経済の用語

社会を支える基盤、SOCとは?

- 社会を支える礎SOCとは?SOCとは、「ソーシャル・オーバーヘッド・キャピタル」を略した言葉で、日本語では「社会資本」と表します。 私たちの日常生活を陰ながら支え、経済活動を円滑に進めるために欠かせない道路、橋、港湾、空港といった交通インフラや、電力、ガス、水道などのライフライン、そして教育機関や病院といった公共施設などが、SOCに含まれます。これらの社会資本は、私たちの生活の質を向上させる上で非常に重要な役割を担っています。例えば、整備された道路網は人や物の移動をスムーズにし、経済活動の効率性を高めます。また、病院や学校といった施設は、人々の健康や教育水準の向上に貢献し、より豊かで安心できる社会を実現する基盤となります。しかし、社会資本は一度整備すればそれで終わりというわけではありません。老朽化したインフラは、機能低下や事故のリスクを伴い、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与える可能性があります。そのため、計画的な維持管理や更新が不可欠です。近年では、人口減少や財政制約などの課題がある中で、限られた資源を有効活用し、将来にわたって持続可能な社会資本整備のあり方が問われています。 最新の技術を活用した効率的なインフラ整備や、民間企業の資金やノウハウを活用したPFI事業など、様々な取り組みが進められています。
経済の用語

レバレッジ:少額で大きな利益を狙う

- レバレッジとはレバレッジは、日本語で「てこの原理」と表現され、金融の世界では、自己資金よりも大きな金額の取引を可能にする仕組みを指します。 例えば、100万円の資金で1,000万円分の投資を行う場合、10倍のレバレッジをかけていることになります。このレバレッジを用いることで、投資家は少ない元手で大きな利益を狙うことができます。 1,000万円の投資で価格が1%上昇した場合、レバレッジをかけていなければ利益は10万円ですが、10倍のレバレッジをかけていれば100万円の利益となります。しかし、レバレッジはリスクも増大させることを忘れてはなりません。 価格が予想に反して下落した場合、損失もレバレッジの倍率に応じて大きくなってしまいます。 1,000万円の投資で価格が1%下落した場合、10倍のレバレッジをかけていれば100万円の損失を被ることになります。そのため、レバレッジはリスク許容度や投資経験などを考慮し、慎重に利用する必要があります。 レバレッジを正しく理解し、適切に活用することで、投資の可能性を広げることができます。
経済の用語

外貨準備と連動した通貨発行

- 外貨預金のカレンシーボード制とは外貨預金のカレンシーボード制は、自国の通貨をアメリカドルのような国際的に安定した価値を持つ通貨(基軸通貨)に固定する制度です。この制度では、自国の中央銀行は、発行する通貨量に対応するだけの外貨準備を保有することが義務付けられています。例えば、100円発行する場合は、それに相当するアメリカドルを中央銀行が保有していなければなりません。これは、通貨の発行量を外貨準備と連動させることで、通貨価値の乱高下を抑え、安定化させることを目的としています。基軸通貨と固定されているため、市場の変動に左右されにくく、インフレが起こりにくいという利点があります。一方で、柔軟性に欠けるという側面もあります。自国の経済状況に合わせて、自由に金融政策を行うことができません。例えば、景気対策として通貨供給量を増やしたいと思っても、外貨準備がなければ難しい場合があります。外貨預金のカレンシーボード制は、通貨価値の安定と引き換えに、金融政策の自由度をある程度犠牲にする制度と言えるでしょう。
株式投資

レジスタンスラインってなに?

株式投資や為替取引を行う上で、将来の価格変動を予測することは非常に重要です。その予測に役立つツールとして、過去の値動きをグラフ化したチャートと、そこに引かれた様々な指標や線があります。数ある指標の中で、特に注目すべきものの一つが「レジスタンスライン」です。 レジスタンスラインとは、まるで価格上昇を阻む壁のようなもので、過去の値動きから、市場参加者の多くが「この価格帯以上には、もう値上がりしにくい」と感じている価格帯を指します。チャート上では、過去に価格が何度か上昇して反落した高値を結ぶことで、このラインを描くことができます。 レジスタンスライン付近まで価格が上がると、多くの投資家が利益確定の売りに走りやすくなるため、価格が反落することが多くなります。そのため、レジスタンスラインは、今後の値動きの目安となる重要な節目となります。もし、価格がレジスタンスラインを力強く上抜けた場合、それは多くの投資家が「まだ値上がりする」と予想して買い越しになっていることを示唆しており、その後は大きく上昇する可能性を秘めていると言えます。
FX

外貨預金とプロの戦略:カレンシー・オーバーレイとは?

