リスク

経済の用語

分散投資では消せないリスクとは?

投資の世界では、常に利益と隣り合わせに危険が存在します。堅実な投資の選択をするためには、危険の種類を正しく理解することが非常に大切です。投資における危険には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、投資対象となる企業や商品そのものに起因する危険です。もう一つは、市場全体に影響を及ぼす危険です。後者は「システマティック・リスク」とも呼ばれ、戦争や不景気、金融システムの崩壊など、市場全体を揺るがすような出来事によって発生します。 例えば、ある優秀な経営者によって成長を続ける企業があったとしても、戦争が勃発すれば、その影響は避けられません。戦争という大きな出来事の影響は、その企業一社にとどまらず、市場全体に波及し、株価は下落する可能性があります。 同様に、世界的な不景気に見舞われた場合、たとえ業績の良い企業でも、消費の冷え込みから逃れることは難しいでしょう。このように、「システマティック・リスク」は、個々の企業の努力だけでは回避できない、市場全体に影響を与えるものであるため注意が必要です。
債券投資

商業用モーゲージ:不動産投資の選択肢

商業用モーゲージとは、オフィスビルやショッピングセンター、ホテルなどの事業用不動産を担保にして借り入れを行うローンのことを指します。このローンを、証券化の手法を用いて複数の投資家からの資金調達手段として活用できるよう設計された金融商品が、商業用モーゲージ証券です。 商業用モーゲージ証券は、不動産投資信託(REIT)などと同様に、多くの投資家から少しずつ資金を集めることで、大規模な不動産開発や投資を可能にする役割を担っています。 投資家にとっては、比較的高い利回りが見込める点が魅力ですが、不動産市況の悪化に伴い、担保となる不動産の価値が下落してしまうリスクも孕んでいます。そのため、投資する際には、リスクとリターンを十分に理解しておくことが重要となります。
債券投資

格付機関を理解する

- 格付機関とは企業がお金を借りるとき、その企業がどれくらい安全か、お金をきちんと返せるのか、ということを判断する機関のことを格付機関といいます。企業は事業を大きくしたり、新しいことを始めたりするのに、たくさんのお金が必要になることがあります。そのお金を、株式を発行して集めたり、銀行から借りたり、社債を発行して投資家から集めたりします。格付機関は、企業の財務状況や事業内容、将来の見通しなどを詳しく調べ、お金を返済する能力を評価します。そして、その評価を「AAA」や「A+」といった記号で表します。これが格付けです。格付けが高いほど、企業の財務状況が健全で、お金を返済する能力が高いと判断されます。逆に、格付けが低い場合は、企業の財務状況が悪化しており、お金を返済できない可能性が高いことを意味します。投資家にとって、格付けは投資判断を行う上で重要な情報となります。なぜなら、格付けを見ることで、投資しようとしている企業の安全性を簡単に知ることができるからです。一般的に、格付けの高い企業の社債は、利回りが低くなる傾向があります。これは、投資家にとって安全な投資先であるため、高い利回りを求める必要がないからです。逆に、格付けの低い企業の社債は、利回りが高くなる傾向があります。これは、投資家にとってリスクの高い投資先であるため、高い利回りを求める投資家が多いからです。
債券投資

格付け会社とは?その役割を解説

- 格付け会社とは企業や国が資金を調達するため、債券という借用書のようなものを発行することがあります。 この際、投資家はその債券がどれくらい信頼できるのか、つまり、きちんと返済されるのかどうかを判断する必要があります。 このような時に、債券の信頼性を評価するのが格付け会社です。格付け会社は、発行体の財務状況や事業内容、将来性などを分析し、債務を返済する能力を評価します。そして、その結果をAAAやB-といった記号や数字で表し、公表します。これが「格付け」と呼ばれるものです。 格付けが高いほど、その債券は信用力が高く、投資家にとって安心できる投資対象とみなされます。格付け会社は、世界中に数多く存在しますが、特に有名なのは、ムーディーズ、S&Pグローバル・レーティング、フィッチ・レーティングスの3社です。これらの機関は、世界中の企業や政府の債券を評価しており、その格付けは国際的に影響力を持っています。投資家は、格付けを参考に、投資する債券のリスクとリターンを判断します。例えば、高いリターンを求める投資家は、格付けが低くても高い利回りが期待できる債券を選ぶかもしれません。一方、安全性を重視する投資家は、格付けの高い債券を選ぶ傾向があります。このように、格付けは投資家にとって重要な投資判断材料の一つとなっています。
債券投資

