ユーロ圏の守護神?ESMってどんな仕組み?
- ヨーロッパ安定メカニズムとは
ヨーロッパ安定メカニズム(ESM)は、ユーロ圏の国の財政が大きく揺らいだ際に、その安定を図ることを目的とした国際金融機関です。2012年に設立され、本部はルクセンブルクにあります。
ユーロ圏は共通の通貨ユーロを使用していますが、加盟各国がそれぞれ財政政策を行っています。そのため、財政状況が悪化した国がユーロ全体の安定を損なうリスクがあります。このような事態を避けるため、ESMは最後の貸し手として、厳しい財政改革を条件に、資金援助を行います。
ESMは、ユーロ圏19カ国が加盟しており、加盟国の政府からの出資金や債券発行によって資金を調達しています。その規模は大きく、国際通貨基金(IMF)の欧州版とも呼ばれます。
ESMは、ユーロ圏の金融安全網において重要な役割を担っており、その存在はユーロの安定に大きく寄与しています。しかし、ESMからの融資はあくまでも緊急措置であり、根本的な解決には、加盟国自身の財政再建努力が不可欠です。