経済を動かす見えざる手:一般均衡理論
私たちは毎日、何気なく買い物をして暮らしています。スーパーマーケットに並ぶ野菜や果物、コンビニエンスストアで売られている飲み物やお菓子、デパートで目にする美しい洋服や宝飾品。これらの商品は、当たり前のように私たちの手の届くところにあります。しかし少し立ち止まって考えてみてください。なぜこれらの商品は、必要な時に、必要なだけ、お店に並んでいるのでしょうか?
その裏には、「需要と供給」という、経済の複雑な仕組みが大きく関わっています。例えば、ある日突然、りんごが大好きな人が増えたとします。すると、りんごの需要は増加しますが、供給が追い付かないため、りんごの値段は上昇します。逆に、天候不順でりんごが豊作になると、今度は供給が需要を上回り、りんごの値段は下落します。このように、商品の値段は、需要と供給のバランスによって、常に変化しているのです。
そして、この需要と供給の関係は、りんごやみかんなどの個別の商品だけでなく、経済全体にも大きな影響を与えます。経済全体における需要と供給のバランス、そしてその変化を分析するのが、「一般均衡理論」と呼ばれる経済学の重要な理論です。一般均衡理論は、複数の市場における需要と供給の関係を分析することで、経済全体の動きを理解しようと試みます。これは非常に複雑な分析ですが、経済の仕組みを理解する上で、欠かすことのできないものです。