近年、円安傾向や国内の低金利を背景に、外貨預金や海外投資に興味を持つ方が増えています。確かに、円安時に外貨預金や海外投資を行うと、円高になった際に為替差益を狙うことができます。しかし、海外投資には、為替変動リスクがつきものです。円高に転じてしまえば、大きな損失を被る可能性も否定できません。 そこで注目されているのが「カレンシー・オーバーレイ」という戦略です。これは、投資する資産とは別に為替ヘッジを行うことで、為替変動リスクを軽減しようという考え方です。 例えば、アメリカの株式に投資する場合、通常であれば円を米ドルに換えてから投資を行います。しかし、カレンシー・オーバーレイでは、米ドル建ての株式投資とは別に、円高になるリスクに備えたヘッジ取引を行います。これにより、円高になった場合でも、ヘッジ取引で得られる利益によって、投資元本への影響を最小限に抑えることが期待できます。 カレンシー・オーバーレイは、為替変動リスクを抑えながら、海外投資のメリットを享受したいという投資家にとって、有効な選択肢となり得るでしょう。
NISA

確定拠出年金におけるレコードキーパーの役割

- 確定拠出年金と記録管理確定拠出年金は、従業員自身が掛金を運用し、その成果によって将来受け取れる年金額が変わる制度です。将来の年金資産をしっかりと形成していくためには、掛金の拠出から給付を受けるまでの記録を適切に管理することが非常に重要となります。確定拠出年金では、毎月の掛金拠出額や運用商品の選択、そして運用実績などを自身で確認し、管理していく必要があります。金融機関のウェブサイトや郵送で送られてくる報告書などを活用し、自身の年金資産がどのように推移しているのかを常に把握しておくことが大切です。記録管理を怠ると、運用状況の把握が遅れ、想定していたよりも年金資産が少なくなる可能性も考えられます。また、加入期間が長くなるほど、過去の記録を遡って確認することは困難になるため、こまめな記録管理を習慣づけることが大切です。確定拠出年金は、老後の生活設計を左右する重要な制度です。記録管理を適切に行い、自身の年金資産をしっかりと把握することで、より安心して老後を迎えることができるでしょう。
その他

外貨預金とカルパースの関係

- 巨大年金基金カルパースとはカルパースとは、「カリフォルニア州職員退職年金基金」の愛称で、アメリカのカリフォルニア州で働く職員の為の年金基金です。世界中の公的年金基金の中でも、資産規模が飛び抜けて大きく、運用している金額は莫大なものとなっています。カルパースは、ただ巨大な資金を持っているだけではありません。世界中の投資家から、その運用成績に常に注目が集まっています。カルパースは、株式や債券といった伝統的な資産だけでなく、不動産やインフラストラクチャー、プライベートエクイティなど、幅広い資産に投資を行っています。長期的な視点に立ち、分散投資を行うことで、リスクを抑えながら安定した収益を目指しています。カルパースの投資戦略は、多くの機関投資家から参考にされており、その動向は世界の金融市場に大きな影響を与える可能性を秘めていると言えます。
経済の用語

経済の構造を明らかにする:レオンチェフ表

- レオンチェフ表で経済活動を読み解くレオンチェフ表とは、ある国の経済活動を、産業間のモノやサービスのやり取りに焦点を当てて、詳細にまとめた統計表のことです。別名として、産業連関表、投入・産出表、IO表などとも呼ばれます。 この表は、それぞれの産業が、他の産業からどれだけの原材料やサービスを調達しているか(投入)と、自らの生産物を他の産業や最終需要(消費者や政府など)にどれだけ供給しているか(産出)を、一覧で確認できるように整理されています。例えば、自動車産業を例に考えてみましょう。レオンチェフ表を見れば、自動車産業が鉄鋼産業からどれだけの鉄鋼を仕入れ、機械産業からはどれだけの部品を購入しているのかが分かります。さらに、完成した自動車が、個人消費者に販売されたのか、あるいは他の産業(例えば、運輸業)に販売されたのかといった情報も、この表から読み解くことができます。このように、レオンチェフ表は、経済活動における産業間の複雑なネットワークを分析するためのツールとして、非常に重要な役割を担っています。 具体的には、ある産業の変化が他の産業にどのような影響を与えるかを予測したり、政府が政策の効果を分析する際などにも活用されています。複雑な経済の仕組みを理解する上で、レオンチェフ表は欠かせない存在と言えるでしょう。
経済の用語

