一部出来って？株式投資の基礎知識

一部出来って？株式投資の基礎知識

注文の種類

株式投資を行う際、証券会社に株の売買を依頼することを「注文」と言います。この注文には、いくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。投資を始めるにあたって、まずは基本となる2つの注文方法を押さえておきましょう。

まず、買いたい価格、または売りたい価格を指定して注文する方法を「指値注文」と言います。自分の希望する価格で売買できる可能性がある一方、価格によっては注文が成立せず、取引が成立しない可能性もあるという特徴があります。例えば、株価が1,000円の企業があるとします。この企業の株を900円で「買いたい」と考える投資家は、指値注文で900円と指定します。しかし、株価が900円まで下がらなければ、この注文は成立しません。

一方、「成行注文」は、注文を出した時点の市場価格で売買することを目指す注文方法です。注文と同時に約定するため、確実に売買を実行できますが、希望とは異なる価格で約定する可能性もあるという側面も持ち合わせています。

このように、指値注文と成行注文はそれぞれ異なる特徴を持っています。どちらの注文方法が適しているかは、投資スタイルや状況によって異なります。投資初心者の方は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、注文方法を選ぶようにしましょう。

一部出来の仕組み

– 一部出来の仕組み

株式投資では、希望する数量の株を必ずしも一度に購入できるとは限りません。買いたい人が殺到したり、逆に売る人が少なかったりする状況では、注文の一部だけが成立する「一部出来」が発生することがあります。

例えば、あなたがA社の株を1,000株購入したいとします。しかし、市場に出回っているA社の株は少なく、売却を希望しているのは500株分だけだとします。この場合、あなたの注文は500株分だけが約定し、残りの500株は未約定となります。これが「一部出来」です。

「一部出来」は、必ずしも悪いものではありません。希望する数量を全て購入できなくても、市場の状況に応じて柔軟に対応することで、リスクを抑制しながら投資を進めることができます。

一方で、「一部出来」が発生した場合、当初の投資計画を見直す必要があることも念頭に置いておくべきです。例えば、1,000株購入する予定だった資金で、500株分の購入しかできなかった場合、資金の使い道を再検討する必要が出てきます。

このように、「一部出来」は株式投資を行う上で知っておくべき重要な仕組みの一つです。

一部出来が発生する理由

– 一部出来が発生する理由

株式投資を行う際、注文を出したのに希望した数量全てが約定しない「一部出来」という現象が発生することがあります。これは、投資家の希望する条件で取引が成立しなかったことを意味します。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか？

主な理由は、市場における「流動性」の問題です。株式市場は、常に多くの投資家が売買注文を出していますが、希望する価格と数量が完全に一致するとは限りません。例えば、あなたが100株のA社の株を1,000円で買いたいとします。しかし、1,000円で売っても良いと考えている投資家は、市場に50株分しかいなかったとします。この場合、あなたの注文は50株分しか約定せず、残りの50株は未約定となってしまいます。これが「一部出来」です。

特に、価格の変動が大きい銘柄や、普段から取引量の少ない銘柄は、流動性が低く、一部出来が発生しやすいため注意が必要です。このような銘柄では、自分の希望する価格で売買できないリスクが高まります。注文を出す際には、市場の状況をよく見極め、価格や数量を柔軟に調整するなどの工夫も必要となるでしょう。

一部出来への対処法

– 一部出来への対処法株式投資において、注文を出した数量の一部のみが約定し、残りが未約定となる「一部出来」が発生することがあります。これは、希望する価格と数量で売買の成立を待つ「指値注文」の場合に起こりやすい現象です。一部出来が発生した場合、残りの未約定注文をどのように扱うかは投資家自身の判断に委ねられます。 例えば、そのまま残しておいて、市場価格が希望価格に近づくのを待つという方法があります。これは、自分の投資戦略に自信があり、価格変動に耐えられるだけの資金力がある場合に有効な手段と言えるでしょう。一方、注文を取り消して、別のタイミングで再度注文を出すという方法もあります。市場の状況が急変し、当初の投資戦略を見直す必要が生じた場合や、資金の流動性を高めたい場合などに、この方法が選択されます。どちらの対処法が適切かは、市場環境、投資戦略、資金状況などを総合的に判断する必要があります。 一つの目安として、時間的な余裕がある場合は、未約定注文をある程度の期間、様子見するという方法も考えられます。その間に市場を分析し、今後の価格動向を見極めることで、より適切な判断が可能となるでしょう。また、一部出来のリスクを軽減するために、注文を出す前に、板情報を確認し、希望する価格帯の取引量を把握しておくことも重要です。取引量が少なければ、希望する価格で約定するまでに時間がかかったり、一部出来が発生する可能性が高くなるからです。投資には常にリスクが伴います。一部出来への対処法をしっかりと理解し、冷静な判断と適切な行動をとるように心がけましょう。

まとめ

今回は、株式投資で注文を出した際に起こる「一部出来」について詳しく説明しました。

株式投資では、自分が買いたい、または売りたいと考える価格と、実際に市場で取引されている価格が一致しない場合があります。

例えば、1株1,000円の株を100株購入したいと考えて注文を出したとします。しかし、市場では1,000円で売りに出ている株は50株しかなく、残りの50株は1,001円でしか売られていないという状況の場合、50株だけが1,000円で購入され、「一部出来」となります。

残りの50株は、その後、1,001円で約定するまで、注文がそのまま残ります。この時、もしも株価が下落してしまい、1,001円にならなかった場合は、そのまま約定せずに終わってしまう可能性もあります。

このように、一部出来は、市場の状況によって発生するものであり、投資初心者の方にとっては、混乱する場面もあるかもしれません。しかし、その仕組みをきちんと理解しておくことで、落ち着いて対処することができます。

一部出来が発生した場合、状況に応じて注文の価格や数量を変更したり、注文を取り消したりするなどの対応が必要となります。ご自身の投資戦略に合わせて、適切な対応をするように心がけましょう。