ウォール街

経済の用語

世界恐慌の引き金?暗黒の木曜日とは

1929年10月24日、木曜日。ニューヨークのウォール街に、不吉な影が忍び寄っていました。この日、株価は朝から異様な値動きを見せ、まるで嵐の前の静けさを思わせるものでした。そして、取引開始から間もなく、株価は底なし沼に突き落とされるかのように暴落を始めます。人々の顔から血の気が引く中、市場はパニックに陥りました。我先にと株を売却しようとする人々でごった返し、その怒号のような叫び声がウォール街に響き渡ります。しかし、買い手はほとんどおらず、株価は文字通り紙くず同然にまで下落していきました。この日、株価は1日で12%以上も暴落し、その後の数日間も下落を続けました。この株価大暴落は、後に「暗黒の木曜日」と呼ばれるようになり、世界恐慌の引き金となりました。人々は財産を失い、企業は倒産し、世界経済は未曾有の危機に直面することになります。暗黒の木曜日は、投資における熱狂とパニックの怖さを私たちに教える、歴史に残る教訓となりました。
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ウォール街: 世界経済の中心地

「ウォール街」と耳にすると、映画やドラマの一場面に出てくるような、エネルギッシュな金融市場を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ニューヨーク市のマンハッタン区南部に位置するウォール街は、まさに世界経済の中心と呼ぶのにふさわしい場所です。 この一帯には、ニューヨーク証券取引所を始め、世界に名だたる金融機関が集中しており、日々、想像を絶するほどの資金が動いています。ウォール街の歴史は古く、17世紀後半にオランダ人が築いた防御壁に由来すると言われています。その後、18世紀後半には証券取引の中心地として発展し始めました。1929年の世界恐慌や2008年のリーマンショックなど、幾度もの金融危機を経験しながらも、ウォール街は国際金融の中心地としての地位を保ち続けています。 世界経済に大きな影響力を持つウォール街ですが、その一方で、貧富の格差の象徴として批判の対象となることも少なくありません。華麗さと闇が表裏一体となって存在するウォール街は、これからも世界中の人々を魅了し続けるでしょう。