信用取引の基礎:委託保証金とは?
投資について知りたい
先生、『委託保証金』って何か教えてください。
投資アドバイザー
例えば、友達にお金を貸して自転車を預かるとするよね? そうすると、もし友達が約束を破ってお金を返さなかった場合でも、自転車を代わりに受け取ることができる。 この時、自転車のように、貸したお金の代わりに預かっているものを『担保』と言うんだ。 投資の世界でも同じように、お金を借りて投資をする時に、その担保として証券会社に預けるお金や株券のことを『委託保証金』と言うんだよ。
投資について知りたい
なるほど。預けるものによって価値が変わるんですか?
投資アドバイザー
そうなんだ。現金で預ける場合は、その金額がそのまま担保の価値になる。でも株券を預ける場合は、株の値段が上下するよね? そのため、その時々の株の値段から一定の割合をかけた金額が担保の価値になるんだ。
委託保証金とは。
証券会社からお金や株を借りて売買する「信用取引」をするとき、その借りたものに対する担保として証券会社に預けるお金や株のことを「委託保証金」といいます。現金の場合、預けた金額がそのまま担保の価値になりますが、株などの有価証券の場合は、その時の価格に変動する割合を考慮して決められた計算式を使い、担保としての価値を計算します。
信用取引と委託保証金の関係
投資の世界には、より多くの利益を狙うために、自己資金以上の金額で株の売買を行う「信用取引」という方法があります。これは、証券会社に預けた保証金を元手に、証券会社から資金や株を借りて売買を行う取引のことです。
この時、投資家が証券会社に預ける保証金の事を「委託保証金」と呼びます。委託保証金は、信用取引を行うための「参加料」のようなものであり、投資家自身の資金を守る役割も担っています。
信用取引では、株価の変動が利益だけでなく、損失にも大きく影響します。もしも、投資家の予想に反して株価が大きく下落した場合、損失が預けた委託保証金を上回る可能性もあります。このような事態から投資家を守るために、委託保証金は重要な役割を果たしています。
証券会社は、投資家が損失を出して預けた委託保証金を下回った場合でも、貸した資金や株を回収できるように、一定水準以上の委託保証金の維持を求めています。これを「委託保証金維持率」と呼びます。もしも、株価の変動によって委託保証金維持率が一定水準を下回った場合には、「追証(おいしょう)」と呼ばれる追加の保証金の差し入れが求められます。
信用取引は、うまく活用すれば大きな利益を得ることも可能ですが、その反面、大きな損失を被るリスクも孕んでいることを理解しておく必要があります。信用取引を行う際には、委託保証金の仕組みやリスクを十分に理解した上で、慎重に取引を行うように心がけましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
信用取引 | 自己資金以上の金額で株の売買を行う方法。証券会社から資金や株を借りて売買を行う。 |
委託保証金 | 信用取引を行うために証券会社に預ける保証金。信用取引の「参加料」であり、投資家自身の資金を守る役割も担う。 |
委託保証金維持率 | 証券会社が、投資家が損失を出した場合に備えて、一定水準以上の委託保証金の維持を求める制度。 |
追証(おいしょう) | 株価の変動によって委託保証金維持率が一定水準を下回った場合に、追加で差し入れる保証金。 |
委託保証金の種類
– 委託保証金の種類
投資信託や株式など証券会社に取引を依頼する際には、委託保証金を預け入れる必要があります。
この委託保証金には、主に「現金」と「有価証券」の二つの種類があります。
現金で預け入れる場合は、預けた金額がそのまま担保としての評価額になります。
例えば、100万円の現金を委託保証金として預け入れた場合、100万円が担保として評価されます。
一方、有価証券を預け入れる場合は、預け入れた時点での市場価格(時価)を基準に、価格変動リスクなどを考慮した一定の「掛け目」をかけた金額が担保としての評価額となります。
この掛け目は証券会社や銘柄によって異なり、一般的に価格変動の大きい銘柄ほど低い掛け目が設定されています。
例えば、100万円で購入した株式を委託保証金として預け入れる場合、掛け目が80%であれば、評価額は80万円(100万円×80%)となります。
このように、委託保証金として預け入れるものによって、担保評価額が異なるため注意が必要です。
投資を行う際には、事前に証券会社に確認し、自己資金や投資計画に合った方法で委託保証金を預け入れるようにしましょう。