経済の健康診断!SNAで国の現状を知ろう

- 経済の全体像を掴むSNAとは? 「国民経済計算」と呼ばれるSNA(システム・オブ・ナショナル・アカウント)は、一国の経済活動を総合的に把握するための統計システムです。これは、まるで経済の健康診断を行うように、国の経済規模や成長、家計の消費、企業の投資といった様々な経済活動を体系的に記録し、分析することを可能にします。 SNAは、複雑な経済活動を一貫性のある形で捉え、主要な経済指標を算出します。例えば、国内で生産されたモノやサービスの合計価値を示す「国内総生産(GDP)」や、国民全体の所得を示す「国民総所得(GNI)」などが挙げられます。これらの指標は、国の経済規模や成長を測る上で欠かせないものです。 SNAが提供する情報は、経済政策の立案や評価にも役立ちます。政府はSNAのデータに基づいて、景気対策や産業政策などを検討します。また、企業はSNAのデータを用いて、市場動向や投資判断を行います。さらに、研究者はSNAのデータを使って、経済構造や経済成長のメカニズムを分析します。このように、SNAは経済の現状を把握し、将来を予測するために欠かせないツールと言えるでしょう。
FX

為替リスクを回避!外貨預金のカバー取引とは?

外貨預金は、銀行に預けたお金を外国の通貨で運用する金融商品です。円預金よりも高い金利が魅力ですが、為替レートの変動によって預けたお金の価値が変動するという側面も持ち合わせています。 外貨預金には為替リスクがつきものです。為替リスクとは、預金している間に円高または円安が進むことで、円に換算した際の金額が増減してしまうリスクを指します。例えば、1ドル100円のときに10,000ドル預けたとします。その後、円高が進み1ドル90円になったとしましょう。この場合、預けていた10,000ドルを円に換算すると90万円となり、円預金していた場合に比べて10万円の損失が出てしまいます。 一方で、円安になった場合は利益を得るチャンスがあります。仮に1ドル110円になったとすると、預けていた10,000ドルは110万円になり、円預金よりも10万円多く受け取ることができます。このように、外貨預金は高い金利と引き換えに為替リスクを負う金融商品と言えるでしょう。
投資信託

投資信託選びの羅針盤!レーティングを徹底解説

- レーティングとは 投資信託を選ぶ際に、数ある商品の中からどれが良いのか迷ってしまうことはありませんか?そんな時、頼りになる指標の一つが「レーティング」です。 レーティングとは、簡単に言えば投資信託の「成績表」のようなものです。過去の運用実績が良いからといって、将来も必ずしも良い成績を残せるとは限りません。そこで、レーティングでは、過去の運用成績だけでなく、ファンドマネージャーの運用スキルや、投資対象としている企業や市場の分析、そして運用方針などが総合的に評価されます。 つまり、レーティングを見ることで、その投資信託がどの程度信頼できるのか、将来的な成長が期待できるのかをある程度予測することができるのです。 ただし、レーティングはあくまで過去のデータや分析に基づいた評価であることを忘れてはいけません。将来の市場環境や経済状況によって、投資信託の成績は変動する可能性があります。最終的な投資判断は、レーティングを参考にしながらも、ご自身の投資目標やリスク許容度などを考慮して行うようにしましょう。
その他

金融危機を招いたSIVとは?

- 仕組み化された投資機関(SIV)とはSIVは、多くの投資家から集めた資金を元手に、住宅ローンやクレジットカードローンなどを債権として証券化し、運用を行う金融機関です。集めた資金は、リスクとリターンを調整して設計された様々な金融商品に投資されます。そして、運用によって得られた利益は、投資家へと分配されます。従来の金融機関とは異なり、SIVは複雑な金融技術を用いて、リスクを細分化し、それぞれの投資家のニーズに合わせた商品を提供できる点が特徴です。例えば、ローリスク・ローリターンを求める投資家には、比較的安全な債権を組み合わせた商品を、ハイリスク・ハイリターンを求める投資家には、高い収益が見込めるが、その分リスクも高い債権を組み合わせた商品を提供します。しかし、SIVは、その複雑な仕組みゆえに、投資家にとってリスクを把握しにくいという側面も持っています。特に、サブプライムローン問題の際には、SIVが運用する金融商品にサブプライムローン関連の証券が含まれていたため、多額の損失が発生し、世界的な金融危機の引き金の一つとなりました。そのため、SIVへの投資を検討する際には、その仕組みやリスクを十分に理解しておくことが重要です。
経済の用語

経済の羅針盤:最終生産物の総取引額とは?