外貨建債券:投資の選択肢を広げる

- 外貨建債券とは 外貨建債券とは、日本円ではなく、アメリカ合衆国ドルやユーロなどの外貨建てで発行される債券のことを指します。 債券を発行するのは、外国の政府や企業である場合もあれば、日本の企業が海外市場で資金調達を行う場合もあります。 投資家は、この外貨建債券を購入することによって、外貨建ての利子を受け取ることができます。また、為替の変動によっては、債券を売却する際に、為替差益を得られる可能性もあります。 一方で、投資には常にリスクが伴います。外貨建債券の場合、為替の変動によって、円高になった場合には、元本割れを起こしたり、利子収入が目減りしてしまう可能性も孕んでいます。 そのため、投資をする際には、事前に外貨建債券のリスクや仕組みについて、しっかりと理解しておくことが重要になります。
債券投資

企業の資金調達!社債投資の基礎知識

- 社債とは会社が事業を大きくしたり、新しい設備を導入したりするためには、たくさんのお金が必要になります。この必要な資金を集める方法の一つに、-社債の発行-があります。社債とは、会社が投資家に対して発行する債券のことです。投資家は社債を購入することで、会社にお金を貸すことになります。 会社は集めたお金を事業に投資し、その後、投資家に対してあらかじめ決めていた利息を付けてお金を返済します。社債は「事業債」とも呼ばれ、株式の発行や銀行からの融資と並ぶ、企業にとって重要な資金調達方法の一つです。銀行からお金を借りるよりも低い金利でお金を借りられる場合もあり、企業は状況に応じて使い分けています。投資家にとっては、社債は預貯金よりも高い利回りが期待できるというメリットがあります。ただし、会社が倒産してしまうと、投資したお金が戻ってこないリスクもあります。そのため、投資する際には、会社の業績や財務状況などをよく調べる必要があります。
経済の用語

金融商品と買手責任

私たちは毎日、洋服や食品、家電など、実に様々な商品やサービスを購入して生活しています。日々の買い物において、消費者は商品の品質や価格、デザインなどを比較検討し、納得した上で購入するのが一般的です。これは、民法の原則である「買手が注意する」という考え方に基づいています。つまり、消費者は自身の責任において、商品の価値をよく見極めて購入する必要があるのです。 例えば、スーパーマーケットでりんごを買う場面を想像してみてください。消費者は、りんごの色ツヤや形、傷の有無などを確認し、さらに価格と比較して購入するかどうかを判断します。もし、傷んでいることに気付かずに購入してしまっても、それは消費者が注意を怠った結果であり、原則として販売店に責任を問うことはできません。 ただし、この原則には例外もあります。販売店が商品の欠陥を隠していた場合や、虚偽の説明をして消費者を欺いた場合には、販売店に責任が生じる可能性があります。しかし、このような場合でも、消費者が販売店の説明を鵜呑みにせず、自ら情報収集を行うなど、注意を払うことは重要です。
経済の用語

キャピタル・ロスとは?投資家必見のリスク管理

- キャピタル・ロスをわかりやすく解説投資とは、将来の利益を期待して、お金を運用することです。しかしながら、投資には必ず利益が出るという保証はなく、元本割れのリスクも伴います。そのリスクの一つに「キャピタル・ロス」があります。キャピタル・ロスとは、購入した金融商品を売却する際に、購入時よりも価格が下落していることで生じる損失を指します。例えば、皆さんが1本1,000円のりんごを10本購入したとします。合計で10,000円の支出ですね。その後りんごの価格が下落し、1本700円になってしまったとしましょう。やむを得ず10本全てを売却すると、売却額は7,000円にしかなりません。この場合、最初に投資した10,000円に対して、3,000円の損失が出ていることになります。これがキャピタル・ロスです。投資の世界では、株式や債券、投資信託など様々な金融商品が売買されています。これらの金融商品も、りんごのように価格が変動し、値上がりする可能性がある一方で、値下がりする可能性も秘めているのです。重要なのは、投資には常にキャピタル・ロスが発生する可能性があることを認識しておくことです。投資をする前に、それぞれの金融商品の特性やリスクを十分に理解し、許容できるリスクの範囲内で投資を行うように心がけましょう。
その他

投資と自己責任:その重要性とは?

