インフレーションを抑える「総需要削減政策」
- 総需要削減政策とは総需要削減政策とは、政府が経済活動に介入し、モノやサービスに対する需要を意図的に抑制することで、物価の上昇を抑えようとする政策です。 別名「総需要抑制政策」とも呼ばれます。では、なぜ需要を抑制する必要があるのでしょうか。 経済活動が活発化し過ぎると、モノやサービスに対する需要が供給能力を超えて過剰になり、価格が上昇しやすくなります。 これがインフレーションです。 インフレーションは、私たちの生活を圧迫するだけでなく、企業の投資意欲を減退させ、経済全体の不安定化に繋がります。そこで、政府は需要を抑制することでインフレーションを抑制しようとします。 需要を抑制する具体的な方法としては、政府が公共事業を縮小したり、増税によって人々の手元に残るお金を減らしたりする方法などが挙げられます。 また、日本銀行が政策金利を引き上げて企業や個人の借入を抑制する方法も、総需要削減政策の一つと言えるでしょう。総需要削減政策は、インフレーション抑制に一定の効果が期待できますが、一方で経済活動を冷やし、景気の後退を招く可能性も孕んでいます。 そのため、政府や中央銀行は、経済状況を慎重に見極めながら、政策の効果と副作用を比較検討し、適切な政策を実施していく必要があります。