世界経済の基準金利LIBORとは?
投資について知りたい
先生、『LIBOR』って何か教えてください。
投資アドバイザー
『LIBOR』(ライボー)は、ロンドンの銀行間でのお金の貸し借りの金利の目安となるものだよ。銀行がお金を貸し出す時の基準になる、とても大切な金利なんだ。
投資について知りたい
銀行間のお貸し借りの基準になるんですか? つまり、僕たちの生活には関係ないんですか?
投資アドバイザー
そんなことはないよ。例えば、住宅ローンなどの金利はLIBORを参考に決められていることが多いんだ。だから、LIBORが上がると、住宅ローンの金利も上がりやすくなるんだよ。
LIBORとは。
「投資の世界でよく聞く『ライボー』という言葉について説明します。『ライボー』は『London Interbank Offered Rate』の略称で、ロンドンにある銀行同士でお金を貸し借りする際の金利を示しています。この金利は、ユーロ圏で金融機関がお金を調達する際の基準となる重要なものです。『ライボー』は『ICEベンチマーク・アドミニストレーション』という機関が毎日1回、ロンドン時間の午前11時に発表しており、通貨や期間ごとに異なる金利が公表されます。
LIBORの概要
– LIBORの概要LIBORは、London Interbank Offered Rateの略称で、日本語では「ライボー」と読みます。これは、ロンドン市場において、銀行が他の銀行に対して資金を貸し出す際の金利を示す指標です。
毎日、世界の主要な銀行から提示される金利をもとに算出され、米ドルや日本円、ユーロなど、主要な通貨ごとに異なる金利が公表されます。
LIBORは、世界中の金融取引において非常に重要な役割を果たしており、変動金利型住宅ローンや企業融資、デリバティブ取引など、様々な金融商品の金利設定の基準として広く利用されています。
例えば、変動金利型住宅ローンの金利は、「LIBOR+○○%」といった形で設定されることが一般的です。つまり、LIBORが変動すると、住宅ローンの金利も変動することになります。
このように、LIBORは世界経済に大きな影響力を持つ金利指標であるため、その動向は常に注目されています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | London Interbank Offered Rate |
日本語読み | ライボー |
定義 | ロンドン市場において、銀行が他の銀行に対して資金を貸し出す際の金利を示す指標 |
算出方法 | 毎日、世界の主要な銀行から提示される金利をもとに算出 |
通貨 | 米ドル、日本円、ユーロなど、主要な通貨ごとに異なる金利を公表 |
用途 | 変動金利型住宅ローン、企業融資、デリバティブ取引など、様々な金融商品の金利設定の基準 |
例 | 変動金利型住宅ローンの金利は、「LIBOR+○○%」といった形で設定される |
影響力 | 世界経済に大きな影響力を持つ金利指標 |
LIBORの算出方法
– LIBORの算出方法LIBORは、銀行間で短期資金を貸し借りする際の基準金利であり、世界中で様々な金融商品の指標として使用されています。 毎日ロンドン時間の午前11時になると、LIBORの算出・公表を行う機関であるICE Benchmark Administrationは、世界中の主要な銀行に対してアンケート調査を実施します。このアンケート調査では、「もしあなたが、他の銀行から一定期間お金を借りるとしたら、どれくらいの金利を提示しますか?」という質問が投げかけられます。銀行は、自らの資金調達コストや市場の動向などを考慮して、提示する金利を決定します。回答が集まると、ICE Benchmark Administrationは、提示された金利の中から異常値だと判断されるものを上位と下位から一定数除外します。これは、市場をゆがめるような意図的な操作や、一時的な要因による極端な金利の影響を排除するためです。そして、異常値を除外した残りの金利の平均値を算出し、それをLIBORとして公表します。このように、LIBORは、銀行が実際に提示する金利をベースに算出されるため、市場の実勢を反映した金利と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
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算出機関 | ICE Benchmark Administration |
算出時間 | 毎日ロンドン時間の午前11時 |
算出方法 |
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通貨と期間
– 通貨と期間
LIBORは、世界で広く使われている金利の指標であり、様々な通貨と期間の組み合わせで算出されています。これは、国や地域、そして資金の借入期間によって、お金の価値が異なるためです。
まず、通貨についてですが、LIBORは米ドルやユーロ、日本円といった主要な通貨ごとに公表されています。例えば、アメリカの銀行がドルを借りる際の金利は、日本の銀行が円を借りる際の金利とは当然異なります。そのため、LIBORは通貨ごとに異なるレートで表示されるのです。
次に期間ですが、LIBORは翌日物から1年間まで、複数の期間が設定されています。翌日物とは、今日お金を借りて翌日返済する場合の金利であり、1年間とは、1年間お金を借りる場合の金利です。一般的に、お金を借りる期間が長くなるほど、金利は高くなる傾向があります。これは、長期間お金を貸す場合には、その間の経済状況の変化や貸し倒れのリスクが高まるためです。