- 投資における自己責任とは投資の世界では「自己責任の原則」という言葉がよく使われます。これは、株式や債券といった証券への投資は、その判断や結果は投資家自身のものという考え方です。つまり、利益が出ても損失が出ても、すべて自分の責任で受け入れる必要があるということです。投資とは、将来の利益を期待して資金を投じる行為ですが、その未来を完璧に予測することは不可能です。市場の動き、景気、企業の業績など、様々な要素が投資結果に影響を与えるためです。そのため、どんなに経験豊富な専門家でも、100%確実な投資助言をすることはできません。投資判断を行う前に、自身のリスク許容度や投資目標、期間などをしっかりと検討することが重要です。リスク許容度とは、投資でどれだけの損失を許容できるかという心の持ちようのことです。投資目標は、投資を通じて何を達成したいかという目的意識です。投資期間は、投資資金をどのくらいの期間運用するかということです。これらの要素を考慮した上で、自分自身の責任において投資判断を行い、その結果を真摯に受け止めることが、投資における自己責任の原則の根幹です。投資は、自己責任の下で、将来に向けた資産形成を行うための有効な手段となりえます。
経済の用語

投資判断の鍵となるカントリーリスクとは

- カントリーリスクの概要カントリーリスクとは、企業が海外進出を行う際や、海外の資産に投資する際に、その国や地域の政治、経済、社会の不安定性によって生じるリスクを指します。海外との取引や投資は、国内と比べて予測が難しく、予期せぬ事態が発生する可能性も高まります。カントリーリスクを正しく理解することは、海外進出や投資を成功させる上で非常に重要です。カントリーリスクには、具体的に以下のようなものが挙げられます。* -政治リスク- 政変や戦争、テロ、内乱などによって、資産が接収されたり、事業が中断されたりするリスク* -経済リスク- 経済危機や通貨暴落、インフレなどによって、投資資金が毀損したり、収益が減少するリスク* -社会リスク- 宗教や民族、文化の違いなどから生じる紛争や、ストライキなどによって、事業が滞ったり、評判が低下するリスク* -法制度リスク- 法制度の変更や外貨規制などによって、事業活動が制限されたり、利益が減少するリスク* -自然災害リスク- 地震や洪水、台風などの自然災害によって、資産が失われたり、事業活動が中断されるリスク例えば、資源が豊富で人件費の安い新興国に進出する場合、魅力的な投資先に見えるかもしれません。しかし、政権が不安定で、いつクーデターが起きてもおかしくない状況であれば、工場建設などの投資は大きなリスクを伴います。実際にクーデターが起きてしまえば、工場が接収されたり、操業停止に追い込まれたりする可能性もあります。このように、カントリーリスクは多岐に渡るため、海外進出や投資を行う際には、事前に対象国の政治状況、経済状況、社会状況などを十分に調査し、リスクを分析しておくことが重要です。
経済の用語

カウンターパーティーリスクを理解する

- 取引相手の信用リスクとは 金融の世界では、お金を貸したり借りたり、あるいは商品を売買したりと、様々な取引が行われています。そして、こうした取引を行う際には、必ず相手方が存在します。 この時、取引相手が約束通りにお金を返済してくれたり、商品を受け取ってくれたりするかどうかは非常に重要です。もし、取引相手が約束を果たせなくなってしまうと、取引を行った側は損失を被ることになってしまいます。 例えば、会社Aが銀行Bからお金を借りた場合を考えてみましょう。会社Aが事業に失敗し、銀行Bへお金を返済できなくなってしまうかもしれません。これが、取引相手の信用リスク、つまりカウンターパーティーリスクです。 この例では、銀行Bにとってのカウンターパーティーリスクは、会社Aが倒産し、融資の返済が滞ってしまうリスクということになります。 重要なのは、これは会社Aに限った話ではないということです。銀行Bがお金を貸す相手、会社Aが商品を販売する相手、あらゆる金融取引において相手方が存在する以上、カウンターパーティーリスクは必ずついて回ります。 そのため、金融取引を行う際には、相手方の財務状況や事業内容などを十分に調査し、リスクを把握しておくことが重要になります。
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投資にはつきもの?価格変動リスクを理解しよう