委託保証金の種別 | 説明 | 例 |
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現金 | 預けた金額がそのまま担保評価額になる | 100万円預け入れ ⇒ 100万円の評価 |
有価証券 | 預け入れた時点での時価に、証券会社や銘柄ごとの掛け目をかけた金額が担保評価額になる | 100万円で購入した株式を預け入れ、掛け目が80%の場合 ⇒ 80万円の評価 |
委託保証金の評価と維持率
信用取引を行う上で、投資家は「委託保証金」と「委託保証金維持率」という概念を深く理解することが重要です。信用取引では、証券会社から資金や株を借りて取引を行うため、その担保として投資家は「委託保証金」を預け入れる必要があります。
この委託保証金は、取引する銘柄や証券会社によって異なりますが、一般的に取引金額に対して一定の割合以上でなければなりません。この割合のことを「委託保証金維持率」と呼びます。
委託保証金維持率は、市場の価格変動によって常に変動します。もし、保有している株価が下落し、委託保証金維持率が証券会社が定めた水準を下回ってしまうと「追証(おいしょう)」が発生します。
追証とは、下がった委託保証金維持率を再び所定の水準まで回復させるために、投資家が証券会社に追加で保証金を預け入れる必要があるという仕組みです。
もし、投資家がこの追証に応じることができない場合、預けている株などが市場価格で強制的に売却されてしまいます。
このように、信用取引は追証が発生するリスクがあるため、投資家は常に委託保証金維持率に注意し、余裕を持った資金管理を行うことが重要です。
用語 | 説明 |
---|---|
委託保証金 | 証券会社から資金や株を借りて取引を行う際の担保として、投資家が預け入れるお金。 |
委託保証金維持率 | 委託保証金の取引金額に対する割合。市場の価格変動によって常に変動する。 |
追証(おいしょう) | 保有している株価が下落し、委託保証金維持率が証券会社が定めた水準を下回った場合に、投資家が証券会社に追加で保証金を預け入れる必要がある仕組み。 |
委託保証金を理解してリスク管理
– 委託保証金を理解してリスク管理信用取引は、自己資金よりも大きな金額で投資ができるため、うまくいけば大きな利益を狙うことができます。しかし、その一方で、損失が自己資金を超えてしまうリスクも抱えています。このリスクを管理するために重要な役割を果たすのが「委託保証金」です。委託保証金とは、信用取引を行う際に証券会社に預託するお金のことです。この保証金を元手に、証券会社は投資家に対して資金の貸付を行います。信用取引を行う上で、常に意識しなければならないのが「委託保証金維持率」です。これは、預託した委託保証金の額に対して、どの程度の損失に耐えられるかを示す指標です。もし、投資した銘柄の価格が下落し、委託保証金維持率が一定の水準を下回ってしまうと、「追証(おいしょう)」が発生します。追証とは、委託保証金維持率を維持するために、不足分の保証金を証券会社に追加で預託することです。もし、追証に応じることができない場合は、証券会社によって保有している株式などが強制的に売却されてしまい、大きな損失を被ってしまう可能性もあります。そのため、信用取引を行う際には、常に委託保証金維持率に気を配り、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。具体的には、許容できる損失額をあらかじめ決めておく、損失が出た場合の対応策を考えておく、といったことが重要になります。信用取引は、リスクとリターンの両面を理解した上で、適切なリスク管理を行いながら行うようにしましょう。
用語 | 説明 |
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信用取引 | 自己資金よりも大きな金額で投資できる取引。レバレッジをかけることで、大きな利益を狙える一方、損失が自己資金を超えるリスクもある。 |
委託保証金 | 信用取引を行う際に証券会社に預託するお金。この保証金を元手に、証券会社は投資家に対して資金を貸し付ける。 |
委託保証金維持率 | 預託した委託保証金の額に対して、どの程度の損失に耐えられるかを示す指標。 |
追証(おいしょう) | 投資した銘柄の価格が下落し、委託保証金維持率が一定の水準を下回った場合に発生する。維持率を維持するために、不足分の保証金を証券会社に追加で預託しなければならない。 |