増えることを期待できるというメリットがあります。これは、日本円の預金よりも高い金利が設定されている場合があるためです。また、円預金だけに資産を集中させておくよりも、外貨預金など、異なる種類の資産を持つことで、資産全体のリスクを減らす効果も期待できます。 しかし、外貨預金には、気をつけなければならない点も存在します。それは、預け入れや払い戻しの際に、為替手数料と呼ばれる手数料が発生することです。この手数料は、円を外貨に交換する際や、外貨を円に交換する際に、銀行などに支払う必要があり、その額は金融機関や取引する金額によって異なります。為替手数料は、預け入れ時だけでなく、払い戻し時にも発生するため、利益が減ってしまうだけでなく、場合によっては損失が出てしまう可能性もあります。 外貨預金を行う際には、これらのメリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に判断することが大切です。
オプション取引

外貨預金に潜むリスクと対策

外貨預金は、円預金よりも高い金利を受け取れる可能性があり、資産を増やしたいと考えている方にとって魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。しかし、高いリターンと引き換えに、円預金にはないリスクが存在することも事実です。 外貨預金における最大のリスクは、為替変動による元本割損の可能性です。預金時よりも円高になった場合、円に戻した時に受け取る金額は預けた時よりも少なくなってしまいます。近年、国際情勢や金融市場の不安定化により為替の変動が激しくなっています。このような状況下では、予想外のタイミングで円高が進行し、大きな損失を被るリスクも高まります。 また、預金先の金融機関の信用リスクも考慮しなければなりません。海外の金融機関が破綻した場合、預金が保護されない可能性もあります。 外貨預金を検討する際には、これらのリスクを十分に理解し、余裕資金の範囲内で行うことが大切です。同時に、為替の動向を常に把握し、必要に応じて売却や為替ヘッジなどの対応をすることで、リスクを管理していくことが重要です。
FX

為替差益で儲かる?仕組みとリスクを解説

- 為替差益とは為替差益とは、円高や円安といった為替レートの変動によって生じる利益のことです。分かりやすく説明するために、旅行を例に考えてみましょう。あなたは、1ドル100円の時に10万円を両替して、1,000ドルを持ってアメリカ旅行へ出発しました。しかし、旅行中に円安が進み、1ドル110円になってしまったとします。帰国後、残った1,000ドルを円に両替すると、11万円になります。つまり、円安によって1万円の利益が出たことになります。この1万円が為替差益です。このように、為替差益は、通貨を安い時に買って、高い時に売ることで得られます。ただし、為替レートは常に変動するため、必ずしも利益が出るとは限りません。円高が進んでしまうと、逆に損失が出てしまう可能性もあります。為替差益を狙う場合は、為替リスクを十分に理解しておくことが重要です。
経済の用語

世界経済の要!WTOってどんな機関?

- WTOとはWTOは、正式名称を世界貿易機関(World Trade Organization)といい、国際的な貿易を円滑に進めるためのルール作りや、そのルールに基づいた貿易が行われるよう監視する役割を担っています。 世界には様々な国があり、それぞれの国が独自のルールや制度を持っています。貿易においても、国によって関税や輸入制限などが異なるため、スムーズに商品やサービスをやり取りできない場合があります。そこで、WTOは、世界共通のルールを定めることで、貿易の障壁を減らし、公平で自由な貿易を実現することを目指しています。 WTOは、いわば「世界の貿易のルールブック」と「審判」のような役割を担っており、加盟国に対して、ルールに従った貿易を行うよう促し、問題が発生した場合は、協議や紛争解決の場を提供しています。 WTOの活動は、世界の経済成長や発展に大きく貢献しており、加盟国は、WTOのルールに従って貿易を行うことで、より多くの国と安定した取引を行い、経済的な利益を得ることができます。また、消費者にとっても、WTOの活動は、より安価で多様な商品やサービスを入手できることにつながっています。
経済の用語

買収防衛策の「クラウン・ジュエル」とは?

企業が事業を拡大し、市場での地位を確固なものにしていく過程において、外部からの買収提案は決して珍しいものではありません。友好的な買収であれば、対等な立場での交渉が行われ、双方の企業、株主、従業員にとって利益につながる可能性を秘めています。しかし、すべての買収提案が友好的なものであるとは限りません。中には、一方的な買収条件を提示し、強引に買収を進めようとする、いわゆる敵対的な買収を仕掛けてくるケースも存在します。このような敵対的買収は、買収される側の企業にとって、経営の独立性や企業文化が損なわれるなど、大きな脅威となる可能性があります。企業が敵対的な買収の脅威にさらされた場合、自社の価値を守り、独立性を維持するために、様々な防衛策を講じる必要が出てきます。これらの防衛策には、新たな株主を獲得して買収側の株式取得比率を低下させる、買収防衛策を盛り込んだ権利を既存株主に付与する、あるいは、買収提案の違法性や不当性を主張して法廷闘争に持ち込むなどの方法があります。敵対的買収は、企業にとって予期せぬ事態であり、迅速かつ適切な対応が求められます。そのため、日頃から敵対的買収の可能性を想定し、専門家と連携しながら、適切な防衛策を検討しておくことが重要となります。
経済の用語

投資機会曲線を読み解く

- 投資機会曲線とは?企業が事業を拡大したり、新しい技術を導入したりするためには、投資は欠かせません。しかし、投資には常にリスクが伴います。限られた資金を最大限に有効活用するためには、数ある投資案件の中から、どの案件にどれだけの資金を投じるのか、慎重に判断する必要があります。この判断材料の一つとして、投資機会曲線と呼ばれる考え方があります。投資機会曲線は、縦軸に期待収益率(または利子率)、横軸に投資額をとったグラフで、企業が投資可能な複数の案件について、それぞれの期待収益率と投資額の関係性を視覚的に表したものです。一般的に、企業は収益性の高い案件から優先的に投資を行います。そのため、投資機会曲線は右下がりの形状を示すことが多くなります。つまり、初期の段階では投資額が少なく、期待収益率の高い案件に投資が行われ、投資額が増えるにつれて、期待収益率は徐々に低くなっていくことを示しています。投資機会曲線は、あくまでも理論的なモデルであり、実際の投資判断においては、収益性だけでなく、リスクや資金調達の状況、経営戦略との整合性など、様々な要素を総合的に考慮する必要があります。しかしながら、投資機会曲線は、企業が投資計画を立案する上で、有効な分析ツールの一つと言えるでしょう。