キャッシュフロー

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将来価値を今に引き寄せるDCFのススメ

「今すぐ100万円もらえる」のと「1年後にもらうのと」、どちらが良いかと聞かれたら、多くの人が「今すぐ」と答えるのではないでしょうか。これは、単にすぐに使えるからというだけでなく、「お金の時間的価値」という考え方が根底にあります。 お金の時間的価値とは、同じ金額のお金でも、今持っている方が将来受け取るよりも価値が高いという考え方です。今すぐ受け取ったお金は、銀行に預けて利息を得たり、投資に回して利益を生み出したりすることができます。つまり、時間をお金に働かせることで、将来の価値を増やすことができるのです。 このお金の時間的価値を考慮した評価方法がDCF(割引キャッシュフロー)です。DCFは、将来発生するキャッシュフローを、一定の割引率を用いて現在の価値に割り引くことで評価を行います。将来のキャッシュフローが同じでも、割引率が高い(時間的な価値が低い)ほど、現在の価値は低くなります。 例えば、1年後に100万円を受け取れるとします。金利が5%の場合、今95万2380円を預けておけば、1年後には100万円になります。つまり、1年後の100万円は、現在の価値でいうと約95万2380円に相当するということです。このように、DCFを用いることで、将来のお金の価値を現在の価値で正しく評価することができます。
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将来の収入を今に換算!掛金収入現価とは?

将来に備えて、年金保険や投資信託といった、継続的に収入を得られる仕組みを検討することはとても大切です。将来受け取れる金額が大きいほど、安心できますよね。しかし、将来受け取れる金額だけで安心するのは早計です。 将来のお金は、今の価値とイコールではありません。例えば、10年後、20年後に100万円を受け取るとしましょう。100万円という金額は変わりませんが、将来の100万円が、今の100万円と同じ価値を持つとは限りません。 私たちの生活には、いつも「物価」がつきまといます。この物価は、常に変動するものです。経済成長やインフレによって、物価は上昇する傾向にあります。 つまり、将来受け取るお金は、インフレの影響で目減りしてしまう可能性があるのです。10年後、20年後の100万円が、今の100万円と同じように使えるとは限らないのです。 ですから、年金保険や投資信託を選ぶ際には、受け取る金額だけでなく、「いつ」「どれくらい」の価値で受け取れるのかという点にも注意を払うことが大切です。
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企業年金とキャッシュ・フロー:健全な年金運営の鍵

- キャッシュ・フローとは 「キャッシュ・フロー(現金流量)」とは、ある一定期間における企業や個人の手元における現金の流入と流出を表す言葉です。 家計で例えるならば、給料日に入ってくるお給玉が「現金流入」にあたり、食費や光熱費、家賃の支払いなどが「現金流出」にあたります。 企業活動においても同様に、商品の販売やサービスの提供によって得られる売上による収入が現金流入、従業員への給与の支払い、材料費や賃料、備品購入費用などが現金流出にあたります。 この現金の流入と流出の差額がプラスであれば、手元資金は増加し、逆にマイナスであれば減少していることを示します。このプラスとマイナスの動きを把握し分析することを「キャッシュ・フロー分析」と呼び、企業の財務状況の健全性を評価する上で非常に重要な指標となります。 キャッシュ・フローは、単に利益が出ているかどうかだけでなく、実際に手元資金が増減しているかを把握することに役立ちます。 例えば、多額の売掛金を抱えている企業の場合、利益が出ていても実際には手元資金が不足している、といった状況も考えられます。このような状況を把握するためにも、キャッシュ・フローを把握することが重要です。