このように、LIBORは通貨と期間の組み合わせによって、多種多様なレートが存在します。そして、これらのレートは、世界経済の状況を反映して日々変化しています。
項目 | 説明 |
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通貨 | 米ドル、ユーロ、日本円など、主要な通貨ごとに異なるレートで表示される。 |
期間 | 翌日物から1年間まで、複数の期間が設定され、期間が長くなるほど金利は高くなる傾向がある。 |
LIBORの重要性
– LIBORの重要性LIBORは、正式名称を「ロンドン銀行間取引金利」といい、世界中の銀行が短期でお互いに資金を貸し借りする際の基準となる金利です。 国際的な金融取引において非常に重要な役割を担っており、世界中の銀行や金融機関がLIBORを基準に様々な金融商品の金利を設定しています。例えば、企業が事業資金を調達するために銀行から融資を受けるケースを考えてみましょう。 この時、適用される金利は「LIBOR+〇%」といった形で、LIBORを基準に決定されることが一般的です。 つまり、LIBORの上昇は企業の借入コスト増加に、LIBORの低下は借入コスト減少に繋がります。また、個人投資家が銀行に預金をする際や投資信託を購入する際にも、LIBORは密接に関わってきます。 預金金利や投資信託の運用利回りが、LIBORを基準に設定されている場合があるからです。 LIBORは私たちの身近な金融商品にも影響を与える指標と言えるでしょう。このように、LIBORは国際金融市場全体に大きな影響力を持つ指標であるため、その動向は常に注目されています。
項目 | 内容 |
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定義 | ロンドン銀行間取引金利。世界中の銀行が短期でお互いに資金を貸し借りする際の基準となる金利。 |
役割 | 国際的な金融取引において非常に重要な役割を担っており、世界中の銀行や金融機関がLIBORを基準に様々な金融商品の金利を設定。 |
企業への影響 | 企業の借入コストに影響。LIBOR上昇は借入コスト増加、LIBOR低下は借入コスト減少。 |
個人への影響 | 預金金利や投資信託の運用利回りがLIBORを基準に設定されている場合があり、LIBORは私たちの身近な金融商品にも影響を与える。 |
LIBORの将来
– LIBORの終焉と新たな基準金利への移行
2012年に発覚したLIBOR不正操作事件は、金融業界に大きな衝撃を与えました。この事件により、基軸通貨の金利指標として長年利用されてきたLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の信頼性は大きく失墜しました。事件をきっかけに、より透明性が高く、安定した金利指標への移行が求められるようになり、世界各国で新たな基準金利の検討が進められました。
そして、2023年末をもって主要通貨のLIBORの公表は終了しました。今後は、各国の中央銀行が推奨する新たな基準金利への移行が進んでいくと考えられます。例えば、米ドルはSOFR(Secured Overnight Financing Rate)、ユーロは€STR(Euro Short-Term Rate)、日本円はTONA(Tokyo Overnight Average Rate)といった新たな金利指標が採用されています。
これらの新たな基準金利は、LIBORのように銀行の申告に基づくのではなく、実際に市場で取引されたデータに基づいて算出されるため、より信頼性が高いとされています。また、LIBORは特定の銀行グループによって決定されていましたが、新たな基準金利はより広範な市場参加者の取引データが反映されるため、市場の実勢をより正確に反映することが期待されています。
LIBORからの移行は、金融市場全体に大きな影響を与える可能性があります。特に、LIBORを参照している金融商品や契約は、新たな基準金利に置き換えられる必要があります。金融機関や企業は、この移行に適切に対応するために、必要な準備を進めることが重要です。
項目 | 詳細 |
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背景 | 2012年のLIBOR不正操作事件により、LIBORの信頼性が失墜。より透明性が高く安定した金利指標への移行が求められた。 |
LIBORの終焉 | 2023年末をもって主要通貨のLIBORの公表が終了。 |
新たな基準金利 | – 米ドル:SOFR (Secured Overnight Financing Rate) – ユーロ:€STR (Euro Short-Term Rate) – 日本円:TONA (Tokyo Overnight Average Rate) |
新基準金利の特徴 | – 実際に市場で取引されたデータに基づき算出されるため、信頼性が高い – 広範な市場参加者の取引データが反映されるため、市場の実勢をより正確に反映 |
LIBOR移行の影響と対応 | – 金融市場全体に大きな影響を与える可能性 – LIBORを参照している金融商品や契約は新たな基準金利に置き換え – 金融機関や企業は移行への適切な対応が必要 |