株式投資の戦略 後場編

株式投資の戦略 後場編

後場取引とは

株式投資をする上で、証券取引所の取引時間について理解することは重要です。証券取引所は、1日を通して取引を行っているわけではなく、午前と午後の2つの時間帯に分けて取引を行っています。
午後の取引時間帯のことを「後場」と呼びます。東京証券取引所を例に挙げると、2016年現在では、12時30分から15時までの2時間30分間が後場に該当します。
後場は、午前中の取引時間帯である「前場」の動向を踏まえて、投資家が改めて投資戦略を練り直したり、調整したりする時間帯と言えます。そのため、後場では、前場の取引とは異なる値動きが見られることも少なくありません。
投資家は、後場の取引時間帯を有効に活用することで、より効率的に投資を行うことが可能になります。

後場の特徴

– 後場の取引の特徴午後の取引時間帯、いわゆる後場は、午前中の取引とは異なる様相を見せることがあります。まず、午前中に公表された経済指標や企業の業績発表などの影響が、時間をかけて市場に浸透していきます。 企業の決算発表であれば、内容を分析した専門家の見解が報道されたり、投資家同士で情報交換が行われたりすることで、徐々に株価に影響が出始めるのです。そのため、午前中に比べて株価の変動幅が大きくなることがあります。また、海外市場の動きも影響を与え始めます。 特に、ヨーロッパやアメリカの市場が開く時間帯になると、海外の投資家の動向が市場に影響を与えるため、注意が必要です。例えば、アメリカの市場で予想外の経済指標が発表された場合、その情報が日本の市場にも伝わり、株価が大きく動く可能性があります。さらに、後場は、新規の売買注文よりも、午前中に保有した株式を決済するための注文が多くなる傾向があります。そのため、取引量自体は午前中と比べて減少する傾向にありますが、特定の銘柄に注文が集中すると、一時的に価格が大きく変動する可能性も残ります。後場の取引は、これらの点を踏まえ、午前中の情報や海外市場の動向を注視しながら、冷静な判断を行うことが重要と言えるでしょう。

後場の戦略

– 後場の戦略後場の取引で成果を上げるには、午前中の市場の動きを踏まえた戦略が欠かせません。まず、午前中の取引の流れを丁寧に分析しましょう。日経平均株価やTOPIXといった主要な株価指数をチェックし、市場全体が上昇トレンドなのか、それとも下降トレンドなのかを見極めます。さらに、投資対象とする個別銘柄の値動きも確認し、市場全体の動きと比べて、その銘柄がどのような動きをしているのかを把握することが重要です。次に、海外市場の影響も考慮しなければなりません。特に、日本時間の午後には、ヨーロッパやアメリカの市場が開場します。これらの市場が開く前に、欧米の主要な経済指標が発表されることも多く、その内容次第では、日本の市場も大きく動く可能性があります。加えて、欧米の中央銀行による金融政策に関する発言も、市場に大きな影響を与えるため、注意深く確認する必要があります。これらの情報を総合的に判断し、後場の取引戦略を練っていくことが、成功への鍵となります。後場も、市場の動きは常に変化することを意識し、柔軟に対応していくことが大切です。

後場のリスク管理

株式市場は一日を通して常に動いていますが、午前と午後では取引の様相が異なることがあります。特に、後場の取引は、午前中に比べて取引参加者が増え、売買が活発になる傾向があります。これは、機関投資家や海外投資家などが午後に取引を開始することが多いためです。取引が活発になると、必然的に価格の変動幅も大きくなるため、注意が必要です。

このような後場の値動きに対して、適切に対応するためには、リスク管理を徹底することが重要になります。具体的には、損失が一定の水準を超えないように、あらかじめ設定した価格で自動的に売買する注文方法であるストップロス注文を活用することが有効です。また、一度に売買する株数や金額を調整し、リスクを抑えることも大切です。

さらに、後場の特徴として、短期的な値動きに翻弄されやすいという点も挙げられます。わずかな価格変動に一喜一憂して、感情的な売買をしてしまうと、結果的に損失を拡大させてしまう可能性があります。常に冷静さを保ち、短期的な値動きにとらわれず、中長期的な視点で投資判断を行うように心がけましょう。