- 価格変動リスクとは? 投資の世界では、あらゆるものが価格の変動にさらされています。株式、債券、投資信託、不動産など、これらの資産の価格は、経済状況、企業の業績、市場心理といった様々な要因に影響を受け、常に変動しています。 価格変動リスクとは、まさにこの価格の上がり下がりによって、将来売却する際に、購入時よりも価格が上がっているか、あるいは下がってしまっているか分からないというリスクを指します。 例えば、100万円で購入した投資信託が、一年後に120万円に値上がりすれば利益になりますが、逆に80万円に値下がりしてしまうと損失が発生します。これが価格変動リスクです。 価格変動リスクは、投資をする上で避けて通れないリスクです。特に、短期間で価格が大きく変動する可能性のある投資ほど、価格変動リスクは高くなります。投資をする際には、価格変動リスクを十分に理解し、どれだけの損失の可能性を受け入れられるのか、自分のリスク許容度を把握しておくことが重要です。
経済の用語

エマージング・マーケットへの投資

- エマージング・マーケットとは エマージング・マーケットとは、日本語で「新興市場」と訳され、発展途上でありながらも、高い経済成長を遂げ、将来的に先進国になる可能性を秘めている国や地域の市場のことを指します。具体的には、中国やインドをはじめとするアジア諸国、ブラジルやメキシコなどの南米諸国、ロシアやポーランドといった東欧諸国などが挙げられます。 これらの国々は、豊富な労働力や天然資源を背景に、近年目覚ましい経済発展を遂げています。製造業やサービス業などの産業が急速に成長し、それに伴い人々の所得も増加傾向にあります。また、インフラ整備や教育機関の拡充なども進み、経済発展の基盤を着実に築きつつあります。 エマージング・マーケットは、その高い成長性から、投資先としても注目されています。株式や債券など、様々な金融商品が市場に供給され、世界中の投資家から資金が集まっています。ただし、政治体制が不安定であったり、経済状況が変動しやすかったりするなど、投資に伴うリスクも存在します。そのため、エマージング・マーケットへの投資は、事前に十分な情報収集とリスク分析を行うことが重要です。
経済の用語

資産価値を守り抜く!インフレリスク対策入門

近年、ニュースなどで「インフレ」という言葉をよく耳にするようになりましたね。これは、身の回りの商品やサービスの価格が継続的に上昇していく経済現象のことです。そして、このインフレが進むことで、私たちの大切な資産価値が目減りしてしまうリスクが潜んでいます。それが「インフレリスク」です。 例えば、今あなたが100万円の預金を持っているとしましょう。銀行の金利が年0.1%だとすると、1年後には100万1000円になります。しかし、もし同じ間に物価が2%上昇したとしたらどうでしょうか。以前は100万円で購入できていた商品やサービスが、102万円出さなければ買えなくなってしまいます。これはつまり、預金の利息よりも物価上昇率の方が高くなってしまっている状態を意味し、実質的には99万9000円も資産価値が減ってしまったことになるのです。これが、インフレリスクの恐ろしさです。 インフレは私たちの生活に少しずつ、しかし確実に影響を及ぼしていきます。気が付かないうちに資産価値が目減りしていく可能性もあるため、注意が必要です。
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投資効率を測る!インフォメーションレシオ入門

