景気の波に乗り遅れない?キチン循環を解説!
経済は生き物のように、常に変化しています。良い時期と悪い時期を繰り返しながら、時間をかけて成長していくのです。
景気の良い状態を「好況」、悪い状態を「不況」と呼びますが、この好況と不況の波は、波の長さによっていくつかに分類されます。
中でも、「キチン循環」と呼ばれるものは、約40ヶ月という比較的短い周期で起こる景気の波を指します。この名前は、アメリカの経済学者ジョセフ・キチンが提唱したことに由来しています。
キチン循環では、企業の在庫投資が景気の波を作り出すと考えられています。企業は、将来の景気が良くなると予測した時、多くの商品を仕入れて在庫として抱えようとします。
需要が増えると見込んで在庫を増やすため、一時的にモノの生産活動が活発化し、景気が良くなります。しかし、需要の伸びが予測を下回ると、今度は過剰な在庫を抱えることになり、生産調整のため、逆に景気を悪化させてしまうのです。
このように、キチン循環は企業の在庫投資行動と、その結果としての生産活動の変動によって引き起こされると考えられています。