私たちの暮らしは、モノを作ったり、サービスを提供したり、お金をやり取りしたりと、経済活動の上に成り立っています。経済全体がどれくらい活発なのかを知ることは、私たちの生活にとっても重要です。そこで、経済活動の規模を示す指標として「最終生産物の総取引額」が使われています。 「最終生産物の総取引額」は、ある国で一定期間内に生産された、すべての最終的な財やサービスの市場価値の合計額です。つまり、ある国で1年間でどれだけの価値が生み出されたのか、その国の経済規模を測る重要な指標となります。 この指標は、経済の成長を測るのにも役立ちます。例えば、ある年の「最終生産物の総取引額」が前の年よりも増加していれば、その国の経済は成長していると判断できます。逆に、減少していれば、経済は縮小していると考えられます。 「最終生産物の総取引額」は、経済の現状を把握し、今後の見通しを立てるために欠かせない指標です。この指標を理解することで、私たちは経済の動きをより深く理解し、日々の生活や将来の計画に役立てることができます。
その他

外貨預金とカストディアンの関係

- 外貨預金とは 外貨預金とは、普段私たちが利用している円ではなく、アメリカ合衆国で使われているドルや、ヨーロッパ諸国で使われているユーロなど、外国のお金で預金をすることができる金融商品です。 外貨預金の魅力は、円預金に比べて高い金利が設定されていることが多い点です。預けたお金が増えるスピードが円預金よりも速くなる可能性があります。また、為替レートの変動によっては、預けた時よりも円に戻す際に多くの円を受け取ることができ、為替差益を得られる可能性もあります。 しかし、外貨預金にはリスクも存在します。為替レートは常に変動しており、預けた時よりも円安になると、円に戻す際に受け取れる円の金額が減ってしまい、元本割れを起こす可能性があります。外貨預金は、預けたお金が増える可能性がある一方で、減ってしまう可能性もあることを理解しておく必要があります。
経済の用語

ルーブル合意:為替安定への模索

1987年2月、フランスのパリにあるルーブル宮殿に、世界経済を牽引する先進7カ国(G7)の財務大臣と中央銀行総裁が集結しました。彼らの目的は、世界経済の安定化という共通の目標を達成するためでした。そして、この会議で締結されたのが、後に「ルーブル合意」と称されることになる歴史的な合意です。 当時の世界経済は、1985年のプラザ合意後の急激なドル安によって、為替市場が大きく変動し、世界経済の不確実性が高まっているという状況にありました。この不安定な状況を打開するために、G7は協調して為替レートの安定化を図る必要性を認識していたのです。 ルーブル合意では、各国が協調して為替介入を行うこと、そして、各国が自国の経済政策を調整し、世界経済の安定に貢献することが約束されました。具体的な政策としては、財政政策や金融政策の調整などが挙げられます。この合意は、各国が自国の利益だけでなく、世界経済全体の安定を重視した行動をとるという、国際協調の精神に基づいた画期的なものでした。
その他

適格機関投資家等特例業者とは?

お金の世界において、投資家を守るためのルールは必要不可欠です。しかしながら、厳格すぎるルールは、新しい事業や資金調達の機会を閉ざしてしまう可能性も孕んでいます。 そこで、投資家保護と資金調達の柔軟性を両立させるために「適格機関投資家等特例業者」という制度が設けられています。 この制度は、一定の知識や経験、資産規模を持つプロ投資家のみを対象とすることで、規制を緩和し、より自由度の高い投資を可能にするものです。これにより、ベンチャー企業など、従来の金融機関からの融資が難しいとされてきた企業も、資金調達の道が開け、新たな事業展開や成長を促進することができます。 一方で、この制度は、プロ投資家以外の一般投資家には適用されません。そのため、一般投資家は、リスクの高い投資に巻き込まれないよう、自身のリスク許容度や投資目的を十分に理解した上で、投資判断を行う必要があります。 投資家保護と資金調達のバランスは、経済の活性化にとって重要な課題です。「適格機関投資家等特例業者」制度は、そのバランスを図る上での有効な手段の一つと言えるでしょう。
経済の用語

経済の基礎指標:最終生産額とは?