お金を運用する上で、より大きな利益を得たいと考えるのは当然のことです。しかし、高い収益の可能性を追求する裏側には、その分だけ損失を抱えてしまうリスクも潜んでいることを忘れてはいけません。大切なのは、やみくもに危険を冒すのではなく、リスクとリターンのバランスを意識することです。 では、どのようにそのバランスを見極めれば良いのでしょうか?そこで参考にしたいのが「情報比率」という指標です。情報比率は、投資によって得られる超過収益とリスクの関係性を数値化したものです。情報比率が高いほど、少ないリスクで大きなリターンを得られる可能性を示唆しています。 情報比率を活用すれば、それぞれの投資対象が持つリスクとリターンのバランスを客観的に比較検討することができます。過去のデータや市場の動向を分析し、情報比率を参考にしながら、自身のリスク許容度に合った投資先を選択することが、堅実な資産運用への第一歩と言えるでしょう。
指標

投資のリスク指標:市場感応度を理解する

投資を行う上で、市場全体がどちらの方向へ向かっているのか、そして自身の投資とどう関係してくるのかを把握することは非常に大切です。 市場全体が上昇傾向にある時は、多くの投資対象が値上がりしやすいため、自身の投資も利益を出しやすい状況と言えます。 反対に、市場全体が下降傾向にある時は、多くの投資対象が値下がりするため、損失を被るリスクが高まります。このような市場環境を「リスクオン」「リスクオフ」といった言葉で表現することもあります。 自身の投資が、市場全体の動きにどの程度影響を受けるのかを示す指標として、「市場感応度」があります。これは、市場が1%上昇した時に、自身の投資が何%上昇するかを表す数値です。市場感応度が高い投資は、市場の影響を大きく受けやすく、市場が上昇すれば大きな利益を得られますが、下降すれば大きな損失を被る可能性があります。 市場の動きと投資成果の関係を理解し、市場感応度を意識しながら投資を行うことで、リスクをコントロールし、より効果的に資産を増やせる可能性があります。
指標

外貨預金で勝つ!シャープレシオのススメ

- 外貨預金とリスク外貨預金は、円預金と比べて高い金利が魅力ですが、その一方で注意しなければならない点もいくつかあります。最も注意すべき点は、為替変動リスクです。預け入れ時よりも円高になってしまうと、受取時の円換算額が減ってしまうため、元本割れの可能性もあります。例えば、1ドル100円の時に1万ドル預けたとします。満期時に1ドル90円になっていれば、受取時の円換算額は90万円となり、元本割れを起こしてしまいます。また、為替手数料も重要な要素です。外貨預金は、円を預け入れる際に外貨に交換し、受取時に再び円に交換する必要があります。この際に為替手数料が発生します。金融機関や通貨ペアによって手数料は異なりますが、この手数料も考慮に入れておかないと思わぬ損失につながる可能性があります。外貨預金は、円預金よりも高い金利で運用できる可能性を秘めている一方で、為替変動による元本損失のリスクも伴います。そのため、余裕資金で運用する、分散投資の一つとして考えるなど、リスクとリターンをしっかりと理解した上で、自身の資産状況や投資目標に合致しているか慎重に判断することが重要です。
FX

海外投資と為替リスク:資産を守るために

近年、資産運用の一環として海外投資に注目が集まっています。国内投資と比較して、なぜ海外投資が魅力的なのか、その理由を探っていきましょう。 まず挙げられるのが、高い収益を期待できる点です。日本は長らく低金利が続いており、預貯金や国内債券だけでは大きな利益を見込むことが難しい状況です。一方、海外には成長著しい国や企業が存在し、投資対象として魅力的な選択肢となっています。 また、投資先の選択肢が幅広いことも魅力です。新興国に投資をして高い成長性を狙ったり、先進国の安定した市場で堅実な運用を目指したりと、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて自由に選択することができます。 さらに、為替変動を利用することで、円高時には外貨建て資産の価値が上昇するメリットもあります。円安時には円換算した際に目減りするリスクもありますが、分散投資の一環として海外資産を持つことで、リスクヘッジ効果も期待できます。
経済の用語

迫りくる財政の崖:フィスカルクリフとは?

