知られざる資源:非在来型石油とは?
私たちの日常生活に欠かせない燃料である石油は、自動車を走らせたり、工場を動かしたりと、様々な場面で活用されています。ガソリンスタンドなどで目にする石油は、地下深くの油田から採掘される、いわゆる「在来型石油」と呼ばれるものです。しかし、世界には、従来の技術では採掘が困難で、これまであまり注目されてこなかった石油資源が存在します。それが「非在来型石油」です。
非在来型石油は、在来型石油に比べて、より深い場所や、地質構造が複雑な場所に存在することが多く、採掘には高度な技術や費用が必要となります。代表的な非在来型石油としては、オイルサンド、オイルシェール、メタンハイドレートなどが挙げられます。オイルサンドは、砂と粘土、水に、石油の成分である bitumen が混ざり合ったものです。オイルシェールは、頁岩と呼ばれる堆積岩に閉じ込められた状態の石油を指します。メタンハイドレートは、低温・高圧条件下で、水分子の中にメタン分子が閉じ込められた、シャーベット状の物質です。
これらの非在来型石油は、世界に広く分布しており、埋蔵量は在来型石油をはるかに上回るとも言われています。しかし、採掘に伴う環境負荷の大きさや、採掘コストの高さなど、解決すべき課題も多いのが現状です。世界的なエネルギー需要の高まりを背景に、非在来型石油は、次世代のエネルギー源として期待されていますが、同時に、環境保全と経済性の両立が求められています。