企業年金の健全性を示す指標:PSLとは
- 企業年金の健全性を示す指標PSLとは?企業年金制度は、会社員や公務員などが老後の生活資金を準備する上で、重要な役割を担っています。しかし、近年では少子高齢化や経済の停滞などにより、企業年金の財政状況が悪化しているケースも少なくありません。そこで、企業年金の健全性を示す指標として注目されているのが「PSL」です。PSLは「Pension Security Limit」の略称で、日本語では「年金特別倒産保険の保険給付に必要な額」といいます。簡単に言うと、将来、加入者に支払うべき年金給付額(数理債務)に対して、現在保有している年金資産がどれだけ不足しているかを示す指標です。例えば、ある企業年金制度で、将来支払うべき年金給付額が1,000億円、現在保有している年金資産が800億円だったとします。この場合、PSLは200億円(1,000億円-800億円)となります。PSLは、企業年金の財政状況を把握するための重要な指標の一つです。PSLが大きければ大きいほど、年金資産が不足している状態、つまり、将来の年金給付の支払いが危ぶまれる状態であることを意味します。逆に、PSLが小さければ小さいほど、年金資産が充実しており、将来の年金給付の支払いが安定していると考えられます。企業年金に加入している方は、自分が加入している企業年金制度のPSLについて確認し、将来の年金受給の見通しを立てておくことが大切です。