「フィスカルクリフ」という言葉を耳にしたことはありますか?経済ニュースなどで見聞きしたことがある方もいるかもしれません。これは、まるで崖っぷちに立たされ、一歩間違えれば大きな谷底へ転落してしまうような、危機的な経済状況を比喩的に表す言葉です。 特に、2013年以降、アメリカ経済が抱えていた危機を象徴する言葉として世界中で注目を集めました。当時、アメリカでは、減税措置の期限切れと、同時に進められていた歳出自動削減が重なることで、急激な財政引き締めが行われることが懸念されていました。もし、このタイミングで適切な経済対策が取られなければ、アメリカ経済は景気後退に陥り、世界経済にも大きな悪影響を及ぼす可能性があったのです。 この「フィスカルクリフ」という言葉は、経済の崖っぷちという状況を分かりやすく伝えることで、人々の危機感を高め、政治的な行動を促す効果がありました。実際に、アメリカ議会はこの問題の深刻さを重く受け止め、最終的には期限ギリギリで妥協案を成立させました。 このように、「フィスカルクリフ」は、経済状況を端的に表現するだけでなく、その背後にある問題点やリスクを浮き彫りにし、人々の行動を促す力を持った言葉と言えるでしょう。
債券投資

劣後債:ハイリスク・ハイリターンの投資対象

- 劣後債とは?会社が発行する債券には、返済の順番が決められているものがあります。この順番を「弁済順位」と呼びますが、劣後債とは、他の債券よりも弁済順位が低い債券のことを指します。 会社が倒産した場合、まずは銀行からの借入金や従業員への給与など、優先的に返済されるべき「優先債権」が支払われます。その後、残った財産でようやく劣後債の返済が始まるのです。優先債権と比べて返済順位が低いということは、それだけ元本が返ってこないリスクが高いことを意味します。言い換えれば、投資家にとってはハイリスク・ハイリターンの投資対象と言えるでしょう。では、なぜ劣後債は発行されるのでしょうか?それは、会社にとって資金調達手段の幅を広げることができるからです。劣後債は利回りが高い分、投資家にとっては魅力的な投資先となります。そのため、会社は通常の社債よりも有利な条件で資金を調達することが可能となります。しかし、投資家は劣後債の高いリスクを十分に理解しておく必要があります。 発行会社の業績や財務状況などを慎重に見極め、投資するかどうかを判断することが重要です。
債券投資

AMBACってどんな会社?金融保証の役割を解説

- AMBACの概要AMBAC(アムバック)は、正式名称をアムバック・アシュランス・コーポレーションと言い、アメリカ合衆国に拠点を置く金融保証会社です。 金融保証会社とは、債券やローンといった金融商品に対して、元本や利子の支払いを保証する会社のことを指します。 AMBACは、数ある金融保証会社の中でも、特に「モノライン」と呼ばれる種類に分類されます。モノラインとは、特定の種類の金融商品に特化して保証を提供する会社のことを言います。例えば、地方債や住宅ローン担保証券といった特定の分野に焦点を当てて保証業務を行っています。 金融機関が発行する債券やローンに対してAMBACが保証を付けることにより、投資家はより安心して投資を行うことができるようになります。万が一、発行体が債務不履行を起こした場合でも、AMBACが投資家に代わって元本や利息を支払うためです。このように、AMBACは、金融市場において投資家と発行体の橋渡し役を担い、市場の安定に貢献しています。
株式投資

投資前に知っておきたい「整理銘柄」とは?

株式投資は企業の成長や収益を期待して行いますが、時には思いもよらない事態に見舞われることがあります。それは、保有している株式が証券取引所での売買対象から外れてしまう「上場廃止」です。 企業が上場廃止となる理由は様々ですが、共通しているのは投資家にとって大きな痛手となる可能性があるということです。 上場廃止の主な要因としては、業績の悪化が挙げられます。度重なる赤字や債務超過に陥ると、企業の存続自体が危ぶまれ、市場からの信頼を失墜させてしまうためです。また、不祥事の発覚も上場廃止に繋がるケースがあります。粉飾決算やインサイダー取引など、企業のコンプライアンス違反は投資家の不信感を招き、株価の暴落を招く恐れがあります。 上場廃止が決定すると、その銘柄は「整理銘柄」に指定され、投資家は売買を行うことができなくなります。その後、上場廃止基準に従って取引が再開されることもありますが、株価は大幅に下落しているケースがほとんどです。そうなれば、投資家は多大な損失を被ることになりかねません。 株式投資を行う上で、上場廃止のリスクは常に念頭に置いておく必要があります。