私たちの暮らしは、様々な経済活動によって成り立っています。経済活動は、衣食住をはじめとする様々な財やサービスを生み出し、私たちの生活を豊かにしています。 では、この経済活動の成果は、どのように測ればよいのでしょうか。経済活動の成果を測る指標の一つに、「最終生産額」があります。 最終生産額とは、私たち消費者が最終的に購入して消費する財やサービスの生産額を合計したものです。 例えば、パン屋さんが美味しいパンを作るために、小麦粉やバター、砂糖などの材料を購入し、パンを製造し、私たちがそのパンを購入するとします。この場合、最終生産額に計上されるのは、私たちが購入したパンの価格です。小麦粉やバター、砂糖などの価格は、すでにパンの価格に含まれているため、二重計上を避けるために最終生産額には含まれません。 このように、最終生産額は、私たちが実際に消費する財やサービスの価値を合計することで計算されます。経済活動によって、私たちの生活がどれだけ豊かになったのかを知る上で、重要な指標と言えるでしょう。
経済の用語

経済の主役!最終需要を理解しよう

経済活動において、私たちがモノやサービスを購入し、利用する最終的な段階を表す「最終需要」は、経済の動きを理解する上で欠かせない重要な指標です。 最終需要は、具体的には「消費」、「投資」、「輸出」の3つの要素で構成されます。 まず「消費」は、私たちが日々の生活の中で洋服や食品などを購入することを指します。毎日の食事や日用品の購入、休日の旅行やレジャーなど、私たちの暮らしに必要なモノやサービスに対する需要が、経済活動の基盤となっています。 次に「投資」は、企業が工場や設備を新たに建設したり、機械や車両を導入したりすることを指します。企業は、より多くの製品を生産したり、より質の高いサービスを提供したりするために、積極的に投資を行います。この投資活動が、経済成長や雇用創出に繋がっていくのです。 そして「輸出」は、国内で生産されたモノやサービスを海外へ販売することを指します。自動車や家電製品、アニメやゲームといったコンテンツなど、世界で需要のある製品やサービスを輸出することで、国全体が豊かになっていきます。 このように、最終需要は私たちの消費活動から企業の投資活動、そして国際的な貿易まで、経済活動のあらゆる側面に関わる重要な概念なのです。
その他

適格機関投資家とその役割

- 適格機関投資家とは金融の世界では、誰もが同じように投資できるわけではありません。 特に、複雑な金融商品やリスクの高い投資案件に投資できるのは、専門知識や豊富な経験を持つ一部の投資家だけです。彼らを「適格機関投資家」と呼びます。金融商品取引法では、適格機関投資家を「有価証券への投資に関する高度な知識と豊富な経験を持つと認められる投資家」と定義しています。具体的には、銀行や保険会社などの金融機関、投資助言や資産運用を専門に行う投資運用業者、そして、一定規模以上の会社などが該当します。では、なぜこのような制度があるのでしょうか? それは、金融市場の安定と投資家保護のためです。複雑な金融商品は、仕組みやリスクを理解していないと思わぬ損失を被る可能性があります。そのため、専門知識を持った投資家に限定することで、市場の混乱を防ぎ、投資家を保護しようというわけです。適格機関投資家は、金融のプロフェッショナルとして、より専門的な知識や情報に基づいた投資判断を行うことが期待されています。彼らが市場で重要な役割を担っていることは間違いありません。
その他

わかりやすく解説!最終給与比例方式とは?

- はじめに老後の生活設計において、公的年金だけに頼らず、自分自身で将来に備えた資金準備が欠かせない時代となりました。企業年金制度は、まさにそのための有効な手段の一つと言えるでしょう。数ある企業年金制度の中でも、今回は「最終給与比例方式」について詳しく解説していきます。この制度は、退職時の給与額に応じて受け取れる年金額が決まるため、長年勤務し、高い給与を得てきた人ほど、より多くの年金を受け取れるという特徴があります。具体的には、退職前の一定期間の平均給与を基に、勤務年数に応じた支給率をかけて年金額を算出します。例えば、30年間勤務し、平均給与が50万円、支給率が2%だった場合、年間300万円の年金を受け取ることができます。しかし、この制度は、将来の給与や支給率が確定しているわけではないという点に注意が必要です。企業の業績悪化などにより、給与が減額されたり、支給率が見直される可能性もゼロではありません。そのため、最終給与比例方式だけに頼るのではなく、他の貯蓄方法と組み合わせるなど、リスク分散を意識した資金計画を立てることが大切です。
税制

資産運用を海外へ?適格外国仲介業者とは

近年、日本の投資家の間では、資産を国内だけでなく、海外にも分散して投資することの重要性が認識されてきています。それに伴い、海外の株式や債券といった金融商品への関心も高まっています。 海外の金融商品に投資する場合、証券会社や銀行といった金融機関を利用するのが一般的ですが、海外の金融機関と取引を行う際には、「適格外国仲介業者」という存在が重要な役割を担います。 適格外国仲介業者とは、海外の金融機関を代理して、顧客である投資家との間で、口座開設や取引の手続き、取引に関する情報の提供などを行う業者です。日本の投資家が海外の金融商品に投資する際、通常は日本の金融機関を通じて取引を行いますが、その背後では適格外国仲介業者が海外の金融機関との橋渡しをしているケースが多く見られます。 適格外国仲介業者は、海外の金融機関に関する専門知識や経験が豊富であり、投資家に対して、海外投資に関する様々な情報提供やアドバイスを行うこともできます。また、言語の壁や文化の違いを克服し、円滑な取引を実現する上でも重要な役割を果たしています。 海外投資を行う際には、適格外国仲介業者の存在とその役割について理解しておくことが大切です。
経済の用語

再調達原価とは?

- 再調達原価とは? 商品や製品を新しく買い直したり、作り直したりする場合、当然ながら費用が発生します。 この費用こそが「再調達原価」と呼ばれるもので、文字通り、再び調達する場合にかかる費用を指します。 例えば、家具を作っている会社を考えてみましょう。 この会社が木材を仕入れて、椅子を作るとします。 木材の仕入れ値はもちろんのこと、工場までの送料や木材を加工する人材の人件費なども再調達原価に含まれます。 また、洋服を販売しているお店の場合、販売している洋服を仕入れるための費用が再調達原価となります。 この場合、洋服の仕入れ値だけでなく、お店までの送料や、仕入れた洋服を保管しておくための倉庫の賃料なども含まれることがあります。 このように、再調達原価は、単に商品そのものの価格だけでなく、商品を再び調達するために必要なあらゆる費用を含むため、企業の経営において非常に重要な要素となります。
株式投資

適格外国金融商品市場とは?

- 適格外国金融商品市場の概要日本の投資家が、海外の金融商品に投資する場合、その取引が行われる市場が、日本の法律に基づいて適切に規制されているかどうかは、重要な検討事項です。なぜなら、市場の規制が不十分な場合、投資家保護の観点から、思わぬリスクにさらされる可能性があるからです。そこで、日本の金融商品取引法では、「適格外国金融商品市場」という制度を設けています。これは、日本の投資家保護の観点から、一定の水準を満たしていると認められた外国の金融商品市場のことを指します。具体的には、証券取引所や、証券会社が顧客の注文を取引する店頭市場などが、この制度の対象となります。これらの市場は、日本の金融庁や証券取引等監視委員会といった監督機関によって、厳正に審査されます。審査では、市場の開示体制や、取引の公正性を確保するためのルールなどが、日本の基準に照らして十分かどうかが評価されます。そして、審査の結果、適格と認められた市場が、「適格外国金融商品市場」として、金融庁の告示において指定されます。この制度は、日本の投資家が、海外の金融商品に投資する際の安心感を高める上で、重要な役割を担っています。
債券投資

資産運用としての抵当証券

- 抵当証券とは抵当証券とは、住宅ローンを借りた人が、毎月返済するお金をまとめて、投資家などお金を持っている人が購入できる商品にしたものです。住宅ローンは、人によって借りている金額や金利、返済期間などがバラバラです。このバラバラな住宅ローンをたくさん集めて、大きなひとつの塊にすることを「証券化」と言います。そして、証券化されたものが「抵当証券」です。抵当証券は、多くの住宅ローンをまとめて作られているため、投資家にとっては、様々な条件の住宅ローンに一度に投資できるというメリットがあります。また、株式のように市場で売買できるため、換金性も高いという特徴があります。投資家は、この抵当証券を買うことで、間接的に住宅ローンにお金を貸していることになります。そして、住宅ローンの借り手が毎月返済するお金の中から、利息を受け取ることができます。ただし、抵当証券への投資には、住宅ローンの金利変動リスクや、借り手が返済できなくなるリスクなど、いくつかのリスクも存在します。投資する前には、これらのリスクをよく理解しておくことが重要です。